生活・ビザ
海外送金サービスで送金すると、なぜ銀行で送金するより得なのか?
家族に送金するために日本で働くベトナム人がたくさんいます。皆さんはどの送金会社を使うのが一番得か知っていますか? 日本からベトナムへの送金について、知らないと損をする情報を紹介します。
<このページの内容>
1. 海外送金のさまざまな方法と違い
近親者や友人に頼む
もうすぐ日本からベトナムに帰る親せきや友人がいれば、その人にお願いして家族にお金を渡してもらうことができます。この場合、手数料などもかからず、簡単に送金できることになります。ただ、そのような都合のよい状況がいつもあるとは限りません。
※100万円を超える現金や小切手などを日本から外国に持ち出すときには、日本の税関に申告書を提出しなければなりません。
※ベトナムに入国するときも、現金5,000ドル以上かそれに相当する他の外貨を所持している場合や15,000,000 VND以上を所持している場合は、ベトナムの税関に申告しなければなりません。
銀行、ゆうちょ銀行
一般の銀行やゆうちょ銀行を使うのは昔ながらの方法ですが、個人の送金手段としては、今はメジャーではありません。手数料が高いためです。送金の際に受取人のアカウント情報を漏れなく記入する必要もあります。銀行名、銀行の支店名、支店の住所、SWIFTコード、口座名義、口座番号、口座名義人の住所などです。また、窓口での待ち時間もあり、全体に時間が長くかかります。
◎ 銀行での送金手数料が高いのは、下記の要素が含まれるためです。
① 送金手数料=送金窓口の銀行の収入
② 受取手数料=お金を受け取る銀行の収入
③ 中継銀行手数料=送金窓口と受取窓口を中継する銀行の収入。中継銀行が多いほど手数料の合計が高くなります。
④ 銀行独自の為替レート=銀行がお金を送金先の現地通貨に両替する際、その銀行が独自に設定したレートで両替をします。このため、本来の為替レートとの差額が生まれ、銀行の追加収入になります。
海外送金サービス会社
現在、個人が海外に送金する際は、海外送金サービス会社(資金移動業者)を使うのが一般的です。ベトナム人スタッフが手伝ってくれる会社もあり、楽に確実に送金できます。海外送金サービス会社には、KYODAI Remittance、SBI Remit、DCOM、Wiseなどがあります。銀行と比べて手数料が安い上、送金手続きにかかる時間が短く、送金先の金融機関に入金されるまでの時間も短いという利点があります。
送金手数料、ベトナムで受け取るときの金融機関の種類や数、受け取る際の手数料、送金にかかる日数などが、会社によって違いますが、一般に銀行より安い手数料で送れます。近くに店舗がない場合は、Webサイトから申し込んで送金カードを作成し、ゆうちょ銀行やコンビニなどのATMで送金することもできます。
◎ 海外送金サービスのメリット
①100万円以下であれば、海外送金サービス会社の送金サービスを、ゆうちょ銀行やコンビニ、旅行代理店、インターネットなどで利用することができます。
②送金窓口と現地の受け取り窓口の間に入る中継銀行をできるだけ減らすことで、全体の手数料を少なくし、入金までの時間も短縮します。
③銀行口座を作れない人でも送金することができます。
2. 海外送金は、結局どこを使うべきか?
銀行か海外送金サービス会社か?
100万円以下の送金なら、ズバリ、海外送金サービス会社がお得です!手数料の安さ、速さ、便利さ、安全性のすべてを兼ね備えています。
送金額や送金先の国によって異なりますが、100万円以下の場合、一般の銀行なら3,000~4,000円の手数料がかかり、お金を受け取るときも現地の金融機関で手数料を取られます。一方、海外送金サービス会社なら、だいたい800~2,000円の手数料で済みます。
海外送金の手数料比較
それでは、海外送金サービス会社を利用して日本からベトナムに送金する場合、ベトナムで受け取る金額は、銀行で送金する場合と比べて、どれぐらい違うのでしょうか?
