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★基本情報=日本の災害
日本は災害の多い国です。地震が多く、1995年に阪神大震災(死者6,334人)、2011年に東日本大震災(死者・行方不明者18,428人)が起きたほか、気象変動によって台風が大型化し、また台風以外での大雨被害もしばしば発生しており、十分な危機管理と食料や生活備品の備蓄が必要です。
災害が起こると、一瞬で店頭からものがなくなります。普段から備蓄をしましょう。
世界で発生する地震のおよそ10%が日本とその周辺で発生しています。地震のほとんどは、地球の表面を覆う巨大な岩盤(プレート)の境界付近で発生します。日本は4枚の大型プレート(ユーラシアプレート、北米プレート、太平洋プレート、フィリピン海プレート)がぶつかり合う、世界で最も地震が発生しやすい国の一つです。プレート同士がひしめいて蓄えられる「ひずみ」が解放されることで地震が起きるのですが、日本のように大きなプレートの境界付近では巨大な力が加わった状態が何年も続いています。
ベトナムではほとんど地震がありませんが、地震大国の日本では、学校や職場で避難訓練が日常的に行われています。「地震で建物が揺れたら机の下に避難する」「料理中の場合は火を止める」などの対応を子どものころから学校で教わるのです。
災害への備えや避難については「日本で暮らす vol. 12 緊急・災害」を参照してください。
阪神大震災(1995年)
東日本大震災(2011年)
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Vol. 12 緊急・災害
緊急時の連絡先 【急病・大けが→電話:119 番】 急病・けが、火事のときは 119 番に電話をかけてください。・119 番に電話をかけると、オペレーターが「火事ですか。救急ですか」とたずねますので、「救急です」と伝えてください。 ・救急車に来てもらいたい場所や目印を伝えてください。 ・具合の悪い人の症状と年齢を伝えてください。 ・あなたの名前と連絡先を伝えてください。 【火事→電話:119番】 火事のときも119番に電話をかけてください。・119番に電話をかけると、オペレーターが「火事ですか。救急ですか」とたずねるので、「火事です」と伝えてください。 ・火事の場所を伝えてください。 ・あなたの名前と連絡先を伝えてください。 【交通事故・犯罪→110 番】 交通事故や犯罪に遭ったり目撃したりした場合、110 番に電話をかけて警察に通報してください。自分で電話をかけることができないときは、近くにいる人に助けを求めてください。・110 番に電話をかけると、オペレーターが次のことを質問しますので、落ち着いて答えてください。 ・いつ、どこで、何があったか ・あなたの名前、連絡先 ・事故の相手や犯人の性別、人数、年齢、服装など ・けが人がいるかいないか 交通事故が起きた場合の対応 ①運転停止・直ちに車の運転をやめましょう。 ・他の交通の妨げにならないように、車両を路肩や空き地などの安全な場所に移動させます。 ②救急・警察への通報・負傷者がいる場合は、救急車(電話番号:119番)を呼びます。・救急車が来るまでは、負傷者を不必要に動かさず、119番のオペレーターの指示に従って、止血などできる範囲の救護措置をしてください。 ・負傷者がいてもいなくても、警察(電話番号:110番)に通報する必要があります。 ・警察官が来るまで事故現場から立ち去ってはいけません。 ・警察官が到着したら、事故の状況を報告し、現場の確認をしてもらいます。 ③医師の診断・事故発生時には、けがをしていない、軽傷などと思っていても、重いけがであったことが後で分かる場合があります。すみやかに医師の診断を受けておくのがよいでしょう。 ④交通事故証明書の申請・交通事故後に様々な支援を受けるための手続に「交通事故証明書」が必要になることがあります。 ・「交通事故証明書」は、自動車安全運転センターに申請して取得することができます。申請の手続は、事故の届出をした警察署に問い合わせてください。・警察に届出をしていない場合、「交通事故証明書」は申請することができません。交通事故が発生したら必ず警察に通報してください [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:25px;" ] 自動車安全運転センター 災害:台風や集中豪雨 ・台風や前線を伴った低気圧が日本付近を通過するときは、広い範囲で大雨が降ります。