今回の先輩
チャン・レ・クイン・ニさん
2017年9月 フエ外国語大学入学
2017年9月日本語センターで勉強(6カ月)
2018年1月 フエ外国語大学中退
2018年4月 日本語学校入学〈香川県〉
2020年4月 専門学校入学〈香川県〉
2022年4月 就職予定〈香川県〉
〈1999年生、フエ市出身〉
フエ出身のクイン・ニさんは4年間留学した香川県が大好きになり、就職も同県の会社を選びました。同じ専門学校の留学仲間もほとんどが香川での就職を選び、これからも支え合って暮らしていきます。ニさんが地方都市での留学の魅力をお伝えします。
〈このページの内容〉
• 大学を中退して日本に留学
• 留学にかかった費用
• うちの学校のここが好き
• 香川県のここが好き
• 日本のここが好き
• 日本語学習
• アルバイトと「私の家計簿」
• 日本で就職活動
• まとめ
大学を中退して日本に留学
私は子どものころから、日本のアニメ番組や漫画(ドラえもんやコナンなど)が好きで、そこに出てくる日本の景色や文化に強くひかれていました。しかし、高校で英語を教えていた母の勧めもあって外国語大学の英語学部に入りました。しかし、やはり英語にはあまり興味を持てず、大学の日本文化部で日本語や茶道、華道に接するうち、日本への興味がさらに強くなりました。
そこで、両親と相談して地元の日本語センターで勉強を始め、大学は退学しました。こうして、私は大学入学の半年後、香川県高松市の日本語学校で留学を始めました。
留学にかかった費用
私が留学するときに最初にかかった費用を表にまとめました。費用は両親が貯金から払い、留学2年目の授業料も両親が全部払ってくれました。その後、私が日本語能力試験(JLPT)N2に合格したので、3年目(専門学校)の授業料は少し安くなりました。また、学校での成績が良かったので、学校が紹介してくれた奨学金(月35,000円×1年)を受給でき、3年目は両親の援助なしで学費と生活費をまかなうことができました。
◆ 留学センター
*紹介手数料、在留資格の取得手数料など
60,000,000 ₫
◆ フエの日本語センター(6カ月)
3,000,000 ₫
◆ 飛行機代
12,000,000 ₫
◆ 日本語学校の入学金
13,600,000 ₫(70,000円)
◆ 日本語学校の1年の授業料
127,000,000 ₫(650,000円)
※2022年3月12日の為替レートで換算
うちの学校のここが好き
日本語学校のクラスのクリスマス会〈2019年〉
私の学校は香川県で一番留学生が多い「穴吹(あなぶき)ビジネスカレッジ」です。最初の2年間は日本語学科、次の2年間は国際ビジネス学科で学びました。ここを選んだのは、フエの留学センターから推薦されたのと、同校の先輩留学生から「生活や就職活動のサポートが手厚い」「奨学金も充実している」と聞いたからです。私が実際に体験した事例を紹介します。
・新型コロナでアルバイトが減った留学生を支援するため、学校が企業などに呼びかけて米や野菜を集め、生徒に毎月支給。
・私の首にしこりができて1日だけ入院したとき、担任の先生が見舞いに来て4時間ぐらいそばにいてくれた。途中で私が眠っても、目覚めたらまだ先生がいた。
・留学生の大半が学校から紹介された会社に就職
external link 穴吹ビジネスカレッジ
香川県のここが好き
留学仲間と自転車で海へ
香川県で暮らしてみて、私も同級生の多くもここが大好きになりました。香川の魅力を紹介します。
・物価が安い
・雨が少なく晴れた日が多い
・自転車でどこへでも行ける
・安くておいしいうどん屋さんが多い
香川県はうどんで有名で、別名「うどん県」とも呼ばれています。私と友人たちも毎朝一緒に店でうどんを食べています。東京や大阪にも遊びに行き、楽しく過ごしましたが、住むには人が多すぎるように感じました。ゆったり暮らすには地方都市の方が適しているように思います。
高松市の大きな商店街
香川県のうどん
日本のここが好き
学校のイベントで桜の花見
日本のスーパーで店員がお客さんから何かを聞かれて自分が分からない場合、「私は分かりませんので、担当者をお呼びします。少しお待ちください」と答えます。これは、専門学校の授業で学ぶことですが、実際に日本の店ではそのように対応しています。ベトナムなら「わかりません」ですまされることも多いですが、日本では親切で責任感のある店員が多いです。