これは、Wiseのウェブサイトで計算した受取額です。10万円をWiseで送金すると、ベトナムでの受取額は16,398,250 VND(2024年1月28日現在)。一方、楽天銀行を使って送金すると、受取額は15,216,964 VNDで、1,181,286 VNDも違います。日本の伝統的な大銀行から送ると、受取額はもっと小さくなります。
KYODAIやSBI、DCOM、Wiseといった海外送金サービスを使った場合は、このように銀行より受取額が大きくなります。これは、銀行よりも手数料が安く、為替レートも良いからです。
海外送金サービス会社のサイト
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★基本情報=銀行口座と郵便局
日本で働く人も勉強する人も、来日したら、早い時期に銀行や郵便局に行って口座を開設しますね。たいていは会社や組合の人、学校の人が一緒に行ってくれますが、口座開設の手続きや口座の取り扱いについて皆さんも知っておきましょう。特に、だれかに頼まれてキャッシュカードを売ったりあげたりすると、大きな犯罪に悪用されますので、それについても説明します。 <このページの内容> 銀行口座 1.銀行口座を開設する 2.銀行口座を売る(譲る)のは犯罪です! ・キャッシュカード・通帳の売買・譲渡は犯罪です ・譲った口座は何に使われるのか ・たった一度の口座売買で有罪判決! ・帰国前に口座を解約しよう ・口座売買にからむベトナム人の犯罪事例 郵便局 1. 日本の郵便局は万能機関 銀行口座 1. 銀行口座を開設する 銀行の窓口で口座開設の手続きができます。銀行によっては郵送やインターネットでも手続きができます。通常、キャッシュカードは後日、自宅に郵送されます。 銀行口座を開設するときは、次の書類を持って銀行に行ってください。 ❶ 本人確認書類(在留カード、パスポートなど) ❷ 印鑑(サインでもOKの銀行もあります) ❸ 社員証や学生証(持っていないときは会社や学校の人に一緒に行ってもらってください) ※日本語でのコミュニケーションに不安がある場合は、職場や学校の人、友人に一緒に行ってもらって通訳をお願いしてください。 2. 銀行口座を売る(譲る)のは犯罪です! 帰国などによって銀行口座を利用しなくなる場合は、銀行窓口で口座を必ず解約してください。 銀行のキャッシュカードや通帳を売ったり譲ったりすると、犯罪になります。その口座は100%、犯罪や違法行為に使われますので、絶対に譲渡しないでください。 キャッシュカード・通帳の売買・譲渡は犯罪です 日本在住のベトナム人向けに不法就労をあっせんしたり、銀行口座や身分証などの違法取引を誘因したりするためのFacebookページがいくつもありますが、利用してはいけません。こうしたページは犯罪の温床になっており、警察も投稿内容をチェックしています。 悪徳業者や不法滞在者は不要になった口座のキャッシュカードや通帳を買い取ります。しかし、銀行口座(キャッシュカード・通帳)を売買したり譲ったりすると、犯罪になります。その口座が犯罪に悪用されると知らなかったとしても、罪になります。 罪名 : 犯罪収益移転防止法違反 罰則 : 1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方 ・口座を売買したり、あげたりすると、犯罪になります。 ・帰国などによって不要になった口座は必ず解約しましょう。 ・通帳やキャッシュカードを紛失した場合は、すぐに口座を停止してもらいましょう。 譲った口座は何に使われるのか 譲った口座は100%、犯罪や違法行為に利用されます。それは、口座を譲った人が犯罪を助長することを意味します。 「オレオレ詐欺」などの犯罪に利用 日本では反社会的組織が銀行口座を設けることはできません。犯罪グループが買い取った口座はこうした組織などに転売され、特殊詐欺の振込口座やマネーロンダリング、ヤミ金融の資金口座など犯罪に利用されます。「特殊詐欺」の代表的なものは、おじいさん・おばあさんをだまして大金を振り込ませる「オレオレ詐欺」です。 犯罪グループや悪徳業者自身も口座を悪用 口座を買い取ったグループや業者は口座を自分でも犯罪に利用します。例えば、SNSで「航空券を安く販売します」と呼びかけ、メッセージを交換してお金を振り込むと、相手と連絡が取れなくなる詐欺被害がよくあります。