日本語学習
留学で日本語力をつける6つのこつ
日本で日本語学校に通うだけでは、あまり日本語を話せるようになりません。多くの先輩や日本語教師への取材をもとに、留学を成功させるための6つのこつをまとめました。
留学成功のための6つのポイント
1.訪日前にできるだけ勉強
日本に行くだけで自動的に日本語力が上がるわけではありません。
①土台:留学前の準備勉強、留学中の自習
②留学のメリット:質の高い日本語授業、日本語環境
①「土台」がないと、②「留学メリット」を生かせません。留学前も留学後も自習が大事です。
本格的な準備勉強をしてから日本に行くと、最低限の勉強だけで留学を始める人と比べ、早く高い確率で日本語が話せるようになります。
2.ベトナムでよい日本語学校を選ぶ
ベトナムには高度な日本語教育を行う日本語学校もあります。例を紹介します。
◆ドンズー日本語学校(ホーチミン)
・寮生活で1年間勉強
・厳選した日本語学校に留学
・多くの卒業生が留学3、4年目に大学に進学
・進学先の多くは国公立大学
◆ナムディン日本語日本文化学院
・寮生活で1年半~2年間勉強
・JLPT・N3レベルになってから留学
・技能実習を経て留学するパターンもある
・大学から留学を始めるパターンもある
ほかにもよい日本語学校や日本語センターはあります。先輩やインターネットから情報を集め、よい学校やセンターを選びましょう。
N3以上の日本語力を付けてから留学すると、効果がぐっと高まります。授業がよくわかるのと、日本人ともたくさん会話できるからです。そうなると、大学や専門学校に入るまでの年数を短縮し、留学費用を大幅に節約できる可能性があります。
3.少ない借金で訪日
留学希望者はベトナムの日本語学校や日本語センター(留学紹介業者)で留学先を紹介してもらい、事前の日本語教育を受けます。学校やセンターによって下記の内容が違います。
・授業料
・授業の質と量(期間)
・日本人教師の有無
・留学あっせん手数料
学校やセンターが紹介者(ブローカー)に謝礼を支払い、留学生が学校やセンターに支払う手数料に上乗せすることもあります。
こうした費用に加え、留学先の学校の1年分の授業料と入学金を先に支払うことが多く、留学生の家族が多額の借金をすることがあります。
借金が多過ぎる場合や利息が高い場合、留学生はアルバイトでお金を稼いで実家に送金しようとします。しかし、働き過ぎると、疲れて勉強ができません。また、制限時間を超えて働いたために、入管から留学の継続を認めてもらえず、退学に追い込まれた先輩もいます。
こうした事態を避けるためにも、留学経験者やインターネットから情報を集め、適正な費用の日本語学校や日本語センターを選びましょう。
4.アルバイトを選ぶ
高い日本語力を身に付けた留学生の多くは、客や同僚の日本人と話す機会が多いアルバイトを経験しています。その場合、仕事をしながら日本語の練習ができますし、学校で習った日本語を実際に使うことができます。
・居酒屋の接客係(ホール)
・スーパーやコンビニのレジ係
最初はこういう仕事に就けない場合もありますが、しっかり勉強して、早くこのようなアルバイトに移りましょう。
しかし、日本語力があまりに低いと、日本語をまったく話さない仕事にしか採用されません。
・倉庫での荷物仕分け
・食品工場での弁当の盛り付け
こうした仕事には深夜から未明にかけての勤務も多く、眠くて勉強ができません。すると、日本語力が上がらず、いつまでたってもほかの仕事に移れません。
そのような事態を避けるためにも、訪日前の勉強が大切です。
5.留学中は勉強、稼ぐのは就職後
実家への仕送りを目的に留学をする人が過去にたくさんいました。しかし、最近は留学生のオーバーワーク(週28時間を超えて働くこと)に対する入管の対応が厳しくなり、このような「出稼ぎ」目的の留学は長く続けられないようになっています。
せっかく留学するなら、将来の目標を立て、その目標に近づくために留学してください。また、アルバイトを控えめにして勉強に力を入れると、次のようなメリットがあります。