日本人はお礼やおわびをていねいに言うことでも有名です。スーパーのレジ担当はどの客に対しても「いらっしゃいませ」と声をかけます。また、私が居酒屋でアルバイトをしたときは、お客様が帰るときに相手が見えなくなるまでおじぎするように指導されました。
それから、桜の花見や夏の花火大会、秋の紅葉などの場面がアニメや漫画によく出てきますが、実際に日本で体験すると、本当にステキで感激しました。
日本語学習
JLPT合格者の写真と名前を学校内で掲示
私は日本に来て毎日、学校で5時間、家で3時間、勉強しました。しかし、1年目に受けたJLPT・N3は不合格でした。そこで、毎日の勉強に加え、学校の仲間5人で日曜日に一緒に勉強しました。そのときは、N1の先輩留学生が私たちを指導してくれました。
こうして、留学2年目にN3とN2に合格しました。N2になったため、3年目(専門学校)の授業料は少し割り引いてもらえました。
◆私が使った教材
語彙(ごい)
「耳から覚える」シリーズ
「総まとめ」シリーズ
文法
「耳から覚える」シリーズ
「新完全マスター」シリーズ
読解
「新完全マスター」シリーズ
漢字
「漢字マスター」シリーズ
試験直前
「日本語パワードリル」シリーズ
オンライン
external link News Web Easy(NHK)
アルバイトと「私の家計簿」
アルバイト先の居酒屋で
私はコンビニやスーパー、飲食店などでアルバイトをしました。飲食店では、店長やアルバイト仲間との会話が多く、お客さんも「ベトナム人ですか?」などとよく話しかけてくださいました。このため、日本語会話の練習になりました。
留学4年目は遠方の食品工場で働きました。コンビニの弁当を盛り付ける仕事です。ここにはベトナム人技能実習生もいますし、約100人の外国人アルバイトもいます。そのうち約60人(ベトナム人約40人とネパール人、中国人)が工場で交代で働いています。私は働き始めて1週間後に会社から指名されてこの60人のリーダーになり、作業以外に外国人アルバイトの監督や通訳も担当しました。
仕事は深夜0時~朝6時で、週4回です。20~40人が高松から会社のバスに乗り、約80分かけて工場に行きます。監督役を務めたことを就職活動の応募先で話すと、幹部の方が興味を持ってくださり、その会社から内定をもらうことができました。
私の家計簿(1カ月の平均)
※100円=18,663 VND(2022年4月1日現在)
収入:100,000~140,000円
アルバイト2件(食品工場、スーパー)
¥100,000~¥140,000
支出:120,000円
家賃(2人でシェア、水道代込み)
¥22,000
授業料(割引後)
¥50,000
電気・ガス
¥3,000
携帯電話(ソフトバンク)
¥2,800
Wi-Fi
¥4,000
食材費
¥28,000
雑費・外食費
¥10,000
毎月の差額:10,000円
日本で就職活動
私は家族の意向で留学後に帰国する予定でしたが、その問題が解決したので、最終学年の途中であわてて就職活動(就活)を始めました。日本では、就活サイトを利用してエントリーシートや履歴書を会社に提出し、書類審査にパスしたら面接を受ける方法が主流です。わが校でも県外に就職したい人はその方法が中心ですが、香川県で就職したい場合は、学校からの紹介が中心です。
① 学校が紹介した企業をグループで訪問
② その企業に入りたい場合は、履歴書を提出
③ 書類審査にパスしたら面接
私は、家族の意向で最初は履歴書を出しませんでしたが、8月から本格的に就活を始めました。そして、学校の紹介で10月に面接を受けた会社から11月に内定をいただきました。同社は金属製品メーカーで、私は技能実習生の管理やサポートを担当します。私の就活については下記のブログをお読みください。
external link 留学生の就活体験記_02(2022年卒業)
まとめ
同郷の友人を訪ねて京都へ旅行
私は充実した留学生活を送ることができ、学校のサポートで就活でもあまり苦労せずに内定をいただくことができました。落ち着いたいなか暮らしが好きな私にとって香川県はぴったりの留学先でした。そして、同級生たちも皆この町が好きになり、日本で就職する同級生26人のうち24人が香川県の会社から内定をいただきました。卒業してからも仲間とときどき会えるので、みんなで喜んでいます。
近所の公園でピクニック
高松市内で
