技能実習・特定技能
★基本情報=日本で働くための在留資格
日本で働くことが決まったら、そのための「在留資格」(通称「ビザ」)を取らなければなりません。「技能実習」「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」など、日本で働くためのさまざまな在留資格の概要を紹介します。〈協力:岡部国際行政書士法人〉
【ポイント】
日本で働くための代表的な在留資格は次の3種類です。
-
技術・人文知識・国際業務
※通称「技人国(ぎじんこく)」または「就職ビザ」 -
特定技能
-
技能実習
※「留学」の在留資格では本来は働けません。「資格外活動許可」を取れば、アルバイトはできますが、規定の勤務時間(週28時間)を超えて働くと、在留資格を更新できない場合が多々あります。
さまざまな在留資格
日本で働いたり留学したりするには何らかの在留資格が必要です。「在留資格」はビザを得るための条件ですが、在留資格のことを「ビザ」と呼ぶケースも多いので、ここでも「在留資格」と「ビザ」を似たようなものと理解してもかまいません。在留資格には、さまざまな仕事や活動ができる「永住者」から、活動が非常に制限されている「短期滞在」まで、たくさんの種類があります。
日本の外国人政策は、非専門的・非技術的分野(いわゆる単純労働分野)で働くための長期滞在(いわゆる移民)を原則的に認めていません。そこで、日本で長期的に勉強や仕事をしたいと思っている人にはどのような在留資格が必要なのか気になります。
在留資格の取得や更新にはさまざまな条件があります。仕事に勧誘する人や友だちの言うことを無条件に信じるのではなく、自分でも在留資格について知っておきましょう。
主な在留資格と就労できる範囲
日本で働くための主な在留資格の種類と、それぞれの在留資格でできる仕事の範囲を下の表にまとめました。
どんな仕事ができるか | 在留資格の種類 |
どんな仕事でもできる | 永住者 永住者の配偶者等 日本人の配偶者等 定住者 その他 |
限られた範囲で就労が可能 | 技術・人文知識・国際業務 特定技能 技能実習 介護 技能 経営・管理 企業内転勤 その他 |
資格外活動許可を取ればアルバイトができる資格外活動許可を取れば アルバイトができる |
留学 家族滞在 その他 |
アルバイトもできない | 短期滞在 |
在留資格による主な違い
在留資格ごとの「在留期間の上限」「必要な学歴」「日本語レベル」を下の表にまとめました。日本語レベルには個人差がありますが、訪日してからある程度の期間が経った後の平均レベルを記載しています。
技術・人文知識・国際業務 | 技能実習 | 特定技能 | 留学 | |
在留期間 | 上限なし | 最長5年 | 最長5年 | 卒業まで |
学歴 | 母国の短大以上卒か日本の専門学校以上卒 | 条件なし | 条件なし | 留学先の教育機関の種類によって異なる |
日本語レベル | N3-N5中心 | N3-N4中心 | N3-N4中心 | N2-N3中心 |
就労時間 | 日本人と同じ | 日本人と同じ | 日本人と同じ | 週28時間以内 |
転職 | ○ | × | ○ | ○ |
※在留期間=更新を重ねた最長年数。特定技能2号の場合は上限なし。
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★基本情報=技能実習(総まとめ)
技能実習制度に関する総まとめです。技能実習で夢をかなえるために、まずは技能実習の全体像を正しく知りましょう。 <このページの内容> 働くための人気の在留資格 技能実習生の国籍と職種 技能実習の期間に注意! 