・成績が良いと、奨学金をもらえる可能性がある。
・成績が良いと、学費を減免してもらえる。
・高い知識や日本語力を身に付けると、やりがいのある仕事に就ける(収入も長期的に得られる)。
6.できるだけ日本人と交流
日本に行ったら、できるだけ日本人と交流してください。ネイティブスピーカーと話す機会を多く持つことが語学上達の最大のかぎです。
・学校(専門学校、短大・大学)の同級生
・学校のサークルの仲間
・アルバイトの先輩・同僚
・地域の日本語教室の先生
ベトナム人だけで固まらず、日本人や他国の留学生と日本語で交流する時間をできるだけ多くつくりましょう。
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★基本情報=留学前にする5つのこと〈2022年版〉
先輩留学生と編集部が、留学プランの立て方や留学前の日本語学習など、留学に必要な知識と“留学前にやる5つのこと”を紹介します。日本への留学を成功させたい人はぜひ目を通してください。 私は日本で5年間留学後、ホーチミンの日系企業3社で約8年間働きました。その後はフリーランスで通訳・翻訳・司会をし、今はまた日本で生活しています。これから留学する皆さんも、せっかく留学するなら、語学力や知識をしっかり身に付けて、将来の仕事に大いに生かしましょう。そんな留学を実現するための心構えや計画作りのポイントをお伝えします。〈Mỹ Ngọc〉 1. 留学後の夢を描く 夢や目的を描くことで、皆さんの進むべき方向が定まり、困難に出会っても、あきらめずに前に進むことができます。落ち込んだときでも、はっきりとした“夢”や“目標”があれば、また前向きになれます。 夢を定めるには、次のようなことを自分に問いかけてみてください。 ・ 日本に行くのは夢を実現するための一つの手段。留学後、自分はどんな仕事や生活をしたいのか? ・ 「社会の役に立つ」「視野を拡げる」「高収入」「バイリンガル」「立派な家や車」など、自分は何に価値を感じるのか? このようなことを考えながら夢や目標を定めてください。そして、それらを紙に書いてリストアップしましょう。同時に、夢がかなったときの光景をリアルに想像してみてください。日本で何か困難にぶつかったとき、そのリストを見ながら自分の将来像を思い浮かべると、気持ちをリセットできます。 私は5年間、留学しましたが、その間「ベトナムに帰りたい」と思ったことが何度もありました。しかし、「ホーチミンのオフィスビルに自分の事務所を持ち、そこに座っている自分の姿を想像する」ことでモチベーションを維持することができました。 2-1. 留学プラン:高卒の場合 目標が定まったら、それを実現するための留学プランを立てましょう。 ベトナムで高校を卒業している場合、日本の専門学校や大学を目指してはどうでしょうか。 ◎多いのは次のようなパターンです。 ・ 日本語学校(1.5~2年)→専門学校(2年)→大学(4年)→日本で就職 ・ 日本語学校(1.5~2年)→専門学校(2年)→日本で就職 ◎次のようなパターンも増えています。 ・ 日本語学校(1.5~2年)→大学(4年)→日本で就職 * 日本語学校で日本語能力試験(JLPT)N2以上の力を付ければ、専門学校に行かずに大学に進める可能性が高まります。大学受験には日本語以外の勉強も必要なので、日本語については留学前からできるだけ努力しておきましょう。 ◎KOKORO体験談に留学のさまざまなパターンが紹介されています。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] パターン① 大学中退 日本語教室 4カ月 訪 日 日本語学校 1年半 専門学校 2年 日本で就職 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] パターン② 高校卒業 日本語学校 2年 訪 日 私立大学 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] パターン③ 高校卒業 訪 日 私立大学 4年 日本で就職 私は5年間の留学で日本語学校、専門学校、大学に行きましたが、家庭の事情で途中で帰国し、大学を中退しました。