体験談(技能)
今回の先輩
グエン・ティ・ムンさん
- 2015年レホンフォン高校卒業〈ゲアン県〉
- 2015年バリアブンタウ大学入学
- 2016年大学中退、送出機関登録〈ハノイ〉
- 2017年訪日。講習後、技能実習開始〈長野県〉
- 2018年失踪〈長野県→愛知県〉
- 2019年転職〈大阪〉
〈1997年生まれ、ゲアン省出身〉
工場での技能実習以外に動物の世話やベビーシッターを長時間させられ、残業代ももらえなかったムンさん。社長の度重なる暴言もあって失踪したが、残った後輩たちを助けようと支援機関に相談した。すると、労基署が捜査に乗り出し、OTITも動いて……。
大学を中退し技能実習
送出機関の日本語センターの先生や仲間〈ハノイで2017年〉
送出機関
私はハノイの送出機関に登録し、全部で6,400ドルを支払いました。それ以外に、送出機関を紹介してくれた親せきの友人にも20,000,000ドン払いました。他に食費や交通費もあり、父は計200,000,000ドンを銀行から借りました。
【編集部からのアドバイス】
・送出機関によって費用が違います。費用が高くても日本での給料が高いとは限りません。
・ベトナム政府の規定で、送出機関の日本語教育費は約520時間に対し5,900,000VND以下、送出手数料は3,600 USD以下(3年契約の場合)となっています。
・送出機関は、紹介者が紹介料を受け取ることを認めてはいけません。
☆この記事を参考に送出機関を自分でも探しましょう。
工場勤務なのにペットショップの仕事
飼育小屋で清掃をする同僚〈2017年〉
ベビーシッター
仕事を記録した私のメモ(黒塗り部分は赤ちゃんの名前)〈2018年1月〉
後輩実習生たちと私〈センターで2018年8月〉
心の糸が切れて失踪
日本人は親切だった
失踪生活
「外国人実習生支援」
「外国人実習生支援」のFBページ。ここからメッセージを送れます。
行政が動いた!
榑松さんに相談してからの経過は次の通りです。労基署やOTITが動いてくれました。
〈2019年〉
・3月11日:榑松さんと面会。一緒にOTIT名古屋事務所を訪問。
・3月20日:国会議員が私たちの事例を取り上げ、国会で質問(それを聞いてNHKが取材)。
・4月1日:社長が怒鳴っている動画などをNHKが放送。
・4月3日:労基署とOTITが長野県の会社に立ち入り調査。OTITが後輩実習生3人をホテルに保護。3人はその後、OTITの手配で別の会社に転職。
・6月:フィリピン人の後輩数人もOTITに保護され、その後転職。
・7月:私が長野県の労基署を訪問し残業代不払いを訴え。
・11月:労基署は「小売店(ペットショップ)の清掃などを行わせた時間外労働について、技能実習生らに約1年間にわたって割増賃金を支払っていない」などとして、労働基準法違反(割増賃金不払いなど)の疑いでこの会社を送検。
〈2020年〉
・2月:入管庁と厚労省はこの会社の技能実習計画の認定を取り消し。同社社長が理事長を務める監理団体への許可も取り消し。
NHKが全国放送〈2019年4月〉
転籍
榑松さん(左)は私の日本でのお父さん〈名古屋市で2019年9月〉
新しい職場
作業中の私〈2020年8月〉
今の生活
私のJLPT・N3合格を祝って日本語教室の先生たちと食事会〈2020年2月〉
私の家計簿(1カ月の平均)
※100円= 22,303 VND(2020年12月30日現在)
手取り給料(平均150,000円) | |
手取り給料 |
130,000円~160,000円 ※税金、社会保険料、寮費を引いた後の手取り額 ※このうち寮費は20,000円(水道・光熱費・Wi-Fi含む) |
支出(合計 30,000円~50,000円) | |
食費 |
15,000円~20,000円 ※主に自炊 |
雑費・交通費 |
15,000円~20,000円 ※衣類、交通費、たまに外食 |
差額・貯金(100,000円~130,000円) | |
差額 |
100,000円~130,000円 ※1カ月110,000円~150,000円を実家に送金 |
榑松さんや黒田さん、今の社長のおかげで、私は今、充実した実習生活を送っています。後輩の実習生の皆さん、実習先で困ったことがあっても、悪い仲間に引き込まれたり、不法就労に走ったりせず、支援機関に粘り強く相談してください。
【編集部からのアドバイス】
実習先での問題はまず監理団体に相談し、それでも解決しない場合は、必ず外国人技能実習機構(OTIT)に相談してください。ベトナム語でも相談できます。電話もあります(0120-250-168)が、相談内容が深刻な場合は、紙に書いてOTITを訪問するか郵送する方が無難です。
☆万一、OTITに相談しても解決しない場合は、下記のような民間の支援機関もあります。
外国人実習生支援(Facebook)https://www.facebook.com/jissyuseisien/
日越ともいき支援会(E-mail)n.tomoiki@gmail.com
今回の先輩
