留学・就活
留学生の就活体験記_02(2022年卒業)
会社説明会にたくさん参加し、就活サイトからたくさんの会社に応募する。そのような日本での標準的な就職活動(就活)以外に、学校などのサポートで内定をゲットする留学生もたくさんいます。学校選びの参考にもなりますので、そのような先輩留学生たちの事例を紹介します。
学校からの紹介で応募1社だけで内定!
地方都市で留学した学生の中には「就職も地方で」という人もたくさんいます。ゆったりした気持ちで暮らせるのと、生活費も安いからです。留学先の香川県での就職を希望したニさんは学校の紹介で無事に就職先を見つけました。
日本語能力試験(JLPT)N2で会話力も高いニさんは地元の金属製品メーカーから内定をもらいました。ニさんは今後、同社で技能実習生のサポートなどを担当します。
ニさんの経歴
・フエの高校を卒業。現地の日本語センターで日本語を勉強。
・2018年:穴吹ビジネスカレッジ日本語学科入学
・2020年:穴吹ビジネスカレッジ国際ビジネス学科入学
・2021年:就職内定(11月)
ニさんの就活スケジュール
穴吹ビジネスカレッジの留学生が地元で就職したい場合は、学校からの紹介が就活の中心です。
① 学校から紹介された企業をグループで訪問
② その企業に入りたい場合は、履歴書を提出
③ 書類審査にパスしたら面接
ニさんは、帰国を望む家族の意向で最初は履歴書を出しませんでしたが、8月から本格的に就活を始めました。そして、学校の紹介で10月に初めて面接を受け、その会社から11月に内定をもらいました。
・2020年7月:就活の準備を開始(資格試験の勉強や就活に関する授業)
・2021年8月:就活を本格的に開始
・ハローワークを訪問(3〜4社を紹介されたが、地元企業ではなかったので、応募せず)
・学校から紹介された3社のうち1社をグループで訪問(10月)
・その会社の面接(訪問の約1週間後)
・内定(面接の2日後:11月)
10月の会社訪問では、工場や事務所を見学し、半年前に入社したベトナム人エンジニア2人と話をすることもできました。
学校から紹介を受ける場合
皆さんは、ニさんのように1社だけに履歴書を出し、その会社から内定をもらうケースは少ないのではないかと思うかも知れません。しかし、この学校から会社を紹介してもらう場合は、会社を訪問して気に入ったらその会社に履歴書を出し、内定をもらえたら、そこに入社します。もし、だめだった場合は、学校が次の会社を紹介してくれます。
ところで、ニさんは応募した会社は1社だけですが、就活準備をしっかり行いました。履歴書やエントリーシートを早めに完成させ、資格(簿記3級、エクセル準2級、ワープロ3級、社会人常識マナー検定、ビジネスマナー検定3級、ビジネス文章検定3級)もたくさん取りました。
インターン先の会社に内定
ヒエンさんは就職に強いことで有名な大阪の専門学校「エール学園」の紹介で長期間のインターンシップを経験し、インターンシップ中にその会社から内定をもらいました。4月から同社でベトナム人向けの商品PRやベトナムの取引先開拓などを担当します。
ヒエンさんの経歴
・フエの高校を卒業。地元で半年間、日本語を勉強。
・2017年:日本語学校入学
・2019年:エール学園応用日本語学科入学
・2020年:エール学園国際ビジネス学科入学
・2021年11月:就職内定
ヒエンさんの当初の就活
・2021年3月:履歴書作成を開始
=学校で書き方を習い、書いた後、学校の先生が修正
・マイナビで探した会社説明会に参加(主に3~4月)
=20~30社にエントリーシート提出
=計7社の面接を受けるが、すべて1回で不合格(主に6~7月)
・学校の先生や同級生と一緒に合同説明会にも参加
=5社にエントリーシート提出
=いずれも書類選考で落選
・ハローワークも訪問
=行きたい会社が見つからず
インターンシップ先から内定
ヒエンさんは一般学生と同じ就活ではなかなか最終面接に進めませんでしたが、学校がインターン先として3社を紹介してくれました。
・学校紹介の3社に履歴書提出(6月)
・うち1社だけ面接(6月)
・インターンシップに参加(7月)
インターン先は大阪市内の化粧品メーカー(事務職)で、勤務は週2回(10時~16時)でした。4週間働き、夏休みをはさんで、9月からもう一度働きました。主な仕事はベトナム人に商品をPRするためのFacebookを開設し運営することでした。インターンシップを続けていた11月15日、その会社から採用内定の連絡がありました。