送出機関と監理団体(組合) 訪日後の組合の役割 他の在留資格との違い 働くための人気の在留資格 ◆日本に住む外国人(主な在留資格) 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 割合 総数 2,561,848 2,731,093 2,933,137 2,887,116 2,823,565 100.0 永住者 749,191 771,568 793,164 807,517 817,805 29.0 技能実習 274,233 328,360 410,972 378,200 354,104 12.5 技術・人文知識・国際業務 189,273 225,724 271,999 283,380 283,259 10.0 留学 311,505 337,000 345,791 280,901 227,844 8.1 定住者 179,834 192,014 204,787 201,329 199,288 7.1 家族滞在 166,561 182,452 201,423 196,622 190,010 6.7 日本人の配偶者等 140,839 142,381 145,254 142,735 140,987 5.0 特定技能 1,621 15,663 29,144 1.0 ※2021年は6月、それ以外は12月の数字(法務省統計) ※3カ月以下の短期滞在者は含まない 日本に住む外国人は2,823,565人(2021年6月)ですが、そのうち354,104人が技能実習生で、特別永住者や永住者以外の外国人の中で最多です。 新型コロナウイルスの影響で2020年と2021年は技能実習生が減りましたが、それまでは急増し続けていました。 技能実習生の国籍と職種 ◆技能実習生の国籍 国 人数 割合 総数 354,104 100.0% ベトナム 202,365 57.1% 中国 55,522 15.7% インドネシア 30,978 8.7% フィリピン 28,132 7.9% タイ 9,511 2.7% ・日本で技能実習生が多い国はベトナム、中国、インドネシアの順です。 ・技能実習の職種は決まっています。受け入れが多いトップ3は建設、食品製造、機械・金属で、農業、繊維・衣服がそれらに続きます。 技能実習の期間に注意! ・技能実習には1号(1年目)、2号(2、3年目)、3号(4、5年目)があります。多くの場合、1号と2号の合計3年間、実習します。 ・次の段階に移行するには検定試験に合格しなければなりません。 ※1号→2号(学科+実技) ※2号→3号(実技) ・大半の職種(2021年時点で85職種)で1号から2号に移行できますが、1号の1年間しかできない職種もあります。実習生がそういう職種だと知らずに応募し、日本に行ってからトラブルになるケースがあります。3年間働けるかどうか、ベトナムで面接前によく確認してください。 ・5年間働きたい人も注意が必要です。2号から3号に移行できるのは77職種(2021年時点)だけです。また、あなたの監理団体や会社が外国人技能実習機構(OTIT)から「優良」と認定されていることも条件です。 送出機関と監理団体(組合) 技能実習制度には送出機関(母国)と監理団体(日本)が関わります。監理団体は多くの場合、協同組合(通称・組合)です。これらの機関の役割と技能実習の流れを紹介します。 ※少数ですが、海外にある子会社の工場労働者に日本の親会社で研修を受けさせる企業単独型の技能実習もあります。 技能実習開始までの流れ(全体) 送出機関 組合 受入会社 ①候補者捜し ①求人探し ②求人 ④候補者紹介 ③候補者紹介依頼 ⑤教育 ⑤面接 ⑥在留資格取得 ⑦入国後講習 ⑧実習開始 営業→求人→候補者紹介を依頼 ・組合が受入会社に営業し、求人を探します。 ・組合は求人を受け付けたら、送出機関に技能実習生の候補者の紹介を依頼します。 候補者を募集→候補者を紹介 ・送出機関は常時、技能実習生の候補者を募集します。 ※多くの場合、各地の有力者や教師、元技能実習生などに候補者紹介を依頼し、実際に紹介してもらったら謝礼を支払います。紹介謝礼の弊害については下記リンク先で説明しています。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] こんなに違う送出機関の費用 ・送出機関は、日本の組合から求人を受けたら、候補者を紹介します。 面接・採用 ・候補者が集まれば、受入会社と組合(または組合だけ)が送出機関に出向いて面接し、だれを採用するか決めます。 教育→送り出し ・採用が決まった外国人に送出機関が日本語などを教育(=多くの場合、3~6カ月間)し、在留資格(ビザ)も取得してから日本に送り出します。通常、全寮制の日本語センターで教育します。 ・面接合格前からしっかり教育する送出機関もあります。 入国後講習 ・来日した技能実習生たちを組合が宿泊施設に受け入れ、1カ月以上、日本語や日本での生活などについて講習します。 