昨今、こうした詐欺犯罪に利用される口座は、いずれも不要になった口座を違法に買い取ったものです。 不法滞在者が悪用 不法滞在者は偽造在留カードを使って不法就労をすることがあります。その際に給料の振込口座が必要な場合がありますが、有効な在留カードを持っていないため自分の口座を作ることができません。犯罪グループはこのような不法滞在者向けに他人の通帳やキャッシュカードを転売することもあります。不法滞在者が口座の名義人とSNS上で連絡を取り合い、直接買い取ることもあります。 たった一度の口座売買で有罪判決! 他人に口座を使わせるために自分名義で銀行口座を開設し、それを転売したり譲ったりすると、それも犯罪です(詐欺罪)。 ・銀行で口座を作って転売する。 ・その口座が詐欺などの犯罪の振込口座に使われる。 ・被害者が警察に届けて犯罪が発覚し、容疑者が摘発される。 ・警察は口座の名義人にも事情を聴く。 こうした場合、口座を売った人は警察に「私は通帳やキャッシュカードを紛失しただけです」と説明するかもしれません。しかし、口座開設後の入出金記録はすべて警察に把握されるので、不自然な入出金がくり返されていると厳しく調べられます。 他人が使う前提で口座を開設することは違法です。 たった一度口座を売って10,000円の謝礼をもらっただけで、その口座が大きな犯罪に利用されたことから、「銀行をだまして口座を開設した」として詐欺容疑で逮捕され有罪になった人もいます。 帰国前に口座を解約しよう 帰国するなどの理由で不要になった身分証や銀行口座を売ったり譲ったりすると、それらが犯罪や違法行為に使われます。不要になった口座は必ず銀行で解約してください。口座を売買する犯罪については、売買した人が日本から出国すると時効が停止しますので、その後、日本に戻ってから罪に問われることもあります。 口座売買にからむベトナム人の犯罪事例 ★不法残留者向け互助サイト運営か/ベトナム人男を逮捕(2020年10月) SNSに「通帳やカードを売りたい人いますか?」などと投稿したとして、愛知県警は岡崎市の無職のベトナム人の男(24)を犯罪収益移転防止法違反の疑いで逮捕。この男は偽造在留カードなどを売買するためのSNSを運営していたとされ、買い取った通帳やキャッシュカードを不法滞在のベトナム人に転売していたとみられている。男の自宅から偽造の在留カードや運転免許証など123点が押収された。 ★通帳・カード譲渡容疑のベトナム人逮捕(2020年8月) 神奈川県警は東京都に住むベトナム人の男(21)を犯罪収益移転防止法違反の疑いで逮捕。32,000円を受け取る約束で、自分名義の預金通帳1通とキャッシュカード1枚をベトナム人の男に譲り渡したとされる。 ★SNSで口座売買勧誘/ベトナム人の男7人逮捕(2020年6月) SNS上で銀行口座などの売買を勧誘したとして、神奈川県警はベトナム国籍の男7人を犯罪収益移転防止法違反などの疑いで逮捕した。グループのアジト2カ所(東京)から、預金通帳467通やキャッシュカード637枚が押収された。買い取った口座の一部が特殊詐欺に使われたことも判明。 ★ 自分の口座を他人に使わせたとして逮捕(2023年) 埼玉県警は2023年、「生活費の入出金に使う」と説明して銀行口座を開設したのに、実際は他人に使わせていたとして、新潟市に住むベトナム人留学生(22)を詐欺の疑いで逮捕した。銀行をだましたので詐欺になる。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 「簡単にお金がもうかる仕事」で逮捕された5つの実例|KOKORO 郵便局 1.日本の郵便局は万能機関 日本の郵便局と郵便ポストのマークは「〒」で、赤色を基調としています。 日本の郵便局は「ゆうちょ銀行」と一体になっており、郵便窓口・銀行・保険会社の機能があります。 【郵便局でできること】 ❶ 手紙・はがきや荷物の送付(海外にも送れます) ❷ 貯金、送金、公共料金などの振り込み ❸ 生命保険への加入 ※生命保険は他の生命保険会社でも加入できます。 ※公共料金は引き落としにすると便利です。また、毎月コンビニで支払うこともできます。
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意外と知らない「在留カード」