近年は、地球温暖化の影響で台風が大型化し、台風以外の場合も大雨の程度がひどくなっています。・局地的な集中豪雨(ゲリラ豪雨)も増えています。 ・こうした大雨によって土砂災害や洪水が発生し、大きな被害をもたらすことが増えています。 (1)河川の氾らん 大雨などによって川の水があふれて洪水が発生すると、建物が水につかったり、人が流されたりすることがあります。洪水から命を守るために、次のような行動をとってください。 ・普段からハザードマップ(災害の発生するおそれがある場所が書いてある地図)で水につかるおそれがある場所を確認しておきます。[iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:25px;" ] ハザードマップポータルサイト・実際に大雨になってきたら、気象庁が発表する洪水警報などをもとに、自分で考えて避難をしましょう。 ・市区町村から避難情報が出されたら、安全な場所に避難します。避難の仕方については、このページの下欄で説明します。 (2)土砂災害 大雨などによって山やがけが崩れたり、土砂が流れてきて建物がこわされたり道路がふさがれたりすることがあります。土砂災害から命を守るための行動は「(1)河川のはんらん」の際と同じです。 災害:地震 日本の周辺には、複数のプレートが存在しており、世界有数の地震多発地帯となっています。地震が起きたときは、自分の命は自分で守る、地域の人と協力して命を守る、といったことが非常に重要です。地震から命を守るために、普段から次のような行動をしてください。 準備 ①地震が起きた場合に避難する場所を家族と話し合っておきます。 ②地域の防災訓練に参加し、地域での取組について理解します。 ③1~2週間分の食料・飲料水やけがの手当てに使えるものなどを用意します。※大災害が起きたら、一瞬で店頭からものがなくなり、長期間買えなくなります。 ④家具が倒れないように固定しておきます。もし倒れても大丈夫なように、配置にも気をつけます。 ★マグニチュードと震度・マグニチュードは、地震の大きさを数字で表しています。マグニチュードの値が1大きくなると、エネルギーは約 32 倍になります。 ・震度は揺れの強さを表しています。気象庁は震度を10 段階で発表しています。 地震が発生したとき 地震が発生したら、次の点に注意してください。 ① 落ち着いた行動・家や建物の中にいる場合…落下物から頭を守るため、テーブルの下などに身を隠し、揺れが収まるまで待つ。 ・外出している場合…建物の近くにいると、看板や建物の壁や窓ガラスが落ちてくる可能性があるので、カバンなどで頭を守りながら安全な場所に避難する。・車に乗っている場合…車を道路の左側に停めてエンジンを止める。鍵をつけたまま車からおり、歩いて安全な場所へ避難する。 ② 火の始末…地震による火災を防ぎましょう。・揺れが収まったら、台所やストーブなどの火を消す。 ・もし出火した場合は、消火器具などでできるだけ消火する。 ・地震の後は、ガス漏れが起きている可能性があるので、火はつけない。 ③安全な場所への避難・地震によっては、家屋の倒壊や火災の危険があります。山のそばなどでは、がけ崩れの危険性もあるので、揺れが収まったら、市区町村が指定している避難場所へすみやかに避難する。 ④近所との協力、助け合い・災害時には、近所の人たちとの助け合いが大切です。特に一人暮らしの高齢者や体の不自由な人などに声をかけ、協力して助け合いましょう。 ⑤正確な情報の取得・テレビ、ラジオ、携帯電話や防災行政無線の情報などをもとに、 最新の正確な情報を入手。 ★緊急地震速報(警報)・日本の気象庁は、最大震度が5弱以上と予想されるときに、震度4以上の揺れが予想される地域を対象に緊急地震速報(警報)を発表します。 ・緊急地震速報は、テレビ、ラジオ、携帯電話機、防災行政無線などで流れます。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:25px;" ] 地震と緊急地震速報についての動画(英語・日本語など) . 災害:津波 海底の下で大きな地震が発生すると、海底が盛り上がったり沈んだりします。これに伴って津波が発生し、四方八方に伝播します。 準備 津波から身を守るため、日頃からハザードマップなどで避難場所を確認し、自宅などから避難場所までの安全な経路を確認しておきましょう。 