留学・就活
就職面接に関するマナー
就職活動で面接の連絡を受けた場合、面接での受け答えの練習以外に何に気を付けたらよいでしょうか?「会社とのメールに関するマナー」や「面接での服装・髪型」「オンライン面接での注意点」などについて説明します。
※「面接でよく聞かれる質問」については下記の記事を読んでください。
メール返信は24時間以内に
履歴書やエントリーシートに自分のメールアドレスを記入する項目がありますね。就職活動(就活)で会社からの連絡は電子メールで来ることが一般的です。エントリーシートなどの書類選考の結果や面接の案内もたいていは電子メールで送られてきます。
最近は、SNSのメッセージ機能(メッセンジャーなど)を使うことが多く、普段の連絡で電子メールを使う人は少なくなりました。しかし、就活中はメールをこまめにチェックしましょう。そして、メール連絡には、受信から24時間以内に返信をしましょう。
これは日本の就活でのマナーです。24時間といわず、会社から来たメールにはできるだけ早く返信しましょう。
・大事なメールが届いていないか、こまめにチェックする。
・そのメールになるべく早く返信する。
これらは、入社してから仕事をする場合の大事なビジネスマナーです。就活でも、これができているかできていないかが評価ポイントの一つになる場合があります。
それでは、面接の案内に対する返信の文例を紹介しますので、参考にしてください。
面接の案内に対する返信の例
株式会社◯◯◯◯
採用担当・△△様
お世話になっております。
貴社求人に応募致しました○○と申します。
この度は面接日程のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
ご指定いただいた日時に貴社にお伺いさせていただきます。
4月25日(月)午前10:00
場所:貴社名古屋支社5階・第1会議室
面接の機会をいただきましたことに厚く御礼申し上げます。
当日は何卒よろしくお願い申し上げます。
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名前
〒000-0000
住所
電話番号 123-4567-8901
メール ◯◯@◯◯.com
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オンライン面接での注意点
新型コロナウイルスの影響で、一次面接や説明会はオンラインで行われることが増えました。これにはどのような準備が必要でしょうか?
オンライン面接で使われるツール
オンラインでの面接にはZOOMやSkype、Microsoft Teamsなどのビデオ会議アプリがよく使われます。多くの留学生は携帯電話で参加しますが、パソコンをお持ちの場合は、パソコンを使うことをお勧めします。パソコンの方がミュートのオン・オフの切り替えもスムーズですし、相手の表情もよく見えます。しかし、もし、携帯電話しかない場合は、100円ショップなどで売られている「スマホスタンド」を使ってください。それで画面を固定できますし、両手が自由になって、良い姿勢で面接を受けることができます。
画面の背景画像
ビデオ会議アプリでは、自分が映る画面の背景を変えることができます。白い壁の前などで面接を受けることができるのなら、背景を変えなくても構いません。しかし、部屋の洗濯物などが背景に入ると、第一印象が悪くなる可能性があります。その場合は、面接にふさわしい背景画像に切り替えましょう。
インターネット接続
面接の途中でインターネット接続の不調が原因で、画像が乱れたり声が途切れたりしてしまうと、あなたの良さを相手に十分に伝えられません。Wi-FiよりLANケーブルを使う方が通信の安定性が高いです。その場合、携帯電話ではなくパソコンを使うことになります。
対面の面接でのマナー
新型コロナウイルスの関係でオンライン面接が増えましたが、入社するまでに少なくとも1回は対面で面接が行われることがほとんどです。対面の面接には、どのような準備が必要でしょうか?
会場へのルートを調べる
面接の案内メールには面接会場の場所が書かれています。自宅から会場へ行くルートや所要時間をまず調べましょう。そして、電車が事故などで遅れることも想定し、早めに会場付近の駅に着くように電車を選びましょう。
また、駅から会場へのルートについては、Googleマップやストリートビューなどで下調べをしておくと、当日、道に迷う可能性が低くなります。
10分以上前に着く
相手を待たせると相手の時間を無駄にすることになり、相手を軽視していると見られてしまいます。とはいえ、早く到着しすぎると、相手の予定に支障をきたす可能性があります。面接会場では、指定時刻の約5分前に受付をするのがちょうどよいでしょう。
・早めに会場の最寄り駅に着く。
・道に迷う可能性も考慮して10分以上前に面接会場に着く。
・会場を確認したら、周辺でしばらく待ち、指定時刻の約5分前に受付をする。
服装と髪型
相手に良い第一印象を持ってもらうため、身だしなみを整えましょう。特に服装と髪型に気を付けましょう。以下のチェックリストを参考に、家を出る前に身だしなみを2回以上確認してくださいね。
男性
▢ 髪:フケが目立たないか
▢ 顔:無精ひげが伸びていないか。ひげのそり残しがないか。
▢ スーツ:上着にしわがないか
▢ スーツ:上着の肩の部分にフケがついていないか
▢ スーツ:ズボンの折り目はしっかりしているか
▢ スーツ:上着やズボンのポケットがふくらんでいないか
女性
▢ 髪:前髪が長すぎないか
▢ 髪:色が明るすぎないか
▢ 髪:長い髪は束ねているか
▢ スーツ:規定通りに着ているか
▢ スーツ:色は派手過ぎないか
▢ スーツ:スカートが短すぎないか
▢ スーツ:サンダルやミュールをはいていないか
持ち物
メモ帳と筆記用具、スケジュール帳を忘れないようにしてください。また、念のため、予備の履歴書(写真付き)を1部カバンに入れておきましょう。
