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ベトナムの常識・日本の非常識_27:「リビングが車庫」に日本人は驚く
ベトナムでは家のリビングを夜間の車庫代わりに使う様子をよく見かけますが、日本人がこの光景を初めてみると、びっくりします。また、日本では医師の診察を受けなければ買えない薬がたくさんあり、不慣れなベトナム人がとまどうことがあります。
リビングが車庫代わり?
今年の旧正月、友人が購入したハノイの別荘に遊びに行きました。広々として風通しが良く、リゾート地にある「ヴィラ」のような居心地で、彼の自慢の家でした。リビングルームで夜中まで食べたり飲んだり話したりして盛り上がり、午後11時ごろに帰ることにしました。そして、私が玄関を出ると、彼は異様な行動をとりました。リビングの扉を開けると、家の前に駐車していた自動車に乗り込み、リビングの中に車を入れたのです。
リビングは7人乗りの自動車とオートバイ3台が入るほどの広さです。彼はテーブルといすをキッチンに移してリビングにスペースを作り、そこに車を入れました。
「なぜ、地下駐車場を設けなかったの?」とたずねると、「ハノイでは、雨季に浸水の恐れがあるし、夏の地下室はとても暑いから」と答えました。ベトナム人の私はこの考え方を何とか理解できます。リビングにバイクや自転車、自動車まで保管している家をいくつも見てきたからです。しかし、日本人が初めてこういう光景を見ると、ちょっとびっくりするそうです。
日本人は家を建てるとき、敷地内に駐車スペースを設けることが多いです。家の1階の一部をビルトインの車庫にして家を3階建てにするケースもよく見かけます。
ベトナム人も日本人のように計画性のある家づくりができれば良いのですが、多くは敷地いっぱいに家を建てます。そして後から自動車を買い、駐車スペースがないため、結果的にリビングに駐車することになってしまいます。ベトナムでは、自動車の後ろ半分がリビングに入っていて前半分が庭に出ているケースもよく見られます。
日本では敷地全部は使えない?
ハノイで知り合った日本人の友人が興味深いことを話していました。「ベトナムの人は土地の端から端まで100%を使って家を建てることが多い。驚いた」と言うのです。その結果、駐車スペースを確保できず、1階のリビングに車を入れている家もあります。
一方、日本では、敷地いっぱいに家を建てることはあまりありません。敷地面積に対する建物の底地の面積の割合(建ぺい率)が法律で規制されているからです。
日本の行政は地域ごとに土地の種類を決めています。大きく分けると「住居地域」「工業地域」「商業地域」ですが、同じ「住居地域」の中でも種類が分かれ、その種類ごとに建ぺい率が決められています。そして、建ぺい率を超える部分に建物を建ててはいけません。
例えば、敷地150㎡、建ぺい率60%の場合、建物の底地は最大で(150㎡×60%=90㎡)です。敷地の中の残り60㎡は庭や駐車場などに使うしかありません。この規制は市街地の環境整備や防災の観点から設けられています。
また、「容積率」という規制もあります。これは敷地面積に対する建物の延べ床面積(各階の床面積の合計)の割合です。大まかな目安として住居地域では50~500%、ビルが建ち並ぶ商業地域では200~1000%と、土地の種類によって大きく異なります。
敷地150㎡、建ぺい率60%、容積率200%の場合は次のようになります。
・建物の底地:最大で150㎡×60%=90㎡
・建物の延べ床面積:最大で150㎡×200%=300㎡
建物の底地が90㎡なら、3階建ての家(延べ270㎡)までしか建てられませんが、底地を75㎡にすれば、4階建ての家(延べ300㎡)が建てられます。
このように、日本の住宅建築にはさまざまな規制があります。
簡単に買えない薬がある?
