生活・ビザ
外国人のクレジットカードの作り方
日本で生活を始めてまず必要なものは銀行口座と携帯電話でしょう。しかし、私にはそれだけで十分ではありませんでした。私はベトナムではクレジットカードと携帯アプリでほとんどすべての支払いを済ませていたため、日本でもクレジットカードがないと、とても不便でした。日本で最初は簡単にクレジットカードを作れませんでしたが、最終的には3種類のカードを作ることができました。その体験を紹介します。〈Vân Hoàng〉
銀行でクレジットカード作れず
私は2021年秋に日本で就職するまでの1年間、国費留学生として1年間過ごしました。来日してすぐ、奨学金を毎月受け取るために「ゆうちょ銀行」の口座を開設しました。すると、通帳とキャッシュカードが発行されましたが、このカードにはデビットカードの機能が付いておらず、スーパーや通販サイトで買い物をする際に使えませんでした。
私は今回、3回目の国費留学(大学院)でした。1回目のときはクレジットカードの存在を知らず、2回目は、ゆうちょ銀行の窓口でクレジットカードを作りたいか聞かれたので作りました。今回は、ゆうちょ銀行の窓口で自分から「クレジットカードを作ってください」と依頼しました。しかし、在留期間が1年しかないので、クレジットカード発行の条件を満たさないと言われてしまいました。2回目の留学では在留期間が2年だったのですが、今回は1年なので、だめだったようです。
キャシュレス生活とのギャップ
私はここ数年、ベトナムでキャッシュレス生活を送ってきました。財布にクレジットカードが3枚入っていて、携帯電話にも銀行や電子マネーのアプリが設定されているため、ほとんど現金を持ち歩かないのに、不便は一切ありませんでした。
通勤(グラブバイク)、買い物、外食は全てカード決済ですし、小さな店でも携帯アプリのQRコードで支払いができます。また、友だちと一緒に食事に行ったときは、だれか1人が全員分を立て替え、他のメンバーは割り勘の額をその人の銀行口座に振り込むというやり方でした。同じ銀行間でははもちろん、違う銀行間でも手数料0ドンで、時間も手間もかからなくて、非常に快適でした!
しかし、今回は日本のクレジットカードが作れず、現金必須の生活に戻りました。ベトナムのカードを3枚持っていても、日本で買い物をした後、カード会社がベトナムドンに換算する際の為替レートが悪いですし、海外決済手数料(取引額の0.8 %)も取られます。携帯電話アプリも支払いにクレジットカードが必要なことが多く、カードがないと利用できません。電話代や電気代などは、いちいちコンビニに行って現金で支払いました。「ゆうちょペイ」というアプリも試しましたが、スーパーやコンビニで使えませんでした。
GTNエポスカード
このように日本のクレジットカードが作れずに困っていましたが、ある日、予期せぬ救世主が現れました。携帯電話の格安SIM「GTNモバイル」を契約した1週間後、同社のベトナム人スタッフから電話がかかってきたのです。「GTNエポスカード」というクレジットカードへの加入のお誘いでした。
GTNは外国人でも加入しやすい格安SIMで、スタッフは私が外国人と分かった上で電話してきています。しかも、「年会費無料」「2000ポイントのプレゼント」などのメリットがありました。私はそれを聞いて、迷わず「はい、作りたいです!」と伝え、オンラインで申し込みました。
すると、数日後にクレジットカードが届きました。配達スタッフから本人確認のために在留カードの提示を求められ、カードを見せると受け取ることができました。そして、私の在留期間は1年間だけなのに、発行してくれたクレジットカードの有効期限はなんと5年間もありました。GTNに感謝、感謝!
楽天カードとAmazonカードもゲット!
在留期間が短いからクレジットカードが作れないと、よく言われてきました。しかし、そのポリシーが変化したようです。ある日、楽天市場(大きな通販サイト)で買い物をするとき、楽天のクレジットカードを作れば、「5000ポイント(5000円分)をもらえる」「年会費無料」とPRしていたので、「よし、これも作ってみようか」と思い、申し込んでみました。すると、審査に通ってこのカードも作ることができました。楽天市場で買い物をする際、楽天カードで支払いをすると、通常より多くポイントをもらえるというメリットもあります。
Amazonはどうでしょうか。10年前にAmazonのクレジットカードを申請し、審査に落ちた経験があります。しかし、Amazonでカードを作ると「5000ポイントをもらえる」という特典を知ったので、駄目でもともとと思って申請しました。すると、今回は審査に通り、Amazonカードも無事にゲットできました!
