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ベトナムから海外留学する人がまだ少なかった1990年代に日本に留学したニエンさん。留学仲間の夫が沖縄で就職したため彼女も沖縄に長く住むことになり、その間に日本の文学小説をたくさん翻訳し、ベトナムで出版。最近は、沖縄に住むベトナム人技能実習生たちのサポートにも力を入れています。 今回の先輩 グエン・ド・アン・二エンさん 1994年ホーチミン国家大学東洋学部入学 1997年名桜大学で交換留学〈沖縄、1年間〉 1999年ホーチミン国家大学卒業 1999年ホーチミン国家大学東洋学部で日本語講師〈2年間〉 2001年名桜大学大学院修士課程入学 2003年修士課程修了 2003年大阪府立国際児童文学館外国人研究員〈6カ月〉 2004年ホーチミン国家大学東洋学部で日本語講師〈4年間〉 2004年TRE出版社で日本語通訳・翻訳〈4年間〉 2011年名桜大学附属図書館でアルバイト〈5年間〉 2011年名桜大学非常勤講師〈現在も〉 2022年沖縄大学非常勤講師〈現在も〉 〈1976年生まれ、ホーチミン市出身〉 ◆このページの内容 •...
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【在ベトナム日本国大使館後援】
今回の先輩 グェン・ティ・ホアイ・トウーさん 2010年 高校卒業〈ホーチミン〉 2010年 専門学校入学 2013年 会社勤務、夜はアルバイト 2017年 送出機関〈ホーチミン〉 2018年 水産加工の技能実習〈北海道〉 2021年 技能実習修了、帰国 〈1990年生まれ、ホーチミン市出身〉 良心的な送出機関を選んだため、ベトナム政府が決めた安い費用で日本に行くことができたトゥーさん。訪日前に質の高い日本語授業を受け、自分でも努力したので、技能実習の職場でたくさんの日本人のおばさんたちと仲良くなりました。また、3年間で十分な送金もできました。 〈このページの内容〉 • 「日本に行けてお金も貯まる」 • 送出機関への支払いと3年間の送金額 • 水産加工の仕事の内容 • 職場のおばさんたちと友だちに • オンライン無料日本語教室 • 「最果ての地」にも多数のベトナム人 • 根室でハッピーライフ • まとめ 「日本に行けてお金も貯まる」 私は専門学校を卒業後、ホーチミンの会社で事務仕事をしていました(月給7,000,000 VND)。日本には以前から興味があり、行ってみたいとは思っていましたが、お金がありませんでした。 そんなとき、恋人が先に日本に技能実習に行き、自己資金がなくても借金で日本に行き、借金を返した上でさらに貯金もできると知りました。そのため、私も技能実習に応募することにしました。 送出機関への支払いと3年間の送金額 自転車で美しい海岸へ。根室では、お金をあまり使わずに生活を楽しめました。 私はホーチミンの送出機関「エスハイ」を選び、約50,000,000 VND(約25万円)の借金だけで日本に行くことができました。先に日本に行った恋人がインターネットで調べ、「費用が安い」「日本語教育の質も高い」という評価が多いエスハイを見つけ、私に紹介してくれたからです。 訪日後も、根室ではあまりお金を使う場所がないので、少し多めに貯金し、母に送ることができました。 ・エスハイで勉強を始めて4カ月目に最初の採用面接を受け、合格 ・エスハイに支払った費用は全部で約90,000,000 VND(約46万円)。教育費も含む。自宅から通ったので寮費は含まない。 ・技能実習の3年間で母への送金は約300万円(約585,000,000 VND) 【編集部からのアドバイス】 エスハイはベトナム政府の費用規定を守っている数少ない送出機関の一つで、日本語教育にも定評があります。 external link 技能実習の費用と注意点 external link 送出機関の探し方・選び方 私の家計簿(1カ月の平均) ※100円=19,505 VND(2022年3月12日現在) 収入: 130,000円 手取り給与 ¥130,000 *税金、社会保険、寮費、電気・水道・ガス代を引いたあとの金額(このうち寮費は20,000円で、ここに電気・ガス・水道代・Wi-Fi代も含まれる) 支出: 40,000円 食材費 ¥25,000 外食費・雑費 ¥15,000 差額: 90,000円 *ほとんどを母に送金 水産加工の実習内容 私たちの工場で作った魚の加工食品〈根室市のAEONで2021年〉 私は2018年から3年間、北海道根室市で技能実習をしました。職場は魚を加工してさまざまな食品を作る工場でした。北海道はとても寒いうえ、工場では魚の鮮度を保つため暖房をあまり使いません。夏は涼しいですが、冬は寒い職場でした。仕事内容は次の通りです。 サンマやイワシがベルトコンベアで流れてくるので、6人の技能実習生が次のような作業を分担。 ・発砲スチロールの箱に氷と水を入れる ・箱の中に魚を入れ、水や氷と混ぜる ・箱にふたをする ・機械を使って箱をしばる 1年ごとに担当レーンが変わるので、次のような仕事もしました。 ・タラの頭を取り、はらわたもかき出し、機械で3枚に分ける ・マスなどの魚に味付けをする ・干物を箱に詰める 職場のおばさんたちと友だちに 根室市内のお気に入りのレストランで 日本で一番うれしかったことは、職場のおばさんたちと友だちになれたことです。おばさんたちは私たち技能実習生に次のようなことをしてくれました。 ・仕事も日本語も親切に教えてくれた。 ・休み時間に私たちとたくさん話をしてくれた。 ・私たちにおかずやチョコレート、果物、服など、いろいろなものをくれた。 おばさんの1人とは休日に一緒に食事に行くこともありました。また、彼女たちから日本の文化についても教えてもらいました。例えば、日本人はプレゼントをもらったら、そのときに「ありがとうございます」と言うのはもちろん、翌日相手に会ったときに「昨日はありがとうございました」ともう一度お礼を言います。 オンライン無料日本語教室 私を訪ねて来てくれたオンライン教室の石橋先生(右)。後ろは私たちの寮。 私は寮で毎日30分以上勉強し、オンライン無料日本語教室“Lotus Works”にも参加しました。日本人の先生が毎週1、2回、ビデオ電話で日本語能力試験(JLPT)に向けて勉強を教えてくれます。また、宿題も出してくれるので、毎日勉強するくせがつきます。 external link オンライン無料日本語教室 訪日前の勉強とLotus Worksの指導のおかげで、私は来日1年後にJLPT・N3に合格しました。試験会場は根室から400 km以上離れた札幌です。組合(管理団体)が大型バス2台をチャーターし、他社の実習生たちと一緒に札幌に行きました。行きは深夜に出て翌朝に着き、帰りは18:00に出て朝2:00に根室に戻りました。その後、3時間だけ眠って仕事に行きました。その後は、新型コロナの関係で、私たちが都会に行くのを会社が嫌がり、N2の試験は受けることができずに帰国しました。 会社の実習生仲間とはとても仲が良く、休日には一緒にパーティーやゲームを楽しみました。また、自転車で一緒に買い物や食事、公園などに行くこともよくありました。 「最果ての町」にも多数のベトナム人 仲間と寮でパーティー 根室は北海道の東のはしにあり、日本では「最果ての町」とも呼ばれています。しかし、そんな根室にもたくさんのベトナム人が働いています。