津波が発生しそうな(した)とき 津波が海岸にやってくるのを見てから避難を始めても間に合いません。以下のことに気をつけて避難してください。・海や河口付近で強い揺れを感じたとき、弱い揺れでも長い時間ゆっくりした地震を感じたときは、直ちに海岸や河口から離れ、高台や避難ビルなど高い場所に避難する。 ・地震を感じなくても、気象庁から津波警報が発表されたときは、高い場所に避難する。 ・正しい情報をテレビ、ラジオ、携帯電話機、防災行政無線、インターネットなどで入手する。 火山噴火 日本には多くの火山があります。火山噴火から命を守るために、以下の行動をしましょう。 準備 ・普段からハザードマップで「警戒が必要な範囲」を確認しておきます。・登山をするとき…気象庁が発表する噴火警戒レベルやハザードマップなどの火山に関する情報を確認▽登山届を提出▽通信機器やヘルメットを準備 火山噴火が発生しそうな(した)とき ・気象庁が発表する「噴火速報」「噴火警報」や噴火警戒レベルをもとに自分で判断して避難します。・市区町村から避難勧告などが発令されたときは、安全な場所に避難します。 ・登山中にこのような情報を入手したときや噴火が発生したとき…すぐに火口から離れる▽山小屋やシェルターなどに避難▽頭を守るためにヘルメットを着用。 災害:避難の仕方 避難場所 災害が発生しそうな(した)場合・すみやかに安全な場所に避難します。 ・あらかじめ、住んでいる地域の避難場所を確認します。・避難場所は、各市区町村のホームページなどで確認できます。 ・避難場所へ行くことが難しいときは、その他の安全な場所(近くのしっかりした建物や、難しい場合は自宅の2 階など少しでも安全な場所)へ逃げるなど、命を守るための行動をしましょう。 避難情報 災害が発生しそうな(した)場合の避難情報には、以下のような種類があります。 ①避難準備避難に時間がかかる高齢者や小さな子どもなどに避難を促す情報です。この情報がでたら、高齢者や障害者、子ども、その他避難に時間のかかる人(妊婦など)や付き添いの人は避難準備を始めます。 ②避難勧告災害による被害が発生する可能性が高まった場合に出る情報です。この情報が出たら、避難場所やその他の安全な場所に避難します。 ③避難指示(緊急)いつ被害があってもおかしくない場合に出る情報です。この情報が出たら、まだ避難していない場合は、避難場所やその他の安全な場所へすぐに避難します。 ★「警戒レベル」を用いた避難情報~警戒レベルってなに?~ ・津波以外の水害や土砂災害が起きそうな場合に、とるべき行動がすぐにわかるように出される情報で、避難情報や防災気象情報と一緒に発信されます。警戒レベル1→災害への心構えを高める(雨や川の情報をテレビやインターネットで調べる) 警戒レベル2→避難に備えて避難行動を確認(どこにどうやって逃げるか調べる) 警戒レベル3→高齢者や子どもなど、逃げるのに時間がかかる人は逃げる警戒レベル4→全員避難 警戒レベル5→命を守るための最善行動をとる (災害が起こっています。大切な命を守ってください!) 避難方法 避難をするときには、以下のことに気をつけてください。・避難の前に必ず火を消す。 ・持ち物をできるだけ少なくし、背中に背負うなどして、両手が自由に使えるようにしておく。 ★災害用伝言ダイヤル・大きな災害が起きると、電話がつながりにくい状況が起こる場合があります。・このような場合に、災害用伝言ダイヤルサービスが行われます。 ・「171」に電話し、ガイダンスにしたがって伝言を録音・再生できます。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:25px;" ] NTT 東日本 http://www.ntt-east.co.jp/saigai/web171/ [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:25px;" ] NTT 西日本 https://www.ntt-west.co.jp/dengon/web171/ ★災害用伝言板(web171)(英語・中国語・韓国語・日本語) [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:25px;" ] PCやスマートフォンで文字のメッセージを入れることができるサイト