まとめ
就職面接では、きちんと受け答えをできるように回答を準備し練習することが最も大事です。しかし、面接前に第一印象を悪くしてしまっては、面接の総合判断に大きく影響します。今回は、そうならないために、「メールのやり取りに関する基本マナー」や「面接会場に余裕を持って着くための準備」「面接での服装・髪型」「オンライン面接での注意点」などを紹介しました。
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面接でよく聞かれる質問
就職活動の面接で必ず聞かれる質問や、答える際に心がけるべきことがたくさんあります。面接できちんと答えるには十分な準備が必要です。面接でよく聞かれる質問や、その質問への答え方・準備の仕方について紹介します。 面接の目的を理解する そもそも、なぜ面接を行うのでしょうか? 日本語力の確認という意味もありますが、会社はあなたのことをもっと知りたいため、直接、話をするのです。同時に、面接はあなた自身がその会社についてもっと知ることができるチャンスでもあります。 面接官はあなたと会話をする中で「企業が求める人物像」とあなたが重なるかどうかを考えます。また、あなたは、その会社があなたの希望(仕事の内容、やりがい、給与や福利厚生などの条件)に合うかどうかを確認します。面接の回数は多くの場合2〜4回です。 それでは、「企業が求める人物像」とはどのようなものでしょうか? あなたは求人情報を見て「やってみたい」と思う仕事にエントリーすると思います。その後、会社説明会や面接を通じて具体的な仕事内容や給与などの条件、職場の雰囲気、人材育成方針などを理解する中で「やってみたい」から「この会社に入りたい」という気持ちに変わっていきます。 これは企業側も同じです。面接官はあなたを面接し、具体的な話をすることで、あなたの長所・短所への理解を深めながら、あなたが入社して活躍できるかどうかを予想するのです。他の応募者とも比べながら、最も活躍できると判断した人たち、つまり「企業の求める人物像」に合った人たちに採用内定を出します。 面接は何回か行いますが、一つ一つの面接時間は決して長くはありません。限られた時間の中で「この会社に入りたい」「この会社でこのような仕事がしたい!」という気持ち・情熱を明確に伝えることが大事です。 履歴書と面接の関係 企業は応募者(あなた)の履歴書やエントリーシートだけでは、あなたのすべてを知ることはできません。履歴書やエントリーシートはあなたの情報の一部でしかないからです。 こうした一部の情報から「この人に会って話を聞いてみたい」と感じた人にのみ、面接の通知が届きます。そのため、履歴書やエントリーシートは「あなたに会ってみたい」と思わせる内容にする必要があります。 面接に進んだ場合、履歴書やエントリーシートに書いた内容を詳しく聞く質問が多くなります。そこで、履歴書やエントリーシートの内容を面接前にしっかりと再確認し、質問にわかりやすく答える準備をしておかなければなりません。 履歴書からわかる情報で重要なものは次の4つです。 ①自己紹介 ②志望動機 ③長所・短所 ④学生時代の経験 面接でこれらの項目に関する質問にどう答えたらよいかを準備しておきましょう。 「自己紹介」 自己紹介では、面接官に「良い第一印象を持ってもらうこと」が重要です。自己紹介の時間は30秒から1分ぐらいです。第一印象は数秒から数十秒で決まると言われています。第一印象は大事なので、自己紹介で話す内容もさることながら、そのときの表情や声についても家で練習しておきましょう。鏡を見ながら練習すると、自分の表情がよくわかります。 面接での自己紹介 時間 30秒〜1分 必ず伝えるべき内容 ・氏名 ・出身 ・学校 ・専攻 追加内容 (なくても構いません) ・趣味 ・個人的な情報(学生時代にがんばったことなど) その他 ・名前をゆっくり言う ・はきはきと大きな声で話す 例文 「◯◯大学◯◯学部◯◯学科◯◯専攻の◯◯と申します。本日は、貴重なお時間をいただき、ありがとうございます」→「個人的な情報」→「よろしくお願いいたします」 「志望動機」 時間 3〜4分間 必ず伝えるべき内容 ・その会社でどのような仕事をしたいか ・その仕事に対して自分はどのように貢献できるのか (自分の経験やエピソードと結びつけて話す) 似ている質問 ・なぜ当社に入りたいのですか? ・なぜ当社を選びましたか? ・当社でどのような仕事をしたいですか? ・就職したらやりたい仕事は何ですか? これらの質問にきちんと答えるために、履歴書やエントリーシートの志望動機欄に書いた内容を再確認し、もう少しくわしく説明できるように準備してください。次の記事を読んでから志望動機を書くと、面接での答え方の準備にもなります。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 志望動機の書き方 「長所・短所」 時間 3〜4分間 必ず伝えるべき内容 ・長所・短所を一つか二つに絞って簡潔に伝える ・短所を克服しようと努力していることを伝える 似ている質問 ・あなたの強み、弱みを教えてください。 ・あなたの得意なこと、苦手なことはなんですか? 次の記事を読んでから「長所・短所」を書くと、面接での答え方の準備にもなります。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 長所・短所の書き方 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 長所・短所の例文と解説 「学生のときにがんばったこと」 面接官は、あなたが目標を達成したり課題を克服したりするためにどのように努力をできるのかを知りたがっています。「学生時代にがんばったことを教えてください」という質問に対し、「私はどんなことでもがんばります!」と答える人がいます。しかし、この答えは具体性がないので、説得力がありません。 