日本では若い人が減っているので、外国人を雇う企業が増えています。私たちの会社にも23人(男3人、女20人)のベトナム人がいました。日本に来たばかりのころは、町でベトナム人と会うことはめったにありませんでしたが、滞在中の約3年間で急増し、休みの日にAEONに行くと、必ずベトナム人を見かけるようになりました。 会社の実習生仲間とはとても仲が良く、休日には一緒にパーティーやゲームを楽しみました。また、自転車で一緒に買い物や食事、公園などに行くこともよくありました。 根室でハッピーライフ 寮の仲間と回転寿司 日本滞在中に東京に遊びに行ったこともあります。ディズニーランドに行き、たくさん食べて買い物もして、楽しく過ごしました。ただし、何をするにもお金がかかりました。その点、根室は、お店は少ないですが、お金はあまりかかりません(貯金ができます)。 また、お店の少ない根室ですが、会社の人に聞いたりグーグルマップで調べたりしてお店を開拓し、食べ歩きを楽しむことができました。 〈私たちの北海道生活〉 ・安いバスツアーで北海道の名所を観光 ・月に1回のぜいたくは回転寿司(安い寿司店)。給料日直後に数人で食べに行く。 ・会社が実習生に自転車を貸すが、冬(11月~4月)は路面で雪が凍って危ないので自転車を返す。 左:雪の日の根室 右:寮の前の公園 まとめ 蹴上げインクライン 新型コロナの感染拡大で、3年間の技能実習を終えても、帰国困難を理由とする「特定活動」という在留資格を取って、引き続き半年や1年働く人も多かったのですが、私は一人暮らしの母のもとに早く帰りたかったので早めに帰国しました。そして、帰国後の2022年1月に長年交際した恋人と結婚しました。 私は少ない借金で日本に行き、日本でも安い費用で暮らせたので、3年間で平均以上の貯金(送金)ができました。そのうえ、職場の日本人は親切でしたし、寮の仲間とも楽しく過ごすことができました。私はこのようなよい技能実習ができて幸せでした。 今回の先輩 グェン・ティ・ホアイ・トウーさん 2010年高校卒業〈ホーチミン〉 2010年専門学校入学 2013年 会社勤務、夜はアルバイト 2017年 送出機関〈ホーチミン〉 2018年 水産加工の技能実習〈北海道〉 2021年 技能実習修了、帰国 〈1990年生まれ、ホーチミン市出身〉 良心的な送出機関を選んだため、ベトナム政府が決めた安い費用で日本に行くことができたトゥーさん。訪日前に質の高い日本語授業を受け、自分でも努力したので、技能実習の職場でたくさんの日本人のおばさんたちと仲良くなりました。また、3年間で十分な送金もできました。 〈このページの内容〉 • 「日本に行けてお金も貯まる」 • 送出機関への支払いと3年間の送金額 • 水産加工の仕事の内容 • 職場のおばさんたちと友だちに • オンライン無料日本語教室 • 「最果ての地」にも多数のベトナム人 • 根室でハッピーライフ • まとめ 「日本に行けてお金も貯まる」 私は専門学校を卒業後、ホーチミンの会社で事務仕事をしていました(月給7,000,000 VND)。日本には以前から興味があり、行ってみたいとは思っていましたが、お金がありませんでした。 そんなとき、恋人が先に日本に技能実習に行き、自己資金がなくても借金で日本に行き、借金を返した上でさらに貯金もできると知りました。そのため、私も技能実習に応募することにしました。 <!-- 日本語力を生かして日本語センターで講師のアルバイト --> 送出機関への支払いと3年間の送金額 私はホーチミンの送出機関「エスハイ」を選び、約50,000,000 VND(約25万円)の借金だけで日本に行くことができました。先に日本に行った恋人がインターネットで調べ、「費用が安い」「日本語教育の質も高い」という評価が多いエスハイを見つけ、私に紹介してくれたからです。 訪日後も、根室ではあまりお金を使う場所がないので、少し多めに貯金し、母に送ることができました。 ・エスハイで勉強を始めて4カ月目に最初の採用面接を受け、合格 ・エスハイに支払った費用は全部で約90,000,000 VND(約46万円)。教育費も含む。自宅から通ったので寮費は含まない。 ・技能実習の3年間で母への送金は約300万円(約585,000,000 VND) 自転車で美しい海岸へ。根室では、お金をあまり使わずに生活を楽しめました。 編集部からのアドバイス エスハイはベトナム政府の費用規定を守っている数少ない送出機関の一つで、日本語教育にも定評があります。 external link 技能実習の費用と注意点 external link 送出機関の探し方・選び方 私の家計簿(1カ月の平均) ※100円=19,505 VND(2022年3月12日現在) 収入: 130,000円 手取り給与 ¥130,000 *税金、社会保険、寮費、電気・水道・ガス代を引いたあとの金額(このうち寮費は20,000円で、ここに電気・ガス・水道代・Wi-Fi代も含まれる) 支出: 40,000円 食材費 ¥25,000 外食費・雑費 ¥15,000 差額: 90,000円 *ほとんどを母に送金 水産加工の実習内容 私は2018年から3年間、北海道根室市で技能実習をしました。職場は魚を加工してさまざまな食品を作る工場でした。北海道はとても寒いうえ、工場では魚の鮮度を保つため暖房をあまり使いません。夏は涼しいですが、冬は寒い職場でした。仕事内容は次の通りです。 サンマやイワシがベルトコンベアで流れてくるので、6人の技能実習生が次のような作業を分担。 ・発砲スチロールの箱に氷と水を入れる ・箱の中に魚を入れ、水や氷と混ぜる ・箱にふたをする ・機械を使って箱をしばる 1年ごとに担当レーンが変わるので、次のような仕事もしました。 ・タラの頭を取り、はらわたもかき出し、機械で3枚に分ける ・マスなどの魚に味付けをする ・干物を箱に詰める 私たちの工場で作った魚の加工食品〈根室市のAEONで2021年〉 職場のおばさんたちと友だちに 日本で一番うれしかったことは、職場のおばさんたちと友だちになれたことです。おばさんたちは私たち技能実習生に次のようなことをしてくれました。 ・仕事も日本語も親切に教えてくれた。 ・休み時間に私たちとたくさん話をしてくれた。 ・私たちにおかずやチョコレート、果物、服など、いろいろなものをくれた。 おばさんの1人とは休日に一緒に食事に行くこともありました。また、彼女たちから日本の文化についても教えてもらいました。例えば、日本人はプレゼントをもらったら、そのときに「ありがとうございます」と言うのはもちろん、翌日相手に会ったときに「昨日はありがとうございました」ともう一度お礼を言います。 根室市内のお気に入りのレストランで オンライン無料日本語教室 私は寮で毎日30分以上勉強し、オンライン無料日本語教室“Lotus Works”にも参加しました。日本人の先生が毎週1、2回、ビデオ電話で日本語能力試験(JLPT)に向けて勉強を教えてくれます。また、宿題も出してくれるので、毎日勉強するくせがつきます。 external link オンライン無料日本語教室 訪日前の勉強とLotus Worksの指導のおかげで、私は来日1年後にJLPT・N3に合格しました。試験会場は根室から400 km以上離れた札幌です。組合(管理団体)が大型バス2台をチャーターし、他社の実習生たちと一緒に札幌に行きました。行きは深夜に出て翌朝に着き、帰りは18:00に出て朝2:00に根室に戻りました。