WA.SA.Bi.の紹介で内定
学校以外にも留学生の就活をサポートしてくれるところがあります。大阪のIT専門学校に通っていたヴィさんはWA.SA.Bi.から紹介された会社に応募し、内定をもらいました。今年4月からその会社でソフトウェア開発の仕事をします。
ヴィさんの経歴
・ベトナムの高校を卒業
・2018年:日本語学校入学
・2020年:日本コンピュータ専門学校入学
・2021年:就職内定(11月)
ヴィさんの就活
ヴィさんはWA.SA.Bi.のオフィスでIT会社の一次面接(オンライン、約20分)を受けました。それに合格したので、次はその会社に行って対面で二次面接を受けました。その約2週間後、WA.SA.Bi.を通じて採用内定の連絡をもらいました。
・2020年12月:就活サイトの使い方や履歴書の書き方などを学校で習う。
・日本で就職するか帰国するか迷い、しばらくは就活を行わず。
・2021年9月:WA.SA.Bi.のFacebookページで見つけた求人2件に応募
・10月:そのうち1社の書類審査に合格し、一次面接(オンライン)
・10月:二次面接(対面)
・11月:採用内定
WA.SA.Bi.のサポートシステム
WA.SA.Bi.の求人情報は留学生を採用したい企業の求人だけを紹介しています。WA.SA.Bi.による就活サポートの流れを説明します。
① WA.SA.Bi.が紹介している求人に応募
② WA.SA.Bi.と面接後、WA.SA.Bi.が企業に推薦
応募者は会社と直接やりとりをせず、WA.SA.Bi.が会社とやりとりをします。
③ 企業が書類選考をおこない、WA.SA.Bi.を通して結果を知ります。
④ 本番までにWA.SA.Bi.が面接指導をします。
ヴィさんはWA.SA.Bi.の面接指導を2回(オンライン1回、対面1回)受けました。
⑤ 会社の面接
⑥ WA.SA.Bi.が面接の合否や内定について留学生に連絡
新型コロナの影響
この1年間、新型コロナの影響で留学生の求人は減り、厳しい就活状況でした。しかし、悪いことばかりではありません。多数の留学生の就活をサポートしているWA.SA.Bi.のスタッフがコロナ禍での就活の状況を説明します。
コロナの影響で大変だったこと
・インターンシップや対面の企業説明会、合同説明会の多くが中止された。
・外国人の新規入国がほとんどなかったため、求人が少ない職種も多かった(例えばホテルや技能実習生のサポート)。
・友人と一緒に会社説明会に行くなどグループ行動が減り、不採用が続いた場合に孤独感が増す。
コロナの影響で良かったこと
・自宅でオンラインで就職活動ができる(ZOOMやSKYPEなど)。そのため、交通費と時間を節約でき、遠方の会社の説明会や面接にもたくさん参加できる。
・都会だけではなく、地方企業にも応募しやすい。
まとめ
留学生が日本で就職することは難しいと言われています。しかし、今回紹介した先輩たちのように、学校のサポートで採用内定をもらう人もたくさんいます。エール学園(大阪市)も穴吹ビジネスカレッジ(香川県高松市)も就活サポートが手厚い学校です。留学先の学校を選ぶ際は、その学校がどのような就活サポートをしているかもポイントです。
また、留学生の就活だけをサポートするWA.SA.Bi.のような組織も活用してください。たくさんのサポート実績があり、留学生の就活にくわしいスタッフ(日本人、ベトナム人)が対応してくれます。
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留学の専攻と就職時の職種
留学後の日本での在留資格 日本の大学や専門学校で留学後、日本で働こうとする場合、働くための在留資格に切り替える必要があります。その際に最もポピュラーな在留資格は「技術・人文知識・国際業務」ですが、実は留学先の教育機関の種類や専攻によってこの在留資格に円滑に変更できる場合とそうでない場合があります。これを知らずに留学すると、日本で希望の職業に就けない場合もありますので、ご注意ください。 【センチュリー法律事務所・杉田昌平弁護士】 留学後の日本での在留資格 これは原則としてホワイトカラーの仕事を行うための在留資格で、多いのは「エンジニア」「通訳」「翻訳」などです。この在留資格でも工場などで働けますが、専門技術・知識を伴う仕事でなければならず、単純作業だけの仕事はできません。 *「技術」=大学や専門学校で学んだ自然科学系の技術や知識を使う業務 *「人文知識」=大学や専門学校で学んだ法律学、経済学など社会科学系の知識を使う業務 *「国際業務」=外国の文化に基づく思考や感受性を必要とする業務 ここで注意点があります。「技術」や「人文知識」は大学や専門学校で学んだ技術や知識を使う仕事を行うことを想定しています。「国際業務」も外国の文化や感受性を使う仕事を指します。そのような知識や感受性を使わない仕事は、この在留資格ではできません。 例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格でレストランの調理をしてしまうといった事例が報告されていますが、これは不法就労となってしまいます。 学校や専攻の選び方で就職先が限定される 留学を終え「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で就職したい場合、大学や専門学校で学んだ「技術」「人文知識」の内容(専攻)と合致した仕事に就くことができます。 ⚫ 大学卒業の場合 その仕事が自分の専攻と合致しているかについては、大学であれば広く判断され、専門学校であれば狭く判断されます。例えば、大学の文学部、法学部、経済学部などのどこを卒業しても「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で就職できる仕事の種類はあまり変わりません。そして、この場合の「大学」は日本の大学に限られず、ベトナムの大学を卒業している場合も、日本の大学を卒業した場合と同じように取り扱われます。 ベトナムの大学を卒業してから日本に留学するケースもよくあります。 ⚫ 専門学校卒業の場合 一方、専門学校卒業の場合は、「技術・人文知識・国際」の在留資格を申請する際に、専門学校での専攻と仕事内容との関連性が細かく審査されます。このため、専門学校に進学する際は、将来の仕事のことを考えて慎重に選択しなければなりません。親切な専門学校であれば、入学前にコース選択の相談に乗ってくれますので、利用しましょう。 「留学」によって皆さんの目標に近づくことができるよう、KOKOROの先輩留学生たちの体験談も参考にしながら、学校選びやコース選びを適切に行ってください。
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「長所・短所」を効果的に書こう!
皆さん、こんにちは! 日本で就職活動をする中では不安なことがたくさんあると思います。 「履歴書には何を書いたらよいのだろう・・・」「面接で何を聞かれるだろう・・・」 と悩むこともあると思いますが、履歴書に書く内容や面接で聞かれる質問には一定のルールがあります。このルールを事前に知って対策をすることで、企業から「あなたを採用したい!」と思ってもらえるようにしていきましょう。 ブログ「履歴書を書く前に知っておこう!」では、「長所・短所」の書き方の概要を説明しました。今回と次回は、先輩留学生が書いた実例も紹介しながらもっと具体的に説明します。 自分のことは自分が一番知っている?? あなたの「長所・短所」を判断するのはだれか ・長所とは「あなたの良いところ」 (“あなた自身が”良いと思っているところ) ・短所とは「あなたの良くないところ」 (“あなた自身が”良くないと思っているところ) 『自分のことは自分が一番よく知っている』――皆さんはそう信じていると思いますが、必ずしもそうとは限りません。自分でも気付いていない自分の良さや、反対に、自分でも気付いていない自分の良くないところがあります。就活では、自分の長所・短所を相手にどう判断してもらえるかが大事です。 就職活動であなたの「長所・短所」を判断するのは「企業の採用担当者」です。そこで、まずは、自分の長所・短所を履歴書や面接で適切に伝えることができなければ、採用担当者に適切に判断をしてもらうことはできません。 履歴書の注意点(全般) 採用担当者にあなたの長所・短所を説明する際、履歴書では文章で伝え、面接では口頭で伝えますが、母国語と違って日本語で上手に表現することは難しい場合もあります。また、言葉の問題以上に大事なポイントがあります。それは具体性や story です。 留学生が書く履歴書では、「私は真面目です」「私は努力家です」「私は思いやりがあります」などと抽象的にしか表現されていないことが多く、あなたの本当の良さが具体的に伝わらないことがよくあります。 