デビットカード
クレジットカード以外にも、私の友人の友人はデビットカードを活用しているそうです。デビットカードは銀行口座での預金額を限度に利用できるカードで、利用と同時に口座からお金が引き落とされます。彼はエンジニアで、来日して数カ月後、クレジットカードを作ろうとしましたが、カード会社の審査を通りませんでした。しかし、大手航空会社ANAのHPからANAのデビットカードを申し込むとカードを発行してもらえました。
彼はこのカードによって、格安SIMの「楽天モバイル」と契約したり、飛行機のチケットを購入したりしています。デビットカードでもポイントが貯まり、ポイントは現金の代わりに使うことができます。
まとめ
今回、ゆうちょ銀行ではクレジットカードを作れませんでしたが、GTNエポスカードや楽天カード、Amazonカードを作ることができました。日本での在留期間が短い外国人でもクレジットカードを作りやすい状況に変わってきているようです。
クレジットカードのメリットには主に次のようなものがあります。
✔︎ Amazonや楽天市場などのオンラインマーケットで商品を購入する際にカードでネット上で決済できる。
✔︎ 飛行機などのチケットを買う際、インターネットで予約後、ネット上で決済できる。
✔︎ スーパーやコンビニで使ってもポイントが貯まる。
✔︎ 電話代や電気代、ガス代などをカード払いにすると、毎月決まった日に自動的に課金され、ポイントも貯まる。
✔︎ デリバリーサービスの決済にも便利。
今回は日本でのクレジットカードの作り方を紹介しました。クレジットカードの具体的な活用方法については、別のブログで詳しく紹介します。
人気記事ランキング
-
田んぼのタニシは食べてはいけません 27844 views
-
オンライン無料日本語教室 23156 views
-
日本での「遅刻」は何分遅れから? 18109 views
-
Vol. 60 技能実習で本当はいくら貯金できるの? 15996 views
-
Vol. 42 失踪中の不法就労の様子とは 13059 views
Platinum Sponsor
Bronze Sponsors
- 弁護士法人Global HR Strategy
- エール学園
後援
- 在ベトナム日本国大使館
- 国際交流基金ベトナム日本文化交流センター
- JNTOハノイ事務所
- 関西経済連合会
- 一般社団法人 国際人流振興協会
- 公益社団法人 ベトナム協会
- NPO法人 日越ともいき支援会
協力
関連記事
-
日本の格安SIMのプラン例:携帯電話(SIM)を上手に選ぼう!
日本の携帯電話は契約制で、通信・通話料が非常に高額です。これから日本に来る人や、すでに日本で生活していて携帯電話会社(通信会社=キャリア)との新規契約や乗り換えを考えている人に、携帯電話の通信・通話サービス(SIM)を上手に選んで節約する方法をお伝えします。 〈このページの内容〉 1. 通信・通話契約が必要なケース 2. 大手キャリアは高品質だが高料金 3. 日本の格安SIM 4. 外国人が契約しやすい日本の格安SIM 5. さまざまな格安SIMのプラン例 6. 格安SIMのデメリットと対処方法 7. まとめ 1. 通信・通話契約が必要なケース 日本での携帯電話の通信・通話料は毎月、大きな出費になります。このため、技能実習生の場合、寮(自宅)のWi-Fiを主に利用し、母国に帰るまでSIMカードを使わずに過ごす人が大半です。しかし、留学生や技人国などの場合、就職活動や勤務先との連絡などで自分の電話番号が必要なケースもあるので、電話番号(通話SIM)なしで過ごすのは難しいかもしれません。 また、警察に電話(110番)したり救急車(119番)を呼んだりするためにも、通話契約(通信SIM)が役に立ちます。 ベトナムではプリペイドのSIMカードがよく使われていますが、日本ではこのシステムがほとんど普及していません。そのため、キャリア(通信会社)と契約して通信・通話料を毎月支払う必要があります。料金はキャリアや契約内容(プラン+オプション)によって大きく異なります。 2. 大手キャリアは高品質だが高料金 3大キャリア 日本の3大キャリア(通信会社)はdocomo、au、SoftBankで、データ通信の速度や通話品質などがすぐれています。サポートを提供する携帯電話ショップもたくさんあります。国内電話かけ放題や大容量データ(無制限)も定額で利用できます。 毎月の料金 ただし、通信・通話料は毎月5,000円~8,000円かかるケースが大半です。 そこに携帯電話機(端末)の購入費用が加わると、非常に高額です。iPhone など人気機種を買って通信・通話契約をすると、毎月の支払い(通信・通話料+端末代金の分割払い)が10,000円をはるかに超えるケースもたくさんあります。 解約金(契約解除料) 2021年までは、他社に乗り換える際に基本的に約1万円の費用が必要でした。