私たちベトナム人は、旅行の時も出張の時も留学の時でも、海外に行くときには必ずスーツケースの中にインスタントラーメンが入っている…というイメージがありますね。その理由は、「お金を節約したい」とか「最初はその土地の食べ物に慣れていないから」ということもありますが、そもそも「海外にはどんな食べ物があるの?どの料理が食べやすくて、何か食べづらいのかが分からない」のも理由の一つではないですか?
ベトナムにいても、刺し身や寿司などポピュラーな日本食を見る機会があると思います。でも日本に来ると、想像以上に多くの種類の飲食店が目に入ってきます。和食はもちろんですが、中華、洋食、そしてベトナム料理店や他国の料理店など、外食の選択肢はたくさんあります。日本では、料理店のほとんどが店先に看板や食品サンプルが設置してあり、メニューは見やすい写真入りのものが多いのですが、皆さんの中には「外で食べよう」と出かけた時に、料理を選ぶのに困っている人も少なくないのではないでしょうか。
数ある日本の“庶民の味”の中で、「麺」は多くの人に愛されている日本食の一つです。今回は日本の麺料理のなかで最もポピュラーで食べやすい「ラーメン」について紹介します!
ラーメンは元々中国発祥の麺料理でしたが、日本人の嗜好に合うように改良されています。「スープの材料」と「味付け」の組み合わせで無限の種類があります。スープは地方によって“ご当地の味”があり、北海道の煮干しなど魚の出汁をベースにしたスープや、九州の福岡のように豚骨スープなどがあります。ほかに、エビの出汁で取ったスープや、フォーのように鶏肉スープのラーメンもあります。味付けは、塩、しょうゆ、味噌などがあり、スープの材料と味付けの掛け合わせで無限の種類になります。
味付けは、一番ポピュラーなのが醤油ラーメンです。トッピングにはチャーシューやメンマ、ワカメが一般的で、ホウレン草や海苔、長ネギが乗っていたりします。お店によっては薄切りしたナルトも乗っています。一般のラーメンよりもチャーシューがより多く入っているのがチャーシューメンです。お肉が好き!たくさん食べたい!という男性にはとても向いているメニューですね!
一方で、野菜が好き!という女性には五目ラーメンがオススメ。塩で味付けしたスープに入った、日本のmy thap cam(ミータップカム)といった感じですね。白菜、ニンジン、玉ねぎなどの野菜と、お肉、エビ、イカを炒め、片栗粉を加えてとろみをつけます。うずらの卵も入っていますよ。
同じく日本のmy thap camと言えばチャンポンがあります。チャンポンは五目ラーメンと同じく野菜がたくさん入っていますが、肉は少なめでその分魚介が多く、片栗粉を使わないためスープにとろみはありません。
日本人は、他国の料理を自分たちの好きな味付けに改良し、自国の料理としてしまうのがとても得意です。さまざまな食材から出汁を取るスープも日本独特ですが、特に味噌を使った味噌ラーメンは、その好例だと言えます。日本を代表するスープが「お味噌汁」とすれば、味噌は日本食の味付けの基本ともいえる調味料。味噌ラーメンの上にのる具は、豚のひき肉を唐辛子と味噌で炒めたものにキャベツとモヤシを加えてさらに炒め、スイートコーンを加えます。初めての皆さんには食べたことのない味付けかもしれませんが、一度食べれば病みつきになる味ですよ!
ここ数年で、日本ではつけ麺店が急激に増えました。麺はお皿に盛られ、チャーシューなどの入った醤油味で塩辛く、とても濃いつけタレの入ったお椀が付いてきます。そのお椀のタレに麺をつけて食べるのがつけ麺です。ベトナムのbun cha(ブンチャー)に似ていると言えますね。
夏になると、日本人は冷やし中華を好んで食べます。麺は茹でたあと水で冷やします。トッピングにはチャーシューや薄く焼いた卵、キュウリなどが千切りになって乗っています。店によってはエビやカニの身が乗っているところもあります。食べるときには麺の下にある甘酸っぱいタレとよく混ぜてくださいね。冷やし中華はベトナムのbun bo xao(ブンボーサオ) によく似ている料理なので、ベトナム人にとっては馴染みやすい麺料理ではないでしょうか。
日本には他にもたくさんの麺料理がありますが、今回はラーメンを紹介しました。みなさんも時間のある時、外に出かけて自分だけの麺料理の世界を広げてくださいね!