https://www.web171.jp/web171app/topRedirect.do★携帯電話会社のメッセージサービス [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:25px;" ] docomo http://dengon.docomo.ne.jp/top.cgi [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:25px;" ] KDDI(au)http://dengon.ezweb.ne.jp/ [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:25px;" ] SoftBank / Y!mobile http://dengon.softbank.ne.jp/ 災害のときに役立つ気象情報 日本の気象庁は、災害の時に役立つ気象情報を都道府県などに伝えています。それらの情報はテレビ、ラジオ、インターネットなどで入手できます。[iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:25px;" ] 大雨や地震に関する情報(ベトナム語あり)[iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:25px;" ] 防災情報(洪水、土砂災害、地震、噴火など各種災害情報) ★大雨特別警報・日本の気象庁は、大雨特別警報を発表することがあります。大雨特別警報は以下のように重大な災害が既に発生していてもおかしくない場合に発表されます。①数十年に一度の大雨が予想される場合 ②数十年に一度の強い台風が日本に接近・上陸することが予想される場合 ★災害時に役に立つ情報が提供されるアプリ 「Safety tips」・外国人旅行者向けに、災害の時に役に立つ情報が提供されるアプリがあります。このアプリをスマートフォンにダウンロードすると、災害が起きそうなときに予め通知されます。① 緊急地震速報(まもなく強い揺れが来るので身を守ってという呼びかけ)② 津波警報(津波が来るので高いところへ逃げてという呼びかけ)③ 気象特別警報(数十年に一度の気象災害が起こってもおかしくないのでまだ避難できていない人はすぐに命を守る行動をとってという呼びかけ)④ 噴火速報(噴火が発生したので身を守ってという呼びかけ)
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日本の夏は、災害や熱中症に注意!
日本の夏は、猛暑の日が続いたり、台風や豪雨による災害が多発したり、危険がたくさんあります。海や川での水難事故も多発しています。災害や猛暑、水難事故への備えや外国人向け災害情報アプリについて紹介します。 台風・豪雨 豪雨による土砂災害Ⓒ毎日新聞社〈静岡県熱海市で2021年7月〉 2021年7月3日、温泉で有名な静岡県熱海市で豪雨による土砂災害が起きました。山之土砂が大量に流れてたくさんの家が流されました。日本では夏から秋にかけて台風や豪雨による災害が多く発生します。 近年は、地球温暖化の影響で大雨被害の数が増え、台風の規模も大きくなっています。天気予報などで情報を取り、身を守るよう心がけましょう。 ◇準備や対策◇ 日ごろからテレビやインターネットなどで気象情報をよく確認しましょう。 停電や断水に備え、水のペットボトルや保存食料を蓄えておきましょう。懐中電灯や自家発電できるラジオなども必要です。 雨や風が強くなってきたら外出はひかえましょう。 ベランダに置いている植木ばちなどは、風で飛ばされないよう室内に入れましょう。 雨戸があれば閉めましょう。 市区町村が作成している「ハザードマップ」で危険な場所や避難場所を確認しておきましょう。 大雨や台風の際には、川や海、崖(がけ)にはできるだけ近付かないでください。 外国人向け災害情報アプリ 観光庁が監修する外国人向けの災害情報提供アプリ“Safety tips”は地震・津波・大雨などに関する速報や避難情報をベトナム語など14カ国語で発信しています。無料で利用できます。下記リンクから携帯電話にアプリをダウンロードしてください。 情報を知りたい地域を5カ所まで登録でき、それらの地域の気象情報や地震情報、噴火情報、避難情報、熱中症情報、医療機関情報などを知ることができます。