その後、3時間だけ眠って仕事に行きました。その後は、新型コロナの関係で、私たちが都会に行くのを会社が嫌がり、N2の試験は受けることができずに帰国しました。 会社の実習生仲間とはとても仲が良く、休日には一緒にパーティーやゲームを楽しみました。また、自転車で一緒に買い物や食事、公園などに行くこともよくありました。 私を訪ねて来てくれたオンライン教室の石橋先生(右)。後ろは私たちの寮。 「最果ての町」にも多数のベトナム人 根室は北海道の東のはしにあり、日本では「最果ての町」とも呼ばれています。しかし、そんな根室にもたくさんのベトナム人が働いています。日本では若い人が減っているので、外国人を雇う企業が増えています。私たちの会社にも23人(男3人、女20人)のベトナム人がいました。日本に来たばかりのころは、町でベトナム人と会うことはめったにありませんでしたが、滞在中の約3年間で急増し、休みの日にAEONに行くと、必ずベトナム人を見かけるようになりました。 会社の実習生仲間とはとても仲が良く、休日には一緒にパーティーやゲームを楽しみました。また、自転車で一緒に買い物や食事、公園などに行くこともよくありました。 仲間と寮でパーティー 根室でハッピーライフ 日本滞在中に東京に遊びに行ったこともあります。ディズニーランドに行き、たくさん食べて買い物もして、楽しく過ごしました。ただし、何をするにもお金がかかりました。その点、根室は、お店は少ないですが、お金はあまりかかりません(貯金ができます)。 また、お店の少ない根室ですが、会社の人に聞いたりグーグルマップで調べたりしてお店を開拓し、食べ歩きを楽しむことができました。 〈私たちの北海道生活〉 ・安いバスツアーで北海道の名所を観光 ・月に1回のぜいたくは回転寿司(安い寿司店)。給料日直後に数人で食べに行く。 ・会社が実習生に自転車を貸すが、冬(11月~4月)は路面で雪が凍って危ないので自転車を返す。 寮の仲間と回転寿司 雪の日の根室 寮の前の公園 まとめ 新型コロナの感染拡大で、3年間の技能実習を終えても、帰国困難を理由とする「特定活動」という在留資格を取って、引き続き半年や1年働く人も多かったのですが、私は一人暮らしの母のもとに早く帰りたかったので早めに帰国しました。そして、帰国後の2022年1月に長年交際した恋人と結婚しました。 私は少ない借金で日本に行き、日本でも安い費用で暮らせたので、3年間で平均以上の貯金(送金)ができました。そのうえ、職場の日本人は親切でしたし、寮の仲間とも楽しく過ごすことができました。私はこのようなよい技能実習ができて幸せでした。
2022年03月27日
今回の先輩 グエン・ティ・オアインさん 2017年 高校卒業 2017年ハノイ国家大学・外国語大学・日本言語文化学部入学 2019年 明治大学の交流プログラムに参加〈東京、3週間〉 2020年 京都大学留学〈1年間〉 2021年 帰国 2022年 大学卒業(3月) 〈1997年生まれ、ハノイ出身〉 オアインさんは大学で初めて日本語を勉強し、成績が良かったので、国費で京都大学に1年間留学しました。彼女の学習方法や留学プログラムの内容、京都のお勧めの観光名所を紹介します。 〈このページの内容〉 • 日本語学習:私の工夫 • ハノイで日本人学生と交流 • 短期交流で初めて日本へ • 日本入国と留学生寮 • 新型コロナ禍での大学のプログラム • 地域のベトナム人との交流 • 私の好きな京都のスポット • まとめ 日本語学習:私の工夫 日本語力を生かして日本語センターで講師のアルバイト 私は日本のアニメやドラマが好きで、そこに出てくる日本の文化や景色にひかれました。そのため、大学で日本語や日本について勉強しようと思いました。大学で初めて日本語を学び、2年のときに日本語能力試験(JLPT)N3に合格、3年のときにN2に合格しました。 授業以外では、毎日2、3時間、自習(宿題と授業の復習)をしました。また、Netflixで日本のアニメやドラマを見てリスニングの練習をしました。 ・友だち4人とNetflixの費用をシェア ・特に好きなのは「千と千尋の神隠し」「となりのトトロ」「5→9~私に恋したお坊さん~」など ・1回目はベトナム語の字幕付きで見て、2回目以降は日本語の字幕付きで見る ベトナムで日本人学生と交流 日本の大学生たちをニンビン省チャンアンに案内〈2019年〉 ハノイ国家大学には日本の大学生向けの短期交流プログラムがたくさんあります。私は大学2、3年のとき、多くのプログラムにボランティアで協力し、日本人学生とたくさん交流しました。 ・各プログラムの期間は1、2週間 ・日本各地の大学や外国語専門学校の学生が参加(大学ごとにプログラム) ・内容は簡単なベトナム語会話や文化交流など ・観光もあり、私たちボランティアが日本人学生たちをエスコート プログラムで友だちになった学生のうち数人とは、私が日本に留学したときに再会しました。中には、東京から京都に会いに来てくれた友人もいました。 短期交流で初めて日本へ 明治大学の学生たちと東京観光 私は大学2年生が終わった2019年6月に3週間、明治大学の短期交流プログラムに参加するために初めて来日しました。 ・この年は、私の学部から7人、ハノイ大学から3人が参加(成績優秀者) ・日本への飛行機代のみ自己負担 ・3週間の宿泊費と授業料は明治大学が負担 ・JASSOから1人80,000円の奨学金 このプログラムでは、明治大学の学生たちが私たちと一緒に研究をし、東京の案内もしてくれました。また、富山県の観光地に外国人観光客を誘致するための動画を制作したり、三味線(しゃみせん=日本の伝統楽器)を体験したり、神社で巫女(みこ)の服装や神楽舞(かぐらまい)を体験したりしました。 私たちが制作したFacebookページと動画 日本入国と留学生寮 寮の私の部屋 大学で私の成績は同学年約200人の中で2番でした。そのため、大学から国費留学の推薦をもらってハノイの日本国大使館で試験を受け、2020年9月から1年間、京都大学に留学させてもらえました。 新型コロナ対策で、日本入国後、成田空港近くのホテルで15日間隔離されました。その後、京都大学や大学院に留学するベトナム人3人と一緒に夜行バスで京都に行き、留学が始まりました。国費留学なので授業料は無料です。日本政府から十分な奨学金ももらっているので、アルバイトはしませんでした。 ・住居は大学の留学生寮:同じ棟に同級生11人(中国人5人、ベトナム人2人、ロシア・イギリス・インド・ルーマニア各1人) ・寮での共通言語は日本語 ・大学へは地下鉄とバスで通学(約30分)。春と秋は自転車だけで通学。 新型コロナ禍での大学のプログラム 京都大学の授業で書道の練習 大学では、新型コロナ対策でオンライン授業の方が多かったのですが、感染拡大が落ち着いている時期には対面授業もあり、週4回以上大学に行きました。授業はすべて日本語で、「日本の政治と法律」「現代日本の社会問題」「日本語概論」などがありました。留学生向けの特別授業が大半ですが、日本人と一緒に受ける授業も少しありました。 楽しみだったのは「日本文化研修プログラム」で、書道や和菓子作りなどを体験しました。日本の高校生ともオンラインで交流しましたが、通常なら学校を訪問するはずだったので、残念でした。観光名所への研修旅行も、本来は1泊2日のはずが、コロナの影響で日帰りになりました。 