そうではなく、あなたがこれまで努力したことや、困難を乗り換えた経験などを話すと、「これから大変なことがあっても、同じように乗り越えることができる人だ!」と思ってもらいやすいでしょう。 学生時代の経験について次のようなことを聞かれることが多いので、回答を準備し、話す練習をしておきましょう。 ・アルバイトで一番大変だった経験は何ですか?そして、それをどうやって乗り越えましたか? ・今まで、日本で一番困ったことは何ですか? ・日本とベトナムの違いを感じたことがありますか?それはどんな違いですか? ・学校で何を勉強していますか? ・卒業論文のテーマは何ですか? ・学生時代に勉強以外に力を注いだこと(ガクチカ)は何ですか? [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 「ガクチカ」の書き方 単に体験談を話すのではなく、その経験によって学んだことを「仕事でどのように生かすことができるのか」を意識して回答を考えましょう。 将来と会社に関する質問 ・5年後・10年後、何をしていると思いますか? ・5年後・10年後、どのような人になりたいですか? この質問は、あなたが将来についてどう考えているかを聞く質問です。 日本の会社では、入社して1、2年間は、一人だけで仕事をするということはほとんどなく、先輩や上司と一緒に仕事をすることが多いです。仕事について勉強し覚える時間です。その後にやっと一人で仕事をし、どんどんスキルを高めていってほしいと、会社は考えています。 あなたが今、思っていることと会社の求めていることが一致しても、入社して数年後にあなたの希望と会社での現状が違うと分かり、退職することもあります。その場合、会社はせっかく時間をかけてあなたを教育したのに、また新しい人に最初から教えなければなりません。 このため、面接官は、あなたが将来どのようなことをしたいか、どのような自分になりたいと思っているかについても、あらかじめ知っておきたいのです。 留学生の場合、日本でずっと暮らしたい人もいれば、10年ほど仕事の経験を積んだら母国に帰ろうと思っている人もいると思います。どちらが良いとも悪いとも言えません。その希望が会社に合うかどうかが大事です。 会社に悪いイメージを持たれてしまうかもしれないと思い、ウソをつきたくなる気持ちもわかりますが、正直に話すことで、会社があなたと一緒に働くイメージを作りやすくなる場合もあります。 ・日本で働きたい理由は何ですか? ・日本の会社をどのようにイメージしていますか? 当社についてどのようにイメージしていますか? ・どのくらい働きたいですか? ずっと日本に住みたいですか、それとも何年かしたら母国に帰りますか? ・当社のベトナムの支社で働きたいですか? これらの質問にどう答えるかを考えると同時に、この機会に改めて自己分析を行い、将来どうしたらよいかについて考えてみてくださいね。 ・会社に何か質問がありますか。 これは面接の最後によく聞かれる質問です。面接官の話の中で分からなかったこと、例えば会社の理念や職場の雰囲気など、聞きたいことがあれば何でも聞いてください。会社に質問をするということは、あなたがその会社で働くイメージを描こうとしているからであり、質問内容によっては、先方から好印象を持ってもらえます。 まとめ 面接でよく聞かれる質問をリストアップしました。何が評価されるかは、会社によっても面接官によっても違いますが、会社側が一番知りたいのは「あなたがその仕事や会社に合っているかどうか」です。しっかり準備をして面接にのぞみ、あなたらしさやあなたの良さをていねいに伸び伸びと表現してくださいね。
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★基本情報=留学生の就活スケジュール
留学生の就活スケジュール 1.就職活動の全体スケジュール 2.自己分析(己を知る) 3.仕事と企業の研究(相手を知る) 4.インターンシップ 5.履歴書とエントリーシート 6.エントリーシートの書き方 7.エントリー・試験・面接・内定 留学生の就活スケジュール 「エントリー」「合同説明会」「会社説明会」「エントリーシート」「履歴書」「筆記試験」「面接」「内々定」。留学生の就職活動の進め方の全体像と、エントリーシートや面接の成否を分ける「自己PR」や「志望動機」を書くための準備について解説します。活動が遅れがちな留学生が多いので、全体の流れを理解し、早めの準備を心がけましょう。 1.就職活動の全体スケジュール 大学3年からスタート 大学3年・M1 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 インターンシップ説明会 夏のインターンシップ 秋のインターンシップ 合同説明会が多い(3月には大きな会社の単独説明会もある) 自己分析(価値観・興味・長所) 仕事(業界・職種・企業)の研究=検索、先輩訪問、企業訪問、インターンシップ 2022年卒業予定者の就活スケジュール 大学生の場合、日本での就職活動(就活)は3年生の最初から始まると考えてください。就職活動で一番大事なのは、自分にとってやりがいのある仕事を探すことです。自分の経験や知識、価値観をどのような分野で生かせばよいか、そのためにはどの企業のどの職種を目指すのがよいか、それを考え、研究する時期が大学3年生です。 また、3年のうちからインターンシップに積極的に参加しましょう。インターンについては、後で詳しく説明しますが、さまざまな職場や仕事を経験することで仕事選びのノウハウも高まり、自分の長所や課題に関する分析も深まります。そして、学年末に近付くと、いよいよ合同説明会などの会社説明会が始まります。就活の本格スタートです。 大学4年:エントリーシート提出→試験→面接 大学4年・M2 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 筆記試験・面接 内々定 内 定 式 ビ ザ 変 更 春のインターンシップ 4年生になっても会社説明会は続きます。