実習開始 ・それぞれの会社に行き、技能実習が始まります。 訪日後の組合の役割 技能実習が始まってからも、監理団体(組合)には次のような役割(義務)があります。 会社が技能実習を適正に運営しているかチェックし、入管に報告(3カ月に1回以上) 1年目の実習生がいる場合、会社を1カ月に1回以上訪問しチェック 技能実習生から母国語で業務や待遇、生活などの相談に乗る。 あなたが日本に行ってから、組合がこのような役割を果たさず、何か困ったことが起きた場合は、下記リンク先の記事を見て外国人技能実習機構(OTIT)や支援団体に相談しましょう。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 総まとめ・ベトナム人向け相談窓口 他の在留資格との違い 家族帯同 配偶者や子どもが日本で一緒に暮らせる「家族滞在」の在留資格は得られません=技術・人文知識・国際業務や特定技能2号との違い 転職 原則として勤務先を変更できません=技人国や特定技能1・2号との違い 転職(例外) 組合や受入会社に問題がある場合は例外的に実習先を変更(転職)できます。くわしくは下記リンク先の記事を読んでください。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 技能実習のトラブル解決
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★基本情報=特定技能(総まとめ)
<このページの内容> 1.特定技能制度とは 2.特定技能制度の仕組み 3.特定技能の在留資格の取り方 4.特定技能の特徴 5.まとめ これまで専門的・技術的分野以外の分野(いわゆる単純労働分野)で働ける外国人は主に次の3つの場合に限られていました。 ❶「永住者」「日本人の配偶者」など(どんな仕事も可能/フルタイムもOK) ❷「留学」などの在留資格+資格外活動許可(労働時間は原則として週28時間以内) ❸「技能実習」(83業種/フルタイム) これらに加えて、2019年に「特定技能」という新しい在留資格ができました。特定技能には、「相当程度の知識または経験を必要とする技能(特定技能1号)」と「熟練した技能(特定技能2号)」の2種類があります。それでは、特定技能制度のポイントについて解説します。 【弁護士法人Global HR Strategy・杉田昌平弁護士】 1.特定技能制度とは 農業の特定技能外国人(宮崎県) 特定技能制度の趣旨 2019年に日本の「出入国管理及び難民認定法(入管法)」が改正され、新しい在留資格として「特定技能1号」と「特定技能2号」ができました。これは、働き手が著しく不足している産業・サービスの分野で、研修などを経ずに働くことができる技能を持った外国人の就労を認めるための制度です。 特定技能の対象分野 1号 2号 介護 〇 ビルクリーニング 〇 素形材産業 〇 産業機械製造業 〇 電気・電子情報関連産業 〇 建設 〇 〇 造船・舶用工業 〇 〇 自動車整備 〇 航空 〇 宿泊 〇 農業 〇 漁業 〇 飲食料品製造業 〇 外食業 〇 それでは、働き手が著しく不足している産業分野とは何でしょうか? 特定技能1号の受け入れが認められている産業分野(特定産業分野)は上の表の14分野です。「外食」など技能実習生が働けない分野も含まれています。特定技能2号を受け入れられるのは建設と造船・舶用工業の2分野のみです。 特定技能の位置付け この図をご覧ください。左上の「専門的・技術的分野」は具体的には「高度専門職(1・2号)」や「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格を持つ方々を指します。こうした人材を「高度外国人材」と呼ぶこともあります。 日本では、特定技能ができるまでは、働く外国人を受け入れる方針としては、専門的・技術的分野の人材の受け入れを主眼にしていました。一方、「技能実習」は働きながら技能を学ぶ制度と位置付けられ、労働者を日本に呼び込む制度には含まれていません。 この専門的・技術的分野と技能実習の中間に作られたのが「特定技能1号」です。また、専門的・技術的分野と同じ技能水準で、産業・サービスの現場で働くための在留資格が「特定技能2号」です。 2.