大阪や周辺の行政や教育機関でつくる「留学生支援コンソーシアム大阪」という団体が外国人留学生約1,000人に対し留学生活についてアンケートを行いました。その結果、留学2年目で6割以上の留学生が日本語能力試験(JLPT)でN3以上を取得していること、ベトナム人留学生が住宅を探す際には仲間に頼るケースが多いこと、この1年余り、新型コロナの影響で苦しんだ学生が多かったことなどがわかりました。
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このアンケートには、関西エリア(大阪府とその周辺)にある34大学、18大学院、専門学校23校、日本語学校14校の外国人留学生が回答しました。
【回答した留学生:976人】
・国籍:中国人443人、ベトナム人282人、台湾人61人、韓国人49人など(21カ国)・教育機関:大学48%、専門学校26%、大学院16%、日本語学校10%
大学生と大学院生が6割以上を占めることもあり、訪日1年目でもN1かN2を取得している人が51%いました。これは、母国の大学や日本語学校で日本語を長期間学んでから来日したケースが多いからだと考えられます。
ベトナムの日本語学校から日本の大学に直接入学した先輩
大学の留学生に、どういう学校から日本の大学に進学したかを聞いたところ、51%が日本にある日本語学校からで、母国の日本語学校から直接進学した人も6人(1%)いました。
従来、日本の日本語学校から専門学校を経て大学に進学するか就職するケースが多数でした。しかし、今回の結果では、日本語学校から専門学校を経ずに大学に進んだケースが多く見られました。日本語学校の2年間だけで大学に行くには、母国で日本語学習をしっかりやってから訪日することが大事です。
また、訪日して最初から大学で留学するケースもあり、KOKOROの体験談でも紹介しています。N2以上であれば、最初から日本の大学で留学できます。大学入試に合格する必要がありますが、留学生向けの入試で、日本人向けの入試とは内容が違います。
external link ベトナムの日本語学校から日本の大学に進んだ先輩の体験談
external link ベトナムの高校から日本の大学に進んだ先輩の体験談
ベトナム人留学生に日本での部屋探しを何に頼ったか聞いたところ、「知人」が38%、「物件サイト」が29%、「日本の不動産業者」が22%でした。
留学生全体では「物件サイト」に頼った人が一番多いのですが、ベトナム人の場合は、関西にはベトナム人がとても多いので先輩や仲間に頼る割合が大きいようです。
ベトナム人留学生に日本で部屋を探す際に困ったことを聞いたところ、「家賃が高い」「保証人を求められた」「外国人が入居できる部屋が少ない」を挙げた人がたくさんいました。
大阪の家賃は東京に比べると安いですが、全国平均よりは高いです。ただし、エリアを上手に選べば安く住める部屋も見つかります。また、留学生同士で部屋をシェアするケースも多いです。
日本での部屋の探し方や注意点については、KOKOROの特集ページで詳しく解説しています。
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ベトナム人留学生たちに関西での留学の満足度について聞いたところ、
・かなり満足:31%・まあ満足:40%・普通26%・少し不満3%
となり、7割以上が留学に満足しているという結果でした。
とはいえ、外国留学に困難はつきものです。彼らに住宅探し以外で日本で困っていることを聞いたところ、「日本語学習」「経済的なこと」「アルバイトのこと」などを挙げる人が多くいました。
困っていることの具体的な内容としては、
「新型コロナの影響でアルバイト時間が減り、生活費や学費を払えない」
「新型コロナの影響でリモート授業が中心となり、仲間と交流できなくてさびしい」
「日本語で話す機会が少ないから日本語能力が上がらない」
など、新型コロナの影響による苦境を訴える声が多数でした。
大学生・大学院生からの回答が多かったこともあり、留学2年目で49%、3年目で65%の外国人留学生がJLPT・N2以上を取得していました。これは、大阪に良い日本語学校が多いこととも関係があるかも知れません。
また、新型コロナの影響もあって不便な留学生活を送る人が多いようです。しかし、それでもベトナム人留学生の7割以上が留学に満足していました。大阪(関西)で留学してよかった理由については、「人がやさしい・親切」「生活がとても便利」「友だちができた」などを挙げる声が多くありました。
「人情の町・大阪」を中心とする関西の留学生へのアンケート結果を紹介しました。
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