また、「クラスで一番になった」「難しい試験に合格した」などの事実しか書かれておらず、そこに至るプロセスやそれによって学んだことなどの story(物語)が書かれていなければ、「私ってすごいでしょ」という自慢にとどまってしまう恐れがあります。 *Story(物語)については、「履歴書の文例と解説:パート1」を参照してください。 「あなたの良さ」とは? それでは、履歴書や面接で「あなたの長所(良さ)」をどのように伝えたらよいでしょうか。 ここでのポイントは『あなたを採用しようとしている企業の目線で考える』ということです。 企業はどのような人を採用したいのか。それは、「入社して活躍してくれる人」です。つまり、「長所」を書く際には、「入社してから、その長所を生かして仕事で活躍することができる」と思ってもらえるような材料を盛り込み、story(物語)を作らなければなりません。 そのためにも、「自分の長所を志望企業でどのように活かすことができるか」という視点で自己分析を行っていく必要があります。「あなたも気付いていないあなたの長所」についても、企業に入社してその長所をどのように活かすことができるかということを想像しながら見つけていくといいですね。 短所は長所よりも大切 「私は真面目すぎます」「私は同時にいくつものことができません」「私は人とコミュニケーションをとるのが苦手です」 だれにでも「良くないところ(短所)」はあります。しかし、履歴書にそのまま「短所」だけを書いてはいけません。 企業が知りたいのは、あなたがその「短所」をどのように克服してきたか(克服しようとしてきたか)という努力の姿勢やプロセスです。 「短所の克服」は、あなたが就職して社会人となったときにも直面する課題です。就職してすぐにすべてを完璧にこなせる人はいないということは企業も分かっています。 つまり、社会人になってから「あなたができないこと」はたくさん出てきます。その「できないこと」が出てきたときにそれを克服していく姿勢や力があるかどうか、ということを企業は知りたいのです。 この「短所を克服する姿勢や力」があるかどうかは、「学生時代やこれまでの人生であなたが直面した課題に対し、あなたがたどのように対処してきたか」を履歴書に書き、面接でも説明することで、採用担当者に判断してもらうことになります。 「短所」の欄に何を書くかは「長所」の欄に何を書くかよりも重要だと考えてもよいでしょう。「課題や短所を解決する姿勢や力」を持った人を企業は求めているのです。 短所を長所に変える魔法 短所を克服する力が大事なことはわかりましたね? それでは、次に大事なことは「短所を克服した story を履歴書で正しく伝えること」です。 これは、「短所を長所に変えていくプロセス」とも言えます。 例えば、「真面目すぎる」「同時にいくつもできない」ということは、「何事にも真剣に取り組むことができる」ということですね。そのように、意味が反対の言葉(対義語)も書き加えると、短所を「短所であり長所であるポイント」として表現することができます。 さらに、表現を変えるだけではなく、「同時にいくつもできない」という短所を克服するために時間管理を行ったり、何かの活動で仲間と役割を決めて一緒に取り組んだりした、というような具体的な努力のプロセスや結果などを story として表現すると、「あなたが課題や短所を克服する姿勢や力」が採用担当者に具体的に伝わります。 このような工夫をすることで、「短所」だと思っていたことが「長所」の側面を持つことになり、さらにその「短所」を克服した story を書くことで、結果的にはあなたの「長所(短所を克服する力)」を伝えることになります。まるで、魔法のような手法ですね。 長所と短所の見つけ方 さて、「長所・短所」の書き方についてのポイントが分かれば、あとは実行するだけです。 ただ、、、「どれだけ考えても自分の長所・短所が分からない・・・」「Storyで書くことが大切なのは分かったけど、どうやって書けばよいのか分からない・・・」という相談を本当にたくさん受けます。 そこで、2つのポイントをお伝えします。 Point ①:過去を振り返ってノートに書き出そう あなたの今の性格や知識、経験を作ったのはすべてあなたの「過去」です。 両親や兄弟姉妹、友人、恋人、学校の先生、サークルやアルバイトの上司・先輩・同僚などたくさんの人たちと出会い、良い思い出もそうでない思い出もできたはずです。 その一つ一つの経験が今のあなたをつくっています。