多くの場合、4~6月に面接がありますが、それより遅い時期でもインターンシップや面接はあります。なかなか内々定が出なくてもあきらめないでください。 就職活動にかかる時間 就職活動には時間がかかります。 ・自己分析、会社探し……なるべく時間をかけて自己分析や会社探しをすることをお勧めしますが、短い期間でやろうとする場合でも会社探しには2、3カ月かかります。 ・正式な採用内定をもらうと在留資格変更の手続きに入りますが、変更手続きには通常3カ月ぐらいかかるので、大学4年の12月ごろに申請を行います。 2.自己分析(己を知る) 就活では、自分にとってやりがいのある仕事、自分の能力や適性を発揮できる職場を探しましょう。日本では、あまりに短い期間で転職をくり返すと、再就職先の選択肢が減っていきます。採用する側が「この人を採用しても長続きするのだろうか」と不安になるからです。長く働き続けるためにも、仕事を通じてやりがいを感じ充実した人生を過ごすためにも、自分に合った仕事や職場を見つけることが大切です。 そのための第一歩が自己分析です。自己分析ができていないと自分に合った仕事も分かりません。自分の経験(学校生活、社会活動、アルバイトなど)を振り返りながら、下記のようなポイントをくり返し分析してください。 ・自分の価値観 ・自分の興味 ・自分の能力(何が得意か、何ができるか) 3.仕事と企業の研究(相手を知る) 自分の価値観、興味、能力が見えてきたら、それに合う仕事や職場を探しましょう。それには、仕事や会社の内容を知らなければなりません。どのようにすれば、仕事や会社の内容を調べられるのでしょうか。 「なぜ当社で働きたいのですか?」 採用面接でよく聞かれる質問に次のようなものがあります。 ✔︎「なぜ当社を志望するのですか?」 ✔︎「なぜこの仕事をしたいのですか?」 ✔︎「あなたはどうやって当社に貢献できますか?」 自己分析や会社分析ができていないと、これらの質問に的確に答えられません。逆に、十分な自己分析と会社分析を経て応募した会社なら、その会社があなたに合っている確率が高く、こうした質問にも的確に答えることができます。 会社と仕事の研究 やりたい仕事、行きたい会社を探すには、次のような角度から情報を収集し分析していきましょう。 業界研究 興味のある業界を広く調べましょう。その業界はだれに何を提供しているのか、その業界で自分のできる仕事は何かなどを調べます。その際、学生は消費者に商品やサービスを提供しているB to C(Business to Consumer)の業界だけに目を向けがちですが、企業向けに商品やサービスを提供しているB to B(Business to Business)の業界についても調べましょう。 企業研究、職種研究 エントリーシートや面接で「この業界の中でなぜ当社を志望するのですか?」と問われたときに説得力のある答えを用意できるよう、会社の事業内容や強み、社風、他社との違いなどをしっかり調べましょう。当然、その会社にどういう職種があるのかも知らなければなりません。そのためには、例えば次のような方法があります。 ✔︎ インターネットで情報を集める ✔︎ 先輩に聞く(できれば、先輩に会って聞く) ✔︎ 会社説明会に参加する ✔︎ インターンシップでその会社か同業他社で働く 大学での専攻と就職の職種 学校での専攻と就職先の職種 留学生の場合、学校で専攻した内容と就職での職種が合致しないと、技術・人文知識・国際の在留資格を取得できないことがあります。在留資格の関係で自分にできる仕事とできない仕事があることに留意してください。 留学の専攻と就職時の職種 特定技能 また、中には日本で働くのは数年と決めている留学生もいることでしょう。その場合、「特定技能」という在留資格を目指す留学生も増えてきています。日本語能力試験(JLPT)・N4以上と働きたい産業分野の技能測定試験に合格し、企業と雇用契約を結べば、特定技能の在留資格を取得する条件がそろいます。 特定技能について何でも分かる 留学生の就活スケジュール 4.インターンシップ 自己分析が進み、仕事の研究にも役立つ 大手人材会社「マイナビ」の調査によると、2020年卒業の大学生の約80%がインターンシップに参加しました。1人がインターンシップをする会社の数は平均3・6社です。インターンシップは大学や専門学校のキャリア支援室(キャリアセンター、就職支援室)で紹介してもらえます。 自己分析を進める上でも仕事の研究を深める上でもインターンシップは重要です。>アルバイトとは違う種類の仕事も体験できます。実際にその仕事をしてみることで、その仕事が自分に向いているかどうか、自分にはどのような長所や課題があるのか、どんな仕事が自分に向いているのか、会社を選ぶ際には何に着目したらよいかなど、さまざまなことが見えてきます。 ✔︎ 仕事内容を具体的に理解できる ✔︎ 自分の長所や課題が分かる ✔︎ 仕事に必要な知識・能力・スキルがわかる ✔︎ エントリーシートや面接でPRするための経験にもなる ✔︎ さまざまな助言をもらえる ✔︎ 会社を見る目が養われる 採用型のインターンと体験型のインターン 人材不足(採用難)に伴い、インターンシップを実施する企業は増えています。面接だけでは人物を的確に評価しきれないケースも多いので、ミスマッチを防ぐため、企業がインターンシップを実施して有望な学生を採用するのです(採用型インターン)。一方、採用枠のない企業が学生に体験の場を提供するためにインターンシップを実施している場合もあります(体験型インターン)。 2カ月のインターンを経て内定を得た先輩留学生の体験談 日本のインターンシップの特徴 ・短いインターンも多い。1日だけのインターンもある。 ・学生がお金を払うことはない。逆にお金をもらうことはあり、その場合は、アルバイトと同じで1週間28時間以内。 5.