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] Android用 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] iPhone用 熱中症 熱中症は高温・多湿の環境で体内の水分と塩分のバランスが崩れることで起きる病気です。気分が悪くなったり体がふらふらしたり、頭が痛くなったりします。重症化すると危険で、毎年死亡者が出ています。 熱中症の主な症状を紹介します。 ①熱失神 皮膚付近にある血管が拡張して血圧が下がり、脳への血流が悪くなることによってめまいが起こります。 ②熱けいれん 大量に汗をかいて血液の塩分濃度が低下したときに、足や腕などの筋肉に痛みを伴うけいれんが起こります。 ③熱疲労 大量に汗をかいたときに水分を十分に補給しないと、身体が脱水状態になり、倦怠(けんたい)感やはき気、頭痛などが起こります。 ④熱射病 体温の上昇が原因で中枢機能に異常が起きた状態です。意識がなくなったり言葉をきちんと話せなくなったりします。 ◇予防対策◇ 出かけるときは飲み物を持ち歩き、こまめに水分補給をしましょう。のどがかわく前に飲むことが大切です。 野外では帽子や日傘が有効です。 家の中では適度にエアコンをつけ、涼しくしましょう。 気分が悪いときは、日陰や涼しい部屋に移動し、水分や塩分を補給しましょう。 かかりつけのクリニックの電話番号を控えておきましょう。 水難事故 水難事故の捜索現場Ⓒ毎日新聞社 海水浴場以外の海や川で泳ぐのは危険です。各地の海水浴場で泳ぎましょう。また、十分な準備をしないと、思いがけぬ事故につながりますので、気をつけましょう。 ◇注意事項◇ 海に入る前には必ず準備体操を行いましょう。 衣服を着たまま水に入ると危険です。 お酒を飲んだ後に泳いではいけません。体調が悪いときも泳ぐのはひかえましょう。 台風が近付いていて風が強いときや雨が降っているときは、海に行くのはやめましょう。 川で泳ぐのは危険です。水に流される事故が多発しています。絶対に川で泳がないでください。
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在日ベトナム人の防災対策
「日本では地震が多い」と聞いてはいたものの、最初は人ごとのように感じていました。しかし、寝ているときに大きな揺れを体験して恐怖を感じ、しばらくはよく眠れませんでした。災害時に家具が倒れるのを防いだり、水や食料を備えたりする、日本人や在日ベトナム人の防災対策を紹介します。 日本は災害多発国 東日本大震災の大津波〈2011年3月〉Ⓒ毎日新聞社 私は2000 年に来日し、大学や大学院に留学後、日本で就職し、今は東京でコンサルティング会社を経営しています。日本には毎年多くの台風がやって来て、家屋損壊や洪水、地すべりなどの甚大な被害をもたらしています。また、日本は地震が多い国でもあります。1923年9月1日には「関東大震災」と呼ばれる大地震が東京と周辺で発生し、約105,000人が死亡・行方不明となりました。また、2011年3月には東日本大震災により大津波が発生し、東北地方の3県が壊滅的な被害を受け、約18,425人が死亡または行方不明となりました(=2021年3月9日現在)。このため、日本の行政や国民は、災害に対して常に備えをしています。それでは、日本人がどのように災害に備えているかを見てみましょう。 行政の災害対策 地方自治体提供の避難所マップ 日本政府は各自治体を通して“避難マップ”を提供しています。家庭にこの地図がない場合は、自治体のHPなどから避難マップを入手し、災害時にどこに避難すべきかチェックしましょう。各地に指定の避難所があり、通常は小学校や公民館などです。 避難訓練の中の救命訓練の様子 また、日本では、企業や建物、学校、地域ごとに年1、2回の定期防災訓練が義務付けられています。避難経路を確認したり、頭に物が落ちてこないように机の下に入ったり、揺れの影響で玄関のドアが開かなくなるのを防ぐためにドアを開けたりする訓練が必要です。避難については、地震や津波の恐れがある場合はエレベーターを使わず階段を利用し、津波から逃れるために高い場所に走って逃げましょう。 日本の在留外国人が増える中、地方自治体は外国人向けの防災情報の提供にも力を入れています。お住まいの地域でベトナム語の情報を探してみてください。 個人の災害対策 避難時に必要なもの〈埼玉県の防災マップより〉 政府や地方自治体がいかに防災対策を整備しても、住民の参加・協力が不可欠です。