在留カードを貸したり借りたりしてはいけません。偽造・変造された在留カードも買ってはいけません。違反すると、強制帰国の対象になる場合もあります。〈弁護士法人Global HR Strategy弁護士・杉田昌平〉 在留カードの携帯義務 在留カードを交付される人 3カ月以内の滞在者などを除き、日本で働いたり留学したりする外国人には在留カードが交付されます。入管法の決まりで、在留カードは常に持ち歩かなければなりません。そして、警察官から在留カードを見せるように求められたら、見せなければなりません。 ◎在留カードの不携帯→罰金(20万円以下) ◎警察官などから求められても在留カードを見せなかった場合→懲役(1年以内)か罰金(20万円以下) 在留カードをなくしたとき 在留カードをなくしたら、それに気付いた日から14日以内に近くの入管で再交付を申請してください。 住所が変わったとき 住所などが変わった場合は、新しい住所の市区町村の窓口に14日以内に届出を行い、その際に在留カードも持参してください。 在留カードを貸してはいけません 有効な在留カードを持っていない人から「仕事の面接や病院に行くために在留カードを貸してほしい」とお願いされることがあるかもしれません。しかし、在留カードを貸すことは入管法で禁止されています。人助けのためにと思っても、在留カードを貸すと、犯罪になってしまいます。 ◎自分の在留カードを他人に貸す→懲役(1年以下の懲役)か罰金(20万円以下) ◆在留カード悪用の実例 ・不法残留の外国人が日本で働き続けるために知人の在留カードのコピーを職場に提出→本人も在留カードを貸した人も逮捕 ・他人の在留カードのコピーを病院に提出して手術を受け、費用を払わずに連絡を絶つ→同様の事例が多数報告されています。この場合、カードを貸した人も罪になります。 在留カードを借りてはいけません 他人の在留カードを借りることも法律違反(犯罪)になります。貸してくれた人にも迷惑をかけてしまいます。 ◎何かに使うために他人の在留カードを持つ、使う→懲役(1年以下)か罰金(20万円以下)に加え、強制的に帰国させられる原因にもなります。 偽造・変造された在留カード 技能実習で受け入れ先の会社から逃げ出した場合や、留学の在留期間が終わっても日本に残っている場合などは、有効な在留カードを持てないことがあります。その場合、仕事もできず、病院にも行けないので、偽造在留カードが売られている情報をSNSなどで見ると、買いたくなるかもしれません。しかし、それは犯罪になります。 ◎偽造・変造された在留カードを何かに使うために持つ→重い罪:懲役(5年以下)か罰金(50万円以下)に加え、強制的に帰国させられる原因にもなります。 ◎偽造・変造された在留カードを使う→非常に重い罪:懲役(1年以上10年以下)に加え、強制的に帰国させられる原因にもなります。 行き詰まる前に相談を 在留カードを偽造・変造することや、そのような在留カードを持つことは犯罪です。偽造・変造された在留カードを買わないでください。そのような在留カードを買わずに済むように、失踪したり在留期間が満了したりする前に、行政や弁護士会などに相談しましょう。 技能実習生の場合は、困ったことがあれば、まず監理団体(組合)に相談してください。それでも解決しない場合は、外国人技能実習機構(OTIT)にメッセージを送りましょう。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] OTITの母国語相談サイト 一度の相談で解決しなくても、あきらめたり失踪したりせず、違う団体に相談してください。 日越ともいき支援会(E-mail) n.tomoiki@gmail.com ※働く人も留学生もOK [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 外国人実習生SNS相談室(Facebook) まとめ 在留カードにはたくさんの決まりがあり、罰則もあります。悪質ではない場合には、「次から注意してください」と注意を受けるだけで済むこともあります。しかし、その場合でも、その後に在留資格を変更する際や在留期間を更新する際に不利になる可能性があります。在留カードに関するルールを重く考えてください。
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ネット販売でビザ取り消し!?
