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3月3日「ひな祭り」 -女の子のお祭り-

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2022年02月24日

日本では、毎年2月下旬からショッピングモールやオフィス街、空港などで大きな人形セットや飾り物を見かけます。それは「ひな祭り」という女の子のお祭りです。どのようなお祭りなのでしょうか?

ひな祭りの歴史

日本のひな祭りがいつ始まったかは明確ではありませんが、平安時代(794年〜1192年)に京都で生まれたという説が有力です。

江戸時代には、3月3日は「桃の節句」という祝日でした。旧暦の3月3日は桃の花が咲く時期だったからです。5月5日の「端午(たんご)の節句」が主に男の子のための行事で、「桃の節句」は女の子の健やかな成長を祈る行事です。

現在は、5月5日が「子どもの日」として祝日になっていますが、3月3日は平日です。

ひな人形

女の子がいる家族は3月3日の数週間前から「ひな人形」という人形セットを飾ります。人形は平安時代の貴族の服を着ています。小さなセットは「内裏(だいり)びな」という主役の男女の2体だけですが、大きなものは最上段に「内裏びな」が並び、その下の数段にいくつかの人形や飾り物が置かれます。

内裏びなは天皇と皇后を表し、下の段には宮中で天皇に仕える人たちや演芸を披露する人たちの人形が並びます。また、菓子や白い酒をお供えすることもあります。

ひな祭りの伝統料理

ちらし寿司(中央)とはまぐりのお吸い物(左下)

ひな祭りに食べるお菓子には次のようなものがあります。ひな壇にお供えしてから食べます。

・ひしもち:ひし形の3色のもち(甘い)
・ひなあられ:米から作った菓子

また、ひな祭りの伝統料理には次のようなものがあります。

・ちらし寿司:寿司ご飯と具材を混ぜ合わせた食べ物
・ハマグリの吸い物:ハマグリの代わりにアサリの吸い物を作る家庭も多く、いずれも2枚の貝のカラがぴったり合うことから、娘にぴったりの結婚相手が見つかるようにという親の願いが込められています。

学校でも3月3日にこのような給食を出すところがあります。また、スーパーでは、3月初旬に桃の花が付いた枝やアサリ、ちらし寿司の具材などが並びます。このような光景を見て、人々は「春が近付いている」と感じます。

日本のベトナム人とひな祭り

日本の保育園でベトナム人の園児が作ったひな人形

今、日本にはベトナム人の家族がたくさん住んでいます。女の子がいる家族はもちろん、留学生や働いている人も美しく華やかなこのお祭りには興味があるようです。

千葉県のキエウさん

彼女は自分の娘が保育園に入って初めてひな祭りを知りました。この日、娘さんはひな人形のイラストが入った紙袋を保育園でもらい、お土産に持ち帰りました。また、保育園で紙のひな人形も作りました。キエウさんはこの日の夕食にちらし寿司を作り、娘さんに好きなお菓子を選ばせて買ってあげています。

東京のタオさん

2人の娘を持つ彼女は、長女が生まれて日本人の夫の両親からひな人形を贈られ、とても感動しました。両親からは「ひな人形は早めに飾り、3月3日が過ぎたらすぐに片付けるように。そうしないと娘がお嫁に行き遅れる」という言い伝えも教わりました。

東京のビックハインさん

ベトナム人同士でもひな祭りを祝う夫婦がいます。彼女は「娘は小さいころから日本の文化に慣れ親しんできました。私たち夫婦も日本の伝統行事を大切にし、ひな祭りには、手作りの飾り物や小さな布の人形を飾っています」と話しています。

ほかにも、私が知っているベトナム人家族には、ひな祭りの料理を作る人や、娘をひな人形のイベントに連れて行く人がたくさんいます。

ひな祭りの有名イベント

可睡斎(かすいさい)

ひな祭りに関連した日本各地の有名なイベントを紹介します。

可睡斎ひなまつり

静岡県の可睡斎(かすいさい)というお寺で行われるひな祭りイベントです。日本で一番大きなひな祭りイベントの一つです。32段の大きなひな壇に1,200体の人形が並びます!

・2022年1月1日~3月31日
・8:00~17:00
・入館料500円(小学生以下無料)
・静岡県袋井市久能2915-1

鴻巣びっくりひな祭り

さいたま市岩槻(いわつき)区と埼玉県鴻巣(こうのす)市は人形制作で有名です。鴻巣市ではJR鴻巣駅前のショッピングモールにピラミッド型の巨大なひな壇を設け、2020年は1,655隊体のひな人形を飾りました。

・2022年2月18日~3月5日
・10:00~21:00(最終日は15:30まで)
・JR鴻巣駅は上野駅(東京)から電車で約50分

長野県須坂市のひな祭り

須坂アートパーク「三十段飾り 千体の雛(ひな)祭り」でも、3つの施設に計6,000体のひな人形が飾られています。巨大なひな壇もあります。

・2022年1月15日~6月28日
・9:00~17:00(入管は16:30まで)
・入館料500円(高校生と18歳未満は無料)
・長野県須坂市野辺1386-8

まとめ

内裏(だいり)びな

3月3日のひな祭りは女の子の健康と幸せを願う日本の伝統行事です。日本に住むベトナム人の多くもこの行事に親しみを感じています。皆さんもショッピングモールやイベントでひな人形を見て楽しみ、スーパーでひな祭りの食事やお菓子を買って、ひな祭りの気分を味わってはいかがでしょうか?