「ベトナムの大都市を歩いていると、100 mおきにドラッグストアに出くわす」と言われます。そして、そこでは抗生物質や鎮痛剤など、あらゆる種類の薬を買うことができます。
しかし、日本では違います。私は日本で腹が痛くなったとき、抗生物質を飲んで治したいと思い、薬局を探しました。ネットで検索してドラッグストアに行きましたが、抗生物質入りの薬は販売してくれませんでした。その薬を買うには、医師が作成した「処方せん」が必要だったからです。一部の薬を買うには医師の処方せんが必要と法律で定められているのです。
処方せんとは、医師が診察に基づいて病気やけがの治療に必要な薬の種類や量、調剤方法などを記した書類です。薬剤師が処方せんの内容が適正かどうか確認した後に調剤したり薬を探したりします。
したがって、日本で抗生物質入りの薬を購入するには、医師の診察を受け、処方せんを作成してもらう必要があります。ちなみに、処方せんに書かれた薬を売る薬局(調剤薬局)とそうでない薬局があります。処方せんなしで買える薬もたくさんあります。
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ベトナムの常識・日本の非常識_23:隣人の家に勝手に上がらない
日本では、いくら親しい間柄の隣人でもさまざまな節度を守る必要があります。隣人と外で立ち話はするのに、自宅にはなかなか入れない▽玄関を閉め、窓にはカーテンを閉めて自宅内が外から見えないようにする▽“騒音”に敏感――など、日本の近所付き合いの文化を一緒に見ていきましょう。 隣人宅に入るのはハードルが高い 「遠くの親戚より近くの他人」はベトナムで古くから語り継がれてきた言い伝えで、ベトナム人にとって隣人は特別に親しい間柄の人たちです。私の家はハノイの高層アパート(日本で言う「マンション」)にあります。同じ階に10軒あり、ほとんどの家はほぼ終日、玄関のドアが開いていて、大人も子どももお互いの家に自然に出入りします。唐辛子を求めて隣家を訪ねたり1ケースの卵をあげるために出入りしたりすることもあり、いつも活気があってフレンドリーな雰囲気です。 立ち話はよく見かけるが… しかし、こうした文化は日本人から見るとちょっと奇妙に映り、人によっては厄介だと感じる場合もあります。多くの日本人、特に都会に住む日本人にとって、彼らの家は家族だけが出入りする場所なのです。アパートの隣人同士がいくら親しくても、ベトナムのようにお互いの家に出入りすることはあまりありません。日本では、主婦が玄関前で何時間も立っておしゃべりすることはありますが、お互いの家に入ることはまた一つ上の領域なのです。私の姉は日本に30年以上住んでいて近所の方々ととても親しくしていますが、彼女たちの自宅に招かれたことはたった1度しかありません。 自宅の中をあまり見せない 日本の家の様子 先ほどの話と関連しますが、私のアパートでは玄関ドアや窓を開け放っていることが多く、カーテンも日光や新鮮な空気を取り込むためにいつも開けています。近所の人に自宅内を見せるためそうする人もいます。 しかし、多くの日本の家では常にカーテンを閉め、窓もあまり開けたままにしていません。昼間は、日光を取り込むために厚手のカーテンは開けていますが、室内が見えないようにレースのカーテンなどを閉めているケースが大半です。そして、玄関が常に閉まっているのは普通です。日本の住宅街を歩いていると、そこに人が住んでいるのになぜこんなに静かなのか、不思議に思えます。ベトナム人の皆さんはこれに驚かないでくださいね。 日本人は自分の家の中を人に見せたいと思わないのです。ですから、たとえ開いている窓のそばを通りがかったとしても、室内をじろじろ見ないでくださいね。カーテンを閉められてしまうケースが多いでしょうから。しかし、これが日本人の文化であり、日本人らしさであって、決して「冷たい」わけでも「よそよそしい」わけでもないのです。 廊下での“騒音” 日本のアパート(マンション)の静かな廊下 引き続き近所付き合いの話です。アパート(マンション)の廊下を巡る生活文化についても、日本とベトナムで大きな違いがあります。 