日本の古都「奈良」では、大仏や鹿、有名な寺・神社、古い街並み、古民家を改装したおしゃれなカフェや雑貨店などをたくさん楽しめます。京都とはまた違った日本の伝統的な雰囲気を味わえる町で、大阪からも京都からも電車で1時間以内で行けます。
〈このページの内容〉
奈良の大きな駅は近鉄奈良駅とJR奈良駅です。観光の中心地には近鉄奈良駅からの方が近く、近鉄奈良線に乗り継げる大阪市内の大きな駅は「難波」「日本橋」「鶴橋」です。
私は大阪メトロの「日本橋」から乗り換えました。「近鉄日本橋」の1番ホームから奈良行きの「快速急行(快急)」か「急行」で終点の「近鉄奈良」を目指します。所要時間は35分余りでした。
車窓から見る大阪の街並み
大阪の高層ビル群もくっきり
「近鉄日本橋」を出て10分ぐらいで、電車は長いトンネルに入ります。その少し前に大阪の街並みを一望できる区間がありました。日本に来て何度も電車に乗りましたが、車窓からこんなにきれいな風景を見たのは初めてでした。景色は進行方向に向かって左側に見えます。
近鉄奈良駅に着きました。階段を上って②番出口を出ると、左前にコンビニのLAWSONがあります。右側の商店街には入らず、LAWSONを通り過ぎてまっすぐ約1㌔歩くと、東大寺(大仏)の参道の入口に着きます。
駅から歩き始めて1分で右手に「興福寺」がありましたが、ここは最後に訪れるので通過しました。東大寺へは、途中に案内板がたくさんあるので、地図アプリを使わなくても行けるでしょう。
興福寺を過ぎると、右側に「奈良公園」が現れました。奈良公園は野生の鹿が住む広大な芝生や森です。総面積502㏊で、道路でいくつかの区画に分かれています。東大寺へは、奈良公園に沿ってまっすぐ進んでいきます。その道中、鹿が歩道にもたくさんいました。
歩道には「鹿せんべい」の露店がいくつかありました。私は「鹿せんべい」は奈良の名物だと思っていたので、帰りにお土産として買おうと思っていました。しかし、観光客がそのせんべいを鹿に食べさせているのを見ました。「鹿せんべい」は人間が食べるせんべいではなく、鹿が食べるせんべいだと初めて知りました。
東大寺に行く途中には「奈良県庁(↑写真)」や「奈良国立博物館」などもあります。
駅から約1.1㌔歩くと写真のような看板がある大きな交差点に着きます。この看板は後で紹介する「春日大社」の参道の入口ですが、この交差点を左に曲がると東大寺の参道もあります。東大寺の参道の入口には土産物店が並んでいます。
観光マップ(奈良県が公開している地図を加工)※地図をクリックすると大きくなります。
❶ 近鉄奈良駅 ❷ 春日大社の看板がある交差点 ❸ 南大門(東大寺) ❹ 大仏殿(東大寺) ❺ 鹿苑(春日大社) ❻ 飛火野(奈良公園) ❼ 猿沢池 ❽ 奈良町情報館 ❾ ならまち(地図のベージュ色のエリア)
external link 奈良県HP(地図ダウンロードページ)
東大寺の参道を少し歩くと「南大門」があります。これは日本最大の山門で、1203年に完成しました。
南大門の中にある仁王像も有名です。
南大門をくぐると大仏殿が見えてきます。手前で600円(約125,220 VND)を払って敷地に入ると、大きな美しい木造建築に圧倒されます。幅57.5メートル、奥行き50.5メートルあります。 ※100円=20,870 VND(2021年7月12日現在)
大仏殿に入ると、有名な「奈良の大仏」に会えました! 私は今回が2回目ですが、毎回その大きさにびっくりします。
大仏の高さは約15メートル。写真の中の男性と大仏を比べていただくと、大きさを想像しやすいかと思います。
大仏にお別れをして、春日大社の看板のある交差点まで戻り、土産物店でしょうゆ味の「おかき」(200円)を買いました。「おかき」はせんべいと同じです。スーパーで買うせんべいより分厚かったのでバリバリ音を立てて食べました。
大きな交差点に戻って、看板のそばから「春日大社」の参道に入りました。「大社」とは大きな神社という意味です。
春日大社は巨大な森の中にあり、参道は神秘的な雰囲気がありました。
参道にも鹿がいて、鹿せんべいも売られていました。鹿にせんべいをあげている女性がいましたが、鹿たちがすごい勢いで彼女の手元に集まってきます。私はそれを見て少しこわくなり、鹿せんべいを買うのはやめました。
春日大社の境内に「鹿苑(ろくえん)」という施設がありました。出産前の鹿や赤ちゃん連れの鹿は攻撃性があるため、毎年4月からこの施設で保護し、6月1日~30日に親子の様子を公開(入場料300円)しています。子鹿たちにとてもいやされました。
鹿苑には記念撮影スポットや展示パネルもありました。パネルの中に興味深いクイズがありました。「鹿はウマの仲間ですか、それともウシの仲間ですか?」。私は分かりませんでしたが、答えは「ウシの仲間」でした。
また、パネルの説明で、鹿せんべいは米ぬかから作られていて、砂糖や香辛料は一切入っていないことが分かりました。鹿は芝やどんぐりなども食べます。
春日大社の本殿までは遠かったので、鹿苑で切り上げ、奈良公園を通って猿沢池に向かいました。来た道とは別の参道の隣に奈良公園の「飛火野(とびひの)」という広大な芝生広場がありました。