京都大学 しかし、先生や留学生仲間とは授業でたくさん交流しました。アカデミック・プレゼンテーションの授業では、研究結果をプレゼン資料にまとめて発表します。私は日本の家族関係に関する問題やベトナムの大気汚染の問題などを研究しました。この授業では同級生(留学生)と日本語でたくさん議論をし、日本語の文献を調べ、日本語の資料を作成します。そして、寮で発表の練習(日本語)もします。 また、日本人学生で留学生サポートをする人もいるので、その人たちともよく会話をしました。このように、日本語を使う機会はたくさんありました。 地域のベトナム人との交流 VYSA京都の仲間と三室戸寺を観光〈2020年11月〉 大学以外ではVYSA京都の活動に参加しました。京都・大阪や周辺のベトナム人大学生や大学院生、社会人が参加しています。新型コロナの影響で多くのイベントが中止になりましたが、コロナが少し落ち着いていた2020年11月に20人あまりで京都府の三室戸寺(みむろとじ)と平等院に行きました。 VYSAの活動で知り合った友だちと電車を乗り継いで奈良県の長谷寺(はせでら)に行ったこともあります。不便な場所にありますが、とてもステキなお寺でした! 在日ベトナム学生青年協会 私の家計簿(1カ月の平均) ※100円=19,900 VND(2022年3月10日現在) 収入:120,000円 日本政府の奨学金 ¥120,000 支出:110,000円 家賃(留学生寮) ¥13,000 授業料(無料) ¥0 電気・ガス・水道 ¥6,000 携帯電話(SIM使わず) ¥0 Wi-Fi ¥1,000 食材費・外食費 ¥40,000 教材費、交通費、雑費 ¥50,000 差額:10,000円 ※旅行などに利用 私の好きな京都のスポット 蹴上げインクライン 私は留学中、祇園や清水寺、八坂神社、平安神宮、鴨川など、京都市内のさまざまな観光名所に自転車で行きました。また、寮に近い南禅寺や蹴上(けあげ)インクライン、平安神宮などには、よく歩いて行きました。これらの名所を私なりにランキングすると次の通りです。 ① 鴨川:特に桜の咲く季節は本当にきれいです。川を眺めているだけで気持ちが落ち着きます。 ② 平安神宮と岡崎公園:巨大な鳥居と疎水(水路)沿いの散歩道を楽しめます。桜もたくさんあります。 ③ 南禅寺と蹴上インクライン:蹴上は超有名インスタスポット。南禅寺は四季を通じて趣があります。 ④ 祇園エリアと八坂神社 ⑤ 清水寺 鴨川 平安神宮 まとめ 奈良県の長谷寺 新型コロナの影響で留学プログラムの多くが制限または中止され、旅行にもほとんど行けませんでした。しかし、日本のトップ大学の一つで留学し、京都という素晴らしい町に住めたことは、かけがえのない経験になりました。 私は帰国して半年後の2022年3月に大学を卒業し、ハノイのIT企業で働いています。将来は、大学で日本語を教えることが夢です。これからも日本や日本語と関わっていきたいと思います。 今回の先輩 グエン・ティ・オアインさん 2017年高校卒業 2017年ハノイ国家大学・外国語大学・日本言語文化学部入学 2019年 明治大学の交流プログラムに参加〈東京、3週間〉 2020年 京都大学留学〈1年間〉 2021年 帰国 2022年 大学卒業(3月) 〈1997年生まれ、ハノイ出身〉 オアインさんは大学で初めて日本語を勉強し、成績が良かったので、国費で京都大学に1年間留学しました。彼女の学習方法や留学プログラムの内容、京都のお勧めの観光名所を紹介します。 〈このページの内容〉 • 日本語学習:私の工夫 • ハノイで日本人学生と交流 • 短期交流で初めて日本へ • 日本入国と留学生寮 • 新型コロナ禍での大学のプログラム • 地域のベトナム人との交流 • 私の好きな京都のスポット • まとめ 日本語学習:私の工夫 私は日本のアニメやドラマが好きで、そこに出てくる日本の文化や景色にひかれました。そのため、大学で日本語や日本について勉強しようと思いました。大学で初めて日本語を学び、2年のときに日本語能力試験(JLPT)N3に合格、3年のときにN2に合格しました。 授業以外では、毎日2、3時間、自習(宿題と授業の復習)をしました。また、Netflixで日本のアニメやドラマを見てリスニングの練習をしました。 ・友だち4人とNetflixの費用をシェア ・特に好きなのは「千と千尋の神隠し」「となりのトトロ」「5→9~私に恋したお坊さん~」など ・1回目はベトナム語の字幕付きで見て、2回目以降は日本語の字幕付きで見る 日本語力を生かして日本語センターで講師のアルバイト ベトナムで日本人学生と交流 ハノイ国家大学には日本の大学生向けの短期交流プログラムがたくさんあります。私は大学2、3年のとき、多くのプログラムにボランティアで協力し、日本人学生とたくさん交流しました。 ・各プログラムの期間は1、2週間 ・日本各地の大学や外国語専門学校の学生が参加(大学ごとにプログラム) ・内容は簡単なベトナム語会話や文化交流など ・観光もあり、私たちボランティアが日本人学生たちをエスコート プログラムで友だちになった学生のうち数人とは、私が日本に留学したときに再会しました。中には、東京から京都に会いに来てくれた友人もいました。 日本の大学生たちをニンビン省チャンアンに案内〈2019年〉 短期交流で初めて日本へ 私は大学2年生が終わった2019年6月に3週間、明治大学の短期交流プログラムに参加するために初めて来日しました。 ・この年は、私の学部から7人、ハノイ大学から3人が参加(成績優秀者) ・日本への飛行機代のみ自己負担 ・3週間の宿泊費と授業料は明治大学が負担 ・JASSOから1人80,000円の奨学金 このプログラムでは、明治大学の学生たちが私たちと一緒に研究をし、東京の案内もしてくれました。また、富山県の観光地に外国人観光客を誘致するための動画を制作したり、三味線(しゃみせん=日本の伝統楽器)を体験したり、神社で巫女(みこ)の服装や神楽舞(かぐらまい)を体験したりしました。 私たちが制作したFacebookページと動画 明治大学の学生たちと東京観光 日本入国と留学生寮 大学で私の成績は同学年約200人の中で2番でした。そのため、大学から国費留学の推薦をもらってハノイの日本国大使館で試験を受け、2020年9月から1年間、京都大学に留学させてもらえました。 新型コロナ対策で、日本入国後、成田空港近くのホテルで15日間隔離されました。その後、京都大学や大学院に留学するベトナム人3人と一緒に夜行バスで京都に行き、留学が始まりました。国費留学なので授業料は無料です。日本政府から十分な奨学金ももらっているので、アルバイトはしませんでした。 ・住居は大学の留学生寮:同じ棟に同級生11人(中国人5人、ベトナム人2人、ロシア・イギリス・インド・ルーマニア各1人) ・寮での共通言語は日本語 ・大学へは地下鉄とバスで通学(約30分)。春と秋は自転車だけで通学。 寮の私の部屋 新型コロナ禍での大学のプログラム 大学では、新型コロナ対策でオンライン授業の方が多かったのですが、感染拡大が落ち着いている時期には対面授業もあり、週4回以上大学に行きました。授業はすべて日本語で、「日本の政治と法律」「現代日本の社会問題」「日本語概論」などがありました。留学生向けの特別授業が大半ですが、日本人と一緒に受ける授業も少しありました。 楽しみだったのは「日本文化研修プログラム」で、書道や和菓子作りなどを体験しました。