ハノイの私のアパートの玄関前の廊下では、毎日午後になると、近所の子どもたちが数人、サッカーをしたりおもちゃで遊んだり、叫んだりしています。その子どもたちが遊ぶ様子を見ているおばあちゃんが常に2、3人いる……。そういったシーンはまさに“ベトナム”です。あるおばあちゃんは「新型コロナで自粛中は周辺が静か過ぎて寂しかった。でも、家で遊ぶ子どもたちの声を聞くと、前向きなエネルギーをもらえたわ」と話していました。 以前、日本からの帰国子女である私の娘が通うハノイ日本人学校の女性教師(日本人)は「自宅アパートの廊下がうるさすぎる」と生徒たちに不平を言っていました。彼女はアパートの管理組合に繰り返し相談したのですが、状況は変わりませんでした。子どもたちが遊ぶ声が程度を過ぎると、日本人にとっては“騒音”となり、迷惑に感じてしまうのです。これは、日本人が子どもを嫌いなわけではなく、騒ぐ声の程度によるようです。 日本ではアパート(マンション)の管理規約に騒音に関する項目が盛り込まれているケースも多いです。「子どもが廊下で遊んだり騒いだりすることを禁止する」とまで書かれているかどうかは別にして、廊下や玄関ホールなど共用スペースは基本的に静かです。それは、「騒音を出さない」というのが日本人社会での暗黙のルールだからです。 あなたが部屋で多人数の宴会やカラオケで大きな音を出し続けると、「近所迷惑」となり、通報されて警察がやってくることもあります。日本では、トラブルを避けるためにこのルールをよく覚えておいてください。
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ベトナムの常識・日本の非常識_17:日本企業が重視する「名もない仕事」とは?
日本の企業文化や仕事のマナーは世界でも一目置かれていますが、ベトナム人が日本で働くと最初はとまどうこともあります。日本の企業文化の中でも重要な「名もない仕事」とはなんでしょうか? また、「日本では家族より仕事の方が大事」というのは本当でしょうか? 「名もない仕事」 私はベトナムで16年間働き、その後、ここ3年間は日本のホテルで受付係として働きました。ベトナムでは、例えば、上司から「ウォーターサーバーのボトルを換えてきてください」と指示された場合、新しいボトルを持って行って空のボトルと交換すれば作業完了です。これを読んでいる皆さんも「ボトルを換えて」と言われて換えたのだからそれで終わりだと思うでしょう。 しかし、日本ではそれで作業完了ではありません。ボトルを交換するのは当然で、それに加えて、サーバーのトレイがぬれていいないか、ホルスターの紙コップは十分かなども確認しなければなりません。 もし、トレイがぬれていれば、日本人従業員なら自発的にぞうきんを持ってきてふき取り、ホルスターの紙コップが少なくなっていれば補充します。私はそういった仕事を「名もない仕事」と呼んでいますが、日本ではこのような「名もない仕事」もできる人が「仕事のできる人」として評価されます。 ぬれたトレイをふくことも、少なくなった紙コップを補充することも、お客様のためには必要なことで、いずれだれかがしなければなりません。ボトル交換を指示された従業員がそれに気付いて対処しなければ、上司が後で気付いて別の人に指示するか、紙コップがなくなってからお客様に指摘されてだれかが対応することになるでしょう。しかし、そうなる前に先に気付いて対応してくれる従業員がいれば、上司もお客様も助かります。これは日本の良い企業文化や仕事のマナーの一つだと思います。 それでは、日本人の多くはなぜそのような対処をできるのでしょうか? その一つは、日本の会社が「一つの仕事が他のどのような仕事とつながっているか」という業務の流れを従業員に包括的に教育していることが背景にあると思います。 また、日本では「一を聞いて十を知る」という言葉があります。一から十までだれかの指示を受けなければできないようでは半人前で、一つのことを聞いて関連する多くの事柄を学んだり、一つの指示を受けて関連業務も自分で考えて対処したりすることが大切だという考え方です。これは日本の職場で古くから使われている言葉で、日本の企業文化の重要な要素となっています。 