今回の先輩
チャン・レ・クイン・ニさん
2017年9月フエ外国語大学入学
2017年9月日本語センターで勉強(6カ月)
2018年1月 フエ外国語大学中退
2018年4月 日本語学校入学〈香川県〉
2020年4月 専門学校入学〈香川県〉
2022年4月 職予定〈香川県〉
〈1999年生、フエ市出身〉
フエ出身のクイン・ニさんは4年間留学した香川県が大好きになり、就職も同県の会社を選びました。同じ専門学校の留学仲間もほとんどが香川での就職を選び、これからも支え合って暮らしていきます。ニさんが地方都市での留学の魅力をお伝えします。
〈このページの内容〉
• 大学を中退して日本に留学
• 留学にかかった費用
• うちの学校のここが好き
• 香川県のここが好き
• 日本のここが好き
• 日本語学習
• アルバイトと「私の家計簿」
• 日本で就職活動
• まとめ
大学を中退して日本に留学
私は子どものころから、日本のアニメ番組や漫画(ドラえもんやコナンなど)が好きで、そこに出てくる日本の景色や文化に強くひかれていました。しかし、高校で英語を教えていた母の勧めもあって外国語大学の英語学部に入りました。しかし、やはり英語にはあまり興味を持てず、大学の日本文化部で日本語や茶道、華道に接するうち、日本への興味がさらに強くなりました。
そこで、両親と相談して地元の日本語センターで勉強を始め、大学は退学しました。こうして、私は大学入学の半年後、香川県高松市の日本語学校で留学を始めました。
留学にかかった費用
私が留学するときに最初にかかった費用を表にまとめました。費用は両親が貯金から払い、留学2年目の授業料も両親が全部払ってくれました。その後、私が日本語能力試験(JLPT)N2に合格したので、3年目(専門学校)の授業料は少し安くなりました。また、学校での成績が良かったので、学校が紹介してくれた奨学金(月35,000円×1年)を受給でき、3年目は両親の援助なしで学費と生活費をまかなうことができました。
◆ 留学センター
*紹介手数料、在留資格の取得手数料など
60,000,000 ₫
◆ フエの日本語センター(6カ月)
3,000,000 ₫
◆ 飛行機代
12,000,000 ₫
◆ 日本語学校の入学金
13,600,000 ₫(70,000円)
◆ 日本語学校の1年の授業料
127,000,000 ₫(650,000円)
※2022年3月12日の為替レートで換算
うちの学校のここが好き
私の学校は香川県で一番留学生が多い「穴吹(あなぶき)ビジネスカレッジ」です。最初の2年間は日本語学科、次の2年間は国際ビジネス学科で学びました。ここを選んだのは、フエの留学センターから推薦されたのと、同校の先輩留学生から「生活や就職活動のサポートが手厚い」「奨学金も充実している」と聞いたからです。私が実際に体験した事例を紹介します。
・新型コロナでアルバイトが減った留学生を支援するため、学校が企業などに呼びかけて米や野菜を集め、生徒に毎月支給。
・私の首にしこりができて1日だけ入院したとき、担任の先生が見舞いに来て4時間ぐらいそばにいてくれた。途中で私が眠っても、目覚めたらまだ先生がいた。
・留学生の大半が学校から紹介された会社に就職
external link 穴吹ビジネスカレッジ
日本語学校のクラスのクリスマス会〈2019年〉
香川県のここが好き
香川県で暮らしてみて、私も同級生の多くもここが大好きになりました。香川の魅力を紹介します。
・物価が安い
・雨が少なく晴れた日が多い
・自転車でどこへでも行ける
・安くておいしいうどん屋さんが多い
香川県はうどんで有名で、別名「うどん県」とも呼ばれています。私と友人たちも毎朝一緒に店でうどんを食べています。東京や大阪にも遊びに行き、楽しく過ごしましたが、住むには人が多すぎるように感じました。ゆったり暮らすには地方都市の方が適しているように思います。
留学仲間と自転車で海へ
高松市の大きな商店街
香川県のうどん
日本のここが好き
日本のスーパーで店員がお客さんから何かを聞かれて自分が分からない場合、「私は分かりませんので、担当者をお呼びします。少しお待ちください」と答えます。これは、専門学校の授業で学ぶことですが、実際に日本の店ではそのように対応しています。ベトナムなら「わかりません」ですまされることも多いですが、日本では親切で責任感のある店員が多いです。
