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ベトナムへの輸送サービス

ベトナムへの輸送サービス-7
2021年08月31日

新型コロナの影響で海外渡航が難しくなり、なかなか故郷に帰ることができませんね。家族に近況や気持ちを伝えることは電話やSNSでできますが、生活用品やプレゼント、仕事の書類は国際輸送するしかありません。小包や書類をベトナムに送る方法を紹介します。〈Nguyễn Việt Hà〉

1.日本の海外輸送事情

日本に住んでいると、都会から田舎までどこにでも郵便局がありますね。2021年7月末時点で日本全国に簡易郵便局も含めて23,793店の郵便局があり、海外輸送も受け付けています。

日本の郵便局は手紙や荷物の輸送・配達以外に銀行や生命保険などのサービスも提供し、多くの外国人も利用しています。日本には郵便以外にFedexやDHLなどの外資系企業の海外輸送サービスもありますが、ビジネスでの利用が多く、費用も高額です。一般には郵便局のほかヤマト運輸や佐川急便など日本の運送会社の海外輸送サービスが利用されています。まずは、郵便局で受け付けている海外輸送サービスから紹介します。

2.EMS(国際スピード郵便)

世界120以上の国や地域に30 ㎏までの荷物や書類を最も速く送ることができるサービスです。日本からハノイやホーチミンなどベトナムの大都市へは3~4日、地方の省にも5日~1週間で届きます。ただし、今は新型コロナの影響で遅れることが多く、書類でも1週間以上かかることがあります。

EMSで小包を送る

✔︎ 重さ…重量30㌔㌘以下
✔︎ 形状…一番長い辺で150 ㎝以下、3辺(たて、よこ、奥行き)の合計が3 m以内

external link 荷物の形状について

重量は正確に測る必要があります。制限ぎりぎりの重さで梱包する場合は数十gの余裕を残しておく方が無難です。私の友人がベトナムに荷物を送ったとき、最も軽い重量カテゴリーの制限ピッタリで梱包しましたが、ガムテープやEMSラベルなどを貼ると少しだけ重くなり、次の重量カテゴリーに分類されて、送料が数百円アップしてしまいました。

EMSで書類を送る

EMS専用封筒

仕事で書類をベトナムに郵送する機会も多いですね。ベトナムに送る場合は500 g以下の封書が1,400円です。DHLだと4,000円程度かかります。EMS専用の封筒を50円で購入し、専用ラベルを貼って発送します。

EMSラベル

EMSラベル(日本郵便HPより)

私の友人は2021年1月にEMSで書類を送ろうと郵便局に行くと、窓口で「今月からEMSの手続きが変わったと」言われました。米国にEMS(小包、封書)を送る際は、手書きラベルは受け付けてもらえなくなりました。米国以外についても、手書きで送ると、送り先の国で通関に時間がかかったり返送されたりする恐れがあるそうです。

external link EMSラベルの記入例

友人は別の日、郵便局からEMSで書類を送ろうとラベルに手書きで記入していると、スタッフから「現在、ベトナムも含めて電子追跡を実施し始めたので、できればスマートフォンやPCでラベルを作成してください」と言われました。仕方なくその場でアプリをスマホにダウンロードして送り状を作成し、局内の専用プリンターで印刷して手続きしまた。友人は「最初は手間がかかりましたが、その後はそのアプリを使って送り状を簡単に作れるようになりました」と話しています。

このアプリは「国際郵便マイページサービス」です。EMSなど海外への発送に必要なラベルや書類すべての印刷ができ、PC版とスマホ版があります。PC版で記入したラベルは自分のプリンターで印刷します。一度登録すると、送付元や複数の送付先を登録でき、次にラベルを作成する際に楽です。

external link 「国際郵便マイページサービス」の登録ページ

EMSには、冷蔵や冷凍の品物を低温のまま海外に届けることができるクールEMSもありますが、新型コロナウイルスの影響で現在はほとんどの国宛てのサービスを休止しています。

3.国際eパケットなど

国際eパケット

EMSと同じく航空輸送サービスですが、重さ2 ㎏、3辺の長さの合計90 ㎝までの小型物品に限ったサービスで、EMSより安く送ることができます。乾燥食品や衣類など比較的軽い物を送るときに便利です。「国際eパケット」と「国際eパケットライト」があり、EMSと同じく「国際郵便マイページサービス」でラベルを印刷することができます。