日本の高校生ともオンラインで交流しましたが、通常なら学校を訪問するはずだったので、残念でした。観光名所への研修旅行も、本来は1泊2日のはずが、コロナの影響で日帰りになりました。 京都大学の授業で書道の練習 しかし、先生や留学生仲間とは授業でたくさん交流しました。アカデミック・プレゼンテーションの授業では、研究結果をプレゼン資料にまとめて発表します。私は日本の家族関係に関する問題やベトナムの大気汚染の問題などを研究しました。この授業では同級生(留学生)と日本語でたくさん議論をし、日本語の文献を調べ、日本語の資料を作成します。そして、寮で発表の練習(日本語)もします。 また、日本人学生で留学生サポートをする人もいるので、その人たちともよく会話をしました。このように、日本語を使う機会はたくさんありました。 京都大学 地域のベトナム人との交流 大学以外ではVYSA京都の活動に参加しました。京都・大阪や周辺のベトナム人大学生や大学院生、社会人が参加しています。新型コロナの影響で多くのイベントが中止になりましたが、コロナが少し落ち着いていた2020年11月に20人あまりで京都府の三室戸寺(みむろとじ)と平等院に行きました。 VYSAの活動で知り合った友だちと電車を乗り継いで奈良県の長谷寺(はせでら)に行ったこともあります。不便な場所にありますが、とてもステキなお寺でした! 在日ベトナム学生青年協会 VYSA京都の仲間と三室戸寺を観光〈2020年11月〉 私の家計簿(1カ月の平均) ※100円=19,900 VND(2022年3月10日現在) 収入:120,000円 日本政府の奨学金 ¥120,000 支出:110,000円 家賃(留学生寮) ¥13,000 授業料(無料) ¥0 電気・ガス・水道 ¥6,000 携帯電話(SIM使わず) ¥0 Wi-Fi ¥1,000 食材費・外食費 ¥40,000 教材費、交通費、雑費 ¥50,000 差額:10,000円 ※旅行などに利用 私の好きな京都のスポット 私は留学中、祇園や清水寺、八坂神社、平安神宮、鴨川など、京都市内のさまざまな観光名所に自転車で行きました。また、寮に近い南禅寺や蹴上(けあげ)インクライン、平安神宮などには、よく歩いて行きました。これらの名所を私なりにランキングすると次の通りです。 ① 鴨川:特に桜の咲く季節は本当にきれいです。川を眺めているだけで気持ちが落ち着きます。 ② 平安神宮と岡崎公園:巨大な鳥居と疎水(水路)沿いの散歩道を楽しめます。桜もたくさんあります。 ③ 南禅寺と蹴上インクライン:蹴上は超有名インスタスポット。南禅寺は四季を通じて趣があります。 ④ 祇園エリアと八坂神社 ⑤ 清水寺 蹴上げインクライン 鴨川 平安神宮 まとめ 新型コロナの影響で留学プログラムの多くが制限または中止され、旅行にもほとんど行けませんでした。しかし、日本のトップ大学の一つで留学し、京都という素晴らしい町に住めたことは、かけがえのない経験になりました。 私は帰国して半年後の2022年3月に大学を卒業し、ハノイのIT企業で働いています。将来は、大学で日本語を教えることが夢です。これからも日本や日本語と関わっていきたいと思います。 奈良県の長谷寺
2022年03月23日
今回の先輩 マイ・ティ・フォン・タインさん 2015年 高校卒業〈ナムディン〉 2016年 飲食店に2年間勤務〈ナムディン〉 2018年 送出機関で勉強〈ハノイ〉 2018年 講習後、清掃会社で技能実習〈香川県〉 <1997生まれ、ナムディン省出身> タインさんは技能実習(清掃)の3年間でJLPT・N2に合格しました。オンライン無料日本語教室を利用したほか、清掃現場まで車で移動する時間があるので、車内で日本人とたくさん話し、勉強で覚えた日本語を実際に使うことができました。 〈このページの内容〉 • 送出機関への支払いと3年間の送金 • 来日して3年でN2に合格! • ホテル清掃の仕事の内容 • 親切な社長と元社長 • ベトナム人仲間 • まとめ 送出機関への支払いと3年間の送金 送出機関の先生と同級生たち 私の父は2019年に亡くなり、母が飲食店で働いていますが、月給は3,000,000 VNDぐらいです。私は4人兄弟の末っ子で、高校を出てから地元のフォー店で約1年間働きましたが、給料は月4,000,000 VNDでした。 そのようなつつましい生活の中、いとこが技能実習で日本に行き、彼女の母(私のおば)の勧めで、私も技能実習に行くことにしました。家計を助けたいと思ったのです。いとこが使ったハノイの送出機関を私も使い、日本語を約6カ月間勉強してから日本に行きました。この送出機関には日本人の先生が2人いました。 external link 技能実習の費用と注意点 ◆借金と仕送り 送出機関に支払ったお金 手数料と飛行機代 (*1) 178,200,000 ₫ 教育費など 10,000,000 ₫ 資金調達 親せきから借金 140,000,000 ₫ 親の貯金と自分の貯金 80,000,000 ₫ 3年間で両親に送ったお金 給料から送金(*2) 458,000,000 ₫ (*1)$7,800をドンに換算 (*2)¥2,300,000をドンに換算 いずれも2022年3月6日の為替レート 来日して3年でN2に合格! JLPTに合格した技能実習生のために元社長が開いてくれた食事会〈2021年〉 私は2018年10月に来日し、2020年12月に日本語能力試験(JLPT)N3に合格、2021年7月にN2に合格しました。 日本に来たばかりのとき、一番困ったことは言葉です。ベトナムで半年間勉強したのに、日本人の話すことがさっぱりわからず、「すみません。もう一度言ってください」の繰り返しでした。そこで、送出機関の先生にSNSで相談し、オンライン日本語教室のLotus Worksを紹介してもらいました。週に1、2回、日本人の先生がSkypeで文法や漢字などの授業をしてくれます。次の授業までに宿題をしなければならないので、毎日勉強するくせがつきました。 external link オンライン無料日本語教室 清掃現場の一つ。現場でも現場に向かう車内でも日本人とたくさん会話。 Lotus Worksの勉強以外にも日本語と触れる機会をつくりました。 毎日家で1、2時間勉強 ・使った教材:「耳から覚える」シリーズ(語彙)など ・Youtubeの学習チャンネル:Dũng Mori, Onomappu, Thao Le JP ・日本のアニメ:ヒアリングの練習に使う 職場で日本人とたくさん会話 ・毎日、会社から仕事場に向かう車内(往復40~120分)で日本人2、3人と会話 ・休憩時間も日本人と会話 ホテル清掃の仕事の内容 私の実習(仕事)の内容を紹介します。職場には私を含めて5人の技能実習生がいます。 ・7:20出社→朝礼→車で移動→清掃→車で帰社(勤務は8時間) ・清掃現場:ホテル、住宅、オフィス、店、老人ホーム ・床掃除(機械やモップを使う)、ワックスがけ、窓ふき、トイレ・風呂の掃除 ・日本人2、3人とベトナム人1人が組んで仕事をすることが多い ・休みは週1、2回 親切な社長と元社長 会社が実習生全員に「うな重」をご馳走〈2021年〉 私たちの会社では、元社長とその奥さん(今の社長)が私たちの面倒をよくみてくれるので、快適に暮らしています。 ・元社長が技能実習生をときどき食事に連れて行ってくれます。 ・社長がときどき車で買い物に連れて行ってくれます。 ・新型コロナの影響で社員パーティーが中止になったときは、会社が実習生全員に高価な「うな重」の出前をとってくれました。 ・JLPTの試験のときは、組合が会場まで車で送迎してくれます。 ・寮は2階建てで、寝室4つを実習生5人で使用。場所は会社のそば。 ・職場の上司がボーリングなどに連れて行ってくれることもあります。 会社が実習生のために開いてくれた食事会(左)、寮(右) ベトナム人仲間 ベトナム人仲間とテーマパークへ〈香川県〉 元社長は私たちが来日した後に組合(監理団体)を設立し、組合のパーティーや忘年会にいろいろな会社の実習生を招待してくれます。そのような場でベトナム人仲間が増え、さらにその友だちともつながって、休みの日にいろいろなところに一緒に遊びに行っています。また、高校時代の親友が隣の岡山県で技能実習をしているので、彼女と一緒に遊びにいくこともあります。 これまで、友だちと一緒に香川県の丸亀城やレオマワールド(テーマパーク)などに行きました。その中で一番好きなのは金刀比羅宮(ことひらぐう)です。将来は大阪や東京、北海道にも行ってみたいです。 external link 私の香川観光ブログ 私の家計簿(1か月の平均) ※100円=約19,900 VND(2022年3月6日現在) 収入: ¥125,000 手取り給与 ¥125,000 *税金、社会保険、寮費、電気・水道・ガス代を引いたあとの金額(このうち寮費は¥13,000、電気・ガス・水道代は¥5,000) *以前は ¥110,000→4年目に入って給料アップ 支出: ¥40,000 食材費 ¥20,000 外食費・雑費 ¥20,000 差額: ¥85,000 *ほとんどを母に送金 まとめ 私は3年間の技能実習(技能実習1号・2号)が終わり、2021年10月から技能実習3号に切り替えて引き続き日本で働いています。3号になって、給料が少し上がりました。あと2年間の実習が終わって帰国したら、故郷のナムディンかハノイで日本語を使う仕事をしたいと思っています。 今回の先輩 マイ・ティ・フォン・タインさん 2015年高校卒業〈ナムディン〉 2016年飲食店に2年間勤務〈ナムディン〉 2018年 送出機関で勉強〈ハノイ〉 2018年 講習後、清掃会社で技能実習〈香川県〉 <1997生まれ、ナムディン省出身> タインさんは技能実習(清掃)の3年間でJLPT・N2に合格しました。オンライン無料日本語教室を利用したほか、清掃現場まで車で移動する時間があるので、車内で日本人とたくさん話し、勉強で覚えた日本語を実際に使うことができました。 〈このページの内容〉 • 送出機関への支払いと3年間の送金 • 来日して3年でN2に合格! • ホテル清掃の仕事の内容 • 親切な社長と元社長 • ベトナム人仲間 • まとめ 送出機関への支払いと3年間の送金 私の父は2019年に亡くなり、母が飲食店で働いていますが、月給は3,000,000 VNDぐらいです。私は4人兄弟の末っ子で、高校を出てから地元のフォー店で約1年間働きましたが、給料は月4,000,000 VNDでした。 そのようなつつましい生活の中、いとこが技能実習で日本に行き、彼女の母(私のおば)の勧めで、私も技能実習に行くことにしました。家計を助けたいと思ったのです。いとこが使ったハノイの送出機関を私も使い、日本語を約6カ月間勉強してから日本に行きました。この送出機関には日本人の先生が2人いました。 external link 技能実習の費用と注意点 送出機関の先生と同級生たち ◆借金と仕送り 送出機関に支払ったお金 手数料と飛行機代 (*1) 178,200,000 ₫ 教育費など 10,000,000 ₫ 資金調達 親せきから借金 140,000,000 ₫ 親の貯金と自分の貯金 80,000,000 ₫ 3年間で両親に送ったお金 給料から送金(*2) 458,000,000 ₫ (*1)$7,800をドンに換算 (*2)¥2,300,000をドンに換算 いずれも2022年3月6日の為替レート 来日して3年でN2に合格! 私は2018年10月に来日し、2020年12月に日本語能力試験(JLPT)N3に合格、2021年7月にN2に合格しました。 日本に来たばかりのとき、一番困ったことは言葉です。ベトナムで半年間勉強したのに、日本人の話すことがさっぱりわからず、「すみません。もう一度言ってください」の繰り返しでした。そこで、送出機関の先生にSNSで相談し、オンライン日本語教室のLotus Worksを紹介してもらいました。週に1、2回、日本人の先生がSkypeで文法や漢字などの授業をしてくれます。次の授業までに宿題をしなければならないので、毎日勉強するくせがつきました。 external link オンライン無料日本語教室 JLPTに合格した技能実習生のために元社長が開いてくれた食事会〈2021年〉 Lotus Worksの勉強以外にも日本語と触れる機会をつくりました。 毎日家で1、2時間勉強 ・使った教材:「耳から覚える」シリーズ(語彙)など ・Youtubeの学習チャンネル:Dũng Mori, Onomappu, Thao Le JP ・日本のアニメ:ヒアリングの練習に使う 職場で日本人とたくさん会話 ・毎日、会社から仕事場に向かう車内(往復40~120分)で日本人2、3人と会話 ・休憩時間も日本人と会話 清掃現場の一つ。現場でも現場に向かう車内でも日本人とたくさん会話。 ホテル清掃の仕事の内容 私の実習(仕事)の内容を紹介します。職場には私を含めて5人の技能実習生がいます。 ・7:20出社→朝礼→車で移動→清掃→車で帰社(勤務は8時間) ・清掃現場:ホテル、住宅、オフィス、店、老人ホーム ・床掃除(機械やモップを使う)、ワックスがけ、窓ふき、トイレ・風呂の掃除 ・日本人2、3人とベトナム人1人が組んで仕事をすることが多い ・休みは週1、2回 親切な社長と元社長 私たちの会社では、元社長とその奥さん(今の社長)が私たちの面倒をよくみてくれるので、快適に暮らしています。 ・元社長が技能実習生をときどき食事に連れて行ってくれます。 ・社長がときどき車で買い物に連れて行ってくれます。 ・新型コロナの影響で社員パーティーが中止になったときは、会社が実習生全員に高価な「うな重」の出前をとってくれました。 ・JLPTの試験のときは、組合が会場まで車で送迎してくれます。 ・寮は2階建てで、寝室4つを実習生5人で使用。場所は会社のそば。 ・職場の上司がボーリングなどに連れて行ってくれることもあります。 会社が実習生全員に「うな重」をご馳走〈2021年〉 会社が実習生のために開いてくれた食事会 寮 ベトナム人仲間 元社長は私たちが来日した後に組合(監理団体)を設立し、組合のパーティーや忘年会にいろいろな会社の実習生を招待してくれます。そのような場でベトナム人仲間が増え、さらにその友だちともつながって、休みの日にいろいろなところに一緒に遊びに行っています。また、高校時代の親友が隣の岡山県で技能実習をしているので、彼女と一緒に遊びにいくこともあります。 これまで、友だちと一緒に香川県の丸亀城やレオマワールド(テーマパーク)などに行きました。その中で一番好きなのは金刀比羅宮(ことひらぐう)です。将来は大阪や東京、北海道にも行ってみたいです。 external link 私の香川観光ブログ ベトナム人仲間とテーマパークへ〈香川県〉 私の家計簿(1か月の平均) ※100円=約19,900 VND(2022年3月6日現在) 収入: ¥125,000 手取り給与 ¥125,000 *税金、社会保険、寮費、電気・水道・ガス代を引いたあとの金額(このうち寮費は¥13,000、電気・ガス・水道代は¥5,000) *以前は ¥110,000→4年目に入って給料アップ 支出: ¥40,000 食材費 ¥20,000 外食費・雑費 ¥20,000 差額: ¥85,000 *ほとんどを母に送金 まとめ 私は3年間の技能実習(技能実習1号・2号)が終わり、2021年10月から技能実習3号に切り替えて引き続き日本で働いています。3号になって、給料が少し上がりました。あと2年間の実習が終わって帰国したら、故郷のナムディンかハノイで日本語を使う仕事をしたいと思っています。