今思えば、日本語学校から直接、大学に進めばよかったと思います。 2-2. 留学プラン:大卒の場合 大卒の場合、日本語学校だけに行くか、日本語学校を経て大学院に行ってはいかがでしょうか。私の考えでは、大卒の人が日本語学校を出た後に専門学校に進むことは無駄です。大学院に行く方が、学歴が高くなりますし、日本語学校を出て就職するのも手です。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] パターン① 大学卒業・就職(日本語は自習) 訪 日 日本語学校 2年 専門学校 半年で中退 日本で就職 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] パターン② 大学卒業・就職 日本語教室 4カ月 訪 日 日本語学校 15カ月 専門学校 2年 日本で就職 3. 留学前の日本語学習 ベトナムでN3レベルになってから留学すると、留学の効果が格段に上がり、留学期間も短くできる場合があります。また、N4レベルで日本に行っても、それなりに高い成果が得られます。 KOKOROチャンネル(YouTube)で、高い日本語力を付けてから留学し、日本語がペラペラになった先輩たちの留学前の学習法を紹介しています。 留学前の日本語学習part_1 留学前の日本語学習part_2 日本語力を付けて訪日すると、よいアルバイトを見つけやすいという利点もあります。私は留学前に「みんなの日本語」を50課すべて学習し、漢字も約500字覚えました。その結果、来日して約半年でアルバイト先の日本人と普通に話せるようになりました。 4. 知識を得る ◆留学費用 留学紹介業者(日本語センター)の中には「日本ではアルバイトで学費も生活費もまかなえる」と説明する人がいるかも知れません。しかし、それは事実ではありません。 私の留学仲間は留学のために大きな借金をしたため、留学中、借金返済のために工場で一晩中働いていました。そのため学力が付かず、進学の夢をあきらめ、日本語学校を出ると帰国してしまいました。 留学の費用については下記ページにくわしい情報が載っています。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 留学生活の費用と収入 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 留学目的と学校の種類・学費 日本で留学生のアルバイトは週28時間以内と決まっています。最近はアルバイト時間の超過(オーバーワーク)に対する入管の対応が厳しくなっています。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] オーバーワークはなぜばれるのか? ◆生活ルールや習慣 日本の生活ルールや習慣について知っておくと、日本社会に早く溶け込めます。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 生活ルール・習慣 5. 健康管理 健康でなければ、勉強もアルバイトもできません。生活費を節約するために毎日インスタント食品ばかり食べ、大きな病気になった人も少なくありません。健康にはくれぐれも注意しましょう。 以上が“留学前に準備する5つのこと”です。留学であなたの夢をかなえるため、しっかりと準備してから日本に行ってください。
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日本語の辞書アプリはどれがいい?