Nguyễn Thị Mừng (グエン・ティ・ムン)さん
- 2015年レホンフォン高校卒業〈ゲアン〉
- 2015年バリアブンタウ大学入学
- 2016年大学中退、送出機関登録〈ハノイ〉
- 2017年訪日。講習後、技能実習開始〈長野〉
- 2018年失踪〈長野→愛知〉
- 2019年転職〈大阪〉
〈1997年生まれ、ゲアン省出身〉
工場での技能実習以外に動物の世話やベビーシッターを長時間させられ、残業代ももらえなかったムンさん。社長の度重なる暴言もあって失踪したが、残った後輩たちを助けようと支援機関に相談した。すると、労基署が捜査に乗り出し、OTITも動いて……。
大学を中退し技能実習
送出機関の日本語センターの先生や仲間〈ハノイで2017年〉
送出機関
私はハノイの送出機関に登録し、全部で6,400ドルを支払いました。それ以外に、送出機関を紹介してくれた親せきの友人にも20,000,000ドン払いました。他に食費や交通費もあり、父は計200,000,000ドンを銀行から借りました。
【編集部からのアドバイス】
・送出機関によって費用が違います。費用が高くても日本での給料が高いとは限りません。
・ベトナム政府の規定で、送出機関の日本語教育費は約520時間に対し5,900,000VND以下、送出手数料は3,600 USD以下(3年契約の場合)となっています。
・送出機関は、紹介者が紹介料を受け取ることを認めてはいけません。
☆この記事を参考に送出機関を自分でも探しましょう。
工場勤務なのにペットショップの仕事
飼育小屋で清掃をする同僚〈2017年〉
ベビーシッター
仕事を記録した私のメモ(黒塗り部分は赤ちゃんの名前)〈2018年1月〉
後輩実習生たちと私〈センターで2018年8月〉
心の糸が切れて失踪
日本人は親切だった
失踪生活
「外国人実習生支援」
「外国人実習生支援」のFBページ。ここからメッセージを送れます。
自分に日本語で話しかける
榑松さんに相談してからの経過は次の通りです。労基署やOTITが動いてくれました。
〈2019年〉
・3月11日:榑松さんと面会。一緒にOTIT名古屋事務所を訪問。
・3月20日:国会議員が私たちの事例を取り上げ、国会で質問(それを聞いてNHKが取材)。
・4月1日:社長が怒鳴っている動画などをNHKが放送。
・4月3日:労基署とOTITが長野県の会社に立ち入り調査。OTITが後輩実習生3人をホテルに保護。3人はその後、OTITの手配で別の会社に転職。
・6月:フィリピン人の後輩数人もOTITに保護され、その後転職。
・7月:私が長野県の労基署を訪問し残業代不払いを訴え。
・11月:労基署は「小売店(ペットショップ)の清掃などを行わせた時間外労働について、技能実習生らに約1年間にわたって割増賃金を支払っていない」などとして、労働基準法違反(割増賃金不払いなど)の疑いでこの会社を送検。
〈2020年〉
・2月:入管庁と厚労省はこの会社の技能実習計画の認定を取り消し。同社社長が理事長を務める監理団体への許可も取り消し。
NHKが全国放送〈2019年4月〉
転籍
榑松さん(左)は私の日本でのお父さん〈名古屋市で2019年9月〉
新しい職場
作業中の私〈2020年8月〉
今の生活
私のJLPT・N3合格を祝って日本語教室の先生たちと食事会〈2020年2月〉
私の家計簿(1カ月の平均)
※100円= 22,303 VND(2020年12月30日現在)
手取り給料(平均150,000円) | |
手取り給料 |
130,000円~160,000円 ※税金、社会保険料、寮費を引いた後の手取り額 ※このうち寮費は20,000円(水道・光熱費・Wi-Fi含む) |
支出(合計 30,000円~50,000円) | |
食費 |
15,000円~20,000円 ※主に自炊 |
雑費・交通費 |
15,000円~20,000円 ※衣類、交通費、たまに外食 |
差額・貯金(100,000円~130,000円) | |
差額 |
100,000円~130,000円 ※1カ月110,000円~150,000円を実家に送金 |
榑松さんや黒田さん、今の社長のおかげで、私は今、充実した実習生活を送っています。後輩の実習生の皆さん、実習先で困ったことがあっても、悪い仲間に引き込まれたり、不法就労に走ったりせず、支援機関に粘り強く相談してください。
【編集部からのアドバイス】
実習先での問題はまず監理団体に相談し、それでも解決しない場合は、必ず外国人技能実習機構(OTIT)に相談してください。ベトナム語でも相談できます。電話もあります(0120-250-168)が、相談内容が深刻な場合は、紙に書いてOTITを訪問するか郵送する方が無難です。
☆万一、OTITに相談しても解決しない場合は、下記のような民間の支援機関もあります。
外国人実習生支援(Facebook)https://www.facebook.com/jissyuseisien/
日越ともいき支援会(E-mail)n.tomoiki@gmail.com