最近、Facebookなどで多くの在日ベトナム人が商品やサービスのPRを投稿しています。特にTokyo baitoやOsaka Baitoなどユーザーの多いFacebookページでそういう投稿が目立ちます。食品や衣類、USIMカード、ヘアカットなどさまざまな商品やサービスがSNSで売られていますが、在留資格で認められていない活動に該当する恐れがあります。また、利益に応じて納税しないと所得税法にも違反します。在留資格(ビザ)の維持・更新にも影響しますので、注意点をまとめました。 私の親せきも個人販売をしました 名古屋 名古屋市に住んでいた私の親せきも食品や雑貨をFacebookで継続的に販売していました。彼女の夫はエンジニアで、彼女と子ども2人は家族滞在の在留資格(ビザ)でした。 彼女は家計をサポートしようと2020年に約半年間、ベトナムの食品や雑貨をネットで販売しました。ベトナムから知人に送ってもらったベトナムの食品(ドライフルーツ、スルメ、ベトナムのハムなど)や調味料(ニョクマムなど)、雑貨(ベトナムのタバコや水タバコの葉など)の写真をTokyo baitoなどに投稿し、連絡してきた人に売っていたのです。 私はTokyo Baitoを見て彼女の「事業」を知り、驚きました。私はすぐに彼女に連絡し、販売をやめさせました。彼女は税務署に開業届も出さず確定申告もしていませんでしたし、入管にも届けていませんでした。彼女は私に言われるまで違法とは思っていなかったそうです。 在留資格の取り消しも! 水タバコやパイプの販売投稿(Tokyo baito) SNSやオークションサイトを利用して物品を販売すること自体は外国人でも自由にできます。ただし、自分が不要になった物を売る程度にとどめなければなりません。他人から仕入れて転売したり営利目的で何度も販売したりする場合は「事業」となりますので、自分の在留資格との関係に注意しましょう。 ネット販売は「経営・管理」の在留資格(ビザ)で認められる活動内容に近いので、例えば「技術・人文知識・国際業務」や「技能実習」のビザの人が副業でネット販売をすると、不法就労活動(入管法違反)となる可能性があります。 また、留学生や家族滞在は入管から「資格外活動許可」を受けて週28時間以内のアルバイトをすることができます。ただし、個人事業を行う場合は、一般の資格外活動許可(包括許可)ではなく「個別許可」が必要なので、必ず事前に入管と相談しましょう。入管の許可が得られない場合は、ネット販売を継続的に行うことはできません。 ネット販売がもとで在留資格が取り消さたり、在留資格の更新が不許可になったりするケースが実際にありますので、注意してください。 税務署への開業届と確定申告 衣類販売動画の投稿(Osaka Baito) 他人から仕入れて転売したり営利目的で何度も販売したりする場合は「事業」となりますので、税務署に開業届を提出し、確定申告もしなければなりません。 確定申告とは、毎年1~12月の1年間の事業所得(売上げから経費を引いた額)について地元の税務署に報告し、所得税を納めることで、申告期間は翌年2月16日~3月15日です。 店舗を構えずネットだけで売る場合は、税務署にばれないように思うかもしれません。しかし、税務当局にはネット上の取引を監視する専門チームがあります。また、税務署には銀行口座を調査する権限もあります。確定申告をしないと、ある日突然、税務署から連絡があり、未納の税金を払わされるだけでなく、延滞税や無申告加算税という追加の税金も課される可能性があります。 さまざまな営業許可 魚の販売の投稿(Tokyo baito) 日本で魚介類や肉類、乳製品を販売するには食品衛生法に基づく営業許可が必要です。これはネット販売の場合でも同じです。例えば、釣った魚を無許可で販売するのは違法です。もし、売った魚で食中毒などが起きると、場合によっては、食品衛生法違反で逮捕される可能性もあります。 自分の経営する店や自宅で作った料理や菓子などを販売するにも、食品衛生法に基づく営業許可が必要です。これは飲食店の営業許可とは別に必要です。 また、下記の許認可がない場合も刑事罰の対象になります。 ✔︎ 古物商許可……中古品を他人から仕入れて販売する場合に必要 ✔︎ 酒類販売業免許……酒類を繰り返し販売する場合に必要 適法に営業している業者の声 ベトナム食材店経営、ファム・ヴィエット・アンさん 商品やサービスを提供すること自体は悪いことではありません。在日ベトナム人の需要にこたえることは大事です。しかし、合法的にやらなければなりません。必要な手続きをきちんとやった上で堂々と事業をして頂きたいです。最近は、起業する人を応援する組織・団体もたくさんあり、いくらでも相談に乗ってくれます。食品販売であれば、私もアドバイスします。無許可営業はやめましょう! 商社経営、グエン・チョン・ズンさん 無届け・無許可でネット販売を行う個人事業者は非正規ルートで商品を仕入れることが多く、商品の品質に問題がある場合も多数あります。彼らは税務署に開業届を出さず税金も払わないので、正規業者より安く販売できる場合もありますが、トラブルが起きても責任を取らなかったり、代金を振り込んでも商品が届かなかったりというケースも少なくないので、消費者側も注意してください。 まとめ SNSやオークションサイトでの物品販売は、自分が不要になった物を売る程度にとどめなければなりません。他人から仕入れて転売したり営利目的で何度も販売したりする場合は「事業」となるので、場合によっては、在留資格の取り消しや更新不許可につながる可能性もあります。 また、個人で事業を行う場合は、税務署への開業届や確定申告・納税が必要です。さらに、商品の種類によっては、食品衛生法に基づく営業許可や酒類販売業免許、古物商許可などが必要で、無許可営業は法律違反(刑事罰の対象)になります。
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キャッシュカードや通帳の売買は犯罪です!
