生活・ビザ

無料で使える快適空間-日本の図書館

220421-Library-1
2022年04月22日

日本にはたくさんの公共図書館があり、たくさんの人が本を読んだり勉強をしたりくつろいだりしています。日本の公共図書館はだれでも無料で使える快適な空間です。外国人留学生も働く外国人も利用できます。日本に住むベトナム人の皆さんも、図書館を活用すれば、日本での生活がより便利で豊かになることでしょう。日本の図書館は“使わなければ損”ですよ。(上の写真=山梨県立図書館)

公共図書館のメリット

ソファーで本を読める図書館も多いです。

各大学に図書館がありますが、その大学の学生以外は自由に使えません。また、専門学校や日本語学校に図書室があることもありますが、週末は使えない場合が多いですね。しかし、公共図書館は週末でも朝から晩まで開いていて、外国人でもその地域に住む人以外でも無料で使えます。

公共図書館とは主に県や市などが運営する図書館のことです。統計によると、日本には公共図書館が3,316館(2021年)あり、全部の図書館の本を集めると約4億6000万冊になります。

無料の学習空間

自分で持ち込んだ本や資料で勉強や仕事をすることができる図書館もあります。カフェで学習や仕事をする人も多いですが、図書館なら無料です。くわしくは後述します。

・図書館には本を読む人や勉強する人、仕事をする人が集まっているので、自分の集中力やモチベーションも高まります。

・日本の図書館の本は、残念ながらほとんどが日本語ですが、旅行などさまざまな趣味に関する本や写真集などもあります。

本やCDなどを借りられる

・図書館の本を借りて家や電車で読むこともできます。無料です。

・音楽CDや映画のDVDを貸し出している図書館も多いです。これも無料です。

図書館を見つける方法

グーグルマップやアップルマップなどスマートフォンで利用できる地図アプリに「図書館」と入力して検索すると、近くの図書館が表示されます。公共施設なので、通常、電車やバスですぐそばまで行くことができます。都心以外では、駐車場が併設されている図書館も多くあります。

図書館で本を借りるには

川口市立中央図書館の入っているビル

私は留学生のときは大学図書館を主に使い、就職してからはたまに公共図書館を使っています。今回は、自宅に近い川口市立中央図書館(埼玉県)で、本を借りるための「利用カード」を作ってみました。

登録カウンター

受付で「利用登録はどこでできますか?」と聞くと、登録カウンターの場所を教えてくれました。

川口市の図書館では、次のような人が利用カードを作れます。

・川口市民
・川口市内で働く人
・川口市内の学校に通っている人

他地域の図書館では、通勤・通学の途中にそのエリアを通る人も利用カードを作れる場合があります。

利用申込書

登録カウンターで「図書館利用申込書」をもらい、住所や氏名などを記入してカウンターに提出します。そのときに在留カードなどの身分証を見せます。すると、「図書館利用カード」をその場で発行してもらえました。

上の写真が私の「図書館利用カード」です。川口市には7つか8つの市立図書館があり、このカード1枚でそれらのすべての図書館で本などを借りられます。

図書館の中で本を選び、その本をカウンターに持って行って図書館利用カードと一緒に渡すと、本を借りることができます。

私は歴史書(英語)とゴルフの本(日本語)を借りました。本を借りると「貸出票」を渡されますので、本と一緒に持って帰ります。貸出票には借りた本のタイトルと返却期限(川口市立図書館の場合は、借りた日の2週間後)が記されています。

本は、図書館のサイトで検索し、予約することもできます。図書館利用カードを作ると、本の検索・予約サイトにログインするためのパスワードも発行してもらえます。

本の返し方

本を返すのは借りるときよりもさらに簡単です。返却カウンターで本を渡すだけです。図書館が閉まっている時間帯でも、館外の返却ポストに本を入れれば返却できます。

返却期限になっても読み終わらない場合は「再貸出」ができます。図書館利用カードとその本を持って図書館のカウンターに行き、いったん返却してあらためて借ります。ただし、その本に貸し出しの予約が入っている場合は、返さなければなりません。

本を借りるだけではありません

学習・仕事スペース

「家では集中して勉強できない…」というとき、静かで快適な「学習スペース」や「学習室」が設けられた図書館もあります。ただ、多くの人が勉強する場所なので、グループでおしゃべりしながら勉強することはできません。図書館によっては、受付カウンターで図書館利用カードを見せ、学習スペースの利用券を発行してもらう場合もあります。また、予約が必要な場合もあります。

本を読むだけの勉強なら、一般の読書席やソファーでもOKです。また、一般の読書席で仕事や勉強をすることを許可している図書館もあります。

飲食スペース

食堂やカフェが併設されている図書館もあります。

レファレンスサービス

論文などに必要な資料を探すのを手伝ってくれる図書館もあります。例えば、「ベトナムの歴史についてまとめたいのですが、文化や政治、農業など分野別にくわしく書かれた本を教えてください」と相談すると、本を探して紹介してくれます。また、関連資料や新聞記事、雑誌記事などの探し方も教えてくれます。

まとめ

日本の公共図書館は、本を借りるだけではなく、勉強や仕事の場所を提供したり、資料探しのサポートをしたりもしてくれます。また、食堂やカフェが建物内に併設されている場合もあります。社会人でも学生でも外国人でも無料で利用できるオープンな施設なので、「使わなければ損」とも言えます。公共図書館はあなたの日本での勉強や仕事の親切なサポーターになってくれます。