特定技能制度の仕組み 特定技能制度の登場人物 特定技能制度の主な登場人物は次の3つです。 特定技能外国人 受入企業(特定技能所属機関) 登録支援機関 これらの登場人物の関係や役割について、「特定技能1号」の場合を中心に説明します。特定技能制度では、特定技能外国人と受入企業の二者間だけ契約を完結することも可能です。例えば、技能実習生として働いてきた人がそれまでと同じ企業で同様の仕事で特定技能1号になるような場合は、二者間で契約を結ぶことも容易です。 1号特定技能外国人支援 ただし、受入企業と特定技能外国人の二者間で契約した場合でも、企業が「1号特定技能外国人支援」と呼ばれる支援をその外国人に行う必要があります。 ■1号特定技能外国人支援の内容 ①入国前の生活ガイダンス ②入国時の空港への出迎えと帰国時の空港への見送り ③住宅確保に向けた支援(保証人になることを含む) ④在留中の生活オリエンテーション(銀行口座の開設や携帯電話の利用契約の支援を含む) ⑤生活のための日本語習得の支援 ⑥本人からの相談・苦情への対応 ⑦各種行政手続についての情報提供と支援(同行) ⑧日本人との交流機会の提供 ⑨本人に責任がないのに解雇された場合に転職支援 この支援について、受入企業は支援計画を作成して実行しなければなりません。また、図や表の中でオレンジ色を施した支援については、その外国人が理解できる言語で提供しなければなりません。こうした支援を受入企業が自社でできない場合、登録支援機関に委託することになります。 送出機関 既に日本で留学や技能実習、就労をしている人が特定技能外国人になりたい場合は、日本国内で就職活動ができますが、ベトナムから新規で日本に行って特定技能外国人になる場合は、ベトナムの送出機関を通じて就職先を探す必要があります。そのため、技能実習と同じで送出機関をどのように選ぶかがとても重要になります。送出機関の選び方については、下記のリンク先を参考にしてください。 送出機関の選び方 *このページではApache 2.0ライセンスで配布されているアイコンを利用しました。 3. 特定技能の在留資格の取り方 宿泊業の技能測定試験の過去問題 特定技能外国人になる2つのルート 特定技能1号の在留資格を取得するには次の2つのルートがあります。 ①試験ルート…日本語力と技能水準を試験で証明する ②技能実習ルート…技能実習2号(1号と2号で計3年間)を良好に修了する 試験ルート ・日本語の試験…日本語能力試験(JLPT)のN4以上。または、国際交流基金が行うJFT-Basicに合格。 ※介護については、これらに加えて介護日本語評価試験への合格が必要 ※JLPTは年2回、JFT-Basicは年6回 日本でも受けられるようになったJFT-Basic ・技能測定試験(技能試験)…産業分野別の筆記試験に合格 このように日本語試験と技能試験に合格すれば、一度も日本に行ったことがない人でも特定技能1号になることができます。また、日本で留学していた人や他の在留資格で仕事をしていた人が試験を受けて特定技能を目指すケースも増えてきています。 技能実習ルート 技能実習を2年10カ月以上「良好」に行った人は、技能実習と同じ分野の仕事であれば、無試験で特定技能1号の在留資格を得ることができます。「良好」に技能実習を行ったと認定してもらうためには、技能実習3年目に受検する技能検定3級や技能実習評価試験(専門級)への合格などが大事です。 また、自分の技能実習と違う産業分野で特定技能をしたい場合は、その分野の技能試験に合格すれば大丈夫です。その場合でも、技能実習の3年間を良好に修了していれば、日本語試験は免除されます。 4.特定技能の特徴 特定技能の在留期間 ・特定技能1号…在留期間は通算で5年まで(1年、6カ月、4カ月ごとに更新) ・特定技能2号…在留資格を何度でも更新できる(3年、1年、6カ月ごとに更新) 他の在留資格との違い ・技能実習との違い…①日本で別の会社に転職できる ②日本人と同等の報酬をもらえる ・「技術・人文知識・国際業務」との違い…学歴にかかわらず在留資格を取得できる 特定技能1号と2号の違い(家族の帯同) ・特定技能2号では家族を帯同できますが、特定技能1号では帯同できません。 永住について 日本に在留するうち、永住者の在留資格を得たいと思う方もいると思います。