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求人詐欺、多発中!

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2022年02月28日

ベトナム人向けのFacebookページで見た「仕事を紹介する」という投稿を信じ、登録費用や担保金などのつもりでお金を振り込むと、相手と連絡が取れなくなった!このような「求人詐欺」の被害が多発しています。「税務申告なし」などのうまい話に用心してください。被害の実例や対策などを紹介します。

¥200,000をだまし取られた!

在日ベトナム人協会(VAIJ)はベトナム人のさまざまな相談に乗っています。その中で「求人詐欺」に関する相談は昔から後を絶ちません。

埼玉県の技能実習生の女性は2021年8月、FacebookのTokyo baitoで、家でできる仕事に関する求人投稿を見ました。

・リップスティックにラベルをはる仕事
・月収150,000円

彼女が技能実習でもらう毎月の手取り給料は約130,000円(約25,700,000 VND)で、技能実習生の平均的な水準ですが、内職でもっとお金を稼ぎたいと思い、投稿者にDM(ダイレクトメッセージ)を送りました。

DMでの主なやり取りは次の通りです。

・まだ募集していますか?
・はい
・勤務条件を教えてください?
・リップスティック1500本にラベルをはれば給料75,000円
・3,000本なら180,000円

続けてやり取りをしていると、相手から「口紅の持ち逃げを防ぐために、最初に保証金を預ける必要がある」と説明されました。保証金の額は100,000円。彼女は指定されたゆうちょ銀行口座に150,000円を振り込みました。

その後、リップが送られてくることになっていましたが、なかなか届きません。不安になって「仕事への応募を取り消したい」とメッセージを送ると、「わかりました。担保金は返します。しかし、返金手続料として50,000円を振り込んでください」と指示されました。

彼女は150,000円を返してもらうために、仕方なく追加で50,000円を振り込みました。すると、間もなく相手と連絡が取れなくなり、合計200,000円がそのまま返ってきませんでした。

彼女は悔しくて仕方ありませんが、技能実習生が受入会社以外で働くのは法律違反なので、警察に被害届けを出すこともできませんでした。

求人投稿のここに注意!

上の写真はTokyo baitoへの投稿です。投稿の要点と不審な点について説明します。

投稿の要点

・キッチン、ホール
・すぐに仕事を始められる
・時給:1,100円
「税務申告なし」も選べる

不審な点

「税務申告なし」は違法です。一見、親切なように見えますが、この文言は違法グループを見分ける目印の一つです。この文言が入っている求人情報には要注意です!

求人投稿への「いいね!」は仲間の可能性

求人詐欺はTokyo baitoだけではありません。この写真は2021年11月のTokyo baitoへの投稿です。次のようなことが書かれています。

・Kanagawa baitoで求人情報の投稿を見た。
・投稿者に連絡すると別の人物を紹介され、その人物から指示されて22,000円を振り込んだ。
・振り込むと、投稿者にも別の人物にも連絡が取れなくなった。

この女性は「求人詐欺はグループで行われ、仲間がウソの求人投稿への『いいね!』や書き込みをしている可能性がある」と指摘しています。

他人の写真と偽名を使って投稿!?

これもTokyo baitoへの投稿です。「ある人物がうその名前と写真でTokyo baitoやKobe Baitoなどに求人情報を投稿し、紹介料をだまし取っている」と警告しています。

この人物の求人投稿にも「給料手渡し」や「税務申告なし」などの誘い文句が書かれているとのことです。

まとめ:被害をなくすには

仕事探しは正規ルートで

日本では、行政の許可なしで仕事を紹介すること自体が違法です。しかし、SNSの求人情報の多くが無許可の人によって発信されています。不法滞在者や内職をしたい技能実習生、税金を免れたい人など、法律に違反してお金もうけをしたい人が彼らの絶好のターゲットです。

こうしてBộ Đội Japan(ボードイ・ジャパン)やTokyo baitoなどの求人投稿に応募し、紹介料などをだまし取られるケースが昔から山ほどあります。振込先の銀行口座は、母国に帰った元実習生や元留学生から違法に譲り受けた口座なので、仮に警察が捜査しても詐欺の犯人を突き止めることは困難です。

また、現役の技能実習生や特定技能外国人は決められた職場で働くことを条件に日本での滞在が許可されています。仮に本当に副業を紹介してもらえたとしても、税務署や入管にばれたら、在留資格を失うことにもなりかねません。

法律を守り、正しい働き方でお金を稼ぎましょう。