日本には「備えあればうれいなし」ということわざがあります。準備さえできていれば、恐れることはありません。 日本の住宅や高層ビルは耐震設計がしっかりとしています。ただし、強い揺れで家具が倒れたり、重いものが落ちてきたりして大けがをすることもあります。そこで、日本人は壁に取り付ける食器棚・本棚を作ることがよくあります。可動式の食器棚や本棚が既にある場合は、家具を壁や天井に固定する道具を利用したり、揺れを感知して自動的に閉じるドアロックを設置したりします。また、災害時には、水道水が出なくなったり飲食品が瞬時に売り切れたりしますので、備蓄も欠かせません。 ■非常用備蓄の例 ● 1人1日3ℓの水(3~7日分) ● 家族分の非常食(缶詰など調理済みのもの、3~7日分) ● 救急箱やマスク ● ラジオ、電池、懐中電灯 ● 防寒着 、衣服、下着、毛布、使い捨てレインコート ● ポータブルトイレなど ● 避難所への避難で必要なマスクや消毒用ジェル、タオルなど 在日ベトナム人の防災対策 筆者がSNSで在日ベトナム人たちに防災対策を聞いたところ、多数の回答と写真提供がありました。それらの中からいくつかを紹介します。 家具の倒壊防止ツール 強い揺れで家具や家電製品が倒れたり落ちてきたりすると、死傷者が出ます。 特に本棚や食器棚など大きな家具が危険です。何人かの在日ベトナム人が自宅で食器棚や本棚を天井に固定している様子を教えてくれました。 本棚の固定(千葉県、通訳・翻訳業) 本棚の固定(東京都、会社員) 食器棚の固定(神奈川県、通訳・翻訳業) 食器棚の固定(福島県、独立行政法人職員) 食器棚の扉のロック 食器棚の扉のロック(長崎県、労働局職員) 最近の食器棚には大きな揺れを感知すると扉が自動ロックされるものも増えています。そうでない場合は、ホームセンターなどで備品を購入して設置します。 家電製品の固定 コードを使ってテレビを固定(福島県、独立行政法人職員) テレビなど重い家電製品が寝ている人の頭部に落ちてくると危険です。ひもなどで落下を防止することが大事です。 非常持出袋① 会社から支給された「非常持出袋」(東京都、会社員) 災害に備えて、日本では「非常用袋」や「非常持出袋」などと呼ばれる袋入りの備蓄セットも売られています。このバッグには、災害発生後2、3日間に必要な食品や水、備品類が入っています。回答者の多くがこうした袋を自宅に備えていました。上の写真は東京都の女性が勤務先から支給された非常用袋で、下の写真はその中身です。 入っていた物はヘルメット、水、乾燥ご飯(水や湯を入れると食べられます)、自家発電装置付き懐中電灯、マスク、手袋、整理用ナプキン、ウェットティッシュ、使い捨てトイレなどでした。 非常持出袋② 自作の非常持出袋(東京都、会社員) 自分で非常持出袋を作った人もいます。中には、用途ごとに色分けした小袋がいくつか入っています。大きな台風を経験してこのバッグを作ることにしたそうです。以下に中身を見ていきましょう。 非常用トイレ、ポンチョ、マスク、歯ブラシセットなど アルファ米(水や湯を入れると食べられる米)3種類 水4本 ラジオ付きライト(自家発電装置付き)、ランタン、電池など 救急セット、レインコート(雨具、防寒)、圧縮袋、ホイッスルなど 圧縮タオル、エアマット、アルミ寝袋など 非常持出袋③ 手軽な非常持出袋を外出の際にも常に持ち歩いている人もいました(=神奈川県、会社員)。 貯水 水を貯める容器(長崎県、労働局職員) 別の友人はこう述べています。「強い地震では、水道管が破裂し長期間の断水が起こる可能性があるため、飲料水の備蓄だけではなくトイレや洗面用の貯水も重要です。 2016年の熊本地震の後、わが家は常に浴槽をいっぱいにしたのと、水などを貯める容器も購入しました」 まとめ 本が飛び出しにくいようにする敷物(東京都、通訳・翻訳業) 多くの在日ベトナム人も災害から身を守る準備ができているようですね! あなたはどうですか?まだ何もしていない場合は、このブログも参考にして今すぐに準備を始めてください。また、東京都が無料で提供している「東京都防災アプリ」も大変参考になります。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1005744/index.html
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東京で大型台風を体験!
