留学・就活

留学生のアルバイト体験_コンビニ・ホテル・工場など

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2022年06月09日

日本で学ぶほとんどの外国人留学生がアルバイトをします。先輩留学生たちはどのようなアルバイトをしているのでしょうか? 今回は、コンビニ、スーパー、ホテル、保育所、工場で働いた先輩たちの経験を紹介します。アルバイトによってお金を稼げるほか、日本語を話す機会を増やしたり、さまざまな経験を積んだりすることができます。

このほか、飲食店でのアルバイト経験については、下記の記事で紹介しています。

external link 留学生5人のアルバイト体験_飲食店編

アルバイトの探し方

留学生が日本でアルバイトを探すには次のような方法があります。

・学校からの紹介
・先輩や友人からの紹介
・求人情報サイト
・求人情報誌
・店のはり紙
・ハローワーク
・留学生のSNSグループ

くわしい説明はこの記事を読んでください。

external link KOKORO|アルバイトの探し方

では、今回インタビューした先輩たちはどのようにしてアルバイトを探したのでしょうか?

保育所や工場の仕事は友人から紹介してもらったそうです。また、コンビニやホテル、スーパーの仕事は求人情報サイトやアプリ(タウンワーク、バイトル、LINEバイトなど)を使って見つけました。

インターネットでアルバイトを探すときは、一つ注意点があります。検索する際に「留学生歓迎」「外国人活躍中」などの条件をチェックすることを忘れないでくださいね!

WA. SA. Bi. でも留学生向けのアルバイトを紹介しています。母国語でも相談できますので、こちらにメールを送ってください。

go-en@morikosan.co.jp

コンビニでのアルバイト

コンビニのアルバイトは外国人留学生に最も人気の高い仕事の一つです。今は新入社員として大阪で働いているリョウさん(マカオ出身)は大阪の大学に留学していたとき、コンビニでアルバイトをしていました。

このアルバイトの良かったところ

日本語を話す機会が多かった:お客さんとも日本人の同僚とも会話の機会が多く、日本語力を伸ばせました。関西弁も少し身につけることができました。

他国の友だちを作ることができた:同僚のインドネシア人留学生と仲良くなりました。

深夜勤務はお客さんが少ない:夜10時~朝6時の深夜勤務もしましたが、その時間帯はお客さんがほとんど来ないので、朝と昼の勤務より楽でした。

このアルバイトの難しかったところ

深夜勤務による疲労:深夜勤務は朝6時までです。午前中に授業があると、帰宅しても寝る時間がなく、すぐに学校に行かなければなりません。授業中に眠気と戦うのが大変でした。

同僚との相性:コンビニで同時に働くスタッフは2、3人なので、その日一緒に働く同僚が自分と仲の良い人かどうかで居心地のよさが変わりました。

日本語を話す場面

同僚との会話:一緒にアルバイトをしていた40代の日本人男性が仕事の合間に、私によく話しかけてくれました。会話の練習にもなり、たくさん話をできて楽しかったです。

スーパーでのアルバイト

大阪大学大学院に通うヴァンさんは最近まで3年半、スーパーで働いていました。仕事内容はレジや掃除、お客さん対応などでした。

このアルバイトの良かったところ

日本の「おもてなし」を学べた:日本の店が提供するサービスは世界トップ水準だと聞いていましたが、スーパーでのアルバイトでそれを実感し、身に付けることができました。店員はどのお客さんに対しても公平に礼儀正しく親切に接します。

お客さんへの対応:お客さんへの話し方や接し方、トラブルの対処方法などを覚え、勉強になりました。お客さんの代わりに買い物客を台まで運ぶなど、妊婦や障がい者、お年寄りのお客さんへの配慮も身に付きました。

このアルバイトの難しかったところ

立ちっぱなし:レジが中心だったので、長いときは5時間連続で立ち続けなければなりませんでした。

覚えることが多い:ポイントカードやクレジットカードの扱い方、返品手続きなど、覚えることがたくさんありました。

日本語を話す場面

お客さんと会話:レジの仕事でお客さんと定型の会話をします。「いらっしゃいませ」「◯◯円になります」「レジ袋はご入り用ですか?」などです。

また、商品の補充や整理を行っていると、お客さんから「みそはどこにありますか?」とか「タバスコは置いていますか?」など、商品の有無や場所を質問されることがよくありました。最初は答えられませんでしたが、早く対応できるようになるために、食品の名前を一生懸命に覚えました。

ホテルでのアルバイト

今は東京で正社員として働いているチーさんは大学院生のころ、奈良のホテルで働きました。主な仕事は朝食バイキングの準備でした。バイキングコーナーに料理を配膳したり、料理がなくなったら新しいものと取り替えたりしました。