そこで、まず、今までの自分の体験や経験、出会った人たちのことを、時間をかけて思い出してみてください。 「成功したこと」や「失敗したこと」、もしかすると「思い出したくないような大失敗」もあったかもしれません。 そのようなことを一つ一つ思い出し、子どものころから順番に書き出してみてください。細かく思い出せなくても、記憶の範囲で書き出していけば大丈夫です。 「もうこれ以上思いつかない・・・」というところまで書き出したら、それを何度か読み返しましょう。あなたが書き出したあなたの歴史の中からあなたの長所・短所が見えてくることでしょう。 Point②:周りの人に教えてもらおう 「もうこれ以上思いつかない・・・」ところまで書き出せた人。もう一つやることがあります。それは、あなたの身の回りの人たちにあなたの長所や短所を教えてもらうことです。 冒頭で伝えたように、就活であなたのことを最終的に評価するのはあなたではなく企業の採用担当者です。他人から見えるあなたの姿(長所・短所)を知り、自己分析に加えることで、履歴書に書く「長所・短所」の内容もより深まり、適切になります。 Point①で挙げたあなたの身の回りの人たちにあなたのことを聞いてください。1人ではなく何人かに聞く方がよいでしょう。そして、周りの人たちに教えてもらったあなたの「長所・短所」は、面接で採用担当者があなたと話して感じるであろうあなたの「長所・短所」と少なからず重なるものです。 他人から見たあなたの長所・短所が履歴書の記載に反映されていれば、採用担当者があなたを「適切な自己分析が出来る人」「正直で信頼のできる人」とみなす確率が高まります。そこに加えてあなたが短所を克服してきた story が書かれていれば、さらに評価がアップします。 今回は、「長所・短所」の把握の仕方や書き方について説明しました。次回は先輩の書いた実例も紹介しながら、さらに具体的に説明します。
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★基本情報=技術・人文知識・国際業務(総まとめ)
[iconpress id="local_1009" title="bulb" style="color:#525252; font-size:30px;" ] 【技術・人文知識・国際業務のポイント】 対象業務=専門知識・技術を要する業務や国際業務(=単純作業は不可) 要件=大学・短大か日本の専門学校を卒業、または一定の実務経験 給与水準=同じ業務を行う日本人と同等以上 家族の帯同ができる 転職ができる 永住権申請の条件になる「日本で就労5年以上」の就労年数に計上される <このページの内容> 1.技術・人文知識・国際業務の特徴 2.技術・人文知識・国際業務の対象業務 3.留学時の専攻と職種の整合性 1.技術・人文知識・国際業務の特徴 エンジニアの職場の一例 外国人が日本で働く際の最も典型的な在留資格が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で、一般に「就職ビザ」とも呼ばれています。また、「技人国(ぎじんこく)」という略称で呼ばれます。原則としてホワイトカラーの仕事を行うための在留資格で、多いのは「エンジニア」「通訳」「翻訳」などです。 技術・人文知識・国際業務の要件 この在留資格を得るには、大学・短大か日本の専門学校以上を卒業するか一定の実務経験が必要です。 1 学歴要件 ・大学または短大を卒業(日本、海外のどちらの大学でもよい) ・日本の専門学校卒業 ※ただし、日本の大学や専門学校に通っている間の出席状況やアルバイト時間(法律で決められた時間を超過していないか)などが在留資格の変更審査の際に重視されます。 2 実務経験 ・上記の学歴がない場合でも、10年以上の実務経験(大学や専門学校、高校でその実務に関する知識・技術に関係する科目を履修した期間があれば、それも含める)があれば、技術・人文知識・国際業務の在留資格を取得できます。 ・「翻訳」「通訳」「語学指導」「広報」「宣伝または海外取引業務」「服飾または室内装飾に係るデザイン」「商品開発等」については3年以上の実務経験でOKです。 雇用形態、家族の帯同、転職など ①雇用形態 ・フルタイム。雇用期間は最低1年。正社員、契約社員、時間給社員など雇用形態はさまざま。 ②給料水準 ・同じ社内の同種業務の日本人と同等以上の給料 ③家族の帯同 ・家族を日本に連れてくることができる ④転職 ・転職ができる ⑤永住権の要件 ・「永住者」の在留資格取得に必要な「日本で続けて5年以上就労」という条件の就労期間に算入できる在留資格。