日本では家族より仕事が大事? 「子どもの具合が悪いので、2時間ほど早く帰宅させてください」「子どもの学校の保護者会があるので、出社を遅らせてください」「母を病院に連れて行かなければならないので、会社を休ませてください」 このような会話はベトナムのオフィスではごく一般的です。私自身もベトナムで働いていたころは、子どものかかりつけの歯科が勤務時間内しか診療してなかったので、子どもを歯科に連れて行くためによく休みをいただきました。会社側も「家族は仕事よりも大事」という考え方で、家族に関連する遅刻や早退、休暇については気軽に認めてくれたものです。 しかし、日本では、家庭の事情で仕事を休んだり遅出・早退したりすることは、当たり前のこととは捉えられていません。日本のサラリーマンは「ひんぱんに欠勤したり遅出・早退したりすると出世に響く」と考える傾向があり、会社に相談する前に、親や友人に頼むなどできるだけ自分の出勤に影響を与えないように努力します。会社を急に休む人はあまりいません。 また、「所定の期限までに自分の仕事を完了させることは1人1人の責務」と考えることが一般的で、自分のやるべき仕事が定時に終わらなければ、終わるまで残業してから帰宅します。中には休日に仕事をする人もいます。こうした残業や休日労働に賃金が支払われないケースもあり、「サービス残業」と呼ばれて日本の長年の社会問題にもなっています。 このように、日本では「家庭より仕事が優先」という風潮が社会を長く支配してきました。これは日本の経済競争力の源にもなっていますが、バランスが必要だと指摘されています。 バランスを欠く例としては、私の娘が日本の小学校に通っていたとき、卒業式の準備が間に合わないため、担当の先生方が帰宅せず学校で2泊して作業を続けたことがありました。その先生の1人は娘の友人の母でしたが、そのとき、父親も仕事から早く帰ることができず、友人はコンビニ弁当を買って夕食を済ませるしかなかったそうです。 ただ、最近は「会社での出世や名誉より生活の充実の方が大事」と考える若者も増え、日本の企業文化も変容を迫られています。政府も「働き方改革」という施策を掲げ、働きやすい環境作りを推進しています。その結果、企業も有給休暇取得を奨励したり、早退などにも柔軟に対応したりするようになり、少しずつ変わってきてはいます。
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ベトナムの常識・日本の非常識_12: エレベーターに突入しない
部屋着で出かける、エレベーターで中の人が降りる前に乗り込む、自転車の2人乗り、個人情報を根掘り葉掘りたずねるなど…ベトナムでは許容されますが、日本では非常識だったりするのです。 “部屋着”は部屋だけで 数年前のハロウィーンのこと。ベトナムのSNS上で3人の外国人男性がベトナム人主婦に扮した仮装の写真が話題になりました。彼らはベトナムの編み笠「ノンラー」をかぶり、ベトナム人が寝るときにも着るシルクの部屋着を着ていたのです。Hanoi expats(ベトナムに関心のある外国人コミュニティが運営するFacebookページ)上では、ベトナム人が部屋着のまま外に出て市場に買い物に出掛けることが常識であることを興味深くとらえられていました。 もしあなたにもその習慣があるなら、ベトナムでは大丈夫ですが日本ではお勧めできません。日本人には、自宅近くのコンビニに行くだけでも化粧をしないと気が済まない人もいる…という話を聞いたことがありませんか?これは少々行き過ぎた表現かもしれませんが、ある意味で的を得ているとも言えます。日本人は周りに対しての気遣いやマナーを重んじます。人前に出る時は、常に「きちんとした」姿を見せることがマナーだと考えている人が多いのです。 したがって日本では、部屋着はあくまで部屋着として使い、外出の際は「場違い」と思われることのない身なりを心がけるようにしましょう。 エレベーターに“突入”するべからず 私は来日する前、ハノイにあるオフィスビル内の事務所で10年以上働いていました。