履歴書とエントリーシート 履歴書とエントリーシートの違い 履歴書は自分のデータや経歴を示す書類で、履歴書に記載した氏名、生年月日、学歴などが従業員データとして使われます。また、履歴書は公的書類のため、虚偽を記載した場合は、採用取り消しや解雇の原因にもなり得ます。 エントリーシートは採用選考の重要資料です。多くの場合、志望動機や自己PR、学生時代にがんばったことなど、選考するために知りたい項目を企業が設定します。 エントリーシートと履歴書の内容重複はOK 選考前にエントリーシートと履歴書の両方を提出させる企業もあります。エントリーシートと履歴書は使う目的が違うので、内容にある程度の重複があっても構いません。 エントリーシートにと履歴書の両方に「自己PR」や「志望動機」の欄がある場合はどうしたらいいでしょうか?選考ではエントリーシートを中心に使うので、エントリーシートに詳しく書き、履歴書には、エントリーシートに書いた内容を要約して書いてもいいでしょう。 中には、履歴書だけでエントリーシートの提出を求めない企業もあります。その場合は、履歴書に自己PRや志望動機を詳しく書き込んでください。 手書きの履歴書 手書きの履歴書提出を求められた場合は、履歴書を通して記入の正確性や仕事のていねいさなどを見られます。誤字・脱字に注意し、間違えた場合は、なるべく最初から書き直すようにしましょう。 6.エントリーシートの書き方 自己PRと志望動機 エントリーシートでも面接でも最も重視されるのが「自己PR」と「志望動機」です。 ①自己PR 自己PR欄には、自分の長所や経験、売り込みたいポイントを少なくとも2、3点盛り込んでください。自分の長所や目標について書く際は、受験勉強や部活動、社会活動、アルバイト、インターンシップなど自分の体験やエピソードと結びつけて説明してください。そして、体験・経験やエピソードは具体的に分かりやすく書いてください。 ②志望動機 志望動機欄には、その会社の事業内容と自分の長所・経験とを結びつけ、自分がその会社のどの事業にどのように貢献できるか、どのような仕事をしたいかなどを具体的に書ければ、選考担当者の目にとまりやすくなります。面接の際にも、「志望動機」や「自己PR」の欄に書いたことをベースにして自分をPRするとよいでしょう。 志望企業の事業内容や強み、特色、社風を調べるためには、ウェブサイトの企業情報やその会社のホームページなどをまず調べましょう。また、ネットだけではなく、インターンシップに参加したり先輩を訪ねたりしてリアルな情報も収集するようにしてください。そのような努力はエントリーシートや面接に必ず生きてきます。 ③その他の注意点 ・他人のエントリーシートの丸写しに近い記述では、面接で質問された際に自分の長所や経験を相手にうまく伝えられません。自分の言葉で書きましょう。 ・経験・体験はできるだけ具体的に書きましょう。 最大のPRは自分の人柄と経験 自分の経験やそこから得たことを文章に具体的に盛り込もう 就活では自己表現の仕方などノウハウだけにとらわれがちですが、最も重要なのはあなたの経験や蓄積、人柄です。勉強やアルバイト、社会活動など、あなたがまじめに取り組み真剣に努力した経験があれば、それを大事に考え、自信を持って売り込んでください。逆に、これから留学する人やまだ留学歴の浅い人は、就活にも役立つように、学習や経験、交流などを積み重ねてください。 7.エントリー・試験・面接・内定 エントリーシート 興味のある企業が見つかったら、人材会社のサイトなどを通じて「エントリー」という手続きをします。1人が平均20~30社にエントリーしています。エントリーしたからといって、会社説明会への参加やエントリーシートの提出を義務付けられるわけではないので、多めにエントリーするとよいでしょう。人材会社のサイトから企業にエントリーした後、その企業からエントリーシートの提出を求められることもあります。その会社に就職したい場合は、応じましょう。 3月までは主に会社説明会だけで、選考はその後です。このため、エントリーシートの提出は4月以降が大半です。 筆記試験 エントリーシートでの書類選考を通過すると、筆記試験を受けます。試験は、語彙力や読解力を問う「言語」、計算力などを測る「非言語」、「性格・適性」の3カテゴリーに分けられます。「英語」「時事」「作文」などを課す企業もあります。 面接 書類選考と筆記試験を通過すると、いよいよ面接です。面接には下記のような形式があります。 ・個人面接…学生は1人。15~20分。 ・集団面接…2、3人同時に面接を受ける。一次面接に多い。 ・グループディスカッション…与えられたテーマについて数人で議論する。 「あなたはいつまで日本で働きますか?」 留学生の場合、志望動機や自己PR以外に面接前に準備することがあります。それは「あなたはいつまで日本で働きますか?」という質問への答えです。KOKORO編集部が取材した留学生の中には永住OKという人もいますが、「いつか母国に帰る」と考えている人の方が多数でした。 このことはエントリーシートに書く必要はありません。しかし、外国人留学生の場合、面接で高い確率で聞かれる質問です。いつごろ母国に帰るつもりかについて自分の計画を正直に伝えるべきか否か、悩むところですし、返答に対する会社の反応もさまざまです。しかし、どう答えるか考えておかないと、面接で急に聞かれても適切に答えられません。準備が必要です。 内定 採用内定が出れば、特別な事情がない限り、卒業後にその会社に就職できます。正式な内定の前に出される「内々定」も内定とほとんど同じ意味で用いられます。約8割の学生が大学4年の7月末までに1社以上から内々定をもらうという調査結果もあります。特に中堅・中小企業の採用は大企業よりも先に進むことが多いので、情報入手と早め早めの行動を心がけてください。
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魅力的な「志望動機」を書こう!