技能実習や特定技能1号で働いた期間は永住権申請の際の勤続年数に算入されませんが、技人国や特定技能2号で5年以上続けて勤務した場合は算入されます。「永住者」の在留資格を得るには、「日本に続けて10年以上在留」「素行が善良」なども必要です。 2.技術・人文知識・国際業務の対象業務 対象となる業務 ①技術 ・外国語を使う業務かどうかは関係なし ・大学や専門学校で学んだ自然科学系の技術や知識を使う業務(理系) ・具体例=IT技術者(プログラマー、システムエンジニア)、WEBデザイナー、設計・研究開発部門、工事現場のスーパーバイザー、工場の生産管理者(自ら作業はしない) ②人文知識 ・外国語を使う業務かどうかは関係なし ・大学や専門学校で学んだ法律学、経済学など社会科学系の知識を使う業務(文系) ・具体例=経理、法務、営業、財務、人事、総務、企画、貿易業務 ③国際業務 ・外国語を日常的に使う業務、外国の文化に基づく思考や感受性を必要とする業務 ・具体例=貿易業務、企業の海外拠点・取引先との連絡業務、外国人客の多い免税店・ドラッグストア等の小売店(飲食店・コンビニは除く)、現場で働く技能実習生や外国人留学生の管理・通訳業務、ホテル(フロントか外国旅行会社との連絡業務に限る)、旅行会社、外国人向け不動産会社、通訳・翻訳会社 ④クールジャパン関連業務(アニメまたはファッション・デザイン分野) ・日本の大学・専門学校でアニメやファッション・デザイン関連のコースを卒業し、これらの知識を用いておこなう業務(アニメ制作、ゲーム等のキャラクターデザイン、ファッション・デザインなど) できない業務 ①技術・知識・感受性を要する仕事に限定 ・「技術・人文知識・国際業務」は原則としてホワイトカラーの仕事を行うための在留資格です。工場などでも働けますが、専門技術・知識を伴う仕事でなければならず、単純作業だけの仕事はできません。「国際業務」についても、外国の文化や感受性を使う仕事を指します。そのような知識や感受性を使わない仕事は、この在留資格ではできません。 ②できない業務 ・認められない仕事の例=飲食店のホールスタッフ、調理スタッフ、コンビニ販売員、建設現場、警備員、工場労働者、農林水産業の現場作業、ホテルでの清掃・ベッドメーキング、ヘアサロン、マッサージ 3.留学時の専攻と職種の整合性 日本の大学や専門学校を卒業して日本で就職する場合、最も多い在留資格が「技術・人文知識・国際業務」ですが、実は留学先の教育機関の種類や専攻によってこの在留資格に円滑に変更できる場合とそうでない場合があります。これを知らずに留学すると、日本で希望の職業に就けない場合もありますので、ご注意ください。 学校や専攻の選び方で就職先が限定される 留学を終え「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で就職したい場合、大学や専門学校で学んだ「技術」「人文知識」の内容(専攻)と合致した仕事に就くことができます。 ①大学卒業の場合 その仕事が自分の専攻と合致しているかどうかについては、大学であれば広く判断され、専門学校であれば狭く判断されます。例えば、大学の文学部、法学部、経済学部などのどこを卒業しても「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で就職できる仕事の種類はあまり変わりません。そして、この場合の「大学」は日本の大学に限られず、ベトナムの大学を卒業している場合も、日本の大学を卒業した場合と同じように取り扱われます。 ②専門学校卒業の場合 一方、専門学校卒業の場合は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を申請する際に、専門学校での専攻と仕事内容との関連性が細かく審査されます。実際、日本で採用内定をもらったのに、専門学校の専攻と職種の関連性が認められず在留資格を取得できない事例がたくさんあります。日本の専門学校に進学する際は、将来の仕事のことを考えて慎重に選択しなければなりません。親切な専門学校であれば、入学前にコース選択の相談に乗ってくれますので、利用しましょう。 ※「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で働くベトナム人は日本で就職活動をした人たちばかりではありません。先輩たちはさまざまなルートでこの在留資格を取得しています。次ページで実例を見てみましょう。