2022年03月21日
今回の先輩 ト・ティ・タイン・ヴァンさん 2018年 高校卒業〈ホーチミン〉 2019年 日本語学校入学〈北海道〉 2020年 日本語能力試験N2合格 2021年 札幌学院大学入学〈北海道〉 〈2000年生まれ、ホーチミン市出身〉 ベトナムで14カ月間、日本語をしっかり勉強してから日本に留学したヴァンさん。来日して2年目でJLPT・N2に合格したため、大学に面接だけで入学できました。ヴァンさんの留学生活を紹介します。 〈このページの内容〉 • 留学前の日本語学習 • 来日後の日本語学習 • 親切な人たちに囲まれてアルバイト • N2合格→無試験で大学入学 • 留学の費用と家計簿 • ベトナム人コミュニティ • 北海道での暮らし • 落とした財布が戻ってきた! • トピックス <!-- --> 留学前の日本語学習 日本に向けて旅立つ前、空港で家族とお別れ〈2019年〉 日本語センターで14カ月間勉強 母の勧めで留学を決め、高校3年のときから14カ月間、ホーチミンの日本語センターで日本語能力試験(JLPT)N4レベルまで勉強しました。毎日、学校で7時間、自宅で3時間勉強しました。 北海道に決めた理由 東京の日本語学校に入ろうとしましたが、在留許可を取れなかったので、半年後に、北海道の日本語学校に入る前提で再トライしました。すると、在留資格を取れました。私と同じように東京の学校がだめだったので地方に変更するという人はたくさんいます。 来日後の日本語学習 自宅で漢字の勉強 私の来日後の日本語学習について紹介します。 ・来日(2019年4月)→N3合格(2020年12月)→N2合格(2021年12月) ・使った教材:みんなの日本語、「新完全マスター」シリーズ、「総まとめ」シリーズ、「耳から覚える」シリーズなど ・日本語学校でも大学でもなるべく日本語で会話(友人や先生と) ・新型コロナで登校する機会が減ったときは、YouTubeの日本語ニュースや日本語のアニメやドラマ(ベトナム語字幕付き)でも勉強 親切な人たちに囲まれてアルバイト カニ料理店 ・最初のアルバイト(1年間)。皿洗い。 ・学校からの紹介 ・時給は高いが、とても忙しかった。あまり日本語を話さない。 ・その後、居酒屋でも働いたが、帰宅が夜遅いので、2カ月で退職 スーパーマーケット ・おかずをパックに入れる仕事(1年間) ・先輩留学生からの紹介 ・平日は13:00~17:00、土日は7:00~16:00 ・会話が多く、日本語が上達した。 ・余ったおかずをもらえることもあった。 スーパーでは、若者は自分だけで、おじいさんやおばあさんの先輩の皆さんがとても親切にしてくれました。昼休みや休憩のときにご飯やお菓子を食べながらたくさん話をしました。私の誕生日にはケーキを買ってくれ、お祝いの歌も歌ってくれました。大学進学後は、自宅から遠くなったので退職しましたが、今でもおばあさん3、4人とLINEで連絡を取り合っています。 大学に入ってからは、食品工場で深夜勤務(週3回、21:00~6:00)をしました。時給は高かったのですが、勉強に支障があるのですぐにやめました。今はバインミー店で働いています。 N2合格→無試験で大学入学 大学の留学生仲間とキャンパス(右) 私が通っている札幌学院大学では日本留学試験(EJU)の日本語(400点満点)の得点が 200点以上かJLPT・N2なら、筆記の入学試験を免除されます。私はEJU194点でしたが、N2だったので、面接だけで大学に入れました。 日本語学校が開いたオンラインの大学説明会に地元の約10大学が参加しました。その中で、この大学は成績優秀者への授業料割引(奨学金)が充実していました。GPA2以上なら授業料30%引き、3以上なら75%引きです。 大学の授業はすべて日本語です。毎週課題があり、パソコンでレポートを作ります。漢字を選ぶのが難しく、辞書アプリで調べながらがんばっています。 external link 日本語の辞書アプリはどれがいい? 留学の費用と家計簿 日本語学校で 留学の最初にかかった費用 ・日本語学校の1年目の授業料や飛行機代など(約1,000,000円) ・日本語センターへの手数料(240,000,000 VND) ・両親が貯金から払った。 日本での授業料など ・日本語学校(年間):¥760,000 ・大学(年間):¥1,104,000-¥340,000=¥764,000(私の成績に応じて減額) ・今は節約生活。就職したら旅行をしたい。 私の家計簿(1カ月の平均) ※大学1年のときの家計簿 ※100円=約19,800 VND(2022年3月4日現在) 収入:¥80,000~¥90,000 アルバイト1件(飲食店) ¥80,000 支出:¥136,000 家賃(ワンルーム) ¥18,000 授業料(割引後) ¥67,000 電気・ガス・水道 ¥13,000 携帯電話(LINEモバイル) ¥3,000 Wi-Fi ¥4,000 健康保険 ¥4,000 食材費 ¥12,000 外食費・交通費・雑費 ¥15,000 毎月の差額:▲¥46,000~¥56,000 ※仕送りと夏休みなどに長く働いて補てん ベトナム人コミュニティ ベトナム人との交流は日本語学校の同級生が中心ですが、VYSA北海道の活動にも参加しています。最初は、2019年10月に札幌市内の公園で開かれた「ベトナムフェスティバルin 札幌」=写真=で、アオザイを着て踊ったりベトナム料理を売ったりしました。VYSAのFacebookを見て友人と一緒に申し込みました。準備や練習のために何度も集まり、打ち上げ会にも参加しました。 これをきっかけにVYSAのイベントによく参加しています。ベトナム人の友だちが増えますし、先輩留学生にいろいろなことを教えてもらえます。イベントのとき以外にも飲み会があります。 external link 在日ベトナム人学生青年協会(VYSA) 北海道での暮らし ときどき大雪の日があります スクーター 日本でスクーターの運転免許を取って乗っている友だちが東京や大阪に3、4人います。私もスクーター購入を検討しましたが、北海道では冬に路面が凍ってバイクに乗れないので、あきらめました。 留学生に自転車プレゼント 札幌市は留学生に自転車をプレゼントしてくれます。学校を通じて申請します。ただし、かぎはかけましょう。来日して1年目、自転車にかぎをかけずにアパートの前に置いていたら、夜に盗まれました。日本は安全な国ですが、最低限の注意は必要です! 落とした財布が戻ってきた! ある日、買い物帰りに地下鉄の駅で財布を落としました。帰宅して気付き、駅に戻って駅員さんに言うと、次の日に地下鉄から「財布が見つかりました」と電話がありました。駅で受け取り、中に入っていた現金20,000円や在留カードは無事でした! 