体験談(留学・高度)

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By KOKORO(毎日新聞社+VAIJ主催、在ベトナム日本国大使館など後援)

今回の先輩

ト・ティ・タイン・ヴァンさん
  • 2018年 高校卒業〈ホーチミン〉
  • 2019年 日本語学校入学〈北海道〉
  • 2020年 日本語能力試験N2合格
  • 2021年 札幌学院大学入学〈北海道〉

〈2000年生まれ、ホーチミン市出身〉

ベトナムで14カ月間、日本語をしっかり勉強してから日本に留学したヴァンさん。来日して2年目でJLPT・N2に合格したため、大学に面接だけで入学できました。ヴァンさんの留学生活を紹介します。

留学前の日本語学習

日本に向けて旅立つ前、空港で家族とお別れ〈2019年〉

日本語センターで14カ月間勉強

母の勧めで留学を決め、高校3年のときから14カ月間、ホーチミンの日本語センターで日本語能力試験(JLPT)N4レベルまで勉強しました。毎日、学校で7時間、自宅で3時間勉強しました。

北海道に決めた理由

東京の日本語学校に入ろうとしましたが、在留許可を取れなかったので、半年後に、北海道の日本語学校に入る前提で再トライしました。すると、在留資格を取れました。私と同じように東京の学校がだめだったので地方に変更するという人はたくさんいます。

来日後の日本語学習

自宅で漢字の勉強

私の来日後の日本語学習について紹介します。

  • ・来日(2019年4月)→N3合格(2020年12月)→N2合格(2021年12月)
  • ・使った教材:みんなの日本語、「新完全マスター」シリーズ、「総まとめ」シリーズ、「耳から覚える」シリーズなど
  • 日本語学校でも大学でもなるべく日本語で会話(友人や先生と)
  • ・新型コロナで登校する機会が減ったときは、YouTubeの日本語ニュースや日本語のアニメやドラマ(ベトナム語字幕付き)でも勉強

親切な人たちに囲まれてアルバイト

カニ料理店

  • ・最初のアルバイト(1年間)。皿洗い。
  • ・学校からの紹介
  • ・時給は高いが、とても忙しかった。あまり日本語を話さない。
  • ・その後、居酒屋でも働いたが、帰宅が夜遅いので、2カ月で退職

スーパーマーケット

  • ・おかずをパックに入れる仕事(1年間)
  • ・先輩留学生からの紹介
  • ・平日は13:00~17:00、土日は7:00~16:00
  • ・会話が多く、日本語が上達した。
  • ・余ったおかずをもらえることもあった。

スーパーでは、若者は自分だけで、おじいさんやおばあさんの先輩の皆さんがとても親切にしてくれました。昼休みや休憩のときにご飯やお菓子を食べながらたくさん話をしました。私の誕生日にはケーキを買ってくれ、お祝いの歌も歌ってくれました。大学進学後は、自宅から遠くなったので退職しましたが、今でもおばあさん3、4人とLINEで連絡を取り合っています。

大学に入ってからは、食品工場で深夜勤務(週3回、21:00~6:00)をしました。時給は高かったのですが、勉強に支障があるのですぐにやめました。今はバインミー店で働いています。

N2合格→無試験で大学入学

大学の留学生仲間とキャンパス(右)

私が通っている札幌学院大学では日本留学試験(EJU)の日本語(400点満点)の得点が 200点以上かJLPT・N2なら、筆記の入学試験を免除されます。私はEJU194点でしたが、N2だったので、面接だけで大学に入れました。

日本語学校が開いたオンラインの大学説明会に地元の約10大学が参加しました。その中で、この大学は成績優秀者への授業料割引(奨学金)が充実していました。GPA2以上なら授業料30%引き、3以上なら75%引きです。

大学の授業はすべて日本語です。毎週課題があり、パソコンでレポートを作ります。漢字を選ぶのが難しく、辞書アプリで調べながらがんばっています。

external link 日本語の辞書アプリはどれがいい?

留学の費用と家計簿

日本語学校で

留学の最初にかかった費用

  • ・日本語学校の1年目の授業料や飛行機代など(約1,000,000円)
  • ・日本語センターへの手数料(240,000,000 VND)
  • ・両親が貯金から払った。

日本での授業料など

  • ・日本語学校(年間):¥760,000
  • ・大学(年間):¥1,104,000-¥340,000=¥764,000(私の成績に応じて減額)
  • ・今は節約生活。就職したら旅行をしたい。

私の家計簿(1カ月の平均)

※大学1年のときの家計簿

※100円=約19,800 VND(2022年3月4日現在)

収入:¥80,000~¥90,000
アルバイト1件(飲食店)

¥80,000

支出:¥136,000
家賃(ワンルーム)

¥18,000

授業料(割引後)

¥67,000

電気・ガス・水道

¥13,000

携帯電話(LINEモバイル)