日本人はお礼やおわびをていねいに言うことでも有名です。スーパーのレジ担当はどの客に対しても「いらっしゃいませ」と声をかけます。また、私が居酒屋でアルバイトをしたときは、お客様が帰るときに相手が見えなくなるまでおじぎするように指導されました。
それから、桜の花見や夏の花火大会、秋の紅葉などの場面がアニメや漫画によく出てきますが、実際に日本で体験すると、本当にステキで感激しました。
学校のイベントで桜の花見
日本語学習
私は日本に来て毎日、学校で5時間、家で3時間、勉強しました。しかし、1年目に受けたJLPT・N3は不合格でした。そこで、毎日の勉強に加え、学校の仲間5人で日曜日に一緒に勉強しました。そのときは、N1の先輩留学生が私たちを指導してくれました。
こうして、留学2年目にN3とN2に合格しました。N2になったため、3年目(専門学校)の授業料は少し割り引いてもらえました。
JLPT合格者の写真と名前を学校内で掲示
◆私が使った教材
語彙(ごい)
「耳から覚える」シリーズ
「総まとめ」シリーズ
文法
「耳から覚える」シリーズ
「新完全マスター」シリーズ
読解
「新完全マスター」シリーズ
漢字
「漢字マスター」シリーズ
試験直前
「日本語パワードリル」シリーズ
オンライン
external link News Web Easy(NHK)
アルバイトと「私の家計簿」
私はコンビニやスーパー、飲食店などでアルバイトをしました。飲食店では、店長やアルバイト仲間との会話が多く、お客さんも「ベトナム人ですか?」などとよく話しかけてくださいました。このため、日本語会話の練習になりました。
留学4年目は遠方の食品工場で働きました。コンビニの弁当を盛り付ける仕事です。ここにはベトナム人技能実習生もいますし、約100人の外国人アルバイトもいます。そのうち約60人(ベトナム人約40人とネパール人、中国人)が工場で交代で働いています。私は働き始めて1週間後に会社から指名されてこの60人のリーダーになり、作業以外に外国人アルバイトの監督や通訳も担当しました。
仕事は深夜0時~朝6時で、週4回です。20~40人が高松から会社のバスに乗り、約80分かけて工場に行きます。監督役を務めたことを就職活動の応募先で話すと、幹部の方が興味を持ってくださり、その会社から内定をもらうことができました。
アルバイト先の居酒屋で
私の家計簿(1カ月の平均)
※100円=18,663 VND(2022年4月1日現在)
収入:100,000~140,000円
アルバイト2件(食品工場、スーパー)
¥100,000~¥140,000
支出:120,000円
家賃(2人でシェア、水道代込み)
¥22,000
授業料(割引後)
¥50,000
電気・ガス
¥3,000
携帯電話(ソフトバンク)
¥2,800
Wi-Fi
¥4,000
食材費
¥28,000
雑費・外食費
¥10,000
毎月の差額:10,000円
日本で就職活動
私は家族の意向で留学後に帰国する予定でしたが、その問題が解決したので、最終学年の途中であわてて就職活動(就活)を始めました。日本では、就活サイトを利用してエントリーシートや履歴書を会社に提出し、書類審査にパスしたら面接を受ける方法が主流です。わが校でも県外に就職したい人はその方法が中心ですが、香川県で就職したい場合は、学校からの紹介が中心です。
① 学校が紹介した企業をグループで訪問
② その企業に入りたい場合は、履歴書を提出
③ 書類審査にパスしたら面接
私は、家族の意向で最初は履歴書を出しませんでしたが、8月から本格的に就活を始めました。そして、学校の紹介で10月に面接を受けた会社から11月に内定をいただきました。同社は金属製品メーカーで、私は技能実習生の管理やサポートを担当します。私の就活については下記のブログをお読みください。
external link 留学生の就活体験記_02(2022年卒業)
まとめ
私は充実した留学生活を送ることができ、学校のサポートで就活でもあまり苦労せずに内定をいただくことができました。落ち着いたいなか暮らしが好きな私にとって香川県はぴったりの留学先でした。そして、同級生たちも皆この町が好きになり、日本で就職する同級生26人のうち24人が香川県の会社から内定をいただきました。卒業してからも仲間とときどき会えるので、みんなで喜んでいます。
同郷の友人を訪ねて京都へ旅行
近所の公園でピクニック
高松市内で