文化

ベトナムの常識・日本の非常識_29

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2022年05月10日

日本の学校の体育の授業はハイレベルで、ベトナムとは天と地ほど異なります。また、日本でベトナム国内と同じようにオートバイに大量の荷物を積むと、交通反則金を取られます。このほか、家族だけで済ませることが多くなった最近の日本の葬儀事情についても紹介します。

体育の授業は天と地ほど異なります

体育館での授業

これは私の娘の実体験です。

娘はベトナムで小学校1、2年生を過ごした後、3年生から日本の小学校に通いました。ベトナムでの体育の授業は通常、手をあげる、体をひねるなどの基礎的な運動をするだけです。そのため、娘は日本の学校に転校して体育の授業を受けたときに大きなショックを受けることになりました。

日本の体育の授業はベトナムと比べとかなり高度な内容です。ほとんどの小学校、中学校、高校には運動場(グラウンド)と体育館、水泳プールがあり、その日の気温や天候にかかわらず体育の授業が行われます。内容もハイレベルでハードです。全員が体操服に着替え、雨の日でも体育館などで授業を行います。

ジャングルジム

鉄棒

また、日本の小学校の校庭には鉄棒や平行棒、ジャングルジムなどがあり、学校によってはフィールド・アスレチックの器具もあります。日本の小学生たちは放課後、運動場でこれらの器具を使って遊ぶのが大好きです。

ですから、日本の小学校に子どもを通わせる場合は、かなりレベルの高い体育の授業があることを覚悟しておく必要があります。

オートバイには積載制限があります

私の留学生の友人が昨年、日本の学校の寮を出て一人暮らしをすることになりました。多くの荷物は彼の友人の乗用車で運んでもらいましたが、勉強机は乗用車に入らなかったので、友人は自分のオートバイで運ぶことにしました。

私たちベトナム人が得意な、オートバイの後部座席や荷台に大きな荷物をくくりつける方法です。彼は勉強机をバイクに積んで新居に向かって走り始めました。すると、沿道の人々が皆、驚いた顔で彼のバイクを注目していたそうです。

大きな勉強机をオートバイに載せて走る光景は、日本では通常見かけません。結果として、彼は警察官に呼び止められました。友人は警察官から「机をオートバイから降ろし、引越業者に依頼して運ぶように」と指導されました。このため、友人に頼み、机をもっと大きな車に積み替えて運んだそうです。

ベトナムでオートバイの後ろに巨大な荷物を載せて運ぶことは常識ですし、オートバイに荷物を積み上げる技術はもはや“芸術”とも言えるレベルに達しています。ベトナムを訪れた外国人は感動して立ち止まり、称賛しています。

しかし、実は、ベトナムの法律でもオートバイへの過剰な積載は許されていません。ただ、オートバイがベトナム人の主要な移動手段であるため、警察があまり注意しないというのが実情です。

引越業者

日本では事情が違うので、私の友人のようなまねをしてはいけません。日本の法律(道路交通法)では、オートバイへの荷物の積載制限が明確に定められており、違反すると、通常は警察官に呼び止められ、反則金を取られます。

日本でオートバイに積んでもよい荷物のサイズは次の通りです。

・荷台などから前後にはみ出てもよい長さは30 cmまで
・左右にはみ出てもよい長さは15 cmずつ(計30 cm)まで
・高さは地上から2 mまで
・荷物の重量は60 kgまで(50ccのミニバイクの場合は30 kgまで)

このように、日本の法律ではオートバイに積める荷物の大きさや重さが明確に決められています。大きな荷物を運ぶ場合は、軽トラックなどを借りるか引越業者に依頼しましょう。

家族だけで済ませる日本の葬儀

日本の葬儀

ベトナムで働いていた日本人の友人が最近、帰国後に亡くなりました。ベトナムや日本にいる彼の友人や同僚たちは彼の訃報を知りましたが、葬儀の通知をもらいませんでした。彼らは「彼の家族が自分たちを彼の『友人』と認めてくれなかった」と思い、ショックを受けました。

しかし、それは最近の日本の葬儀文化であり、冷たい行為ではありません。最近の日本では、だれかが亡くなっても、故人の友人に広く通知しないケースが増えています。仮に通知しても、「供花や香典を辞退する」と書かれていることが多いです。

新型コロナウイルス感染症が拡大してからは、家族だけで小さな葬式を済ませ、その後に友人や関係者に知らせるという傾向がさらに加速しました。

ですから、葬儀に呼ばれなくても、あなたが故人の友人と思われていないわけではなく、最近の日本の葬儀の傾向なのだと理解してください。