¥3,000

Wi-Fi

¥4,000

健康保険

¥4,000

食材費

¥12,000

外食費・交通費・雑費

¥15,000

毎月の差額:▲¥46,000~¥56,000

※仕送りと夏休みなどに長く働いて補てん

ベトナム人コミュニティ

ベトナム人との交流は日本語学校の同級生が中心ですが、VYSA北海道の活動にも参加しています。最初は、2019年10月に札幌市内の公園で開かれた「ベトナムフェスティバルin 札幌」=写真=で、アオザイを着て踊ったりベトナム料理を売ったりしました。VYSAのFacebookを見て友人と一緒に申し込みました。準備や練習のために何度も集まり、打ち上げ会にも参加しました。

これをきっかけにVYSAのイベントによく参加しています。ベトナム人の友だちが増えますし、先輩留学生にいろいろなことを教えてもらえます。イベントのとき以外にも飲み会があります。

external link 在日ベトナム人学生青年協会(VYSA)

北海道での暮らし

ときどき大雪の日があります

スクーター

日本でスクーターの運転免許を取って乗っている友だちが東京や大阪に3、4人います。私もスクーター購入を検討しましたが、北海道では冬に路面が凍ってバイクに乗れないので、あきらめました。

留学生に自転車プレゼント

札幌市は留学生に自転車をプレゼントしてくれます。学校を通じて申請します。ただし、かぎはかけましょう。来日して1年目、自転車にかぎをかけずにアパートの前に置いていたら、夜に盗まれました。日本は安全な国ですが、最低限の注意は必要です!

落とした財布が戻ってきた!

ある日、買い物帰りに地下鉄の駅で財布を落としました。帰宅して気付き、駅に戻って駅員さんに言うと、次の日に地下鉄から「財布が見つかりました」と電話がありました。駅で受け取り、中に入っていた現金20,000円や在留カードは無事でした!

日本で初めて一人暮らしを体験し、最初は苦労もありましたが、バイト先でおばあさんたちにやさしくしてもらったり、財布を落としても見つかったりして、日本が大好きになりました。日本人はやさしいですし、仕事にまじめにとりくみ、規則も守ります。卒業後もできるだけ長く日本で働きたいと思っています。

トピックス

ハオハオ大好き

日本に来るときにインスタントラーメンのハオハオ60袋をスーツケースに入れて持ってきました。日本の税関で、「これは何に使うのですか」と英語で聞かれ、「自分で食べます」と答えました。どきどきしましたが、大丈夫でした。今は日本にベトナム食材店が増え、ハオハオも手に入りやすくなりました。

苦手な料理をがんばる

来日して初めて料理をするようになりました。よく作るのはチャーハンとインスタントラーメンです。そんな私に母はベトナムの調味料をよく送ってくれます(10㌔の箱=送料約2,000,000 VND)。まだ料理は苦手ですが、引き続きがんばります。

今回の先輩

ト・ティ・タイン・ヴァンさん
  • 2018年 高校卒業〈ホーチミン〉
  • 2019年 日本語学校入学〈北海道〉
  • 2020年 日本語能力試験N2合格
  • 2021年 札幌学院大学入学〈北海道〉

〈2000年生まれ、ホーチミン市出身〉

ベトナムで14カ月間、日本語をしっかり勉強してから日本に留学したヴァンさん。来日して2年目でJLPT・N2に合格したため、大学に面接だけで入学できました。ヴァンさんの留学生活を紹介します。

留学前の日本語学習

日本語センターで14カ月間勉強

母の勧めで留学を決め、高校3年のときから14カ月間、ホーチミンの日本語センターで日本語能力試験(JLPT)N4レベルまで勉強しました。毎日、学校で7時間、自宅で3時間勉強しました。

北海道に決めた理由

東京の日本語学校に入ろうとしましたが、在留許可を取れなかったので、半年後に、北海道の日本語学校に入る前提で再トライしました。すると、在留資格を取れました。私と同じように東京の学校がだめだったので地方に変更するという人はたくさんいます。

日本に向けて旅立つ前、空港で家族とお別れ〈2019年〉

来日後の日本語学習

私の来日後の日本語学習について紹介します。

  • ・来日(2019年4月)→N3合格(2020年12月)→N2合格(2021年12月)
  • ・使った教材:みんなの日本語、「新完全マスター」シリーズ、「総まとめ」シリーズ、「耳から覚える」シリーズなど
  • 日本語学校でも大学でもなるべく日本語で会話(友人や先生と)
  • ・新型コロナで登校する機会が減ったときは、YouTubeの日本語ニュースや日本語のアニメやドラマ(ベトナム語字幕付き)でも勉強

自宅で漢字の勉強

親切な人たちに囲まれてアルバイト

カニ料理店

  • ・最初のアルバイト(1年間)。皿洗い。
  • ・学校からの紹介
  • ・時給は高いが、とても忙しかった。あまり日本語を話さない。
  • ・その後、居酒屋でも働いたが、帰宅が夜遅いので、2カ月で退職

スーパーマーケット

  • ・おかずをパックに入れる仕事(1年間)
  • ・先輩留学生からの紹介
  • ・平日は13:00~17:00、土日は7:00~16:00
  • ・会話が多く、日本語が上達した。
  • ・余ったおかずをもらえることもあった。