永住者の在留資格を得るためには、原則として続けて10年以上日本に在留していることなどが必要です。そして、その10年のうち5年以上については、就労資格か居住資格(日本人の配偶者等)を持って在留を続けたという経歴が求められます。その場合の「就労資格」には「技能実習」や「特定技能1号」は含まれませんが、「特定技能2号」は含まれます。つまり、日本に続けて10年以上在留し、そのうち5年以上が特定技能2号の在留資格だった場合、永住者の在留資格に変更できる可能性があります。 5.まとめ ここまで説明してきた特定技能制度のポイントをまとめると、次のようになります。 特定技能は専門的・技術的分野と技能実習の中間的な位置付け 特定技能1号で働けるのは14の産業分野 登録支援機関を介さずに会社と契約することもできる 特定技能外国人になるには2つのルート(技能実習、試験)がある 日本人と同等の給料+転職が可能(技能実習との違い) 学歴要件がない(技術・人文知識・国際業務との違い」 特定技能制度はできたばかりで、手続きも複雑です。他方で、日本で働く新しいチャンスでもあります。制度の内容をよく理解し、自分の希望する働き方や進路と合致するかどうかを良く確かめて制度を活用してください。
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★基本情報=技術・人文知識・国際業務(総まとめ)
[iconpress id="local_1009" title="bulb" style="color:#525252; font-size:30px;" ] 【技術・人文知識・国際業務のポイント】 対象業務=専門知識・技術を要する業務や国際業務(=単純作業は不可) 要件=大学・短大か日本の専門学校を卒業、または一定の実務経験 給与水準=同じ業務を行う日本人と同等以上 家族の帯同ができる 転職ができる 永住権申請の条件になる「日本で就労5年以上」の就労年数に計上される <このページの内容> 1.技術・人文知識・国際業務の特徴 2.技術・人文知識・国際業務の対象業務 3.留学時の専攻と職種の整合性 1.技術・人文知識・国際業務の特徴 エンジニアの職場の一例 外国人が日本で働く際の最も典型的な在留資格が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で、一般に「就職ビザ」とも呼ばれています。また、「技人国(ぎじんこく)」という略称で呼ばれます。原則としてホワイトカラーの仕事を行うための在留資格で、多いのは「エンジニア」「通訳」「翻訳」などです。 技術・人文知識・国際業務の要件 この在留資格を得るには、大学・短大か日本の専門学校以上を卒業するか一定の実務経験が必要です。 1 学歴要件 ・大学または短大を卒業(日本、海外のどちらの大学でもよい) ・日本の専門学校卒業 ※ただし、日本の大学や専門学校に通っている間の出席状況やアルバイト時間(法律で決められた時間を超過していないか)などが在留資格の変更審査の際に重視されます。 2 実務経験 ・上記の学歴がない場合でも、10年以上の実務経験(大学や専門学校、高校でその実務に関する知識・技術に関係する科目を履修した期間があれば、それも含める)があれば、技術・人文知識・国際業務の在留資格を取得できます。 ・「翻訳」「通訳」「語学指導」「広報」「宣伝または海外取引業務」「服飾または室内装飾に係るデザイン」「商品開発等」については3年以上の実務経験でOKです。 雇用形態、家族の帯同、転職など ①雇用形態 ・フルタイム。雇用期間は最低1年。正社員、契約社員、時間給社員など雇用形態はさまざま。 ②給料水準 ・同じ社内の同種業務の日本人と同等以上の給料 ③家族の帯同 ・家族を日本に連れてくることができる ④転職 ・転職ができる ⑤永住権の要件 ・「永住者」の在留資格取得に必要な「日本で続けて5年以上就労」という条件の就労期間に算入できる在留資格。技能実習や特定技能1号で働いた期間は永住権申請の際の勤続年数に算入されませんが、技人国や特定技能2号で5年以上続けて勤務した場合は算入されます。「永住者」の在留資格を得るには、「日本に続けて10年以上在留」「素行が善良」なども必要です。 2.