生活・ビザ

日本では落としものが返ってくる!?

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2022年06月21日

日本では道で落としたり電車に置き忘れたりした貴重品が返ってくることがあります。日本に住むベトナム人の中にはそのような経験をして感激した人もたくさんいます。ベトナム人の先輩たちが経験した具体的なケースをいくつか見ていきましょう。ただし、過信は禁物です。日本に慣れたため油断しすぎて失敗したケースも紹介します。

落とした携帯電話が返ってきた!

◎落とした人:大阪府在住の会社員(20代、女性)

私は約2週間の短期交換留学で初めて来日した2016年、留学先の京都大学の日本人学生たちと一緒に大阪に花火見物に出かけました。阪急電車で京都から大阪に向かう際、ある神社に立ち寄るために途中の駅で降りました。友だちが降りるのであわてて一緒に降りたところ、座席に携帯電話を置き忘れてしまいました。

阪急・大阪梅田駅の「お忘れ物センター」。先生はここに携帯電話を取りに行ってくれました。

その携帯電話はカメラ代わりに父から借りてきた電話でした。電車を降りて数分後、携帯がないことに気付き、青くなりましたが、一緒にいた友人が大学の先生に電話してくれました。すると、先生が鉄道会社に電話し、翌朝、同社から先生に「見つかった」と連絡が入りました。先生は京都から大阪まで携帯電話を受け取りに行ってくれました。

携帯電話が手元に戻ってきて、私はとても感動しました。「日本人は落とし物を拾ったとき、落とした人の気持ちを考えることのできる人たちなのだ」と思いました。

落とした現金が返ってきた!

この駅で現金を落としました、、、

私は2021年にも同じような経験をしました。今度は現金です。KOKOROサイトに載せるための観光記事の取材で編集責任者(日本人)と一緒に大阪から奈良に行ったときのことです。近鉄日本橋駅(大阪市)の構内でカバンからタブレットを取り出した際に、カバンの中に入れていた5,000円札を落としてしまいました。

その日、私は財布を家に忘れてきたため、編集責任者から5,000円を借り、そのまま裸でカバンの中に入れていたのです。落としたことに気付いたのは、電車で奈良まで移動したあとでした。それまでにカバンを開けたのは近鉄日本橋駅だけだったので、そこで落としたに違いないと思ったのです。

戻ってきた5,000円札〈近鉄電車の駅で2021年〉

その後、長時間取材し、夜遅くに大阪に戻りました。編集責任者は近鉄日本橋駅の駅員さんに5,000円札の落とし物が届いていないか聞きました。駅員さんは私たちに落とした場所や時刻をくわしく聞き、落とし物が届いた記録を調べてくれました。すると、何と、「その時間帯にその場所で拾ったという5,000円が届けられている」という返事でした!

こうして、また落としものが戻ってきました。私は携帯電話が戻ってきたときよりもさらに驚き、感動しました。

電車に置き忘れた食品が返ってきた!

◎落とした人:埼玉県在住のフリーランス(50代、女性)

私は仕事帰りによく買い物をします。買い物袋が多く電車が混んでいるときは、買い物袋を電車の網棚に置きます。そして、車内で眠ってしまったりネットサーフィンやSNSに集中していると、目的の駅に着いたときに買い物袋を置いたままあわてて電車を降りてしまうことがあります。

昨年夏、冷凍パックのクラウンナイフフィッシュと他の食材を買い、JR新宿駅から電車に乗りました。日本ではなかなか手に入らない魚です。私は料理してさつま揚げを作ろうと思っていました。ところが、乗り換えの武蔵浦和駅で買い物袋を網棚に置いたまま電車を降りてしまい、降りた直後に気付きました。

私は急いで駅の事務所に行きました。駅員さんは私に、乗車した駅や時刻、どの車両のどのあたりに座っていたか、置き忘れたのはどのような買い物袋で中に何が入っているかなどをくわしく聞き、何カ所かに電話してくれました。その結果、約20 km 離れた終着駅の車内点検で私の買い物袋が見つかりました!

私は翌朝、約23 km離れた駅の「お忘れ物預り所」に買い物袋を取りに行きました。身分証明書の提示を求められ、カバンなどの特徴を聞かれました。そして、書類に名前や住所などを記入すると、置き忘れた買い物袋と対面できました。私は買い物袋の中を見てびっくりしました。冷凍パックが凍ったまま入っていたのです! 駅員さんは「冷凍庫に入れて保管しておきました」とのこと。とても感動し、涙が出そうになりました。

道に落とした保険証が届けられた!

◎落とした人:埼玉県在住の会社員(30代、男性)

2カ月ほど前のこと。花粉症が治らないので近所の耳鼻科で診察してもらいました。そして、処方せんを書いてもらい、よく効く薬を受け取ることができました。

約1カ月後、地元の川口警察署から私の勤務先に電話がかかってきました。「あなたの健康保険証をあずかっています。だれかが拾って届けてくれました」というのです。私は保険証を落としたことに気付いていませんでした。おそらく耳鼻科を出てから自家用車に乗るまでの間に落としたのだと思います。

警察で受け取った保健康保険証は破損していました。路上か駐車場で落とし、車にひかれたのでしょう。再発行してもらわなければなりませんが、親切な人のおかげで他人に悪用されることなく手元に戻ってきてくれてありがたかったです。

過信は禁物 ①

JR新大久保駅周辺

◎リポーター:東京都在住の会社経営者(30代、男性)

私はベトナム人留学生を日本語学校に紹介する仕事などをしています。留学生が来日した後もさまざまなサポートをしますが、ある日、留学生の一人が家族からの送金が学費納入期限に間に合わなかったので、私が現金9万円(約15,510,000 VND)を彼に貸しました。しかし、彼はその直後、私の会社の近く(JR新大久保駅付近)で財布を落としてしまいました。

※100円=17,235 VND(2022年6月20日現在)

私は彼に付き添って近くの交番に届け、2日後に警察から「財布が見つかった」と連絡がありました。しかし、財布の中には1,000円しか残っておらず、彼は大変落ち込んでいました。

過信は禁物 ②

◎会社員(20代、女性)

私は留学生時代、首都圏で自転車を盗まれたことがあります。アルバイトに行くために自宅から最寄り駅まで自転車で行き、有料自転車置き場に置いて電車に乗りました。そのときに自転車に鍵(番号式のワイヤー)をかけずに置いていったところ、深夜にアルバイトから戻ると、自転車がなくなっていました。

私はその自転車に防犯登録をしていたので、警察に番号を届けましたが、いつまでたっても見つかったという連絡はなく、新しい自転車を買わざるを得ませんでした。

まとめ

日本に来たベトナム人が駅や路上などで携帯電話や現金などを落とした後、無事に自分の手元に戻ってきた事例をいくつか紹介しました。このようなケースがたくさんあることは驚きですね!

ただし、油断は禁物です。財布を落として中身がなくなってしまった例や自転車を盗まれた例も紹介しました。特に自転車は日本でもよく盗まれるそうです。日本の治安に慣れてしまわず、自分での用心を怠らないようにしましょう。