技能実習の監理団体(協同組合など)を中心に約135の団体・企業・個人が加盟する一般財団法人「外国人材共生支援全国協会」(NAGOMi)が技能実習に関する不正撲滅キャンペーンを展開しています。その概要についてお伝えします。
キャンペーンの名称は「2021年外国人技能実習制度 不正行為撲滅キャンペーン」で、技能実習の監理団体や受入企業などに不正防止を呼びかける内容です。厚生労働省や法務省も後援しています。
キャンペーンのリーフレット
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NAGOMiはキャンペーンの背景を次のように説明しています(要約)。
◎ここ数年、ベトナム人を中心に犯罪検挙件数、失踪、不法滞在が増えており、技能実習制度に関して厳しい批判がある。特にコロナ禍のもと、外国人材(技能実習生など)の窮状に関する報道が増えており、その多くが ①過酷な労働環境 ②日本に来るための借金 ③技能実習制度の廃止――に言及している。
◎このような状況は日本に不信感を持つ外国人の増加につながり、日本の安全保障にも悪影響を与える。
◎NAGOMi は日本政府に対し、「外国人技能実習機構(OTIT)の強化」など人権侵害を是正するための施策の強化を要請している。さらに、監理団体や受入企業も技能実習制度を適正に利用する必要がある。
このキャンペーンでは主に次のようなことを呼びかけています(要点)。
✔︎送出機関からのキックバック・過剰接待は断ろう ✔︎送出機関との裏契約は断ろう ✔︎適切な回数や内容で受入企業を監査・訪問指導しよう ✔︎技能実習生と密にコミュニケーションをとり、本音の理解に努めよう ✔︎妊娠・けが・病気などを理由に実習生に不利益な取り扱いをするのはやめよう
✔︎技能実習生の人権を守ろう ✔︎労働関係の法律を守ろう ✔︎不法滞在者(失踪者など)の雇用はやめよう ✔︎送出機関からの過剰接待は断ろう ✔︎実習計画に沿った業務・作業をさせよう
✔︎自分のキャリアと自己防衛のために日本語を勉強しよう ✔︎やむを得ず実習先を変更したい場合は監理団体に相談しよう
適正な費用で訪日し十分なサポートを受けながら技能実習をするには、送出機関・監理団体・受入企業の組み合わせが大事です。悪質な送出機関や監理団体のもとで技能実習をすると、訪日前に本来必要のない多額の費用を払わされるほか、日本に来てから適切なサポートをしてもらえない可能性があります。
external link 送出機関によって数千ドルの違い?
external link 送出機関の選び方
監理団体や受入企業の不正をなくし技能実習生の環境を改善するには、このキャンペーンのような呼びかけがとても大切です。監理団体や受入企業の意識・行動が変われば、取引先である送出機関も不正をやめざるをえなくなります。また、NAGOMiの役員や顧問には政治家や駐ベトナム日本国大使経験者などが名を連ねています。このような団体が政策提言や不正撲滅キャンペーンを展開することにも意義があります。
NAGOMiの会員団体の中には、KOKOROの体験談で実名を紹介した監理団体(西日本技能センター)や今後発表するキャンペーン体験談で紹介する監理団体(東亜総研)も含まれています。KOKOROが取材した技能実習生数名は適正な費用で来日し、これらの監理団体から十分なサポートを受けて実習をしていました。
ただ、NAGOMiの会員団体すべてが同様に適切なサポートを行っているかどうかについては、まだ情報がありません。逆に、ある会員団体のサポート不足などが原因で技能実習生が失踪した事例を数件、取材で確認しています。キャンペーンの呼びかけが、まずNAGOMiの会員団体の中でどのように守られていくのか、実効性を持たせる取り組みも求められます。
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