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★基本情報=技人国(ぎじんこく)への様々なプロセス
<このページの内容> 1.技人国を取得するための様々なプロセス 2.技能実習→帰国→留学→正社員 3.ベトナムで採用され日本へ(エンジニア) 4.ベトナムで採用され日本へ(総合職) 5.留学を経て日本で就職 1.技人国を取得するための様々なプロセス 地域の祭りに参加するベトナム人エンジニアたち 技術・人文知識・国際業務に至る様々なプロセス ベトナムで就職活動をして日本で「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で働く先輩や、留学するまでに回り道をした先輩もたくさんいます。先輩たちの実例を参考に、あなたの将来について広い視野で考えてみてください。 ① 技能実習→帰国→留学→正社員 技能実習を修了してベトナムにいったん帰国後、再び訪日して留学するケースもあります留学費用(学費+生活費)をアルバイトだけでまかなうのは困難です。そこで、留学をあきらめて技能実習を選択する学生も多いことでしょう。しかし、技能実習で貯めたお金の一部を使ってもう一度日本に来て留学し、日本で就職するパターンも増えてきています。 ② ベトナムで採用され日本へ(エンジニア) ベトナムで日系企業や日本企業の求人を探し、ベトナムで採用されて日本で働くケースも昔より多くなっています。主にエンジニアの仕事です ③ ベトナムで採用され日本へ(総合職) 学歴や言語スキルが高い外国人材を求めて日本企業が海外で行うジョブフェアなどに参加し、日本の企業に就職する学生もいます。 ④ 留学を終えて日本で就職 ポピュラーなパターンですが、多くの留学生が十分なキャリアプランを立てずに訪日しています。留学前に知っておくべき大切なポイントを下記でお伝えします。 それでは、このページで①~④の実例や注意点を紹介していきます。 2.技能実習→帰国→留学→正社員 技能実習を終えて帰国後、留学生として再訪日 カインさんは高校卒業後、地元のナムディン日本語日本文化学院で1年半以上勉強してから技能実習生として日本に行きました。技能実習(建築)の3年間も、ボランティア日本語教室に通うなどして日本語に磨きをかけました。 技能実習を終えて帰国してから1年半後、ナムディン学院と提携する南九州大学(宮崎県)で留学を始めました。大学では酒造について研究し、卒業後、宮崎県の酒造メーカーに就職しました。将来は日本で学んだ酒造に関する知識や技術を生かし、ベトナムで酒造メーカーを立ち上げるのが夢です。 親に頼らず留学 ・カインさんは技能実習生として日本に行くための費用は親に工面してもらいましたが、技能実習の給料で借金を返し、さらに貯金をしました。2回目に訪日した際の留学費用はその貯金の一部とアルバイトでまかないました。外国人留学生の授業料を半額にしてくれる大学を選んだことも正解でした。 ・注意点は、技能実習の際に入管に提出する履歴書と留学の際に提出する履歴書の記載事項(経歴)が異なっていると、留学の在留資格を取得できない場合があるので、技能実習の際によい送出機関を選んでください。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 送出機関の選び方 3.ベトナムで採用され日本へ(エンジニア) ハノイで就職活動し、日本で勤務 ベトナムで大学を卒業したタンさんはベトナムで日系企業に就職。長期研修で初めて日本に行き、通算16カ月間滞在するうちに日本語も勉強しました。その後、この会社の事業縮小に伴い退職しましたが、ベトナムの人材会社を通じて別の日本企業に就職しました。面接はハノイで行われましたが、勤務地は日本。再び訪日して間もなく、ベトナムで結婚したばかりの妻も日本に呼び寄せました。家族を日本に連れていけるのが技人国のよい点の一つです。その後も、よりよい仕事を求めて日本で2回転職しました。「技人国」だと転職も自由です。 学歴要件に注意 日本での外国人エンジニアの仕事は多く、タンさんのようにベトナムの人材会社を通じて求人を探せば見つかります。その場合、一度も日本に行ったことがない人でも、いきなり日本で働ける可能性があります。注意点の一つは学歴で、ベトナムの大学か短大を卒業している必要があります。もう一つは日本語です。