2022年度の就職活動(就活)がそろそろ始まります。就活でまず準備するのは履歴書やエントリーシートですが、その中でも特に大事な「志望動機」の書き方について説明します。例文の紹介と解説もします。 「どこでもよいから入社したい」はNG 卒業が近づいてくると、在留期間が切れそうになることもあって、「どこでもよいから入社したい」と考える留学生もいます。しかし、「どこでもよいから入社したい」と考える人は「どこにも入れない」のが現実です。 ①「入りたい会社に入る」。そのためには、「なぜそこに入りたいのか」をまず自分の頭の中で明確にします。 ②次に、あなたがその会社にどのように貢献できるのか(=会社があなたを採用することによるメリット)を考えてください。 ①と②の内容を文章にして「志望動機」欄に書くことになります。➀と②について考えるには、ネットやインターンシップ、先輩訪問などでその会社の情報を調べなければなりません。 【会社情報のチェックポイント】 事業内容、仕事の内容 業績 企業理念、社風 事業エリア 転勤システム 休暇制度 キャリアモデル 魅力的な「志望動機」とは 気になる会社の情報を徹底的に調べたら、次は、自分の希望(仕事のやりがい、収入、ライフスタイルなど)がその会社でかなえられるのかどうかチェックします。 その会社で自分の希望がどのようにかなえられるかがわかったら、それらをすべて(文章でなくてもよいので)紙に書き出します。すると、それが「志望動機」のたたき台になります。 これをもとに文章を作りますが、その際に次のようなポイントを盛り込みましょう。 ・なぜ、まざまな企業の中からその会社を選んだのか(どこに魅力を感じているのか) ・その会社でどのような仕事をしたいか ・その仕事に自分がどのように貢献できるか(=長所や経験と結びつけて書く) それでは、例文を見ながら一緒に考えていきましょう。例文は、編集部が少しだけ手直しをしています。 「志望動機」の例文➀ 応募職種:総合職(営業) ・ベトナム人 ・大学生 ・日本語能力試験(JLPT)・N1 私には「人と関わりながら仕事をやっていく」という軸があり、さらに、日本とベトナムに関連する仕事をしたいという希望があります。貴社の会社説明動画とHPを拝見し、70カ国にまたがるグローバルな事業展開に魅力を感じました。そして、その事業に関連する外国人材のサポートや管理に関わりたいと思い、応募させて頂きました。 私は日本語学校で通訳者として約一年間勤務し、通訳の仕事に加え、入管に提出する書類の作成や生徒の生活指導なども担当しました。貴社での仕事でその経験を生かし、さらに磨きをかけ、新たに来日する外国人材やすでに日本に住んでいる外国人材に対し様々なサポートを提供したいと考えております。それによって、貴社で働く外国人材のパフォーマンスを高め、事業発展に貢献できればと思います。 【編集部コメント】 ・良い点:自分の希望を書くだけではなく、自分がこの会社にどのように貢献できるかをアピールしています(=黄色い部分)。どう貢献できるかについては、もう少し長く書いてもいいです。 ・足りない点:日本語学校での仕事でどのような努力・工夫をし、生徒をどのように助けたのか、具体的なエピソードがあると、仕事ぶりや人柄がもっと伝わります。 「志望動機」の例文② 応募職種:翻訳・通訳 ・ベトナム人 ・日本語学校生(母国の大学卒) ・JLPT N2 私は職場でコミュニケーションをしっかりとり、人間関係がうまくいくように気をつけています。大学生の時もいろいろな人にインタビューして貴重な情報を得ることができ、記事が何度も新聞に掲載されたことがあります。現在、外国人技能実習生向けの研修センターで生活指導員として働いています。日本語や生活のルール、職場でのマナーを教えるのはもちろん、実習生たちと会話の機会をたくさん持つように心がけています。それによって彼らの不安や困りごとを把握し、いち早く解決してきました。 私のもう一つの強みは、協調性があり責任感が強いことです。実習生のサポートや指導をするに当たり、上司から指示されたことだけではなく、入国後講習のカリキュラム作りに工夫を重ねています。実習生たちが1カ月の講習後に職場などで最低限の日本語を話せるよう、また、日本の生活に早く慣れるよう、講習の内容を考え、常に更新しています。その際、同僚の意見にもしっかり耳を傾けています。実習生支援という目的をしっかり果たせるように、責任感と協調性を持って取り組んでいます。 こうした経験を生かし、自分がより大きく成長するために、貴社の仕事に挑戦し、新たな知識を習得し経験も積みたいと思います。 【編集部コメント】 ・良い点:今の仕事への取り組み方を具体的に書くことで「協調性」や「責任感」という長所が十分に説明できています(=黄色い部分)。 ・足りない点:新しい会社のどこに魅力を感じたのか、その会社でどのように活躍したいのかが書かれていません。 ・足りない点:新聞に記事が何度も載ったと書いていますが、どのような立場や状況でどのような取材をしたのか、どのような新聞に載ったのかがわかりません。説明力が足りないという印象を受けます。 まとめ 履歴書の「長所・短所」などはどの会社へも同じ内容で提出できますが、「志望動機」の内容は提出先によって変わります。自分で努力して書いた後は、先輩や学校の先生にも見てもらい、アドバイスを受けましょう。 留学生支援チーム・WA.SA.Bi.