2年間の契約期間の途中で解約すると「違約金」として約1万円を請求されるうえ、転出するための手数料として3,300円もかかりました。しかし、今はどちらも廃止されています。ただし、端末代金を分割払いにしている場合は、解約の際に残額の支払いが必要です。 3. 日本の格安SIM 最近は大手キャリアではなく格安SIMを使う人も増えてきました。携帯電話の通信・通話料金を安く抑えたい人は「格安SIM」を検討しましょう。 SIMフリー端末(携帯電話機)が必要ですが、月1,000円未満の音声通話付きプランもあります。また、ウェブサイトから申し込める格安SIMもあります。店頭で契約する場合は、ベトナム人店員のいる店も増えていますが、組合・会社・学校の人や友人などに同行してもらうと安心です。 契約プランと料金 通話付きプランとデータ通信専用プラン 格安SIMには、大きく分けて「音声通話付きプラン」と「データ通信専用プラン」があります。音声通話があるかないかの違いです。音声通話付きプランでは080や090などから始まる番号で通話ができます。 通話料金 音声通話プランの通話料金は30秒・22円の通話料金が平均的です。5分以内の通話なら何度でもかけられる「5分定額」や「10分定額」などの定額通話や無制限にかけられる「かけ放題」のプランやオプションもあります。しかし、SNS(LINEやメッセンジャーなど)で通話する場合は、こうした通話料はかかりません。 1,000円未満の通話付きプランも 格安SIMには月額1,000円未満のプランもあります。自分に必要なデータ通信量や通話時間などに応じて基本プランとオプションを選びましょう。自宅や寮、学校、アルバイト先などのWi-Fiでインターネットをつなぎ、それ以外の場所ではあまりネットを使わないという生活スタイルなら、少ないデータ量のプランでも大丈夫です。 契約に必要な書類 ・本人確認書類(在留カードなど) ・口座振替の場合→預金通帳(またはキャッシュカード)と印鑑 ・クレジットカード払いの場合→クレジットカード 4. 外国人が契約しやすい日本の格安SIM GTNモバイル 日本の口座やクレジットカードがなくても契約できるGTNモバイル〈広告〉 それでは、外国人が契約しやすい格安SIMを二つ紹介します。 GTNモバイルは外国人だけにサービスを提供しており、外国人が日本で最も契約しやすい格安SIMの一つです。日本の銀行口座やクレジットカードを持っていない人でも契約できる▽コンビニ払いができる▽ベトナム語で申し込める―――などの特徴があります。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] GTNモバイル GTNモバイルの特徴 来日してすぐで日本の銀行口座やクレジットカードがない人でも契約できる。 コンビニ払いや銀行自動引き落としでも支払える。 ベトナム語OK(ベトナム語で申し込みや問い合わせができる)。 外国から申し込んで日本の空港でSIMを受け取ることもできる。 SIMカードと同時に外国人専用クレジットカードも申し込める。 ベトナム語で生活相談サポート(無料)を受けられる。 〈通話付きプランの例〉 ・3GB:1,200円/月 ・10GB:2,200円/月 ※国内通話はいずれも22円/30秒(かけ放題プランもあり) ※料金はすべて税込み ベトナム人に人気のSIM VANG SIM VANGの契約には、日本国内で発行されたクレジットカードが必要ですが、他の支払方法についても相談できます。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] SIM VANG 〈通話付きプランの例〉 ・1GB:1,628円/月 ・3GB:2,398円/月 ・5GB:2,882円/月 ※国内通話はいずれも22円/30秒(オプション:5分定額、10分定額、15分定額) ※料金はすべて税込み 5. さまざまな格安SIMのプラン例 日本には、ほかにもたくさんの格安SIMがあります。「格安SIM」「比較」といったキーワードで検索すると、各社のサービスや料金を比較する記事がたくさんヒットします。ただし、日本で発行されたクレジットカードを持っていないと契約が難しい場合もあります。 各社の格安SIMプランの中から一部を紹介します。 ※勤務先との連絡などに音声通話を使いたい外国人が多いことを想定し、音声通話付きプランに限定しました。 ※主に自宅やカフェ、コンビニなどでインターネットにつなぎ、それ以外のデータ通信を最低限に抑える場合を想定して紹介します。 ※料金はいずれも税込みです。 ※「音声通話」はいずれも日本国内での通話です(国際通話は別料金)。 ◆日本の主な格安SIMの料金(2024年3月現在) LINEMO ・3GB:990円/月・20GB:2,728円/月・LINEはギガフリー(使い放題)・音声通話は22円/30秒(オプション:5分定額、かけ放題) IIJmio(アイアイジェイミオ) ・2GB:850円/月・5GB:990円/月・10GB:1,500円/月・音声通話は11円/30秒(オプション:5分定額、10分定額、かけ放題) mineo(マイネオ) ・1GB:1,298円/月・5GB:1,518円/月・10GB:1,958円/月・音声通話は22円/30秒(オプション:10分定額、かけ放題) BIGLOBEモバイル ・1GB:1,078円/月・3GB:1,320円/月・6GB:1,870円/月・音声通話は22円/30秒(アプリ利用の場合は9.9円/30秒) 楽天モバイル ・3GB:1,078円/月・20GB:2,178円/月・音声通話は22円/30秒(オプション:15分定額)(アプリ利用の場合は無料) UQmobile 〈ミニミニプラン〉・4GB:2,365円/月・音声通話は22円/30秒(オプション:10分定額、かけ放題)〈コミコミプラン〉・20GB:3,278円/月・10分以内の通話は何度でも無料(10分を超えた場合は、超えた時間に対して22円/30秒)(オプション:かけ放題) Y!mobile(ワイモバイル) ・4GB:2,365円/月・音声通話は22円/30秒(オプション:10分定額、かけ放題) 6. 格安SIMのデメリットと対処方法 格安SIMのデメリットと対処方法を紹介します。 ① 通信速度が不安定 格安SIMのデメリットは通信速度です。格安SIMの多くは3大キャリアの回線の一部を借りているだけなので、多くの人が使う時間帯には通信速度が遅くなりがちです。 〈対処方法〉 ・自宅やカフェ、コンビニなどでWI-Fiと接続すれば、通信速度の問題を解消できます。 ・混雑している飲食店内や通勤電車内でのネット接続を最小限にとどめるとよいでしょう。 ② クレジットカード決済が多い 格安SIMの毎月の支払いはクレジットカード払いが主流ですが、コンビニ払いや銀行口座自動引き落としを利用できる格安SIMもあります。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] クレジットカード不要のGTNモバイル ③ 購入できる端末の種類が少ない 格安SIMの契約時に携帯電話端末も一緒に買う場合、3大キャリアと比べて選べる端末の種類が少ないです。 〈対処方法〉 最近の端末はSIMカードを差し込めば使えるSIMフリーのものが多いので、ベトナムからそのような端末を持って行くか日本で好きな中古端末を買い、それを使うとよいでしょう。ただし、SIMによっては適合しない端末もあるので、契約の際に動作確認をしてもらいましょう。 ④ サポート 3大キャリアのサポートは店での対応が充実していますが、格安SIMの場合はチャットでの対応が多いです。 7. まとめ 日本の携帯電話は、通信会社(キャリア)と契約して料金を毎月払わないと使えません。日本の3大キャリアは、データ通信の速度や通話品質がすぐれていますが、毎月5,000円~8,000円の費用がかかります。 しかし、日本には格安SIMもたくさんあり、月額1,000円未満のプランもあります。国内通話料はそれとは別に22円/30秒のことが多く、5分(または10分、15分)以内の通話なら何回でもかけられる「定額通話」のオプションや無制限に電話をかけられる「かけ放題」のプランもあります。 格安SIMのデメリットとしては、通信が不安定なことがありますが、店のWi-Fiを活用したり、混雑エリアでの使用をがまんしたりすることで対応できます。また、契約の際に日本で発行されたクレジットカードが必要な場合も多いですが、日本の銀行口座やクレジットカードがなくても契約できる格安SIMもあります。
-
★基本情報=銀行口座と郵便局
日本で働く人も勉強する人も、来日したら、早い時期に銀行や郵便局に行って口座を開設しますね。たいていは会社や組合の人、学校の人が一緒に行ってくれますが、口座開設の手続きや口座の取り扱いについて皆さんも知っておきましょう。特に、だれかに頼まれてキャッシュカードを売ったりあげたりすると、大きな犯罪に悪用されますので、それについても説明します。 <このページの内容> 銀行口座 1.銀行口座を開設する 2.銀行口座を売る(譲る)のは犯罪です! ・キャッシュカード・通帳の売買・譲渡は犯罪です ・譲った口座は何に使われるのか ・たった一度の口座売買で有罪判決! ・帰国前に口座を解約しよう ・口座売買にからむベトナム人の犯罪事例 郵便局 1. 日本の郵便局は万能機関 銀行口座 1. 銀行口座を開設する 銀行の窓口で口座開設の手続きができます。銀行によっては郵送やインターネットでも手続きができます。通常、キャッシュカードは後日、自宅に郵送されます。 銀行口座を開設するときは、次の書類を持って銀行に行ってください。 ❶ 本人確認書類(在留カード、パスポートなど) ❷ 印鑑(サインでもOKの銀行もあります) ❸ 社員証や学生証(持っていないときは会社や学校の人に一緒に行ってもらってください) ※日本語でのコミュニケーションに不安がある場合は、職場や学校の人、友人に一緒に行ってもらって通訳をお願いしてください。 