大阪からJRの快速で約90分の和歌山。美しい城と日本庭園を歩いた後、テーマパークでマグロの解体ショーやヨーロッパの街並み、遊園地、バーベキューを楽しむ大阪からの日帰り旅行を紹介します。
〈このページの内容〉
JR大阪駅→和歌山駅:Google map
和歌山県は大阪府の隣にあります。JR大阪駅から和歌山駅まで「紀州路快速」で乗り換えなし(約90分)で行けます。「紀州」とは昔の和歌山の地名です。特急も使えますが、所要時間は快速とそう大きくは変わりません。快速なら乗車賃の1,270円(約263,600 VND)だけで乗れます。
※100円=20,755 VND(2021年8月22日現在)
紀州路快速
「紀州路快速」は途中の日根野(ひねの)駅まで「関空快速」と連結で走ります。私の乗った列車では、8両編成の後ろ4両(5~8号車)が紀州路快速(和歌山行き)で前4両が関空快速(関西空港行き)でした。日根野駅で前と後ろを切り離して行き先が分かれます。
和歌山駅に着きました。駅前に「和歌山バス」のターミナルがあります。和歌山城に行くには②~④の乗り場から0、24、25、30、52、121、122、172、272番などに乗り、「和歌山城前」で降ります。乗車時間は5分、乗車賃は230円でした。
和歌山城は和歌山城公園の中にあります。バス停のそばに「一の橋」(いちのはし)がありました。橋を渡ると「大手門」(おおてもん)で、門をくぐると公園です。
私は園内の案内板を見て、まず「本丸御殿跡」(ほんまるごてんあと)を目指しました。途中から石段がたくさんあるので、歩きやすい靴やサンダルがおすすめ。写真の石段を昇ると本丸御殿跡です。案内板には「天守閣の撮影ポイント」と書いてあります。
石段を昇りきると、天守閣がとてもきれいに見えました! 確かに「撮影ポイント」です。緑に囲まれた美しいお城でした。
天守閣のテラスにいる人がこちらに手を振ってくれたので、私も手を振りました。
本丸御殿跡から天守閣に向かって少し歩くと門があり、そこで410円(約85,000 VND)を払って中に入りました。有料エリアに入ると、「ハート」型の敷石が迎えてくれました。
これは乾櫓(いぬい・やぐら)という建物です。
小天守と大天守です。この二つの天守閣と乾櫓など周囲の建物が回廊でつながっており、中を1周することができます。
天守閣からの眺めです。昔、ベトナムでもこのような窓を使っていたので、懐かしく思いました。
大天守の3階から海や淡路島などが見えました。そよ風に吹かれながら海と緑と町を眺めるのは最高のひとときでした。
こちらからは山側の景色が見えました。手前の緑の丘の真ん中に細長い広場が見えます。これが先ほどの本丸御殿跡です。天守閣には、よろいや刀などの展示物もありました。
external link 和歌山城の公式HP(日本語、英語)
和歌山城案内図(城の公式HPより)
天守閣を楽しんだら、ほかの名所も見ていきましょう。案内図の中の赤い番号の施設を紹介します。
❶一の橋 ❷本丸御殿跡 ❸小人のような木の根 ❹お橋廊下 ➎西の丸庭園 ❻追廻門
本丸御殿跡前に戻り、もと来た長い石段を降り切った付近に、珍しいものがありました。小人(こびと)が階段をよじ登っているように見える木の根っこです。テレビでも紹介されたそうです。
石段を降りきって左に曲がると、ほどなく「お橋廊下」(おはしろうか)という屋根付きの橋があります。堀で隔てられた「西の丸」エリアと「二の丸」エリアを殿様や側近の人たちが行き来するために造られた廊下です。きれいな橋でした。
お橋廊下の中に無料で入れます(9:00~17:00)。傾斜があって歩きにくいので体験してみてください。窓からは庭園が見えました。
お橋廊下の近くにある「西の丸庭園」は無料で入れる日本庭園です(入場は9:00~17:00)。通称は「紅葉渓庭園」(もみじだに・ていえん)で、モミジの木がたくさんあり、秋には紅葉の名所になります。
最後は「追廻門」(おいまわしもん)から外に出ました。門を出て左に2分ほどで「県庁前」バス停があります。次の目的地の「和歌山マリーナシティ」に行くバスは30分に1本しかないので、事前に運行時刻を確認しておきましょう。
忍者には会えず
和歌山城公園では、和歌山市のサービスで「おもてなし忍者」がいます。記念撮影や道案内など観光客のお手伝いをしてくれますが、私はあいにく会えませんでした。土・日曜の10:00~16:00には二の丸庭園前で「手裏剣投げ」や「かくれみの」などの忍術を披露することもあるそうです。
和歌山城からマリーナシティへ:Google map
「和歌山マリーナシティ」は人工島で、リゾートマンションやホテルのほか、これから紹介する「ポルトヨーロッパ」や「黒潮市場」があります。「県庁前」や「和歌山城前」からバスに約35分(520円)乗り、「マリーナシティ」で降ります。
バスを降りると海のにおいがしました。これが黒潮市場の入口です。
黒潮市場は2階建て。海産物や土産物の店がたくさんあるほか、飲食コーナー(1階にフードコート、2階にレストラン)や名物のバーベキューコーナーもあります。
館内マップ(黒潮市場のHPより)
館内マップの中の主な施設を紹介します。
①マグロの解体ショー ⑦菓子や梅干しなど和歌山の名産品を販売 ⑨ワールドテラス(自由に座れるテーブルが並び、館内で買った食品を食べられます)⑩バーベキュー