も留学生の履歴書作成を無料でサポートしています。オンラインで全国の留学生の就活相談に母国語で応じています。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] WA.SA.Bi.:留学生の相談送信ページ 履歴書の書き方に関するほかの記事もあります。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 「長所・短所」を効果的に書こう! [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 履歴書の文例と解説:パート1 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 履歴書の文例と解説:パート2 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 履歴書の文例と解説:パート3
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履歴書の文例と解説:パート1
皆さん、こんにちは! 前回のブログ「履歴書を書く前に知っておこう!」では、履歴書記入時の基本コンセプト、履歴書とエントリーシートの違いなど、履歴書を書く前に知っておくべき点について紹介しました。今回は、先輩留学生たちが履歴書に書いた文章をもとに具体的な書き方を考えていきましょう。 日本の履歴書は諸外国の履歴書とフォーマットが異なります。前回ブログで日本の履歴書の基礎知識を説明していますので、まだ読んでいない方は先にお読みください。 履歴書を書く前に知っておこう! Story(物語)を作成する 皆さんは学校などで「作文の授業」を受けたことがありますね? その際に「story」つまり話の流れを意識して書くように教わったと思います。就活の履歴書では日本語でstory(文章の流れ、構成、物語)を伝えなければなりません。 履歴書に書く文章は皆さんの自己PRですが、そのPR内容は企業の採用担当者に「伝わる」物語でなければなりません。留学生が履歴書に書く文章には、説明不十分でstoryのない短文がしばしば見受けられます。そのような文章では採用担当者にあなたの長所が伝わらず、次の選考(筆記試験や面接)に進むことができません。 それでは、採用担当者に「伝わる」story(物語)とはどのようなものでしょうか? 今回は大きな論点として次の2点にフォーカスして説明します。 ✔︎ 結論とその理由を明確にした文章構成✔︎ 5W1Hを意識する 結論とその理由を明確に 結論とその理由を明確にした文章構成 採用担当者に「伝わる」文章にするためには、「結論」を明確にしたうえで、「その結論に至った理由」を書きます。 採用担当者は数多くの履歴書を読んで、だれを次の面接に進めるべきか選んでいます。その中で採用担当者の「目に止まる」ためには、何を伝えたいのか、結論が分かりやすい文章であることが重要です。その「結論」を読んで採用担当者が興味を持てば、次に知りたいことは「理由」です。結論に至った経緯や理由が分かりやすく具体的に記されていることで、相手にあなたのPRポイントが印象的に伝わります。 5W1Hを意識する 次に、「理由」の部分を書く際に意識すべきことは5W1H(Who, What, Where, Why, When and How)です。この6項目を意識しながら書けば、分かりやすい文章になります。 ☑️ Who(誰が)☑️ What(何を)☑️ When(いつ)☑️ Where(どこで)☑️ Why(なぜ)☑️ How(どうやって) 社会人になってから職場で報告書(ビジネスレポート)や企画書を書く際にも5W1Hは大切です。履歴書で相手に伝わりやすい文章を書くと、採用担当者が読んだ際にあなたのPRポイントを適切に把握できるとともに、「報告書をきちんと書く能力があり、入社後の仕事に役立つ」という印象を与えることができます。 また、具体的な方法や数字などを盛り込むことも大切です。履歴書で「がんばった」「努力した」など抽象的な表現を多く見ますが、「何をどうがんばって、どういう結果になったのか」が分からないケースが大半です。説明文に「具体的な方法」や「数字・数値」などを用いることで「努力した」内容が具体的に分かります。 ■手書きかタイピングか WA.SA.Bi.の個別相談で留学生から「履歴書は手書きしなければダメですか?」「パソコンでタイピングしたものでも良いですか?」と聞かれることがよくあります。 今はどちらの方法でも応募できることが多く、WordファイルをPDFに変換し、Eメールで送付することもよくあります。ただ、手書きでも応募できる場合は、外国人が一生懸命書いた履歴書を採用担当者が読めば、印象に残る場合もあります。上手な字ではなくても「丁寧な字」を書くことで良い印象を残すことができるかも知れません。 もちろん、手書きよりもタイピングされた美しい履歴書を好んだり、記載内容だけを重視する採用担当者もいますので、会社の雰囲気やその会社で働く先輩の助言なども参考にしてください。 それでは、日本で就活をした先輩留学生たちが履歴書に記載した具体的な文例を見ていきましょう。今回は「学生時代に勉強以外に力を注いだこと」の記入例です。 ※誤字・脱字は修正し、実名は伏せています。 