技術・人文知識・国際業務の対象業務 対象となる業務 ①技術 ・外国語を使う業務かどうかは関係なし ・大学や専門学校で学んだ自然科学系の技術や知識を使う業務(理系) ・具体例=IT技術者(プログラマー、システムエンジニア)、WEBデザイナー、設計・研究開発部門、工事現場のスーパーバイザー、工場の生産管理者(自ら作業はしない) ②人文知識 ・外国語を使う業務かどうかは関係なし ・大学や専門学校で学んだ法律学、経済学など社会科学系の知識を使う業務(文系) ・具体例=経理、法務、営業、財務、人事、総務、企画、貿易業務 ③国際業務 ・外国語を日常的に使う業務、外国の文化に基づく思考や感受性を必要とする業務 ・具体例=貿易業務、企業の海外拠点・取引先との連絡業務、外国人客の多い免税店・ドラッグストア等の小売店(飲食店・コンビニは除く)、現場で働く技能実習生や外国人留学生の管理・通訳業務、ホテル(フロントか外国旅行会社との連絡業務に限る)、旅行会社、外国人向け不動産会社、通訳・翻訳会社 ④クールジャパン関連業務(アニメまたはファッション・デザイン分野) ・日本の大学・専門学校でアニメやファッション・デザイン関連のコースを卒業し、これらの知識を用いておこなう業務(アニメ制作、ゲーム等のキャラクターデザイン、ファッション・デザインなど) できない業務 ①技術・知識・感受性を要する仕事に限定 ・「技術・人文知識・国際業務」は原則としてホワイトカラーの仕事を行うための在留資格です。工場などでも働けますが、専門技術・知識を伴う仕事でなければならず、単純作業だけの仕事はできません。「国際業務」についても、外国の文化や感受性を使う仕事を指します。そのような知識や感受性を使わない仕事は、この在留資格ではできません。 ②できない業務 ・認められない仕事の例=飲食店のホールスタッフ、調理スタッフ、コンビニ販売員、建設現場、警備員、工場労働者、農林水産業の現場作業、ホテルでの清掃・ベッドメーキング、ヘアサロン、マッサージ 3.留学時の専攻と職種の整合性 日本の大学や専門学校を卒業して日本で就職する場合、最も多い在留資格が「技術・人文知識・国際業務」ですが、実は留学先の教育機関の種類や専攻によってこの在留資格に円滑に変更できる場合とそうでない場合があります。これを知らずに留学すると、日本で希望の職業に就けない場合もありますので、ご注意ください。 学校や専攻の選び方で就職先が限定される 留学を終え「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で就職したい場合、大学や専門学校で学んだ「技術」「人文知識」の内容(専攻)と合致した仕事に就くことができます。 ①大学卒業の場合 その仕事が自分の専攻と合致しているかどうかについては、大学であれば広く判断され、専門学校であれば狭く判断されます。例えば、大学の文学部、法学部、経済学部などのどこを卒業しても「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で就職できる仕事の種類はあまり変わりません。そして、この場合の「大学」は日本の大学に限られず、ベトナムの大学を卒業している場合も、日本の大学を卒業した場合と同じように取り扱われます。 ②専門学校卒業の場合 一方、専門学校卒業の場合は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を申請する際に、専門学校での専攻と仕事内容との関連性が細かく審査されます。実際、日本で採用内定をもらったのに、専門学校の専攻と職種の関連性が認められず在留資格を取得できない事例がたくさんあります。日本の専門学校に進学する際は、将来の仕事のことを考えて慎重に選択しなければなりません。親切な専門学校であれば、入学前にコース選択の相談に乗ってくれますので、利用しましょう。 ※「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で働くベトナム人は日本で就職活動をした人たちばかりではありません。先輩たちはさまざまなルートでこの在留資格を取得しています。次ページで実例を見てみましょう。
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★基本情報=技人国(ぎじんこく)への様々なプロセス