私はフードコートで海鮮丼の店を選びましたが、30種類以上もあったので、どれにするか悩みました。
私が選んだのはこの海鮮丼(1,980円=約410,000 VND)。ご飯の上にタイ、サーモン、ブリ、帆立、赤海老の刺身がのっています。さらに、桜えび(380円)もトッピングしました。
「有田みかんジュース」(400円)も買いました。和歌山県有田市はみかんの大産地。濃厚で自然な甘さのジュースで、とてもおいしかったです。ワールドテラスで海に近い席をゲットし、ご馳走をゆっくり味わいました。
お腹がいっぱいになったところで、お土産物売り場へ。菓子や梅干し製品、お酒などがありました。
ワールドテラスの隣に「浜焼きバーベキューコーナー」があります。海の見える屋根付きのテラスに228台のテーブル(コンロ付き)があり、併設の商店街で好きな食材を買って自分で焼きます。しかし、私の訪れた日は新型コロナの影響で17:00に終了だったので、他の取材時間との関係で断念しました。代わりに、少し前に友人が利用した際の写真を紹介します。
external link 黒潮市場の公式HP / 営業カレンダー(日本語、ベトナム語)
黒潮市場の1階で「マグロの解体ショー」が見られます。通常は1日2回ですが、私の行った日(2021年8月)は新型コロナの影響で12:30からの1回だけでした。料理人さんがマグロについて説明しながら解体を始めました。
大きな包丁を巧みに使い、わずか10分ぐらいでマグロが4つに切り分けられました。見事な包丁さばきに見とれてしまいました。
このようにおいしそうなマグロの切り身ができました。
解体したばかりの新鮮なマグロで作ったお寿司。あまりにおいしそうだったので、3個500円(約103,800 VND)で買って、しょうゆとわさびでおいしくいただきました!
黒潮市場2階からこの写真のように「ポルトヨーロッパ」が見えます。
市場を出てポルトヨーロッパに移動します。こちらの入場は以前は有料でしたが、2016年から無料になりました。アトラクション(乗り物など)に乗らなければ無料です。
入口の左にチケットカウンターがあります。すべてのアトラクションを利用できる「スタンダードパス」は3,800円(約788,700VND)、バーベキューの食材2,500円分が買えるカードと「スタンダードパス」がセットになった「エンジョイプラン」は5,000円でした。
スタンダードパスはブレスレットタイプで、ちぎらないと腕から外せません。
まずは無料施設を楽しみましょう。ヨーロッパの広場や建物をまねた小さな町になっていて、思わず撮影したくなるスポットがあちらこちらにあります。
園内を歩くと、まるでヨーロッパを旅行しているような気分。これが無料って、本当にお得です。
私のニックネームは「アヒル」です。仲間と一緒に写真を撮れてうれしかったです。
園内には疎水(川)もあります。
external link ポルトヨーロッパのHP(日本語、英語)
ヨーロッパの街並みを楽しんだら、今度はアトラクション。スタンダードパスでジェットコースターなど21種類のアトラクションのすべてを楽しめます。個別に支払う場合は1つ300~700円です。
ウェーブスインガー(500円)からは周りの景色がきれいに見えました。
私はメリーゴーラウンドが一番好きです。映画で見てずっと乗りたかったのですが、今回初めて乗ることができました。
「脱出!魔王の迷宮」などの迷路を楽しめるエリアもあります。正義の紋章を5つ集めれば魔王に勝てるのですが、私は30分以上かけても5個目の紋章を見つけられず、負けてしまいました。
さんざん遊んだ後、最後にお土産店で「みかんちゃん」(=私が付けた名前、990円)を買いました。
バス停前から眺めた夕日
帰りはJR海南駅の方が近いので、「海南駅前」行きのバスに乗りました。和歌山駅までは40~50分かかりますが、海南駅までは18分でした。
海南駅で電車に乗る前に、駅から約180mの「銀平」で夕食を食べました。同じ名前の人気チェーン店から独立した店のようです。
鶏の唐揚げ(330円)やだし巻き卵(440円)、天ぷら盛り合わせ(990円)など、定番メニューを注文しました。最後にお茶漬けも食べ、会計は2人で税込み7,500円。大阪と比べて安い!
店を出るとき、おばあさんの店員さんが「おおきに」(関西弁で「ありがとう」の意味)と言ってくれました。
external link 銀平 海南駅前店(食べログ)
その後、海南駅から各停や快速を乗り継いで大阪へ帰りました。お城や日本庭園、黒潮市場(海鮮丼やマグロ解体ショー)、ヨーロッパの街並み、アトラクションなどを楽しんだ密度の濃い日帰り旅行でした。来年も和歌山に行こうと思います!
※この記事はJNTOのご協力で作成しました。
external link JNTOの詳しい日本観光情報(ベトナム語)
external link 和歌山県の観光情報(JNTO、ベトナム語)
リポーター
Bùi Khánh Linh (ブイ・カイン・リン)
ハノイ出身。2019年9月から2度目の在留。大阪大学大学院言語文化研究科博士前期課程2年。ベトナムに帰国するまでに、日本の様々な観光地を訪れたい。
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