このアルバイトの良かったところ

まかないご飯が最高!:飲食店が店員に出す食事を日本語で「まかない」と言います。仕事が終わったら、まかないを出してもらいましたが、それはお客さんに提供するものと同じだったので、内容が充実していました。

お客さんが喜ぶと、自分もうれしくなる:バイキングコーナーのミルクは常温、ヨーグルトはフルーツ入りでしたが、ホットミルクやプレーン・ヨーグルトを希望するお客さんには、私たちがキッチンから運んで提供していました。常連客にもそのような方がいたので、私はご注文をいただく前にテーブルにお持ちしたことがあります。すると、その方はとても喜んでくださいました。

また、接客では笑顔が大事なので、自宅で鏡を見ながら笑顔の練習もしました。

このアルバイトの難しかったところ

同僚の仕事ぶり:私の働いていたホテルでは、アルバイトの1人がフロント、もう1人が朝食スタッフを担当することがありました。しかし、その日の相棒があまり仕事をしない(できない)人だった場合、自分の仕事をしながら相手の仕事もカバーしなければならないので、大変でした。

日本語を話す場面

スタッフと会話:朝食を準備しながら、キッチンやフロントの日本人スタッフとよく会話をしました。ただし、年配の人が多かったので、仕事以外での交流はあまりありませんでした。

保育所でのアルバイト

今は大阪で正社員をしているチャムさんは大学生のとき、ベトナム人の子どもがたくさんいる地域(大阪府八尾市)の保育所で3年半、アルバイトをしました。

このアルバイトの良かったところ

日本語を学べた:私の主な仕事は、保育所からベトナム人園児の保護者に知らせる文書をベトナム語に翻訳することでした。翻訳したのは連絡事項や給食のメニュー表などです。また、保育所スタッフとベトナム人保護者の間の通訳もときどき担当しました。

仕事で日本語を使い続けるので、日本語力の向上に役立ちました。辞書を調べても分からない言葉があれば、スタッフの日本人たちがていねいに教えてくれました。

こうして、アルバイトを始めた大学1年のときは、日本語能力試験(JLPT)N3でしたが、2年生のときにN1に合格することができました。しかも、「読解」は満点でした!

ビジネスマナー:日本人の働き方やビジネスマナーも学べました。

就活に有利:保育所でのアルバイトは珍しいので、就活で履歴書を書くと、採用担当者たちに興味を持ってもらえましたし、面接でもさまざまな体験を話すことができました。

このアルバイトの難しかったところ

翻訳:日本にしかない食材がたくさんあるので、給食メニューの翻訳に最初は苦労しました。

検便:保育所には幼児がたくさんいるので、スタッフが感染しやすい病気にかかっていないか、検便で調べます。それは面倒でした。

子どもと遊ぶ:翻訳の仕事がないときは、2歳の子どもたちと遊ぶこともありました。子どもの扱いに慣れていないので、最初は、上手に接することができませんでした。

工場でのアルバイト

スーパーのアルバイト内容を紹介してくれたヴァンさんは週末にチョコレート工場で働いたこともあります。

このアルバイトの良かったところ

柔軟なシフト:17時~22時に働くと事前申告していましたが、それより長く働いても大丈夫でした(もちろん、週28時間以内に収めていました)。また、週末だけの勤務もOKでした。

仕事が単純:私が働いたラインには主に3つの仕事がありました。ベルトコンベアーにお菓子を流す仕事、流れてきたお菓子に不備がないかチェックする仕事、流れてきたお菓子を箱に詰めてシールを貼る仕事です。これらの作業を3人で担当し、30分ごとに役割を交代しました。仕事内容は単純で楽でした。

日本語を話す場面

ベトナム人が多い:私たちの職場では、日本人は工場長と課長だけで、ほかはベトナム人のアルバイトが約30人いました。このため、アルバイト仲間はすぐにベトナム語で話してしまい、日本語を話す機会がほとんどありませんでした。そこで、私は休憩時間などに課長をつかまえて雑談をするように心がけました。

まとめ

今回はコンビニやスーパー、ホテル、保育所、工場でアルバイトをした元留学生たちがアルバイトの内容を紹介してくれました。

アルバイトには、お金を稼ぐという目的以外に、

・日本語会話の機会を増やす
・友だちを増やす
・さまざまな経験をする

といった利点があります。

また、留学生が卒業後に日本で就職する場合、履歴書やエントリーシートにアルバイトでの経験を書くことが多く、面接でもその内容について聞かれます。仕事で苦労したことや学んだことを分かりやすく説明できるようにがんばってください。