2. 銀行口座を売る(譲る)のは犯罪です! 帰国などによって銀行口座を利用しなくなる場合は、銀行窓口で口座を必ず解約してください。 銀行のキャッシュカードや通帳を売ったり譲ったりすると、犯罪になります。その口座は100%、犯罪や違法行為に使われますので、絶対に譲渡しないでください。 キャッシュカード・通帳の売買・譲渡は犯罪です 日本在住のベトナム人向けに不法就労をあっせんしたり、銀行口座や身分証などの違法取引を誘因したりするためのFacebookページがいくつもありますが、利用してはいけません。こうしたページは犯罪の温床になっており、警察も投稿内容をチェックしています。 悪徳業者や不法滞在者は不要になった口座のキャッシュカードや通帳を買い取ります。しかし、銀行口座(キャッシュカード・通帳)を売買したり譲ったりすると、犯罪になります。その口座が犯罪に悪用されると知らなかったとしても、罪になります。 罪名 : 犯罪収益移転防止法違反 罰則 : 1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方 ・口座を売買したり、あげたりすると、犯罪になります。 ・帰国などによって不要になった口座は必ず解約しましょう。 ・通帳やキャッシュカードを紛失した場合は、すぐに口座を停止してもらいましょう。 譲った口座は何に使われるのか 譲った口座は100%、犯罪や違法行為に利用されます。それは、口座を譲った人が犯罪を助長することを意味します。 「オレオレ詐欺」などの犯罪に利用 日本では反社会的組織が銀行口座を設けることはできません。犯罪グループが買い取った口座はこうした組織などに転売され、特殊詐欺の振込口座やマネーロンダリング、ヤミ金融の資金口座など犯罪に利用されます。「特殊詐欺」の代表的なものは、おじいさん・おばあさんをだまして大金を振り込ませる「オレオレ詐欺」です。 犯罪グループや悪徳業者自身も口座を悪用 口座を買い取ったグループや業者は口座を自分でも犯罪に利用します。例えば、SNSで「航空券を安く販売します」と呼びかけ、メッセージを交換してお金を振り込むと、相手と連絡が取れなくなる詐欺被害がよくあります。昨今、こうした詐欺犯罪に利用される口座は、いずれも不要になった口座を違法に買い取ったものです。 不法滞在者が悪用 不法滞在者は偽造在留カードを使って不法就労をすることがあります。その際に給料の振込口座が必要な場合がありますが、有効な在留カードを持っていないため自分の口座を作ることができません。犯罪グループはこのような不法滞在者向けに他人の通帳やキャッシュカードを転売することもあります。不法滞在者が口座の名義人とSNS上で連絡を取り合い、直接買い取ることもあります。 たった一度の口座売買で有罪判決! 他人に口座を使わせるために自分名義で銀行口座を開設し、それを転売したり譲ったりすると、それも犯罪です(詐欺罪)。 ・銀行で口座を作って転売する。 ・その口座が詐欺などの犯罪の振込口座に使われる。 ・被害者が警察に届けて犯罪が発覚し、容疑者が摘発される。 ・警察は口座の名義人にも事情を聴く。 こうした場合、口座を売った人は警察に「私は通帳やキャッシュカードを紛失しただけです」と説明するかもしれません。しかし、口座開設後の入出金記録はすべて警察に把握されるので、不自然な入出金がくり返されていると厳しく調べられます。 他人が使う前提で口座を開設することは違法です。 たった一度口座を売って10,000円の謝礼をもらっただけで、その口座が大きな犯罪に利用されたことから、「銀行をだまして口座を開設した」として詐欺容疑で逮捕され有罪になった人もいます。 帰国前に口座を解約しよう 帰国するなどの理由で不要になった身分証や銀行口座を売ったり譲ったりすると、それらが犯罪や違法行為に使われます。不要になった口座は必ず銀行で解約してください。口座を売買する犯罪については、売買した人が日本から出国すると時効が停止しますので、その後、日本に戻ってから罪に問われることもあります。 口座売買にからむベトナム人の犯罪事例 ★不法残留者向け互助サイト運営か/ベトナム人男を逮捕(2020年10月) SNSに「通帳やカードを売りたい人いますか?」などと投稿したとして、愛知県警は岡崎市の無職のベトナム人の男(24)を犯罪収益移転防止法違反の疑いで逮捕。この男は偽造在留カードなどを売買するためのSNSを運営していたとされ、買い取った通帳やキャッシュカードを不法滞在のベトナム人に転売していたとみられている。男の自宅から偽造の在留カードや運転免許証など123点が押収された。 ★通帳・カード譲渡容疑のベトナム人逮捕(2020年8月) 神奈川県警は東京都に住むベトナム人の男(21)を犯罪収益移転防止法違反の疑いで逮捕。32,000円を受け取る約束で、自分名義の預金通帳1通とキャッシュカード1枚をベトナム人の男に譲り渡したとされる。 ★SNSで口座売買勧誘/ベトナム人の男7人逮捕(2020年6月) SNS上で銀行口座などの売買を勧誘したとして、神奈川県警はベトナム国籍の男7人を犯罪収益移転防止法違反などの疑いで逮捕した。グループのアジト2カ所(東京)から、預金通帳467通やキャッシュカード637枚が押収された。買い取った口座の一部が特殊詐欺に使われたことも判明。 ★ 自分の口座を他人に使わせたとして逮捕(2023年) 埼玉県警は2023年、「生活費の入出金に使う」と説明して銀行口座を開設したのに、実際は他人に使わせていたとして、新潟市に住むベトナム人留学生(22)を詐欺の疑いで逮捕した。銀行をだましたので詐欺になる。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 「簡単にお金がもうかる仕事」で逮捕された5つの実例|KOKORO 郵便局 1.日本の郵便局は万能機関 日本の郵便局と郵便ポストのマークは「〒」で、赤色を基調としています。 日本の郵便局は「ゆうちょ銀行」と一体になっており、郵便窓口・銀行・保険会社の機能があります。 【郵便局でできること】 ❶ 手紙・はがきや荷物の送付(海外にも送れます) ❷ 貯金、送金、公共料金などの振り込み ❸ 生命保険への加入 ※生命保険は他の生命保険会社でも加入できます。 ※公共料金は引き落としにすると便利です。また、毎月コンビニで支払うこともできます。
-
海外送金サービスで送金すると、なぜ銀行で送金するより得なのか?
家族に送金するために日本で働くベトナム人がたくさんいます。皆さんはどの送金会社を使うのが一番得か知っていますか? 日本からベトナムへの送金について、知らないと損をする情報を紹介します。 <このページの内容> 1.海外送金のさまざまな方法と違い ・近親者や友人に頼む ・銀行、ゆうちょ銀行 ・海外送金サービス会社 2.海外送金は、結局どこを使うべきか? ・銀行か海外送金サービス会社か? ・海外送金の手数料比較 ・海外送金サービス会社のサイト 1. 海外送金のさまざまな方法と違い 近親者や友人に頼む もうすぐ日本からベトナムに帰る親せきや友人がいれば、その人にお願いして家族にお金を渡してもらうことができます。この場合、手数料などもかからず、簡単に送金できることになります。ただ、そのような都合のよい状況がいつもあるとは限りません。 ※100万円を超える現金や小切手などを日本から外国に持ち出すときには、日本の税関に申告書を提出しなければなりません。 ※ベトナムに入国するときも、現金5,000ドル以上かそれに相当する他の外貨を所持している場合や15,000,000 VND以上を所持している場合は、ベトナムの税関に申告しなければなりません。 銀行、ゆうちょ銀行 一般の銀行やゆうちょ銀行を使うのは昔ながらの方法ですが、個人の送金手段としては、今はメジャーではありません。手数料が高いためです。送金の際に受取人のアカウント情報を漏れなく記入する必要もあります。銀行名、銀行の支店名、支店の住所、SWIFTコード、口座名義、口座番号、口座名義人の住所などです。また、窓口での待ち時間もあり、全体に時間が長くかかります。 ◎ 銀行での送金手数料が高いのは、下記の要素が含まれるためです。 ① 送金手数料=送金窓口の銀行の収入 ② 受取手数料=お金を受け取る銀行の収入 ③ 中継銀行手数料=送金窓口と受取窓口を中継する銀行の収入。中継銀行が多いほど手数料の合計が高くなります。 ④ 銀行独自の為替レート=銀行がお金を送金先の現地通貨に両替する際、その銀行が独自に設定したレートで両替をします。このため、本来の為替レートとの差額が生まれ、銀行の追加収入になります。 海外送金サービス会社 現在、個人が海外に送金する際は、海外送金サービス会社(資金移動業者)を使うのが一般的です。ベトナム人スタッフが手伝ってくれる会社もあり、楽に確実に送金できます。海外送金サービス会社には、KYODAI Remittance、SBI Remit、DCOM、Wiseなどがあります。銀行と比べて手数料が安い上、送金手続きにかかる時間が短く、送金先の金融機関に入金されるまでの時間も短いという利点があります。 送金手数料、ベトナムで受け取るときの金融機関の種類や数、受け取る際の手数料、送金にかかる日数などが、会社によって違いますが、一般に銀行より安い手数料で送れます。近くに店舗がない場合は、Webサイトから申し込んで送金カードを作成し、ゆうちょ銀行やコンビニなどのATMで送金することもできます。 ◎ 海外送金サービスのメリット ①100万円以下であれば、海外送金サービス会社の送金サービスを、ゆうちょ銀行やコンビニ、旅行代理店、インターネットなどで利用することができます。 ②送金窓口と現地の受け取り窓口の間に入る中継銀行をできるだけ減らすことで、全体の手数料を少なくし、入金までの時間も短縮します。 ③銀行口座を作れない人でも送金することができます。 2. 海外送金は、結局どこを使うべきか? 銀行か海外送金サービス会社か? 100万円以下の送金なら、ズバリ、海外送金サービス会社がお得です!