<このページの内容> 1.技人国を取得するための様々なプロセス 2.技能実習→帰国→留学→正社員 3.ベトナムで採用され日本へ(エンジニア) 4.ベトナムで採用され日本へ(総合職) 5.留学を経て日本で就職 1.技人国を取得するための様々なプロセス 地域の祭りに参加するベトナム人エンジニアたち 技術・人文知識・国際業務に至る様々なプロセス ベトナムで就職活動をして日本で「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で働く先輩や、留学するまでに回り道をした先輩もたくさんいます。先輩たちの実例を参考に、あなたの将来について広い視野で考えてみてください。 ① 技能実習→帰国→留学→正社員 技能実習を修了してベトナムにいったん帰国後、再び訪日して留学するケースもあります留学費用(学費+生活費)をアルバイトだけでまかなうのは困難です。そこで、留学をあきらめて技能実習を選択する学生も多いことでしょう。しかし、技能実習で貯めたお金の一部を使ってもう一度日本に来て留学し、日本で就職するパターンも増えてきています。 ② ベトナムで採用され日本へ(エンジニア) ベトナムで日系企業や日本企業の求人を探し、ベトナムで採用されて日本で働くケースも昔より多くなっています。主にエンジニアの仕事です ③ ベトナムで採用され日本へ(総合職) 学歴や言語スキルが高い外国人材を求めて日本企業が海外で行うジョブフェアなどに参加し、日本の企業に就職する学生もいます。 ④ 留学を終えて日本で就職 ポピュラーなパターンですが、多くの留学生が十分なキャリアプランを立てずに訪日しています。留学前に知っておくべき大切なポイントを下記でお伝えします。 それでは、このページで①~④の実例や注意点を紹介していきます。 2.技能実習→帰国→留学→正社員 技能実習を終えて帰国後、留学生として再訪日 カインさんは高校卒業後、地元のナムディン日本語日本文化学院で1年半以上勉強してから技能実習生として日本に行きました。技能実習(建築)の3年間も、ボランティア日本語教室に通うなどして日本語に磨きをかけました。 技能実習を終えて帰国してから1年半後、ナムディン学院と提携する南九州大学(宮崎県)で留学を始めました。大学では酒造について研究し、卒業後、宮崎県の酒造メーカーに就職しました。将来は日本で学んだ酒造に関する知識や技術を生かし、ベトナムで酒造メーカーを立ち上げるのが夢です。 親に頼らず留学 ・カインさんは技能実習生として日本に行くための費用は親に工面してもらいましたが、技能実習の給料で借金を返し、さらに貯金をしました。2回目に訪日した際の留学費用はその貯金の一部とアルバイトでまかないました。外国人留学生の授業料を半額にしてくれる大学を選んだことも正解でした。 ・注意点は、技能実習の際に入管に提出する履歴書と留学の際に提出する履歴書の記載事項(経歴)が異なっていると、留学の在留資格を取得できない場合があるので、技能実習の際によい送出機関を選んでください。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 送出機関の選び方 3.ベトナムで採用され日本へ(エンジニア) ハノイで就職活動し、日本で勤務 ベトナムで大学を卒業したタンさんはベトナムで日系企業に就職。長期研修で初めて日本に行き、通算16カ月間滞在するうちに日本語も勉強しました。その後、この会社の事業縮小に伴い退職しましたが、ベトナムの人材会社を通じて別の日本企業に就職しました。面接はハノイで行われましたが、勤務地は日本。再び訪日して間もなく、ベトナムで結婚したばかりの妻も日本に呼び寄せました。家族を日本に連れていけるのが技人国のよい点の一つです。その後も、よりよい仕事を求めて日本で2回転職しました。「技人国」だと転職も自由です。 学歴要件に注意 日本での外国人エンジニアの仕事は多く、タンさんのようにベトナムの人材会社を通じて求人を探せば見つかります。その場合、一度も日本に行ったことがない人でも、いきなり日本で働ける可能性があります。注意点の一つは学歴で、ベトナムの大学か短大を卒業している必要があります。もう一つは日本語です。最初の日系企業の面接はベトナム語でしたが、2社目の面接(面接場所はハノイ)の言語は日本語でした。