飛火野では、どこまでも緑が続き、朝夕には鹿がたくさん集まってきます。結婚式の記念撮影にもよく使われ、野外コンサートなども開かれますが、私が行ったときはただ芝だけが広がっていました。
奈良公園を抜けると「猿沢池」に着きました。この池はベトナムの田舎の風景によく似ていたので、なつかしく思いました。そして、ランチのために、池の南側一帯に広がる古い街並みのエリア「ならまち」に移りました。
ならまち
「ならまち」には奈良町情報館というインフォメーションセンターがあり、ここでガイドマップをもらいました。
昼食には、「カナカナ」という人気の和食店(↑写真)を選びました。外壁におすすめメニューが書かれた黒板が掲げられています。メニューのおかずの名前を読んでもよく分かりませんでしたが、多種類のおかずを楽しみたかったので、「カナカナごはん」というランチセットを注文しました。
カナカナごはん(おかずは日替わり)。ご飯、みそ汁、ドリンク付き。
「カナカナごはん」には、鶏の唐揚げを甘酢で味付けしたメイン料理のほか数種類のおかずが入っていました。食後のドリンクも付いて税込み1,485円(約310,000 VND)。お得ですね。
お腹がいっぱいになったところで、ならまちをゆっくり散策しました。京都には何度も行ったことがありますが、ならまちの雰囲気は京都とは少し違います。古い建物が並ぶのは京都と一緒ですが、京都よりもさらに落ち着いた雰囲気で、独特の味わいがあります。
また、かわいい雑貨屋さんやおしゃれなカフェ、レトロなパン屋さんなど、楽しいお店がたくさんありました。
「ならまち」を抜けて下御門(しもみかど)商店街に入りました。ここから近鉄奈良駅まで三つの商店街が連なっています。
私は下御門商店街で「町家空間」という昔風の建物に入りました。中には手作り雑貨の販売スペースや飲食店などがありました。「あなたの自慢の作品を出店しませんか」という呼びかけ文にひかれて何か買いたくなり、手作りのネコのキーホルダー(税込み490円)を買いました。
二つ目の商店街「奈良もちいどのセンター街」では、もっとたくさんの雑貨屋さんがありました。
私はここで「おにぎり」のキーホルダー(税込み460円)を買いました。「枝豆」のキーホルダーもかわいかったですが、お金がないので一つでがまんしました。
センター街を抜けると、左手に「中谷堂」という有名なよもぎ餅の店がありました。タイミングが合えば餅つきの様子を見られるのですが、このときは見られませんでした。
よもぎ餅を買って店の前でパクパク。スーパーで買うお餅とは全然違い、とても柔らかく、あんの甘さも絶妙でした! 本当はもう一つ食べたかったですが、夕飯が近いので一つだけにしました。
最後に「興福寺」に行きました。境内の興福寺国宝館には大人気の阿修羅観音像など有名な仏像があります。しかし、残念なことに拝観時間を過ぎていました。
国宝館の前にあった立て看板の写真です。6本の腕を持つのが人気の阿修羅観音像。次回はぜひ本物にお目にかかりたいと思います。
いよいよ晩御飯です。その前に近鉄奈良駅の中にある大きな土産物店で「みむろ」(税込みで10個1,100円)という「もなか」をお土産に買いました。もなかは餅米で作った皮のなかにあんこが入っている和菓子で、日本中で売られていますが、「みむろ」はその中でも特においしいとのことでした。
近鉄奈良駅の隣の新大宮駅で降りて線路沿いに3、4分歩くと、「圓通(えんづう)」という日本料理店に着きました。奈良に詳しい人の紹介です。店内は和風の空間でした。
前菜は「フルーツトマト」と「もずく」と「なすとひき肉のトマトソース」でした。
馬刺し(馬肉の刺身)
白エビの唐揚げ
そして、「馬刺し」や「白エビの唐揚げ」「すき焼き」「湯豆腐」「天ぷら」をどんどん注文しました。最後に特製のおにぎりを食べ、抹茶アイスでしめました。馬刺し(馬の刺身)は一緒に行った日本人に勧められて初めて食べましたが、結構おいしかったです。
飲み物はビール、ジュース、地酒(日本酒)をいただきました。好きなおちょこを選んで地酒を注ぎ、口に含んで香りを楽しみます。とってもおいしかったです。会計は2人で税込み10,000円(約2,087,000 VND)。常連客によると、食材や料理のレベルに比べて料金が安いそうです。
圓通を夜8時過ぎに出て10時ごろに帰宅。今日は大満足の1日でした! 大阪や京都から気軽に行けて、伝統的な街並みやおしゃれで落ち着いたお店、大仏、鹿、森の中の参道、広大な芝生広場などを楽しめる町「奈良」。あなたも奈良の奥深い魅力を味わってみませんか? ※この記事はJNTOのご協力で作成しました。
external link JNTOの奈良観光情報(ベトナム語)
リポーター
ブイ・カイン・リン(Bùi Khánh Linh)
ハノイ出身。2019年9月から2度目の在留。大阪大学大学院言語文化研究科博士前期課程2年。ベトナムに帰国するまでに、日本の様々な観光地を訪れたい。
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