手数料の安さ、速さ、便利さ、安全性のすべてを兼ね備えています。 送金額や送金先の国によって異なりますが、100万円以下の場合、一般の銀行なら3,000~4,000円の手数料がかかり、お金を受け取るときも現地の金融機関で手数料を取られます。一方、海外送金サービス会社なら、だいたい800~2,000円の手数料で済みます。 海外送金の手数料比較 それでは、海外送金サービス会社を利用して日本からベトナムに送金する場合、ベトナムで受け取る金額は、銀行で送金する場合と比べて、どれぐらい違うのでしょうか? これは、Wiseのウェブサイトで計算した受取額です。10万円をWiseで送金すると、ベトナムでの受取額は16,398,250 VND(2024年1月28日現在)。一方、楽天銀行を使って送金すると、受取額は15,216,964 VNDで、1,181,286 VNDも違います。日本の伝統的な大銀行から送ると、受取額はもっと小さくなります。 KYODAIやSBI、DCOM、Wiseといった海外送金サービスを使った場合は、このように銀行より受取額が大きくなります。これは、銀行よりも手数料が安く、為替レートも良いからです。 受け取り額がポイント 海外送金サービス会社のサイト [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] KYODAI Remittance(ベトナム語、日本語など) [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] SBI Remit(ベトナム語、日本語など) [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] DCOM(ベトナム語、日本語など) [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] Wise(英語、日本語など) [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] Western Union(英語、日本語など) [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] enRemit(ベトナム語、日本語など)
-
外国人のクレジットカードの作り方
日本で生活を始めてまず必要なものは銀行口座と携帯電話でしょう。しかし、私にはそれだけで十分ではありませんでした。私はベトナムではクレジットカードと携帯アプリでほとんどすべての支払いを済ませていたため、日本でもクレジットカードがないと、とても不便でした。日本で最初は簡単にクレジットカードを作れませんでしたが、最終的には3種類のカードを作ることができました。その体験を紹介します。〈Vân Hoàng〉 銀行でクレジットカード作れず 私は2021年秋に日本で就職するまでの1年間、国費留学生として1年間過ごしました。来日してすぐ、奨学金を毎月受け取るために「ゆうちょ銀行」の口座を開設しました。すると、通帳とキャッシュカードが発行されましたが、このカードにはデビットカードの機能が付いておらず、スーパーや通販サイトで買い物をする際に使えませんでした。 私は今回、3回目の国費留学(大学院)でした。1回目のときはクレジットカードの存在を知らず、2回目は、ゆうちょ銀行の窓口でクレジットカードを作りたいか聞かれたので作りました。今回は、ゆうちょ銀行の窓口で自分から「クレジットカードを作ってください」と依頼しました。しかし、在留期間が1年しかないので、クレジットカード発行の条件を満たさないと言われてしまいました。2回目の留学では在留期間が2年だったのですが、今回は1年なので、だめだったようです。 キャシュレス生活とのギャップ 私はここ数年、ベトナムでキャッシュレス生活を送ってきました。財布にクレジットカードが3枚入っていて、携帯電話にも銀行や電子マネーのアプリが設定されているため、ほとんど現金を持ち歩かないのに、不便は一切ありませんでした。 通勤(グラブバイク)、買い物、外食は全てカード決済ですし、小さな店でも携帯アプリのQRコードで支払いができます。また、友だちと一緒に食事に行ったときは、だれか1人が全員分を立て替え、他のメンバーは割り勘の額をその人の銀行口座に振り込むというやり方でした。同じ銀行間でははもちろん、違う銀行間でも手数料0ドンで、時間も手間もかからなくて、非常に快適でした! ベトナムのカードで日本で買い物をしたときの明細 しかし、今回は日本のクレジットカードが作れず、現金必須の生活に戻りました。ベトナムのカードを3枚持っていても、日本で買い物をした後、カード会社がベトナムドンに換算する際の為替レートが悪いですし、海外決済手数料(取引額の0.8 %)も取られます。携帯電話アプリも支払いにクレジットカードが必要なことが多く、カードがないと利用できません。