日本に住んで4年以上経つ私ですが、昨年になって初めて「台風対策」を経験しました。2019年10月、過去最強クラスの台風Hagibis(19号)が私たちの住む関東地方にも近付いていました。9月にも大きな台風Faxai(15号)が千葉県で猛威を振るったばかりだったのに、今度の台風は過去最強クラスといわれ、東京も台風の進路上にありました。私たち家族はこの台風に備えて入念な準備をすることになりました。 台風Hagibisは2019年10月6日に発生し、「猛烈な勢力」から「非常に強い勢力」を経て「強い勢力」に勢いを落とし、12日夜に伊豆半島に上陸しました。勢いは落ちたものの、各地に記録的な豪雨をもたらし、甚大な被害が出ました。 千曲川が氾濫した長野市の穂保地区(2019年10月13日)Ⓒ毎日新聞社 この台風が東京を直撃する3日前から、私たちは必要な物資の購入を始めました。しかし、わが家の考えが甘かったことに気付かされます。近くのスーパーでは、ペットボトルや肉、パンの棚が空になっていました。また、カセットコンロ用のガスボンベや乾電池、強風で窓ガラスが割れても飛散しないようにはり付ける養生テープも売り切れていました。SNS上にも空っぽになった陳列棚の写真がたくさん投稿されていました。 品薄になったスーパーのパン売り場(東京都台東区で2019年10月11日)Ⓒ毎日新聞社 テレビで風速や雨量の予測を見るたびに、緊迫感が高まりました。台風が東京に来る前日の10月11日(金)午後、私も夫も職場から早く解放され、急いで帰宅しました。私は娘と一緒に食料の調理をし、夫と息子はバルコニーの植木を室内に取り込みました。 家族の中で台風対策をリードしたのは子どもたちでした。小学6年生の息子Mocは前回の台風のときに熱心にニュースを見て対策を学び、部屋に新聞紙を敷いて、その上にバルコニーから取り込んだ植木を並べていました。植木が風で吹き飛ばされて人に当たって大けがをさせたる恐れがあったからで、今回も同じでした。私たち夫婦は「そこまでする必要はない」と思っていましたが、息子は前回も今回も黙々と行動し、今回は、窓ガラスに飛散防止のためのシートもはり付けてくれました。 息子が窓ガラスにはり付けてくれたシート また、小学4年生の娘Namも11日の下校途中、「お母さん、食べ物は十分なの?」とメールを送ってきました。娘はさらに、「備蓄の水はあるのか」と電話で聞いてきました。私たち夫婦はそこまで考えていなかったのですが、子どもたちは学校やテレビで情報を得て、兄妹で協力して自宅の浴槽をきれいにし、断水に備えて水を貯め始めていました。 娘が湯船に水を張ってくれた 台風は実際に12日19時前に伊豆半島に上陸して首都圏を通過することになります。その日は、朝から大雨、強風の被害が各地でありました。屋根の吹き飛んだ家、水位の上がった川……テレビに被害状況が次々と映し出されました。また、私の携帯電話が鳴り、子どもの通う学校の保護者会から、すでに開設されている最寄りの避難所を知らせるメールが送られてきました。関東地方では台風被害は比較的少なく、このような体験は訪日以来初めてでした。私は停電時に備え、避難所の住所を手書きでメモしました。 12日午後は、家族それぞれの携帯電話に台風の最新情報がひっきりなしに入ってきました。東京でも多くの場所で避難勧告が出ていました。私たちの地域では避難勧告は出ませんでしたが、家の近くの神田川の水位が急激に上昇しているというテレビニュースを見るにつけ、心細い気持ちが増しました。 SNSで送られてくるベトナム人の友人たちの状況も切迫していました。神奈川県の友人の地域では、12日深夜に行政から避難勧告が出されました。奥多摩に住む別の女性の友人は丘の上に引っ越したばかりだったのですが、木造1戸建てが強風で揺れ、そのまま家にいるべきか大雨と強風の中で避難すべきか一人では判断がつかないようでした。 