皆さん、こんにちは! 皆さんは、日本語を勉強するときにどのような辞書を使っていますか? 最近は、紙の辞書を使う人は減り、スマートフォンの辞書アプリを使う人が増えています。こうした辞書アプリは大変便利ですが、種類が多いため、どのアプリを選べばよいのか、どれが自分のレベルに合っているのか、分からない人も多いことでしょう。今回は、日本語レベルの初級から上級に至るまで各レベルに合ったアプリを紹介します。また、各アプリの辞書機能の特徴や学習サポート機能についても紹介していきます。 Mazii (Mazii 2) Maziiは辞書・翻訳・情報アプリとして知られ、最近、Mazii 2もリリースされました。Maziiで単語や文章の意味を調べる際は、手で入力する以外に音声でも入力できます。また、カメラで単語や文章を撮影すると、アプリが読み取って翻訳してくれます。この機能はGoogle Translate(Google翻訳)と同じです。 さらに、Maziiには辞書機能だけではなく、「やさしい日本語ニュース」「JLPT(日本語能力試験)対策」「JLPT模擬試験」といった学習サポート・コンテンツもあります。 翻訳機能(左)、JLPT対策コンテンツ(右) やさしい日本語ニュース(左)、JLPT模試(右) Mazziの長所 ✔︎ 調べたい言葉を音声でも画像(撮影)でも入力できる。 ✔︎ コメント欄に会員登録したユーザーの書き込み(解説)があり、参考になる。 ✔︎ 日本語のEラーニング用のコンテンツがある。 ✔︎ アプリ版とウェブ版がある。 Mazziの短所 ✔︎ 広告が多い。広告を表示させたくない場合は、「プレミアム」へのアップグレードが必要。 Mazziに適した日本語レベル 初級、中級 筆者の評価 SUGE DICT このアプリはハノイ工科大学の学生グループによって開発されました。 スマホ用の辞書アプリはとても多いですが、このアプリは他のアプリと比べて使い方がやや難しいかも知れません。日本語の意味をベトナム語でも英語でも調べたい人に向いているアプリです。 このアプリには画面を継続表示させる機能があります。アプリを使いながら勉強していても、画面を触らない状態が続くとスリープ機能が働いて画面が消えます。このため、言葉を調べるたびにスマホのスリープ機能を解除しなければなりません。しかし、アプリの継続表示機能を使うと画面が消えることはなく、辞書を使うたびにいちいちスリープ解除ボタンを押すというわずらわしさがありません。 特徴 ①手書き入力、音声入力、カメラ入力ができる。 ②Google Translate(オンライン翻訳)と連動 ③テキストを読み上げる機能がある。 ④漢字を部首で検索できる。 手書き入力(左)、オンライン翻訳(右) テキストを読み上げる機能(左)、漢字を部首で検索機能(右) SUGE DICTの長所 ✔︎ 無料版でもある程度の機能を使える。 ✔︎ 読解力の向上に役立つ文章分析ツールがある。 ✔︎ 画面を継続表示する機能がある。 SUGE DICTの短所 ✔︎ 常にバージョンアップグしないと、不具合が生じやすい。 ✔︎ 一部の単語については説明がとぼしく、単語の意味を十分に理解するには、別のツールでさらに調べる必要がある。 SUGE DICTに適した日本語レベル 初級、中級 筆者の評価 Jdict Jdictは、日本語を勉強している人や日本語を使って仕事をしている人が簡単に使えることを目的に開発されており、辞書の内容も本格的です。辞書以外の機能としては、履歴表示、お気に入り登録、手書き入力(オフラインでも可能)、ローマ字での単語検索、単語の読み上げなどがあります。 単語検索(左)、手書き入力(右) ローマ字での単語検索(左)、単語の読み上げ(右) Jdictの長所 ✔︎ シンプルなデザインで見やすい。 アプリを開くとすぐに検索画面が表示される。 ✔︎ ページ切り替えがスムーズで安定している。 ✔︎ GoogleTranslateとリンクしている。 ✔︎ 読解力の向上に役立つ文章分析ツールがある。 ✔︎ 利用者の書き込みも参考になる。 Jdictの短所 ✔︎ 広告が多い。広告を削除するためには有料版にアップグレードする必要がある。 ✔︎ 一部の単語については説明がとぼしく、単語の意味を完全に理解するには、別のツールでさらに調べる必要がある。 