ベトナム人向けに不法就労をあっせんしたり、銀行口座や身分証などの違法取引をもちかけたりするFacebookページがいくつもありますが、利用してはいけません。こうしたページは犯罪の温床になっており、日本の警察も投稿内容をチェックしています。今回は、「銀行口座を売ったり譲ったりすることは犯罪になる」ということについて説明します。 キャッシュカードや通帳の売買・譲渡は犯罪 銀行口座(キャッシュカード・通帳)を売買したり譲ったりすると、犯罪になります。その口座が詐欺の振込口座などに使われる可能性もありますので、絶対に譲渡しないでください。口座が犯罪に使われると知らなかったと主張しても、罪になります。 罪名 : 犯罪収益移転防止法違反 罰則 : 1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ► 口座を売買すると罪になることを認識しましょう。 ► 帰国などが原因で不要になった口座は必ず解約しましょう。 ► 通帳やキャッシュカードを紛失した場合は、すぐに口座を停止してもらいましょう。 譲った口座は何に利用されるのか 譲った口座は100%、犯罪や違法行為に利用されます。それは、口座を譲った人が犯罪を助長することを意味します。 「オレオレ詐欺」などの犯罪に利用 日本では反社会的組織が銀行口座を設けることができません。犯罪グループが買い取った口座はこうした組織などに転売され、特殊詐欺の振込口座やマネーロンダリング、ヤミ金融の資金口座など犯罪に利用されます。「特殊詐欺」の代表的なものは、おじいさん・おばあさんをだまして大金を振り込ませる「オレオレ詐欺」です。 犯罪グループや悪徳業者自身も口座を悪用 例えば、SNSで「航空券を安く販売します」と呼びかけ、メッセージを交換してお金を振り込むと、相手と連絡が取れなくなる詐欺被害がよくあります。昨今、こうした詐欺犯罪に利用される口座は、いずれも不要になった口座を違法に買い取ったものです。 不法滞在者が悪用 また、不法滞在者は偽造在留カードを使って不法就労をすることがあります。その際に給料の振込口座が必要ですが、有効な在留カードを持っていないため自分の口座を作ることができません。犯罪グループはこのような不法滞在者向けに他人の通帳やキャッシュカードを転売します。不法滞在者が口座所有者とSNSで連絡を取り合い、直接買い取ることもあります。 他人に使わせる前提で口座を開設することも違法 他人に口座を使わせるために自分名義で銀行口座を開設し、それを転売したり譲ったりすると、それも犯罪です(詐欺罪)。 たった一度口座を売って10,000円の謝礼をもらっただけで、その口座が大きな犯罪に利用されたことから、「銀行をだまして口座を開設した(詐欺)」として有罪になった人もいます。 帰国前に口座を解約しよう 帰国するなどの理由で不要になったからといって、身分証や口座を売ったり譲ったりすると、それらが犯罪に使われる可能性は極めて高いです。不要になった口座は必ず銀行で解約してください。口座を売買する犯罪については、売買した人が日本から出国すると時効が停止しますので、その後、日本に戻ってから罪に問われることもあります。
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