旅行・グルメ

豪華建築に見とれる日光東照宮

Nikko-Toshogu-021
2022年12月12日

JNTO&KOKORO コラボ企画

東京から日帰りで行ける日光東照宮(栃木県)は、日本を260年以上も統治した江戸幕府(ばくふ)の創始者・徳川家康をまつる神社で、ユネスコの世界文化遺産にも登録されています。豪華な建築が建ち並び、昔、「日光を見ずして結構(満足)と言うなかれ」と言われたほどです。「日光東照宮を見たことがない人は、美しい建築を見ても、これで十分と言ってはいけない」という意味です。その人気は今も健在で、外国人観光客にも人気の高いスポットです。

日光へのアクセス

東京-日光:Google Map

東京から日光へはJRか東武鉄道で行きます。東京の浅草駅から東武鉄道の特急を利用すると、約110分で東武日光(とうぶ・にっこう)駅に着きます。

・浅草-東武日光(乗車賃1,390円、特急券1,470円):約110分

東武日光駅に着きました。標高543mの高地にあるので、ロッジ風の外観です。

駅前からバスに乗ります。たくさんのバスが日光東照宮の近くに行きますので、人がたくさん並んでいる場所で周りの人たちに確認するのが確実です。

駅から日光東照宮へのルート①

東武日光駅からバスで4分の「神橋(しんきょう)」で降りて数分歩くと、「世界遺産 日光の社寺」と書かれた石碑(上の写真)があります。石碑のそばの階段から日光東照宮に行けます。

駅から日光東照宮へのルート②

先ほどの石碑から車道に沿って数十メートル歩くと、このような縦長の石碑もあります。石碑には「表参道(おもてさんどう)」と書かれており、ここからも東照宮に行けます。

駅から日光東照宮へのルート③

神橋の次のバス停「安川町」(やすかわ・ちょう)で降りると、最も短い歩行距離で東照宮に行くことができます。私は上り坂の多い往路にはこのルートを使い、帰路はルート②を使いました。バス停を降りると、前方に小さな小屋のような建物があるので、それを目指します。

この「小屋」は地下道への入り口です。階段を降りたら、右に曲がります。

①:「神橋」バス停
②:ルート①の石碑
③:ルート②の石碑(表参道)
④:「安川町」バス停
⑤:地下道への入口

階下にはこのような地下道がありますので、向こうまで歩いて正面の階段をのぼります。

地上に出ると、大きな駐車場と山の中の階段が見えますので、この階段をのぼります。

階段をのぼりきると、写真のような参道に合流します。参道の右側に入場券売り場がありますが、これは「輪王寺(りんのうじ)」という寺で、東照宮とは違います。

五重塔(ごじゅうのとう)

参道を進むと、「東照宮」と書かれた石碑と石の鳥居がありました。石碑の文字の上にある金色のアイコンは江戸時代(1603~1868年)の支配者だった徳川家の家紋(かもん)です。この付近の標高は634mで、東京スカイツリーの先端と同じ高さです。

家紋とは昔の高貴な家の紋章のことです。この家紋は「あおい」という植物の葉をデザインしています。江戸時代には、この家紋を見せられただけで、日本中の人がひれ伏したと言い伝えられています。

石鳥居をくぐると、五重塔(高さ35m)がありました。

五重塔の近くにある緑の屋根の建物で入場券を買います。

自動券売機が並んでいます。

高校生以上は1人1300円です。画面右上のオレンジ色のボタンをタッチすると、英語などでも表示できます。

豪華な木造建築の数々に圧倒

日光東照宮は東日本の小中学生の修学旅行先として大人気です。私が訪ねた日もたくさんの小学生がいました。

3匹のサルの彫刻

有料エリアに入ってすぐ左側の場所に人だかりができていました。この建築(昔の厩舎:きゅうしゃ)には、サルをあしらった8枚の木の彫刻がかかげられ、たくさんの人が記念撮影をしていました。これらの彫刻は人間の一生を表現しているそうです。

その中で一番人気があるのは、耳・口・目をふさいでいる3匹のサルの彫刻です。これは、「見ざる 聞かざる 言わざる」という日本の有名なことわざで「他人の欠点やあやまちなどは、見ようとせず、聞こうとせず、言わないのがよい」という教えを表しています。

陽明門(ようめいもん)