最初の日系企業の面接はベトナム語でしたが、2社目の面接(面接場所はハノイ)の言語は日本語でした。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] タンさんの体験談 4.ベトナムで採用され日本へ(総合職) 海外のジョブフェアに参加し日本の有名商社に就職 ベトナムの大学や大学院で日本の政治・経済や日本語を勉強したアインさんは英語も日本語も不自由なく話せます。学生時代、交換留学などで2回に渡り計1年余り東京大学に留学しましたが、日本語は主にハノイで習得しました。修士課程修了後はハノイの日系企業で2年間勤務。その間に、日本の人材会社が日本企業への人材を集めるためにシンガポールで開催したジョブフェアに参加し、日本の有名商社に就職しました。アインさんは現在、東京に住んでいますが、ベトナムへの長期出張もあり、やりがいのある社会人生活を送っています。 アインさんからのメッセージ アインさんは「日本語力を生かして働くなら、日本で働く方がポストも多く、給料もよいと思います。また、ジョブフェアを利用すれば、自己負担なしで外国で面接を受けられます」と話しています。アインさんは体験談で自分が参加したジョブフェアの種類や採用面接の準備方法も紹介しています。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] アインさんの体験談 5.留学を経て日本で就職 自分で研究してキャリアプランを立てよう 留学あっせん会社に留学プランを一任する学生がたくさんいます。その多くがベトナムで半年~1年日本語を学んでから日本の日本語学校に留学します。その後は、専門学校に行くことが多く、専門学校卒業後に日本で就職する学生もいれば、大学や短大に進学してから就職する人もいます。また、就職せずに帰国する人もいます。 しかし、留学の様々なパターンを知ると、自分に適したコースが見えてきます。例えば、次のような留学の仕方が効率的であることも分かってきます。 ①ベトナムでよい日本語学校を選び、1~2年かけてしっかり勉強してから日本に行く。 ②日本の日本語学校の新学年は4月入学が一番多く、次に多いのが9月入学ですが、何月に入学しても卒業は3月です。4月入学の場合は卒業まで通常2年、9月入学の場合は1年半です。9月入学を選ぶだけで半年分の学費と生活費を節約できます。学校によってはさらに短いコースを提供しているケースもあります。 ③ある程度の日本語力をつけてから訪日し、日本語学校でさらに勉強すると、専門学校に行かずに大学に進学することが可能です。ただし、日本留学試験(EJU)の対策も必要です。 先輩たちの様々なパターン 先輩たちの体験談から様々な留学パターンがあることが分かります。中には、ベトナムの高校を出て日本の大学に直接入学した事例もあります。留学あっせん会社に任せきりにせず、いろいろな事例を知って自分なりの目標を立てましょう。 ①ベトナムの大学卒業の場合 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ベトナムの大学で日本語を勉強・卒業→日本の専門学校(2年)→日本で就職 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] フエ外国語大学→日本の日本語学校(2年=在学中にフエ外大卒業)→日本の専門学校(1年)→日本で就職 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ベトナムの大学で日本語を勉強・卒業→日本の専門学校(2年)→日本で就職 ②ベトナムの高校卒業の場合 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ベトナムの高校+日本語学校(10カ月)→日本の日本語学校(1年半)→日本の専門学校(3年)→日本の大学(4年)→日本で就職 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ベトナムの高校→日本の大学(4年)→日本で就職 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ベトナムの高校+日本語学校(1年)→日本の日本語学校(1年半)→日本の大学(4年)→日本で就職
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