スーパーでは、若者は自分だけで、おじいさんやおばあさんの先輩の皆さんがとても親切にしてくれました。昼休みや休憩のときにご飯やお菓子を食べながらたくさん話をしました。私の誕生日にはケーキを買ってくれ、お祝いの歌も歌ってくれました。大学進学後は、自宅から遠くなったので退職しましたが、今でもおばあさん3、4人とLINEで連絡を取り合っています。

大学に入ってからは、食品工場で深夜勤務(週3回、21:00~6:00)をしました。時給は高かったのですが、勉強に支障があるのですぐにやめました。今はバインミー店で働いています。

N2合格→無試験で大学入学

私が通っている札幌学院大学は日本留学試験(EJU) 200点以上かJLPT・N2なら、筆記の入学試験を免除されます。私はEJU194点でしたが、N2だったので、面接だけで大学に入れました。

日本語学校が開いたオンラインの大学説明会に地元の約10大学が参加しました。その中で、この大学は成績優秀者への授業料割引(奨学金)が充実していました。GPA2以上なら授業料30%引き、3以上なら75%引きです。

大学の授業はすべて日本語です。毎週課題があり、パソコンでレポートを作ります。漢字を選ぶのが難しく、辞書アプリで調べながらがんばっています。

external link 日本語の辞書アプリはどれがいい?

大学の留学生仲間とキャンパス(右)

留学の費用と家計簿

留学の最初にかかった費用

  • ・日本語学校の1年目の授業料や飛行機代など(約1,000,000円)
  • ・日本語センターへの手数料(240,000,000 VND)
  • ・両親が貯金から払った。

日本での授業料など

  • ・日本語学校(年間):¥760,000
  • ・大学(年間):¥1,104,000-¥340,000=¥764,000(私の成績に応じて減額)
  • ・今は節約生活。就職したら旅行をしたい。

日本語学校で

私の家計簿(1カ月の平均)

※大学1年のときの家計簿

※100円=約19,800 VND(2022年3月4日現在)

収入:¥80,000~¥90,000
アルバイト1件(飲食店)

¥80,000

支出:¥136,000
家賃(ワンルーム)

¥18,000

授業料(割引後)

¥67,000

電気・ガス・水道

¥13,000

携帯電話(LINEモバイル)

¥3,000

Wi-Fi

¥4,000

健康保険

¥4,000

食材費

¥12,000

外食費・交通費・雑費

¥15,000

毎月の差額:▲¥46,000~¥56,000

※仕送りと夏休みなどに長く働いて補てん

ベトナム人コミュニティ

ベトナム人との交流は日本語学校の同級生が中心ですが、VYSA北海道の活動にも参加しています。最初は、2019年10月に札幌市内の公園で開かれた「ベトナムフェスティバルin 札幌」=写真=で、アオザイを着て踊ったりベトナム料理を売ったりしました。VYSAのFacebookを見て友人と一緒に申し込みました。準備や練習のために何度も集まり、打ち上げ会にも参加しました。

これをきっかけにVYSAのイベントによく参加しています。ベトナム人の友だちが増えますし、先輩留学生にいろいろなことを教えてもらえます。イベントのとき以外にも飲み会があります。

external link 在日ベトナム人学生青年協会(VYSA)

北海道での暮らし

スクーター

日本でスクーターの運転免許を取って乗っている友だちが東京や大阪に3、4人います。私もスクーター購入を検討しましたが、北海道では冬に路面が凍ってバイクに乗れないので、あきらめました。

留学生に自転車プレゼント

札幌市は留学生に自転車をプレゼントしてくれます。学校を通じて申請します。ただし、かぎはかけましょう。来日して1年目、自転車にかぎをかけずにアパートの前に置いていたら、夜に盗まれました。日本は安全な国ですが、最低限の注意は必要です!

ときどき大雪の日があります

落とした財布が戻ってきた!

ある日、買い物帰りに地下鉄の駅で財布を落としました。帰宅して気付き、駅に戻って駅員さんに言うと、次の日に地下鉄から「財布が見つかりました」と電話がありました。駅で受け取り、中に入っていた現金20,000円や在留カードは無事でした!

日本で初めて一人暮らしを体験し、最初は苦労もありましたが、バイト先でおばあさんたちにやさしくしてもらったり、財布を落としても見つかったりして、日本が大好きになりました。日本人はやさしいですし、仕事にまじめにとりくみ、規則も守ります。卒業後もできるだけ長く日本で働きたいと思っています。

トピックス

ハオハオ大好き

日本に来るときにインスタントラーメンのハオハオ60袋をスーツケースに入れて持ってきました。日本の税関で、「これは何に使うのですか」と英語で聞かれ、「自分で食べます」と答えました。どきどきしましたが、大丈夫でした。今は日本にベトナム食材店が増え、ハオハオも手に入りやすくなりました。

苦手な料理をがんばる

来日して初めて料理をするようになりました。よく作るのはチャーハンとインスタントラーメンです。そんな私に母はベトナムの調味料をよく送ってくれます(10㌔の箱=送料約2,000,000 VND)。まだ料理は苦手ですが、引き続きがんばります。