「国際eパケット」で2 ㎏ の荷物をベトナムに送る場合は送料2,400円、1 ㎏なら1,500円。東京からベトナムに送る場合の送達日数は平均8日です(2021年8月現在)。一部の国で追跡ができるほか、6,000円を限度に補償もあります。

external link 国際eパケット料金表

エコノミー航空(SAL)便

これは日本国内と到着国内では船便として扱い、両国間は航空機の空きスペースを有効利用して輸送する仕組みで、船便より早く航空便より安いサービスです。小包はまとめて利用すれば割引(10個以上10%、50個以上20%)、も受けられます。また、SAL便を利用した「国際eパケットライト」というサービスもあり、国際eパケットより少し安い料金で送れます。しかし、2021年8月現在、ベトナム宛てにはこのサービスは使えません。

4.航空輸送の注意点

インボイスの例(日本郵便HPより)

インボイス

小包を国際輸送するには税関に提出するインボイスを郵便局で一緒に出さなければなりません。

external link インボイスの記入例

external link インボイスのフォーマットのダウンロード

航空輸送できないもの

航空便で送れないものもあります。別の友人はベトナムの両親にサプリメントや生活用品などをよく送っています。彼女はある日、両親に送るために染髪料を含む約20㎏の荷物を郵便局に持っていくと、中身のリストを見たスタッフから「染髪料は航空便では送れません」と言われました。彼女は箱を開いて染髪料だけを取り出し、梱包し直すはめになりました。

航空輸送できないもの例を紹介します。

  • 生肉、冷凍食品
  • 爆発物、爆発原料、花火、アラーム装置、バッテリー
  • 燃えやすいアルコール、燃えやすい溶液、燃えやすい固まりや材料。香水や日焼け止めなどの化粧品でアルコール成分が24%を超えるもの
  • レアメタルや宝石、株券など高価なもの
  • リチウム電池が取り付けられた電子機器(スマートフォン、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ノートパソコン、ゲーム機器など)
  • スプレー缶

5. 船便

船便は安いので、留学生などが帰国する際によく使うサービスです。大きさは1個30 ㎏まで。2 ㎏の小包であればベトナムへ1,600円で送ることができます。ただ、安い分、到着まで2~3カ月ほどかかります(発送する都市によって違いがあります)。

日本留学が終わって帰国する前に荷物を船便で送った友人は、送ってから約2カ月後に届いたそうです。書籍や雑誌を送る場合には割引があります。船便では、中味が壊れないようにしっかり荷造りし防水性の材料で梱包した方がよいでしょう。

6. 送料比較

日本からベトナムに小包を送る場合の送料や送達日数をシミュレーションしました。2021年8月時点でのシミュレーションなので、新型コロナの影響を受けている可能性があります。また、発送する都市によって送達日数が変わります。

◆10㎏ の小包を東京からベトナムに送る場合

費用 / 円 日数
EMS 10,500 6日
国際小包 12,500 10日
船便 5,300 約2カ月

◆2㎏の小包を東京からベトナムに送る場合

費用 / 円 日数
EMS 3,300 6日
国際eパケット 2,400 10日
国際小包 3,900 10日
船便 1,600 約2カ月

external link 海外輸送(日本郵便)の料金・日数シミュレーション

7.民間の運送会社

ベトナムにいる家族に送るような荷物は、ベトナム人が運営してベトナム語で対応できる割安の輸送会社のサービスを利用する人もいます。荷造りもしてくれるうえ1㎏1,000円ぐらいと手ごろな値段です。下記はベトナムへの輸送サービスを提供する会社の例です。

external link ハナビ-(ベトナム語、日本語、英語)

external link GETSS

また、外国に引っ越す日本人はヤマト運輸や佐川急便、日本通運などの高級輸送サービスをよく使います。これらの会社には、梱包サービスや特大荷物輸送、絵画や割れものなど特別なものを送るサービスもあります。

ただ、郵便局のサービスより高いので、各社のHPで調べて自分のニーズに合ったサービスをうまく選びましょう。

external link 佐川急便の国際輸送
似たような名前の会社が多いので気をつけてください。

external link ヤマト運輸の国際輸送

external link 日本通運の国際輸送