困りごと解決

青果詐欺、多発中!

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2022年07月10日

日本に住むベトナム人が増えるにつれ、ベトナム食材の需要も急増しました。日本では、ベトナム食材店が急増しているほか、それらをFacebookなどで販売する人も増えました。正規業者がオンライン販売している場合はよいのですが、非正規の業者が違法販売しているケースもたくさんあります。このような業者から買う場合のリスクは「代金を振り込んだのに商品が届かない」という詐欺被害です。詐欺の実例やパターン、被害を防ぐ方法について紹介します。

代金を振り込んだが果物が届かない①

北海道に住むベトナム人女性は、ベトナム人が集まるFacebookページの投稿を見て、投稿者にメッセンジャーで連絡し、マンゴーを注文しました。メッセンジャーで下記のようなやり取りを行い、約2500円を振り込みましたが、数日経っても商品は届かず、問い合わせると、相手と連絡が取れなくなりました。どうやら、相手からこちらのFacebookアカウントをブロックされたようです。

注文前の主なやり取り

女性:銀行口座を教えてください。お金を振り込みます。
相手:郵貯カードの写真を送信
相手:振込が終わったら、振込記録の写真を送ってください。
女性:全部でおいくらですか?
相手:値段を送信
女性:マンゴー2 kgでお願いします。商品を次の住所に発送してください。 住所を送信

振込の翌日

女性:商品を発送してくれましたか?
相手:発送しました。多分、明日着くでしょう。

その2日後

女性:まだ商品が届きません。
表示:「現在、このユーザーはメッセンジャーで連絡できません」

この女性は「私の詐欺の被害額は大した額ではありませんが、私のような被害にあわないように気を付けてほしい」と呼びかけています。

代金を振り込んだが果物が届かない②

神奈川県の特定技能外国人のベトナム人女性は2021年12月、ベトナム人向けのFacebookグループで「マンゴーを売ります」という投稿を見ました。日本のスーパーででマンゴーを買うとびっくりするぐらい高いのですが、その投稿では格安で販売しており、女性は投稿者とメッセンジャーで連絡を取り、3箱分を注文しました。

相手の指示に従って口座に7200円を振り込み、こちらの住所を送信してマンゴーが届くのを楽しみに待ちましたが、数日経ってもマンゴーは届かず、メッセンジャーで問い合わせると、「現在、このユーザーはメッセンジャーで連絡できません」という表示が出ました。

Facebookで相手の名前を検索しましたが、ヒットしません。どうやら、相手からこちらのFacebookアカウントをブロックされ、連絡ができなくなったようです。

詐欺のパターン

Facebookに投稿された青果販売の呼びかけ

Facebookを使った商品販売の詐欺でよくある手口を説明します。

・他人の写真を勝手に使って虚偽のFacebookアカウントを作成
・そのFBアカウントで商品を販売(商品の写真は偽物の場合が多い)
・FBの投稿を見た読者からメッセンジャーで問い合わせ
・顧客に振込を指示
・顧客からの入金を確認(商品は送らない)
・顧客をブロックして連絡が取れないようにする
・虚偽のFBアカウントを削除

このようにして、買い手が代金を振り込んでも商品を受け取ることができないという被害が発生します。多くの被害者は、被害額が大金ではないことから警察に通報せず、せいぜいFacebookグループに警告を投稿するぐらいにとどまります。

商品を送っても入金されない

販売詐欺をはたらく人は相手に代金を振り込ませ、商品を送らずに連絡が取れないようにします。逆に、商品を送ったのに代金をもらえないという例もあります。

首都圏に住むベトナム人女性は青果販売をFacebookで呼びかけ、注文してきた相手に商品を送ったのに代金を振り込んでもらえませんでした(上の写真の投稿)。その後、相手と連絡が取れなくなりました。送り先の住所という手がかりはありますが、自分の在留資格では本当は販売事業をしてはいけないので、警察に通報できませんでした。

違法業者の特徴

SNSやオークションサイトを利用して物品を販売すること自体は外国人でも自由にできます。ただし、自分が不要になった物を売る程度にとどめなければなりません。他人から仕入れて転売したり営利目的で何度も販売したりする場合は「事業」となります。

こうしたネット販売事業は「経営・管理」の在留資格(ビザ)で認められる活動内容に近いので、例えば「技術・人文知識・国際業務」や「技能実習」のビザの人が副業でネット販売事業をすると、不法就労活動(入管法違反)となる可能性があります。このような活動を助長しないように注意しましょう。

警察に被害届けを出して捜査をしてもらうと、犯人がつかまって被害額の一部が返ってくる場合もあります。ただし、詐欺で使われるFacebookアカウントに登録されている個人情報は虚偽ですし、振込先の銀行口座は違法に取得した口座(キャッシュカード)です。そのため、犯人を見つけることは非常に難しいです。

まとめ:被害をなくすには

external link 銀行口座を売る(譲る)のは犯罪です!

こうした詐欺の被害にあわないための最善の方法は、法律を守る意識を高めることです。違法サービスを利用したり支援したりしないことが被害を減らします。違法の可能性が高い業者を使ったり、帰国する前にキャッシュカードを人に売ったりすることは、絶対にやめましょう。

最近は日本全国にベトナム食材店があり、配送もしてくれます。できるだけ、こうした正規の業者から購入するようにしましょう。