サルの彫刻の建物から振り返ると、階段の上に豪華な建築が並んでいました。

これは国宝の陽明門(高さ11m)です。金ぱくと508個の彫刻とで飾られた美しい門は東照宮のシンボルです。

複雑で色鮮やかな装飾が施された陽明門。1日眺めて暮らしても飽(あ)きないという意味で「日暮(ひぐらし)の門」とも呼ばれています。

獅子(しし)の彫刻は、純白と金のコンビネーションが素敵でした。

拝殿

陽明門をくぐると正面に拝殿(はいでん)、その背後に本殿(ほんでん)があります。これらが東照宮の中心施設です。

拝殿に近づいてみました。この門は「唐門(からもん)」と呼ばれています。拝殿の中に入ると、撮影禁止ですが、外から中の写真を撮っている人はたくさんいました。

拝殿や本殿に入るには、唐門と連なる壁に沿って右側に歩き、上の写真の赤い柱の建物「祈祷殿(きとうでん)」の手前で左に曲がります。

すると、このような赤い下駄箱(げたばこ)がありますので、ここでくつを脱いで中に入ります。ここから先は撮影禁止です。

眠り猫(ねむりねこ)

拝殿などの見学を終え、祈祷殿の前に戻って写真の奥の建物を目指します。

この建物をくぐり抜けて奥のエリアに行きます。

この建物をくぐるときに、天井の木の彫刻に注目してください。黒い札で「眠猫(ねむりねこ)」という案内が書かれています。この彫刻の名前です。

確かに猫が眠っていますね。これは、左甚五郎(ひだり・じんごろう)という江戸時代のとても有名な彫刻家の作品と言われています。

奥宮(おくみや)

眠猫の下をくぐるとこのような門があり、ここから「奥宮」に行けます。江戸時代にこの門は、将軍が来るときにしか開(あ)けなかったそうです。

階段から門を振り返ると、黒と金の美しい屋根が連なっていました。

大きな杉木立の間を歩いて行きます。森の香りを吸い込みながらウォーキングを楽しみましょう。

急な階段もあります。手すりに生えた緑色のコケがきれいでした。

奥宮に着きました。奥宮とは山の上にある神殿のことです。

奥宮の裏には小さな塔がありました。これは徳川家康のお墓です。

神輿舎(しんよしゃ)

奥宮の見学を終えて、陽明門の近くに戻ってきました。東照宮の境内にはたくさんの建築があり、多くが国宝や重要文化財に指定されています。上の写真は重要文化財の「神輿舎(しんよしゃ)」です。

中に三つの神輿(みこし)があり、いずれも日本の支配者になった源頼朝(みなもと・よりとも)、徳川家康(とくがわ・いえやす)、豊臣秀吉(とよとみ・ひでよし)の3人がまつられています。

灯ろう

日本の社寺(神社や寺)にはこのような灯籠(とうろう)があります。昔の灯りです。写真のように石でできた灯籠を石灯籠(いしどうろう)といいますが、東照宮の石灯籠にはコケが分厚く生え、趣(おもむき)がありました。

鳥居の家紋

境内の鳥居には徳川家の家紋が施(ほどこ)されていました。家紋を施した鳥居は珍しいです。

表参道

東照宮を後にして、帰りは「神橋」バス停に向けて表参道を歩くことにしました。「安川町」バス停より遠いですが、帰りは下り坂が多いので、楽です。左側の塀は輪王寺の外壁です。

輪王寺の外壁が終わると右手に下り坂が始まります。ルート②の参道です。

参道にはきれいなコケも生えていました。

神橋

参道の終点に赤い橋が見えてきました。神橋(しんきょう)と呼ばれる橋です。有料で橋を渡ることもできます。

神橋のそばにある別の橋からのショット。橋の下を流れる川の水も澄んでいます。

川の流れを動画で楽しんでください。

神橋の近くに「神橋」バス停があります。ここから数分で「東武日光駅」、さらに1分で「JR日光駅」です。

栃木県の名物「ぎょうざ」

JR日光駅

帰りは、栃木県の中心都市・宇都宮(うつのみや)に立ち寄るためにJR日光駅から帰ることにしました。

電車で約40分でJR宇都宮駅に着きました。この町にはたくさんの餃子専門店がありますが、手軽なところでは駅ナカのショッピングセンターにもいくつかあります。メインの改札(2階)を出て右手に「PASEO」というショッピングセンターがあるので、中に入ります。

PASEO内には土産物コーナーが。ここに持ち帰りの餃子もたくさん売られていますが、写真の奥に見える餃子レストランに行きました。

これは2人前です。餃子は宇都宮の名物なだけに、ご飯と一緒にとてもおいしくいただきました!

まとめ

この記事では、東京から日帰りで行ける「日光東照宮」を紹介しました。

昔、「日光を見ずして結構と言うなかれ」と言われたほどの美しい神社。「日光東照宮を見ないうちに、きれいな建物をたくさん見たのでもう満足だなどと言ってはいけない」という意味ですが、その言葉に違(たが)わず、見応えのある神社です。

日光東照宮は、秋には周辺で紅葉も楽しめますし、1年を通じて参拝客が絶えません。首都圏に住む皆様も東京を訪れる皆様も、足を伸ばして一度訪れてみてはいかがでしょうか。

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※この記事はJNTOのご協力で作成しました。

※リポーターはKOKORO編集部の記者です。