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ベトナムの常識・日本の非常識_19:日本の小学生は毎日同じルートで登下校?

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2021年07月08日

日本では小学生が毎日決まったルートで通学するのをご存知ですか?また、日本の道路でクラクションの音がほとんど聞こえず静かだと感じたことや、住所から建物を探すのが難しいと思ったことはありませんか? なぜでしょう?

決められた通学路で登下校

日本とベトナムでは、小学生の登下校に大きな違いがあります。

ベトナムで公立小学校に通うほとんどの子どもは、両親など保護者が毎日送迎します。これは「学校が児童に対して管理責任を持つのは校内だけで、校外での管理は家族の責任である」という考え方が背景にあるようです。

しかし、日本ではそうではありません。子どもが小学校に入ると、保護者は学校から地図を渡され、子どもの通学路を記入して学校に提出することが一般的です。学校がその通学路に同意すると、児童は毎日そのルートで登下校することがルールとなります。そして、日本では、保護者が送迎することは、特別な事情がある場合を除いてほとんどありません。その代わり、数人から十数人がグループで登校する「集団登校」というシステムを採っている学校もあります。その場合でも、下校時はばらばらに帰ります。

スクールゾーン

また、ベトナムでは子どもをバイクなどで送迎することが多いのに対し、日本の小学生は通常、学校まで歩いて行きます。小学校近くの道路には「スクールゾーン」という表示が記され、通行車両に注意を促しています。そして、児童が登下校中に不審者に出会うなど危険を感じたときに助けを求めるための家が指定され、家に「こども110番の家」というステッカーが貼られています。

短いクラクションは「ありがとう」

ベトナムでの生活に慣れている私たちにとって、道路のあちこちでクラクションが鳴っているのは日常的なことです。ベトナム人はいろいろな目的でクラクションを鳴らすので、道路は金管楽器だけの交響曲を聴いているかのように騒音であふれています。それは主に道路上で他の自動車や歩行者に自分の存在を示すためです。

しかし、日本の道路でクラクションを鳴らすと、周りから不快感のこもった視線を浴びることになります。 日本のドライバーはクラクションをほとんど鳴らさないからです。日本人に聞くと、日本では譲り合いの気持ちを大事にするドライバーが多く、本当に危険なときにしかクラクションを鳴らさないそうです。もちろん、たまには鳴らしますが、それはよほど危険なときか運転手が気の荒い人の場合です。

また、日本人は「プッ」とか「プップッ」と短くクラクションを鳴らすことがあります。これは、例えば道を譲ってくれた人や自動車に感謝の気持ちを伝えるための合図です。

ところで、長崎市に住む私のベトナム人の友人は車線変更のために割り込もうとして何度もクラクションを鳴らし、パトカーに止められたことがあります。日本では、無理な割り込み(危険運転)もそのためにクラクションを鳴らすことも御法度です。

複雑な住所

ハノイでは住所から建物(家)を探すのは比較的簡単です。例えば、25番のHang Dao、95番のNguyen Thai Hoc、複雑な場合でも路地番号200の30番 Au Co ……。また、サイゴンではそれに地区名を追加するだけです。 

しかし、日本ではインターネットにつながったスマホ(地図アプリ)などが手元にないと家を探すのは簡単ではありません。日本の住所はエリアやブロックごとに数字が割り当てられています。例えば、町名のあとに1-13-22と続く住所の場合、最初の1は「1丁目(1-chome)」というエリアを示し、次の13は「13番地(13-banchi)」という1丁目エリア内のブロックを指します。そして、最後の22が建物の番号です。

もう1つ大きな違いがあります。ベトナムでは街路に沿って家の番号が連続しているのがほとんどで、例えば、通りの片方に家番号が1、3、5、7…と並んでいると、通りの反対側には2、4、6、8…と並んでいるのが一般的です。しかし、日本の家の番号は、家が建てられた順に新しく割り振られることが多いので、連続した番号が並んでいないケースもよくあります。

ただ、日本には町ごとに郵便番号があり、オンライン検索で情報を入力する際などに便利です。地図アプリなどに郵便番号を入力すると町名が自動的に分かります。さらに建物名も入力すると、郵便番号と建物名だけで目的地への経路が表示される場合があります。