文例①:学生時代に勉強以外に力を注いだこと ケース①:アルバイトについて =ベトナム人、専門学校生、日本語能力試験(JLPT)N1 原文:『私はスーパーでレジを担当しています。最初入ったばかりの頃はミスが多かったです。 次の日から出勤前にマニュアルを読んで、レジ操作を思い出しながら脳トレをしたり、何回も読むことで自分ですぐに対応できるように心掛けていました。一日の終わりには、今日の自分が良かったこと、失敗したことを全部思い出して反省すると同時に改善策を冷静に考えました。同じ失敗を繰り返さないように自分の日記に書いておくことにしました。できないことはないです。それをできるようにするには努力が大切だということが分かりました。』 →→この事例では、結論が初めに書かれておらず、「失敗をくり返さないためには努力が大切」という結論が分かるまでに時間がかかります。先に結論を書き、その結論を考えるに至ったプロセスを説明する方が、PRポイントが分かりやすく適切に伝わります。 そこで、この文章を添削して新しい例文を作りました。 修正例:『私はアルバイト経験を通じ、失敗を記録して次の改善に生かすという姿勢を身につけました。私は大学1年の夏から3年間、スーパーでレジ担当のアルバイトをしましたが、当初はマニュアルでは対応できないことがたくさんありました。例えば、レジを打ち終わった直後にお客様から一部返品を依頼され、レジをどのように打ち直したらよいか分かりませんでした。そのようなときは指導役の人を呼んで対応し、お待たせしたことをお客様に謝りましたが、次回からは自分で対応できるように、必ずその日のうちにメモしました。それ以外にも、アルバイトでの失敗や成功、対処方法を毎日、ノートに記録し続けました。これにより、数カ月後には、失敗や分からないことがなくなるとともに、「継続する」という習慣も身に着けることができました。ノートの内容は後輩にも伝え、一部は最近のマニュアルにも反映して頂いております。』 →→結論を最初に書くことで、読んだ人があなたのPRポイントを理解しやすくなりました。また、当初の失敗の内容を一部具体的に書くことでStoryが伝わりやすくなるとともに、「表現や報告のスキルが高い」という印象を与えることにもなりました。 文例②:学生時代に勉強以外に力を注いだこと ケース②:アルバイトについて =ベトナム人、大学生、JLPT N1 原文:『学業以外で最も力を入れたのはアルバイトです。1年生から株式会社◯◯でアルバイトとしてベトナム人の実習生の日本語教室を担当させて頂きました。実習生は全員で20人でしたが、教室に参加する人は2~5人と少なかったです。 私は出席率を上げるために計画を立て全員と話し合い、改善点や意見をまとめて会社の責任者に相談しました。それによって 、開催時間を変えたり出席率が90%以上の人にギフト券をあげたりしたことで参加者は10人まで増えました。私はこの経験から、自分で考え取り組むことが仕事の成果を左右することを学びました。』 【改善点】 この事例でも、結論を先に書いてから理由を展開すると、もっと分かりやすくなります。 例えば、『学業以外で最も力を入れたのはアルバイトです。私は大学1年から続けてきたアルバイトを通じて、自らの提案と行動によって仕事の成果を左右できるということを学びました。』というふうに、自分自身が成長した内容を最初に記載します。 採用担当者は、入社した場合にその学生がどのような活躍をするかを知りたがっています。この前文を読めば、この生徒が「提案する力」や「行動する力」を持っている(かもしれない)という印象を受けます。 【良い点】 ①この例文(原文)では、「技能実習生を相手とした日本語教室」というアルバイト内容を紹介しています。これは「外国人特有の業務」や「語学力の高さ」を示し、採用後の仕事に直結する経験として採用担当者に興味を持たせるポイントとなっています。 ②「参加率が低い状況を改善するための取り組みを提案したこと」「それを実行したこと」「結果につながったこと」を延べ、提案力と行動力が伝わります。 ③改善への取り組み内容も簡潔で具体的に書かれ、その取り組みがもたらした結果(2~5人しかいなかった参加者が10人に増えた)も数字を使って具体的に描かれています。全体的に具体性があって分かりやすく、この人が入社後に活躍するイメージを採用担当者が思い描くことにつながります。 履歴書作成支援ツール WA.SA.Bi.の履歴書作成ツール 履歴書作成を支援するウェブサイトもいくつかあります。WA.SA.Bi.でも、HPから履歴書作成ツールを利用できるほか、外国人スタッフが履歴書作成や面接などの指導も行っています(対面またはオンライン)。 WA.SA.Bi.履歴書作成サポート WA.SA.Bi.サイトで会員登録をしたら、「MyPage」から履歴書作成ツールを利用することができます。 求人情報 「JobHunting」のページでは、求人情報が頻繁に更新されます。ここではベトナム語でも求人情報を読むことができます。 個人サポート WA.SA.Bi.には元留学生や現役留学生がたくさんおり、これら以外にFacebookで就活の基礎知識を配信したり、希望者に対して模擬面接や面接練習を行ったりもしています。 相談や問い合わせがあれば、WA.SA.Bi.へ連絡してください!
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