日本に来て困ったことが起きたとき、行政や専門家、ボランティア団体などの相談窓口に早めに連絡して相談に乗ってもらいましょう。
「KOKORO」では、全国の様々な相談窓口を紹介していく予定です。
また、日本に在留する外国人から各種相談窓口に寄せられる代表的な相談やそれに対する専門家の助言・回答も継続的に発信していきます。日本での在留・就労・留学などに関して何か困ったことが起きたときは、ぜひこのページも参照してください。
会社が残業代を払ってくれない
毎日11時間、週6日勤務しているが、会社が残業代を払ってくれない。
(調理師のAさん)
1日8時間、週40時間を超えて勤務した時間について、通常の時給の1.25倍の割増賃金を支払ってもらうことができます。
不払いの残業代(=残業代のうち支払われていない分)を請求するには、労働時間を証明する必要がありますが、タイムカードのほか、始業・終業時刻を正確につけていた自筆のメモなども証拠になりえます。賃金は、毎月の支払日から2年で消滅時効にかかってしまいますので、早めに請求しましょう。
(回答者:マイグラント研究会)
仕事中のけが
仕事中にプレス機ではさまれ、指3本を切断したが、会社は、治療費を支払う以外に何もしてくれない。(技能実習生のBさん)
労災申請をすれば、仕事を休んでいた期間の給料の8割と治療費のほか、後遺症が残った場合にそれを補償するための年金または一時金を受給することができます。また、会社に対して損害賠償を請求することもできます。弁護士に依頼することをお勧めします。
(回答者:マイグラント研究会)
働きすぎによる死亡
毎日遅くまで残業し、土曜日や日曜日にも出勤していた父が、突然心不全で亡くなった。
(製造業勤務Cさんの遺族)
労働者が、平均して月に80時間以上の時間外・休日労働をしていて、心臓や脳の病気で亡くなった場合、それは過労死の可能性があります。過労死であれば、労災保険から遺族年金などを受給できますし、会社に対して損害賠償を請求することもできます。
過労死の労災認定には細かい基準がありますし、労働時間を証明するために証拠を集める必要もありますので、弁護士に依頼することをお勧めします。
(回答者:マイグラント研究会)
会社をクビになった
技術・人文知識・国際業務の在留資格で働いているが、在留期限の2か月前に、突然、解雇を言い渡された。
(商社で働くDさん)
そのままでは、収入を得ることもできず、在留資格の更新を受けることもできないため、弁護士に依頼して、地位保全仮処分申立てや労働審判のようになるべく短い期間で結論が出る裁判を起こした方がよいでしょう。そのうえで、次の仕事が見つかりそうなら、会社から解決金を支払ってもらう代わりに、会社を退職する形で和解をするのも一つの方法です。
(回答者:マイグラント研究会)
交通事故
息子が自動車にはねられて亡くなった。
(留学生Eさんの遺族)
日本に一時的に滞在する外国人の場合には、損害賠償額の算定方法が日本人と異なる場合がありますし、死亡事故の場合には、損害賠償請求権を誰が相続するかをどの国の法律に基づいて決めるかという問題もあります。外国人事件に詳しい弁護士に交渉や裁判を依頼したほうがよいでしょう。
(回答者:マイグラント研究会)
日本人の夫と離婚したい
日本人の夫との離婚を考えている。夫との間に1歳の子がいるが、離婚後もその子と日本で生活したい。
(日本人の配偶者の在留資格をもつFさん)
離婚後も日本に在留するには、日本で独立して生計を営む能力と、日本人の夫との間に生まれた子を養育していることが必要であり、仕事に就き、子どもの親権をとることが必須です。
外国人が離婚するには、在留資格や適用される法律の問題が絡むため、外国人事件に詳しい弁護士に相談しながら慎重に準備をしましょう。
(回答者:マイグラント研究会)