文化

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2019年11月20日 文化

 今年の夏、会社の日本人の友達とバイクツーリングしました。ルートは東京から伊豆までで、待ち合わせ場所は海老名サービスエリア(SA)でした。

 最近私は、バイクだけではなく撮影にもはまっています。その日、早くSAに着いたので、待っている間にカメラを取り出して写真を数十枚撮りました。しばらくして友達が着き、コーヒーを飲みながら今撮影した可愛い女子と遊ぶ子供の写真を見せたら、かなり注意されました。なぜかと言うと、日本では知らない人を許可なしで取ってはいけないからです。

 写真を撮っただけで厳しく叱られたのは初めてで、ちょっと理解できませんでした。しかしその日の夜、旅館に着いてそのことを調べてみました。すると、ベトナムと違い日本にはかなり厳しい規制がありました。

 ベトナムでは、知らない人を無許可で写真・録画していいのか?

 結論は、撮ってはいけません。法律上では、人は誰も自分の肖像権を持っており、他の人が自分の肖像を勝手に使ってはいけないと決められています。例えば、無許可で撮影・録画した素材を販売したりSNSに載せることは禁じられます。

 しかし、ベトナムでは守られていません。仕事している人、可愛い女の人、遊んでいる子供など、顔がはっきり映った写真がそのままSNS等に投稿されています。それが、それほど大きなトラブルになっていません。ベトナム人は、自分の肖像権についてあまり認識していないのかなと思います。むしろ、カメラを向けたらニコニコしながらポーズを取ってくれる人が結構いました。

 「肖像権」って何?どうすれば侵害行為にならないの?と聞きたくなりますね。調べましたら、「みだりに自己の容ぼう等を撮影され,これを公表されない権利」です。知らない人の顔が特定される写真を許可なしで撮ってはいけなくて、その写真を公開してもいけません。写真を撮らせてほしいことと写真の使い道を説明し、了承をもらうことです。

 一方、日本ではそうはいきません。最悪の場合は訴えられたり、高い肖像権の権利侵害と認められたら高い賠償金を科せられます。一般的には数十万円、高い時は1000万円まで取られるケースもあるそうです。

 どうしても知らない人が写ってしまう場合はどうしたらいいのでしょう。田舎や風景は人が写らないように撮影できますが、人がいると難しいです。日本の街は人がたくさんいますので、どうしても写ってしまいます。その場合は、人物が特定でくるかきないかが大きなポイントです。人物が特定できない写真を撮ればいいのです。

 また、飲食店で、飲み物やお料理、店内の撮影はいいのでしょうか。基本的に問題がありません。食べ物には著作権がないためです。お店によっては撮影を禁止していますので、マナーとしては店員さんに一声かけてから撮影するのがお勧めです。

 まとめますと、写真や映像の撮影は、人物が特定できないように、特定できる場合は許可をもらうように、店舗では店員に一言声をかけるようにしましょう。在日ベトナム人の中にも腕の良いカメラマンが結構いますが、撮影に関係するマナーや法律知識は少ないと思います。私も例外ではありませんが(笑)。くれぐれも注意して、楽しく、トラブルのない撮影をしましょう!【チャンアントゥン】