日本では、「安くて庶民的だけど美味しい」という評判の食べ物を「B級グルメ」と言います。ラーメンや焼きそば、カレーライス、丼ぶりなどは代表的なB級グルメです。「B級」は短期間・低予算で作られる「B級映画」から取って付けられたものとされ、「品質の劣る」という意味ではありません。
始まりは1980年代。好景気から食の高級志向が高まっていた日本で、それに対抗するかのように「気取らず、手ごろな価格で美味しい食事」として雑誌で「B級グルメ」と名付けられて紹介され、人気を博しました。1990年代に入ると、景気低迷という時代背景もあり「安くて美味しいもの」と意味が単純化して広く浸透していきました。2000年代になると、地域ごとの郷土料理や地域活性化のために考案されたご当地グルメなどと結びつき「ご当地の安くて美味しいもの」もB級グルメの仲間入りし、メディアでも取り上げられ地方の観光資源として発展していきました。
その勢いに拍車をかけたのが「B-1グランプリ」という祭典です。
全国各地のまちおこし団体が地元のB級グルメを持ち寄り、来場者が実際に食べて投票し、順位を決めるというPRイベントです。これまで11回開催されており、最高で約61万人の人が集まるビッグイベントとなりました。B-1グランプリのBは「ブランド」という意味も込められており、地方に人を呼び込むために地域のブランド化を目指そうという理念に基づいています。
B級グルメブームは今もなお加熱しており、B-1グランプリ以外にも全国各地でグルメイベントが開催されたり、おしゃれで有名なお店がB級グルメを提供したりしています。中には「ちょっとした贅沢をしたい」という需要に応えるために高級食材を使ったB級グルメというものも誕生しており、多様化しているのが伺えます。
時代の流れによって「B級グルメ」の意味に変化があり、とても興味深いですね。あなたの住んでいる街ではどんなB級グルメがあるでしょうか?まだ知らない方は探してみるのも面白そうですね!