ですから、ベトナム人がエレベーターをどのように使っているかをよく知っています。エレベーターを待つ時、多くの人がドアの真ん前に立ち、ドアが開くや否や急いで中に入ろうとします。時には、外に出ようとする人にぶつかるほどの勢いで突入するのです。 ただこの行為は、ベトナムでは(残念ですが)不快なことではあっても非難されるほどのことではないのです。しかし日本でこれをやってしまうと、迷惑行為とみなされ、非難の目にさらされるでしょう。 日本では、エレベーターの乗降マナーがしっかり決まっています。ドアが開く時、外で待つ人たちは左右に分かれ、降りてくる人たちのために“道”を作ります。たとえ中に誰も乗っていない場合でも、日本人はどちらかに寄って立っています。 またエレベーターの中では、乗降する人がいる時に操作パネルの前に立っている人が「開く」のボタンを押してあげます。乗り降りする人がドアに挟まれることのないよう、最後まで「開く」のボタンを押し続けるのです。 また最近では、新型コロナウィルス感染予防のため、日本政府はエレベーター内の“密”を避けるため(また、健康づくりのため)に1~2階まで上がる場合は階段を使うように奨励しています。積極的に階段を使うのもの良いかもしれませんね! 個人情報を根掘り葉掘り聞かない ベトナムでは、相手と20~30分会話をして打ち解け合えたと思えたら、たとえ初めて会った人でも家族のことや住んでいる家、趣味はもちろん、相手の給料まで自由に尋ねるのが自然です。私たちベトナム人は、世界でもトップクラスの親密度を誇る“人なつっこい”国民性を持っていると言えるのではないかと思います。 かといって日本人が疎遠で人間関係が淡泊…という意味ではなく、きっと私たちベトナム人がいきなり個人的な質問をしてしまうと、相手への気遣いを尊重する国民性の彼らは少しびっくりし、時にそれが不快に感じることがあるのだと思われます。 私のベトナム人の友人は、日本人ウェイトレスと30分近く仲良くおしゃべりをしていたのですが、次第に「どこに住んでるの?」、「家族は何人?」、「父親はどんな仕事をしてるの?」など質問がエスカレートしていきました。彼女の顔色はだんだんと曇り、ついには質問に答えるのをやめて席を離れてしまったのです。 日本人は、私たちベトナム人と比べて規律やマナーを重んじ、対人関係も相手を尊重しながら段階的に深くしていくという国民性があります。友人を作るときも、お互いの個人情報を共有しようと思うまでにはそれまでの過程が重要であり、時間が必要なのです。 自転車2人乗りは基本的にダメ ベトナムの学生といえば、ほとんどの人が「赤い花が咲き乱れたホウオウボクの木の下をアオザイのすそをはためかせたながら2人乗り自転車で走り去る…」というクラシックな風景をイメージするのではないでしょうか。 しかし、そんなベトナムの微笑ましいシーンも、日本では違法になってしまいます。日本で自転車の2人乗りができる条件は道路交通法で①運転する人が16歳以上であること②幼児用の座席が設置されていること③乗せる幼児が6歳未満であること、と定められています。もっと詳細な要件もありますが、基本はこの条件です。したがって、自転車に大人が2人乗りすることは道交法違反となってしまいます。 また、飲酒して自転車を運転することは日本では昔から禁止されていますが、ベトナムでも2019年12月30日の政令で交通違反処分される対象となりました。日本にいてもベトナムにいても、バイクと同様お酒を飲んで自転車を運転してはいけません! (Thạch Long)
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ベトナムの常識・日本の非常識_05:エスカレーターの意外な乗り方