電話代や電気代などは、いちいちコンビニに行って現金で支払いました。「ゆうちょペイ」というアプリも試しましたが、スーパーやコンビニで使えませんでした。 GTNエポスカード このように日本のクレジットカードが作れずに困っていましたが、ある日、予期せぬ救世主が現れました。携帯電話の格安SIM「GTNモバイル」を契約した1週間後、同社のベトナム人スタッフから電話がかかってきたのです。「GTNエポスカード」というクレジットカードへの加入のお誘いでした。 GTNは外国人でも加入しやすい格安SIMで、スタッフは私が外国人と分かった上で電話してきています。しかも、「年会費無料」「2000ポイントのプレゼント」などのメリットがありました。私はそれを聞いて、迷わず「はい、作りたいです!」と伝え、オンラインで申し込みました。 すると、数日後にクレジットカードが届きました。配達スタッフから本人確認のために在留カードの提示を求められ、カードを見せると受け取ることができました。そして、私の在留期間は1年間だけなのに、発行してくれたクレジットカードの有効期限はなんと5年間もありました。GTNに感謝、感謝! [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] GTNモバイルについて [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] GTNエポスカードの申し込みページ 楽天カードとAmazonカードもゲット! 楽天カードのPR画面 在留期間が短いからクレジットカードが作れないと、よく言われてきました。しかし、そのポリシーが変化したようです。ある日、楽天市場(大きな通販サイト)で買い物をするとき、楽天のクレジットカードを作れば、「5000ポイント(5000円分)をもらえる」「年会費無料」とPRしていたので、「よし、これも作ってみようか」と思い、申し込んでみました。すると、審査に通ってこのカードも作ることができました。楽天市場で買い物をする際、楽天カードで支払いをすると、通常より多くポイントをもらえるというメリットもあります。 Amazonはどうでしょうか。10年前にAmazonのクレジットカードを申請し、審査に落ちた経験があります。しかし、Amazonでカードを作ると「5000ポイントをもらえる」という特典を知ったので、駄目でもともとと思って申請しました。すると、今回は審査に通り、Amazonカードも無事にゲットできました! デビットカード クレジットカード以外にも、私の友人の友人はデビットカードを活用しているそうです。デビットカードは銀行口座での預金額を限度に利用できるカードで、利用と同時に口座からお金が引き落とされます。彼はエンジニアで、来日して数カ月後、クレジットカードを作ろうとしましたが、カード会社の審査を通りませんでした。しかし、大手航空会社ANAのHPからANAのデビットカードを申し込むとカードを発行してもらえました。 彼はこのカードによって、格安SIMの「楽天モバイル」と契約したり、飛行機のチケットを購入したりしています。デビットカードでもポイントが貯まり、ポイントは現金の代わりに使うことができます。 まとめ 今回、ゆうちょ銀行ではクレジットカードを作れませんでしたが、GTNエポスカードや楽天カード、Amazonカードを作ることができました。日本での在留期間が短い外国人でもクレジットカードを作りやすい状況に変わってきているようです。 クレジットカードのメリットには主に次のようなものがあります。 ✔︎ Amazonや楽天市場などのオンラインマーケットで商品を購入する際にカードでネット上で決済できる。 ✔︎ 飛行機などのチケットを買う際、インターネットで予約後、ネット上で決済できる。 ✔︎ スーパーやコンビニで使ってもポイントが貯まる。 ✔︎ 電話代や電気代、ガス代などをカード払いにすると、毎月決まった日に自動的に課金され、ポイントも貯まる。 ✔︎ デリバリーサービスの決済にも便利。 今回は日本でのクレジットカードの作り方を紹介しました。クレジットカードの具体的な活用方法については、別のブログで詳しく紹介します。
人気記事ランキング
-
田んぼのタニシは食べてはいけません 27844 views
-
オンライン無料日本語教室 23156 views
-
日本での「遅刻」は何分遅れから? 18109 views
-
Vol. 60 技能実習で本当はいくら貯金できるの? 15996 views
-
Vol. 42 失踪中の不法就労の様子とは 13059 views
Platinum Sponsor
Bronze Sponsors
- 弁護士法人Global HR Strategy
- エール学園
後援
- 在ベトナム日本国大使館
- 国際交流基金ベトナム日本文化交流センター
- JNTOハノイ事務所
- 関西経済連合会
- 一般社団法人 国際人流振興協会
- 公益社団法人 ベトナム協会
- NPO法人 日越ともいき支援会