また、12日にも東京の職場に出勤していた友人(女性)は、電車が運休して帰宅できなくなった場合に備え、強風の中で食料の買い出しに出たそうです。東京では深夜に雨が止みましたが、埼玉県に住む知人の地域では床下数十㌢まで浸水し、一部住民は避難を余儀なくされました。 12日午後は、家族それぞれの携帯電話に台風の最新情報がひっきりなしに入ってきました。東京でも多くの場所で避難勧告が出ていました。私たちの地域では避難勧告は出ませんでしたが、家の近くの神田川の水位が急激に上昇しているというテレビニュースを見るにつけ、心細い気持ちが増しました。 SNSで送られてくるベトナム人の友人たちの状況も切迫していました。神奈川県の友人の地域では、12日深夜に行政から避難勧告が出されました。奥多摩に住む別の女性の友人は丘の上に引っ越したばかりだったのですが、木造1戸建てが強風で揺れ、そのまま家にいるべきか大雨と強風の中で避難すべきか一人では判断がつかないようでした。 また、12日にも東京の職場に出勤していた友人(女性)は、電車が運休して帰宅できなくなった場合に備え、強風の中で食料の買い出しに出たそうです。東京では深夜に雨が止みましたが、埼玉県に住む知人の地域では床下数十㌢まで浸水し、一部住民は避難を余儀なくされました。 雨の中を非難する人たち(神奈川県川崎市で2019年10月12日)Ⓒ毎日新聞社 雨の中を非難する人たち(神奈川県川崎市で2019年10月12日)Ⓒ毎日新聞社 埼玉県内の住宅は浸水状態に 翌朝、東京では台風が完全に通過。空は晴れ渡り、前夜の激しい風雨がうそだったように静かでした。しかし、この台風は東日本各地で記録的な大雨をもたらし、河川の氾らんやがけ崩れが頻発しました。その結果、死者90名、行方不明者9名、住宅の全半壊等4,008棟、浸水70,341棟の極めて大きな被害が発生しました。 翌月、私は福島県を訪ねる機会があったのですが、台風で損壊し修理ができていない家屋がまだたくさんあると地元の人から教えてもらいました。こうした地域に比べれば、私たちのケースは、いつか起こる有事に備えたリハーサルで済んだと言えるかもしれません。 ベトナムで「台風への備え」をしている人は一部の地域に限られるかもしれません。ハノイなど大都市の住民は「スーパーがあるさ」とたかをくくっていることでしょう。初めて日本に来るベトナム人の多くも同じだと思います。しかし、無数に店舗がある日本でも、有事の際には、店から商品があっという間になくなります。津波、台風、大雨……日本に住むなら、災害への備えと向き合うことをお勧めします。 翌朝、東京では台風が完全に通過。空は晴れ渡り、前夜の激しい風雨がうそだったように静かでした。しかし、この台風は東日本各地で記録的な大雨をもたらし、河川の氾らんやがけ崩れが頻発しました。その結果、死者90名、行方不明者9名、住宅の全半壊等4,008棟、浸水70,341棟の極めて大きな被害が発生しました。 翌月、私は福島県を訪ねる機会があったのですが、台風で損壊し修理ができていない家屋がまだたくさんあると地元の人から教えてもらいました。こうした地域に比べれば、私たちのケースは、いつか起こる有事に備えたリハーサルで済んだと言えるかもしれません。 ベトナムで「台風への備え」をしている人は一部の地域に限られるかもしれません。ハノイなど大都市の住民は「スーパーがあるさ」とたかをくくっていることでしょう。初めて日本に来るベトナム人の多くも同じだと思います。しかし、無数に店舗がある日本でも、有事の際には、店から商品があっという間になくなります。津波、台風、大雨……日本に住むなら、災害への備えと向き合うことをお勧めします。 埼玉県内の住宅は浸水状態に
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