文化

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2020年10月2日 文化

  ベトナムでは、食事後の昼寝は個人の自由。日本では、職場の昼寝は“だらしない”と思われてしまいます。

日本人は昼寝をしない?

“昼寝”は科学的に健康面で多くのメリットがあると証明されています。専門家によると、10~20分程度の短時間の睡眠は意識をハッキリさせ、パフォーマンスの向上を助けるのに最適だそうです。

このように、昼寝自体はとても良いことですが、日本で働いている場合、昼休みにいきなり毛布を床に敷いて昼寝するのはオススメできる行動ではありません。「ドラえもん」の「のび太くん」を知っていますか?彼は蒸し暑い夏の日に昼寝をしただけで友だちから“なまけもの”と呼ばれてしまうのです。

日本人が勤務時間の間ずっと働き続ける姿をよく目にすると思います。彼らはお昼ご飯を仕事場に持ち込んで、サッと食事を済ませて仕事を続けます。“真面目”な国民性だと言えるでしょう。中には、外の飲食店に行ったり、コンビニでご飯を買って公園などで食べたりする人もいます。

公園でお昼を食べるというのは、やはり昼寝好きのベトナム人と日本人(一部他国の人も)との習慣の違いです。おそらくその国の気候に関係しており、暖かい日より寒い日が多い日本は、日中に日が差して温かい時間帯を好むことが要因と思われます。一方でベトナムはご存知の通り暑い日が多く、炎天下の中でレジャーシートを敷いてランチを食べるのは明らかに無理がありますね。

 近年日本では、「昼寝」に対する考え方に変化も見られます。30分程度の短い仮眠が仕事のパフォーマンスを上げるという学術的な理由から、仮眠室を配備して社員の昼寝を推奨する企業も出てきました。ただ、現時点ではほとんどの日本人は昼寝をしません。

いつでもお客を迎える準備ができている

日本でレストランやアパレルショップを開いているベトナム人の友人がたくさんいるのですが、彼らはお客がいない時、スマートフォンでFacebookを見たりゲームをしたり、映画を観たりと、実に自由気ままです。お客の来店があって初めて立ち上がり、接客を始めるのです。

しかし、その接客対応は、日本の飲食店や美容室、アパレルショップなどのサービス業で働いている人は絶対にしてはいけません。日本人は常にお客を迎える準備・態勢を整えています。彼らはたとえ店の椅子が余っていようと、常に立って来店を待つのが常識なのです。私の家の近くの美容室では、スタッフは実に8時間も立って仕事をしているそうです。

 接客する過程で、たとえお客の方から隣に座るように誘ってくれたとしても、通常座ることはありません。床に膝をついて接客を続けるのです。恥ずかしいことでも何でもありません。日本人にとって“お客様は神様”なので、“神様”の横に並んで座ることなどできないのです。

ごみは家に持ち帰ろう

ベトナムではごみを捨てるのに2通りの方法があります。一つは公共のごみ箱に捨てる。もう一つは、街路樹のそばなど道ばたに置き去りにする、です。「家に持って帰って捨てよう」とは誰も考えません。しかし、日本ではそれが常識なのです。

日本では、公共の場でごみ箱が見つかるケースは稀なことです。理由は?と言えば…。数々の事件の経験から、ごみ箱の中に何か得体の知れないも の(例えば爆弾!)を入れられる恐れがあるからです。そのため公共の場にあるごみ箱は、その利用にも制限があるのです。例えば自動販売機のそばにあるごみ箱にはペットボトルやビンしか捨てることができません。

日本では、燃えるごみや生ごみ、リサイクル可能な資源ごみやビニール袋などは自宅で分別し、決まった曜日に捨てるようにしましょう。「ごみ箱はどこ!?」と外でイライラして探し回るのは得策ではありませんよ!?

“手酌”はちょっと待って

ベトナムの宴会では、自分のお酒は自分で注ぎます。ごく当たり前のことです。しかし日本では、自分で自分のお酒を注ぐのはあまり良い行為と言えないのです。「そんなバカな!?」と思うかもしれませんが、これが日本の文化なのです。ただ、“手酌”が決定的なマナー違反や失礼な行為というわけではありません。

その日本文化による“お酌”の基本は、相手にお酒を注いでもらって一口飲み、そのお返しにとこちらも相手にお酒を注ぐのです。また人数が多い宴席では、メンバー全員のグラスにお酒が行き渡るまで口を付けないのがルールです。各自に配膳されるお食事もそうです。全員の前に同じ料理が置かれるまでに自分の料理に手を付けると、マナー違反になります。

お酒を注がれる時は、自分のグラスを空に近い状態にするのがマナーです。あまり飲めない場合はグラスを満たしておいて大丈夫です。日本人はあまり飲むことを強要しません。また、会社の宴会では年下の社員がお酒を注文したり、上司や先輩にお酒を注いだりという役回りになります。

最後になりますが、お酒を注ぐ時はボトルやとっくりを、注いでもらう時はグラスやおちょこを“両手で”持ちましょう。日本ではそれが相手への礼儀、すなわちマナーなのです。