日本の正月は毎年決まった日で、陽暦の1月1日です。ベトナムの正月は陰暦で「テト」と呼ばれ、日本の正月の1~2カ月後(2021年のテトは2月12日)です。
新年を迎えるにあたり、ベトナムの家庭ではバインチュン(ちまきのような食べ物)や乾燥したタケノコと豚肉を煮込んだスープなどのお料理を作って新年を祝いますね。日本の正月にも特別な料理があり、「おせち料理」といいます。バインチュンと同様に日本のおせち料理にもそれぞれ意味や祈願が込められています。
例えば、魚を昆布で巻いて煮た「昆布巻き」は、「昆布(こぶ)」と「慶ぶ(よろこぶ)」の「こぶ」をかけて健康長寿を願うという意味です。黒豆煮は、体が丈夫で健康なことを言う「まめ」にかけて「今年も元気に暮らせるように」という思いが込められています。また、数の子はたくさんの卵が集まっていることから、「子孫繁栄」を表す縁起物とされます。伊達巻は、昔の日本の伊達者(しゃれ者)たちの着物に似ているためそう呼ばれるようになったと言われ、「巻き物」が書物や掛け軸に通じることから知識や文化の発達を連想し、「賢くありたい」という願いが込められています。栗きんとんは、黄金色に輝く財産に例えて「今年も豊かな1年でありますように」との祈願が込められています。
日本では、若い人たちがおせち料理をあまり食べなくなったことや、正月の休暇を利用して国内外の旅行に出かける人が多いため、家庭で作るおせち料理は少なくなりました。逆に、デパートやスーパーではおせち料理のセットがたくさん販売されています。日本の伝統的な和食だけではなく、欧風や中華風のおせち料理も多く売られており、人気です。
しかし、今年の年末から来年の年始は新型コロナウイルス感染拡大の影響で海外旅行や地方への帰省が自粛され、多くの人が自宅で過ごすと思われます。飲食店やスーパー、百貨店などの小売店も、例年と違って年末年始の休業日数を増やすことが予想されますので、年末の買い出しは例年より大量になるでしょう。旅行に行かない分お金に余裕があることもあり、正月のおせち料理や自宅での食事を豪華にする日本人家庭が増えるだろうと言われています。
日本に暮らしているベトナム人も、余裕をもってお正月の前に多めの買い置きをしておいてはいかがでしょうか。また、ベトナムに帰国しない人は、日本のおせち料理を作ってみるのも楽しいと思います。
そこで、日本の伝統的なおせち料理の一つである「伊達巻」の簡単な作り方をご紹介致します。「賢くありたい」という願いを込めて作ってみましょう。
1.卵:(Mサイズ)3個
2.塩:少々
3.みりん:小さじ1
4.水:大さじ1に顆粒の出汁小さじ1/2を溶かします。
5.砂糖:大さじ1
6.油:大さじ1
7.はんぺん:60g
後は巻きす一枚と輪ゴム4本を用意してください。
皆様、良い年をお迎えください!