困りごと解決

★基本情報=技能実習のトラブル解決

★基本情報=技能実習のトラブル解決2
2022年01月06日

残業代を払ってもらえない▽有給休暇をもらえない▽失踪して別の仕事をしたい▽解雇されそうだ▽どうしても転職したい▽妊娠した――そのような技能実習のトラブルの解決に必要な知識と相談先を紹介します。

主なトラブルと相談先

技能実習で夢をかなえた先輩もたくさんいますが、技能実習をめぐるさまざまなトラブルも報告されています。多いのは残業代や職場での暴力・暴言、有給休暇、解雇などに関するトラブルです。妊娠に関する悩みも増えています。

行政の相談窓口

残業代を払ってもらえない、暴力や暴言を受ける、などのトラブルがあれば、まずは監理団体(組合)に相談してください。それでも解決しない場合は、外国人技能実習機構(OTIT)にメッセージを送りましょう。

external link OTITの母国語相談サイト

万一、通報によって会社や組合から不利益を受けた場合は、もう一度OTITに通報するか民間の支援団体(下記)に相談してください。また、労働基準監督署(労基署)やFRESCといった行政機関にも相談できます。各地に国際交流センターなどが設けている外国人相談窓口もあります。

一度の相談で解決しなくても、あきらめたり失踪したりせず、いくつかの機関や団体に相談してください。

external link 全国の労基署

external link FRESC

民間の支援機関

民間の支援団体もあります。団体によって対応範囲は異なりますが、労働、雇用、生活、在留資格(ビザ)、再就職、妊娠などさまざまな相談に無料で応じてくれます。

〈支援団体の例〉

  • 外国人実習生SNS相談室
  • 日越ともいき支援会
  • 岐阜一般労働組合 第2外国人支部
  • 在日ベトナム人協会(VAIJ)
  • 在仙台ベトナム人協会(SenTVA)
  • 茨城県ベトナム人協会

これらの団体の相談窓口へは下記リンク先からアクセスできます。

external link 総まとめ・ベトナム人向け相談窓口

さまざまなトラブルと解決方法

トラブル解決に必要な知識や解決事例を知っておき、被害を防ぎましょう。

失踪して別の仕事をしたい

「受け入れ先の会社に不満(残業代や暴力・暴言など)があるので、失踪して別の仕事をしたい」というケースがよくあります。実習先の会社から無断で逃げ出すことを「失踪」といいます。また、Facebookなどで高賃金の仕事を紹介する投稿があり、失踪を加速させています。

しかし、技能実習生が失踪して別の仕事に就いても、高収入が安定的に続くことはありません。そして、下記のようなたくさんのリスクや不利益があります。

〈失踪による不利益〉

  • 他の仕事をすると不法滞在・不法就労になる。
  • 雇用が不安定で、長期的な収入は元の会社より低くなる。
  • 病気や大けがのときに医療保険が適用されない。
  • 仕事で大けがをしても補償がないことが多い。
  • 不法滞在(犯罪)なので、外を自由に歩けない。
  • 紹介料をだまし取る詐欺も横行している。

external link 失踪中の不法就労の様子(体験談)

external link 失踪、不法就労、そして失職(体験談)

失踪して得なことはありません。失踪する前にOTITや支援団体に相談しましょう。

どうしても転職したい

受け入れ先の会社が残業代を払わない、暴力を振るうなどの法律違反をしている場合は、OTITの支援を受けて会社を変えることができます。

external link 支援団体とOTITの支援で転職した事例(体験談)

解雇(強制帰国)されそうだ

受け入れ先の会社や組合が気に入らない技能実習生を途中でやめさせ、帰国させようとすることがあります。ひどい場合は、空港まで連れて行かれることもあります。多くの場合、自主的にやめるという趣旨の文章を書かされ、署名を強要されます。

しかし、日本の法律では「やむを得ない事由」がなければ、契約期間の途中で解雇することはできません。支援団体の助けで強制帰国を免れたり転職したりしたケースがいくつもありますので、知っておいてください。

external link 強制帰国を通告されたケース_01

external link 強制帰国を通告されたケース_02

有給休暇をもらえない

自分で交渉して1週間の有給休暇を取得した先輩

技能実習生には有給休暇を取得する権利があります。自分で交渉するか、OTITや支援団体などに相談してください。

パスポートや在留カードを預かる

実習先の会社や組合がパスポートや在留カードなどを預かることがあります。これは法律で禁止されていますので、OTITに連絡してください。対処してくれます。

難民認定申請をすると日本で働ける?

悪質なブローカーが「難民認定申請をして6カ月すると日本で自由に働けるようになる」と持ちかける場合があります。しかし、今では、本当の難民ではない人が難民認定を申請しても許可されず、ベトナムに強制送還されるリスクもあります。技能実習生が日本で難民として認められたケースはありません。

妊娠した

技能実習生が妊娠するケースが増えています。多くの場合、実習を途中で終えて帰国するように言われますが、法律では妊娠を理由に技能実習生を解雇することはできません。生まれた子どもの育児をだれかに手伝ってもらう必要がありますが、しばらく休業してから実習に戻ることも可能です。

支援団体の「NPO法人日越ともいき支援会」は妊婦の支援実績も豊富です。