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] タンさんの体験談 4.ベトナムで採用され日本へ(総合職) 海外のジョブフェアに参加し日本の有名商社に就職 ベトナムの大学や大学院で日本の政治・経済や日本語を勉強したアインさんは英語も日本語も不自由なく話せます。学生時代、交換留学などで2回に渡り計1年余り東京大学に留学しましたが、日本語は主にハノイで習得しました。修士課程修了後はハノイの日系企業で2年間勤務。その間に、日本の人材会社が日本企業への人材を集めるためにシンガポールで開催したジョブフェアに参加し、日本の有名商社に就職しました。アインさんは現在、東京に住んでいますが、ベトナムへの長期出張もあり、やりがいのある社会人生活を送っています。 アインさんからのメッセージ アインさんは「日本語力を生かして働くなら、日本で働く方がポストも多く、給料もよいと思います。また、ジョブフェアを利用すれば、自己負担なしで外国で面接を受けられます」と話しています。アインさんは体験談で自分が参加したジョブフェアの種類や採用面接の準備方法も紹介しています。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] アインさんの体験談 5.留学を経て日本で就職 自分で研究してキャリアプランを立てよう 留学あっせん会社に留学プランを一任する学生がたくさんいます。その多くがベトナムで半年~1年日本語を学んでから日本の日本語学校に留学します。その後は、専門学校に行くことが多く、専門学校卒業後に日本で就職する学生もいれば、大学や短大に進学してから就職する人もいます。また、就職せずに帰国する人もいます。 しかし、留学の様々なパターンを知ると、自分に適したコースが見えてきます。例えば、次のような留学の仕方が効率的であることも分かってきます。 ①ベトナムでよい日本語学校を選び、1~2年かけてしっかり勉強してから日本に行く。 ②日本の日本語学校の新学年は4月入学が一番多く、次に多いのが9月入学ですが、何月に入学しても卒業は3月です。4月入学の場合は卒業まで通常2年、9月入学の場合は1年半です。9月入学を選ぶだけで半年分の学費と生活費を節約できます。学校によってはさらに短いコースを提供しているケースもあります。 ③ある程度の日本語力をつけてから訪日し、日本語学校でさらに勉強すると、専門学校に行かずに大学に進学することが可能です。ただし、日本留学試験(EJU)の対策も必要です。 先輩たちの様々なパターン 先輩たちの体験談から様々な留学パターンがあることが分かります。中には、ベトナムの高校を出て日本の大学に直接入学した事例もあります。留学あっせん会社に任せきりにせず、いろいろな事例を知って自分なりの目標を立てましょう。 ①ベトナムの大学卒業の場合 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ベトナムの大学で日本語を勉強・卒業→日本の専門学校(2年)→日本で就職 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] フエ外国語大学→日本の日本語学校(2年=在学中にフエ外大卒業)→日本の専門学校(1年)→日本で就職 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ベトナムの大学で日本語を勉強・卒業→日本の専門学校(2年)→日本で就職 ②ベトナムの高校卒業の場合 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ベトナムの高校+日本語学校(10カ月)→日本の日本語学校(1年半)→日本の専門学校(3年)→日本の大学(4年)→日本で就職 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ベトナムの高校→日本の大学(4年)→日本で就職 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ベトナムの高校+日本語学校(1年)→日本の日本語学校(1年半)→日本の大学(4年)→日本で就職
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