2020年6月の入管の統計によると、42万人以上のベトナム人が日本で生活・仕事・留学をしており、その数は在日中国、韓国人に次いで3番目(日本に住む外国人全体の14・6%)です。在日ベトナム人の多くは技能実習生や留学生、高度人材(高度専門職)ですが、日本人と結婚して「日本人の配偶者等」という在留資格で暮らすベトナム人も4,758人います。
http://www.moj.go.jp/isa/content/930006222.pdf
KOKORO編集部は、日本人と結婚して日本に住んでいるベトナム人女性14人に国際結婚のメリットとデメリットについて聞いてみました(14人のうち8人が40代、3人が30代です)。
日本人と結婚するまでに多くのハードルがあります。回答の中で多かったのは次のような項目です。
✔ 両親の反対
✔ 故郷を離れ、住み慣れない国(日本)に行かなければならない
✔ 今の仕事を辞めなければならない
✔ 結婚に関する手続きが非常に複雑
「故郷を離れなければならない」を挙げた人が半数を占め、遠い外国で長く暮らしていくことが、日本人と結婚しようと決意する人たちに共通する悩みのようです。次に、「結婚後の悩みごと」についても聞いてみました。彼女たちの苦労や悩みをさらに詳しく見ていきましょう
✔ 友だちが少ない
✔ 言葉の壁
✔ 日本人との考え方の違い
✔ 文化、習慣、食事の違い
✔ 子育ての違い
最も多かったのは「友だちが少ない」でした。日本社会には近所の外国人とよく交流するという習慣があまりありません。そのため、日本人と顔見知りになろうとおしゃべりしたり、遊んだりといった交流が非常に難しいのです。「文化・習慣の違い」や「言葉の壁」に悩む人も多く、「友だちが少ない」問題の背景になっていると思われます。
悩ましいこともある一方、日本で生活することには多くのメリットもあり、外国人花嫁が桜の国・日本に住み続けたいと思わせてくれる要素もたくさんあります。100組の日越国際カップルを対象とした別のアンケートでは、半数以上が「環境の整った日本での暮らし」や「日本の食事」(日本の食材は衛生的で安心して食べられる)を挙げていました。また「個人の自由を尊重する習慣」や「他人に気兼ねする必要がない」を気に入っているベトナム人も多く、こういったメリットが日本人との結婚を後押しする要因になっているようです。
それでは、日本での結婚生活をよくしていくにはどうしたらよいのでしょうか。今回の調査で多くの人が次のような回答をしています。
✔ 日本語をもっと勉強する
✔ 日本の習慣や文化を理解するため、日本人の友だちを作る
✔ 何でも話せるベトナム人の友だちをつくる
✔ インターネットや本で情報を収集する
✔ 地元の団体に所属したり活動に参加したりする
✔ 配偶者とよく話をし、率直に意見を交換し合う
私が国際結婚のカップルを見ていて思うのは、一番のかぎはやはり日本語能力です。言葉を知らなければ相手が何を言っているのか理解できませんし、自分の考えも伝えることができません。そこで、日本語のニュース番組を毎日見て勉強したり、日本人の友だちを作って交流したりして、日本語能力や日本社会への理解を高めていくことが大事です。
最近は、日本に関する豊富な情報をインターネットでベトナム語で入手できますし、日本で活動するベトナム人コミュニティやグループのSNSもたくさんありますので、それらも活用しましょう。
最近の日本では、両親が子ども夫婦の暮らしに干渉することはあまりありません。
私の場合は、結婚してすぐ、夫の両親に「日本に長年住み、今も文化や習慣を理解しようと頑張っていますが、まだまだわからないことも多くあります。いろいろ教えてください」とお願いしました。そのため、義理の母が伝統行事で必要なものをいつも教えてくれます。例えば5月5日は日本では子どもの日ですが、子どもの健康や幸せを願ってショウブの葉をお風呂に入れてつかる習慣や、真夏に暑気払いにウナギを食べることなどです。
また、子どもが小さいころ、遠方に通勤する私の代わりに夫の両親が子どもを幼稚園まで連れて行ってくれるなど、何かとサポートしてくれました。
最後に、私が考える「日本人家族と仲良くなる秘訣」をご紹介します
✔ 義理の両親を自分の両親と思って接する
✔ 知らないことやわからないことがあれば、すぐにたずねる
✔ 相手がなぜその行動に出たのか、常に相手の立場に立ち考える
✔ 何かうしろめたい気持ちがあれば、自分からまず先に謝る
✔ 礼儀正しく、時間を守り、大声を出さない
✔ その場にふさわしい服装を心掛ける
✔ お金についてはいつも明確にしておく
このブログが、後輩の国際カップルの結婚生活のお役に立てれば幸いです。
※巻末に日本で家族生活を送る上で参考になる「関連記事」を紹介していますので、そちらも参考にしてください。
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WA.SA.Bi.
技能実習の3年間でJLPT・N3やN2を取れば、将来の就職に有利です。日本各地に無料日本語教室があります。
技能実習先の会社の先輩と国際結婚し、夫の実家に住む女性。夫の母からかわいがられ、一緒に買い物やティータイムを楽しむ日々を送る。
日本で働く夫と同居するために来日。最初は友だちが少なかったが、ボランティア日本語教室や日本語学校で日本語を磨いてからは日本人のママ友もたくさんできた。
日本語初心者の妻を日本に呼び寄せ、最初は苦労したが、親切な日本人や無料日本語教室のベトナム人仲間に支えられた。