エスカレーターではどこにでも立ち、お見舞いに花を買ったり、ホテルやレストランでチップを払ったり、夜に口笛を吹いたり…それらの習慣はベトナムではとても一般的ですが、日本では“ダメ”なものばかりです。 “桜の国”、“日出ずる国”―日本。春には桜、秋には紅葉が楽しめるなど、言わずと知れた独自の文化をもつ国として多くの人に知られています。しかし日本人の日常生活の中にある特徴的な文化、マナーについて、ベトナム人はほとんど知らないのではないでしょうか。今回はそのことについてみていきましょう! エスカレーターの乗り方 九州大学(福岡市)在学中の一年生レー ホアン アンは、エスカレーターに乗っているとき後ろから男性に肩をたたかれ「左に寄って」と言われた瞬間を、今でも忘れられないと言います。アンはその見ず知らずの男性の表情が全然愉快でなかったことに少し驚いたそうです。 アンはベトナムの習慣から、エスカレーターに乗った後、友だちと“並んで”立っていたのです。しかし日本はエスカレーターに乗ったら“列を作る”文化がしっかりと築かれています。通常、エスカレーターに乗った際は左(関西では右)に寄って立つ必要があり、もう一方のスペースは急ぐ人(立ち止まらずに昇ったり降りたりしたい人)のために空けておくのです。 日本ではエスカレーターに乗った際は左(関西では右)に寄って立つ ベトナムではそういったことはなく、エスカレーターのどこに立っても問題ないのですが、日本ではアンのような出来事に遭遇しないよう、片側に寄ることをオススメします。 チップをあげると日本人は怒る!? 次は日本の非常に興味深い文化“チップ”を体験するために、レストランに入ってみましょう。ベトナム、特にホーチミン市では、ウェイターにチップを渡すのが比較的一般的です。ベトナム人の多くは理想のサービスが提供されたら、感謝や満足の意を表現するために多少のチップをわたすのが最良の方法であると考えます。 チップをあげると日本人は怒る!? しかし日本でそれをしてしまうと、厄介な状況に陥ってしまうこともあるのであまりオススメできません。日本人(スタッフ)にとってお客が満足するようなサービスを提供することは“当然のこと”と考えらえているためです。むしろチップを渡されることが“侮辱だ”と考えてしまう日本人も少なくないのです。彼らにとってお金は価値を測る尺度の一つではないのです。お金をもらいたいからサービスを提供するのではなく、お客をもてなしたい、という気持ちから行動しているのです。 お見舞いに花を持っていくのはダメなの!? 次に、あなたには入院している日本人の友だちがいて、その人のお見舞いをしたいと考えているとします。ベトナム人のあなたなら、友だちが喜んでくれると思って花を買ってお見舞いにいこうとしますよね。その時、いくつか注意することがあります。 日本ではお見舞いに花を持っていくのはダメなの!? 花を贈ること自体は問題ありませんが、例えば日本ではお葬式に白い花を使うので、白い花はNGなのです。また赤い花は病人に“血”を連想させるのでこれも良くありません。さらに縁起が悪いのは鉢植えの花です。 鉢植えは「根付く=寝着く」という日本語を連想してしまうのです。あなたは友だちに「ずっと寝ててね」と願いますか?一部の地域で鉢植えの花は、その病院にずっと“根付く”ことを願っているのか?というメッセージだとも思われるそうです。 口笛はダメなの !? 澄んだ月明かりが照らす夜、あなたは気分が高揚し、口笛を何度か口ずさもうと思います。ベトナムではもちろん「どうぞご自由に」ですが、日本ではマナー違反になってしまいます。日本には口笛について多くの説話があります。 日本では口笛はダメなの !? 一部の地域で夜の口笛というのは、泥棒がお互いを呼び合う方法であったとされています。そのため一たび口笛の音をきけば、人々は反射的にあたりを見回して泥棒を探したのだそうです。 さらに昔の話では、笛は魂を呼び戻す道具として使われていました。そのため夜の笛の音色は、魂や幽霊が出てくるんじゃないかと人々を怖がらせるものなのです。また地方の子どもたちの多くは、大人たちから「口笛を吹くと蛇が家に入ってくるぞ」と教わります。要するに夜に口笛を吹いたら、良くないことしか連想できない、ということなんですね。 その国の民話、説話はその国独自の文化に深い影響を与えています。その国で日常生活を送るうえで失礼のない振る舞いするために、タブーを学び、尊重していきましょう!
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