Jdictに適した日本語レベル 初級、中級 筆者の評価 Weblio国語辞典 Weblioはウェブ上の国語辞典の定番で、最近、アプリ版もリリースされました。単語を調べる機能以外に、例文が多いので読解力向上にも便利です。また、自分が調べた単語の履歴を表示する「検索履歴」や検索ランキングを示す「トレンド」というコンテンツもあります。 手書き入力(左)、トレンド(右) 検索履歴(左)、新着のことば(右) Weblioの長所 ✔︎ 説明文の中に難しい単語が出てくることもあるが、アンダーライン付きの単語は、クリックするとその言葉の意味も表示される。 ✔︎ 「デジタル大辞泉」の情報を使用しており内容が正確。 ✔︎ 類語・反対語・例文・使用方法も一気に調べることができる。 ✔︎ ウェブ版もある。 Weblioの短所 ✔︎ 画面に占める広告の大きさが大きい。 ✔︎ 日本語のみの表示のため、初中級の学習者にとっては難しい。 Weblioに適した日本語レベル 中級、上級 筆者の評価 まとめ 代表的な辞書アプリの特徴や対応する日本語レベルを紹介しました。筆者の評価も付けましたが、人によって使い勝手が違いますので、自分で実際に使ってみてください。アプリごとに長所・短所がありますので、自分の日本語レベルや好みに合ったアプリを見つけ、学習に役立ててください。辞書を使った回数だけ、成長があるはずです。 皆さんの日本語がますます上達することを願っています!^^
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留学前にこれをやろう part_1
留学前にこれをやろう part_1 1.日本語学習を始めて10カ月でN3合格 2.私のN3必勝法 3.生活の中の日本語 4.まとめ 留学前にこれをやろう part_1 日本語能力試験(JLPT)N1・N2の先輩たちも最初はN5レベルの勉強から始めました。先輩たちの学習方法を採り入れて日本語力を高め、あなたのキャリアアップにつなげましょう。また、留学する場合は、留学前にベトナムでできるだけ日本語力をつけてから日本に行く方が、留学の効果が高まります。 それでは、留学前にベトナムで高い日本語力を身に付けた先輩たちの学習法をシリーズで紹介します。今回は、短大を卒業して働いていた先輩が仕事をやめて日本語学習を始め、10カ月間でN3を取り、日本での留学を1年間短縮できた話です。 1. 日本語学習を始めて10カ月でN3合格 私は調理師コースのある短期大学で勉強し、ベトナムの調理師資格を取りました。短大在学中は、ハノイの日系焼肉店で働きました。短大卒業直前に焼肉店の正社員になり、日本食の調理を担当しましたが、もっと本格的な日本食を作れるようになるために日本に留学することにしました。 私は焼肉店を退職して2013年9月に日本語教室に入り、初めて日本語を勉強しました。調理を学ぶ手段として日本語が必要なので一生懸命勉強し、3カ月で日本語能力試験(JLPT)N5に合格しました。しかし、1回目の留学の在留資格申請が不許可となり、予定していた2014年7月からではなく2015年4月から留学することになりました。留学開始が9カ月延びた間に日本語の勉強をもっと頑張り、2014年7月になんとN3に合格しました。 それでは、私の日本語の勉強方法を紹介します。 2.私のN3必勝法 毎日家で3時間 私は留学を始めるまでの1年半、日本語教室で学んだほか、次のような努力をしました。 ✔︎ 家でも毎日3時間以上、机の前に座る習慣をつけた。✔︎ 日本語教室の授業を何日分も先取りして勉強した。✔︎ 自分の便利なように分類した単語や文法のノートを作った。✔︎ 「みんなの日本語」以外に「新完全マスター」シリーズを使った。 また、これ以外に、実生活で日本語を使う努力もしました。 留学費用を1年分節約! 私はこのように、留学前にベトナムで1年半、生まれて初めて集中的に勉強してN3に合格し、さらに、実生活でも日本語をたくさん使う努力をしました。このため、日本に行ってからは、日本語学校で1年目のコースを免除され、最初から2年目のコースで学び、1年で卒業できました。卒業まで通常は2年かかるので、1年分の留学費用を節約できました。 3.生活の中の日本語 リスニングの練習に使ったインターネットラジオ番組 私が留学前に実生活で日本語とどのように関わったかについても、一覧表で紹介します。 ■ インターネットラジオのニュース 毎晩20分、インターネットラジオの日本語ニュースを聴きました。音声のスピードを調整できます。最初はまったく聞き取れませんでしたが、半年後に少し聞き取れるようになりました。これは日本に行ってからも続けました。 ■ 日本人の友人をつくる 勤務先での同僚の日本人留学生に会話の練習相手になってもらいました。また、彼の紹介で他の日本人留学生とも知り合い、日本語で交流しました。 ■ 聴いた日本語をまねる 日本人の日本語を聞き、聞き取れた言葉をまねました。「お疲れさまです」「ありがとうございました」など簡単な言葉から始めました。 ■ 覚えた言葉を使う(アルバイト) N3取得後に3カ月間、日本人客の多いホテルでもアルバイトをしました。フロントやレストランで接客をしたり、客同士の会話に耳を傾けたり、日本人客に話しかけたりしました。 ■ 覚えた言葉を使う(人に教える) N3取得後に7カ月間、日本語教室で教師をしました。教えることで自分の復習にもなりました。 ■ 携帯電話の言語を日本語に(訪日後) 訪日後はなるべく日本語だけの環境にするように努力しました。例えば、携帯電話の使用言語も日本語に変えました。何度かベトナム語に戻そうとしましたが、携帯電話画面の日本語が難しいので戻せませんでした。携帯電話を使うたびに日本語の勉強になりました。 4.まとめ 今回の先輩は、料理のために日本語を覚えようと決心するまでは、勉強に熱心に取り組んだことはありませんでした。しかし、日本語を身に付けてそれを料理の勉強に生かすという人生の大きな目標を見つけてから、真剣に勉強しました。 この先輩の学習法で大事なポイントを最後にもう一度振り返りましょう。 ✔︎ 自宅でも毎日3時間以上、机の前に座る習慣をつけた✔︎ 日本語教室の授業を何日分も先取りして勉強✔︎ インターネットラジオのニュースでリスニングの勉強✔︎ 日本人の友人をつくって交流✔︎ 日本語を使うアルバイトを探した あなたにもできる身近な日本語学習法ですね。これを参考にあなたも日本語とふれ合い、将来の目標のために役立ててください。 今回の先輩 Nguyễn Bá Phước(グエン・バー・フック) 1992年生まれ、ソンタイ市出身。2012年、ハノイの日系焼肉店の正社員。2013年9月、仕事をやめて留学準備開始。同年12月、JLPT・N5合格。2014年7月、N3に合格。2015年4月から日本で留学。日本語学校1年、調理師専門学校2年を経て日本でホテルに就職。2年間勤務後、東京での転職が内定したが、新型コロナの影響で取り消し。その後、ベトナムの大手飲食チェーンへの就職が決まり、2021年5月現在、帰国準備中。
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留学前にこれをやろう part_2
留学前にこれをやろう part_2 1.日本人主催のボランティア活動 2.越日学生会議(VJSC) 3.日越親友会(学習サークル) 4.ドラマ・アニメ・ニュース 5.自宅で1日3時間 6.まとめ 留学前にこれをやろう part_2 日本語能力試験(JLPT)N1・N2の先輩たちも最初はN5レベルの勉強から始めました。先輩たちの学習方法を参考に、あなたも高い日本語力を身に付け、キャリアアップにつなげましょう。また、留学する場合は、ベトナムでできるだけ日本語力を高めてから日本に行く方が、効果の高い留学ができます。 留学前にベトナムで日本語力を大きく伸ばした先輩たちの学習法をシリーズで紹介しています。今回は、ハノイの外国語大学で優秀な成績を上げた先輩が日本語の会話力を身に付けるために行ったさまざまな工夫について紹介します。 1. 日本人主催のボランティア活動 Lam sach dep Ho Guom voi NinomiyaのFBページより 私は大学で日本語を勉強し、1年間の交換留学もしました。今は日本語力を生かしてハノイの日系企業に勤務しています。しかし、留学するだけで日本語が話せるようになるわけではありません。私が大学時代に取り組んだ日本語学習のさまざまな方法を紹介します。 私は大学1、2年生のとき、月2回ほど、日曜日にハノイのホアンキエム湖の周りでゴミ拾いをするボランティア活動に参加しました。この活動は日本人が主催し、毎回20人以上のベトナム人と日本人が参加していました。 ゴミ拾いが終わると、みんなでコーヒーショップに行き、日本人はベトナム人に日本語を教え、ベトナム人は日本人にベトナム語を教えます。楽しく交流し、会話力がつきました。このグループは今も活動しています。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ]Lam sach dep Ho Guom voi Ninomiya 2.越日学生会議(VJSC) 越日学生会議“Vietnam Japan Student Conference (VJSC)”はハノイの大学生が参加できるクラブで、VJCC HanoiやJICAなどの支援で2007年に設立されました。ハノイ貿易大学に拠点があり、ベトナムと日本の大学生の交流を促進する活動を行っています。 私は大学1年のときにVJSCの交流プログラム(8カ月間)に参加しました。越日の学生10~20人が毎月2回ぐらい集まって交流するので、日本人と話しても緊張しなくなりました。日本人学生たちが観光するときにサポートしたり、彼らと一緒に越日の文化を紹介する資料を日本語で作成して発表したりしました。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ]越日学生会議(VJSC) 3.日越親友会(学習サークル) 大学1年のとき、「日越親友会」という学習サークルにも参加しました。これは、漢字、会話、文法、読解などに分かれてグループ学習をするサークルで、学費が安く、指導役の日本人もいました。私は苦手な漢字の力をつけたかったので、漢字グループに入って勉強しました。 また、このサークルで知り合った仲間とサークル活動以外でも一緒に日本語能力試験(JLPT)の勉強に取り組み、N3合格を目指しました。 4.ドラマ・アニメ・ニュース 今の時代、さまざまなオンライン・コンテンツも学習に不可欠ですね。私がお世話になったコンテンツは次の通りです。 ■ 日本のドラマやアニメ 音声は日本語、字幕はベトナム語。リスニング力が向上し、好きなセリフをまねることで発音もきれいになりました。 ■ You Tubeの学習チャンネル ■ 日本の歌 何かをしながら好きな日本語の歌を聴くこともあります。 ■ New Web Easy(NHK) やさしい日本語でニュースが書かれ、漢字にふりがなもついています。動画もあります。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ]News Web Easy 5.自宅で1日3時間 私は大学時代、家で1日3時間勉強しました。私のお勧めの教材を紹介します。 みんなの日本語 定番の入門書 「新完全マスター」シリーズ JLPT受験者に評価が高い。練習問題が多い。「読解」が特に人気。 「耳から覚える日本語能力試験」シリーズ 「語彙」が特に人気。CDやMP3もあり、聞きながら言葉を覚える。 「日本語総まとめ」シリーズ 「新完全マスター」と比べて練習問題は少ないが、毎日2ページずつ8週間で完成するプログラムで、独学でも続けやすい。 6.まとめ マインさんは大学で優秀な成績を収めましたが、日本語の会話力を身に付けるために、さまざまな機会を利用しました。マインさんの学習法の要点をもう一度振り返りましょう。 ✔︎ 日本人とベトナム人が交流するボランティア活動に参加✔︎ ハノイの大学生が参加できる交流プログラムを活用(VJSC)✔︎ 安価な学習サークルで学習✔︎ 学習サークルで知り合った仲間とグループ学習✔︎ インターネットラジオのニュースでリスニングの勉強✔︎ New Web Easy(NHK)の活用✔︎ 自宅で1日3時間学習 優秀な成績の背景には、このような地道な努力があるのですね。これを参考にあなたも日本語をしっかり学び、将来の目標のために役立ててください。 今回の先輩 Lỗ Thị Mạnh(ロ・ティ・マイン) 1997年生まれ、ハノイ市出身。2015年、ハノイ国家大学・外国語大学日本言語文化学部入学。2018年、明治大学に1年間交換留学(留学中にN2合格)。2020年、ハノイの日系IT企業に就職、大学卒業。
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