日本で初めて一人暮らしを体験し、最初は苦労もありましたが、バイト先でおばあさんたちにやさしくしてもらったり、財布を落としても見つかったりして、日本が大好きになりました。日本人はやさしいですし、仕事にまじめにとりくみ、規則も守ります。卒業後もできるだけ長く日本で働きたいと思っています。 トピックス ハオハオ大好き 日本に来るときにインスタントラーメンのハオハオ60袋をスーツケースに入れて持ってきました。日本の税関で、「これは何に使うのですか」と英語で聞かれ、「自分で食べます」と答えました。どきどきしましたが、大丈夫でした。今は日本にベトナム食材店が増え、ハオハオも手に入りやすくなりました。 苦手な料理をがんばる 来日して初めて料理をするようになりました。よく作るのはチャーハンとインスタントラーメンです。そんな私に母はベトナムの調味料をよく送ってくれます(10㌔の箱=送料約2,000,000 VND)。まだ料理は苦手ですが、引き続きがんばります。 今回の先輩 ト・ティ・タイン・ヴァンさん 2018年 高校卒業〈ホーチミン〉 2019年 日本語学校入学〈北海道〉 2020年 日本語能力試験N2合格 2021年 札幌学院大学入学〈北海道〉 〈2000年生まれ、ホーチミン市出身〉 ベトナムで14カ月間、日本語をしっかり勉強してから日本に留学したヴァンさん。来日して2年目でJLPT・N2に合格したため、大学に面接だけで入学できました。ヴァンさんの留学生活を紹介します。 <!-- --> 〈このページの内容〉 • 留学前の日本語学習 • 来日後の日本語学習 • 親切な人たちに囲まれてアルバイト • N2合格→無試験で大学入学 • 留学の費用と家計簿 • ベトナム人コミュニティ • 北海道での暮らし • 落とした財布が戻ってきた! • トピックス 留学前の日本語学習 日本語センターで14カ月間勉強 母の勧めで留学を決め、高校3年のときから14カ月間、ホーチミンの日本語センターで日本語能力試験(JLPT)N4レベルまで勉強しました。毎日、学校で7時間、自宅で3時間勉強しました。 北海道に決めた理由 東京の日本語学校に入ろうとしましたが、在留許可を取れなかったので、半年後に、北海道の日本語学校に入る前提で再トライしました。すると、在留資格を取れました。私と同じように東京の学校がだめだったので地方に変更するという人はたくさんいます。 日本に向けて旅立つ前、空港で家族とお別れ〈2019年〉 来日後の日本語学習 私の来日後の日本語学習について紹介します。 ・来日(2019年4月)→N3合格(2020年12月)→N2合格(2021年12月) ・使った教材:みんなの日本語、「新完全マスター」シリーズ、「総まとめ」シリーズ、「耳から覚える」シリーズなど ・日本語学校でも大学でもなるべく日本語で会話(友人や先生と) ・新型コロナで登校する機会が減ったときは、YouTubeの日本語ニュースや日本語のアニメやドラマ(ベトナム語字幕付き)でも勉強 自宅で漢字の勉強 親切な人たちに囲まれてアルバイト カニ料理店 ・最初のアルバイト(1年間)。皿洗い。 ・学校からの紹介 ・時給は高いが、とても忙しかった。あまり日本語を話さない。 ・その後、居酒屋でも働いたが、帰宅が夜遅いので、2カ月で退職 スーパーマーケット ・おかずをパックに入れる仕事(1年間) ・先輩留学生からの紹介 ・平日は13:00~17:00、土日は7:00~16:00 ・会話が多く、日本語が上達した。 ・余ったおかずをもらえることもあった。 スーパーでは、若者は自分だけで、おじいさんやおばあさんの先輩の皆さんがとても親切にしてくれました。昼休みや休憩のときにご飯やお菓子を食べながらたくさん話をしました。私の誕生日にはケーキを買ってくれ、お祝いの歌も歌ってくれました。大学進学後は、自宅から遠くなったので退職しましたが、今でもおばあさん3、4人とLINEで連絡を取り合っています。 大学に入ってからは、食品工場で深夜勤務(週3回、21:00~6:00)をしました。時給は高かったのですが、勉強に支障があるのですぐにやめました。今はバインミー店で働いています。 N2合格→無試験で大学入学 私が通っている札幌学院大学は日本留学試験(EJU) 200点以上かJLPT・N2なら、筆記の入学試験を免除されます。私はEJU194点でしたが、N2だったので、面接だけで大学に入れました。 日本語学校が開いたオンラインの大学説明会に地元の約10大学が参加しました。その中で、この大学は成績優秀者への授業料割引(奨学金)が充実していました。GPA2以上なら授業料30%引き、3以上なら75%引きです。 大学の授業はすべて日本語です。毎週課題があり、パソコンでレポートを作ります。漢字を選ぶのが難しく、辞書アプリで調べながらがんばっています。 external link 日本語の辞書アプリはどれがいい? 大学の留学生仲間とキャンパス(右) 留学の費用と家計簿 留学の最初にかかった費用 ・日本語学校の1年目の授業料や飛行機代など(約1,000,000円) ・日本語センターへの手数料(240,000,000 VND) ・両親が貯金から払った。 日本での授業料など ・日本語学校(年間):¥760,000 ・大学(年間):¥1,104,000-¥340,000=¥764,000(私の成績に応じて減額) ・今は節約生活。就職したら旅行をしたい。 日本語学校で 私の家計簿(1カ月の平均) ※大学1年のときの家計簿 ※100円=約19,800 VND(2022年3月4日現在) 収入:¥80,000~¥90,000 アルバイト1件(飲食店) ¥80,000 支出:¥136,000 家賃(ワンルーム) ¥18,000 授業料(割引後) ¥67,000 電気・ガス・水道 ¥13,000 携帯電話(LINEモバイル) ¥3,000 Wi-Fi ¥4,000 健康保険 ¥4,000 食材費 ¥12,000 外食費・交通費・雑費 ¥15,000 毎月の差額:▲¥46,000~¥56,000 ※仕送りと夏休みなどに長く働いて補てん ベトナム人コミュニティ ベトナム人との交流は日本語学校の同級生が中心ですが、VYSA北海道の活動にも参加しています。最初は、2019年10月に札幌市内の公園で開かれた「ベトナムフェスティバルin 札幌」=写真=で、アオザイを着て踊ったりベトナム料理を売ったりしました。VYSAのFacebookを見て友人と一緒に申し込みました。準備や練習のために何度も集まり、打ち上げ会にも参加しました。 これをきっかけにVYSAのイベントによく参加しています。ベトナム人の友だちが増えますし、先輩留学生にいろいろなことを教えてもらえます。イベントのとき以外にも飲み会があります。 external link 在日ベトナム人学生青年協会(VYSA) 北海道での暮らし スクーター 日本でスクーターの運転免許を取って乗っている友だちが東京や大阪に3、4人います。私もスクーター購入を検討しましたが、北海道では冬に路面が凍ってバイクに乗れないので、あきらめました。 留学生に自転車プレゼント 札幌市は留学生に自転車をプレゼントしてくれます。学校を通じて申請します。ただし、かぎはかけましょう。来日して1年目、自転車にかぎをかけずにアパートの前に置いていたら、夜に盗まれました。日本は安全な国ですが、最低限の注意は必要です! ときどき大雪の日があります 落とした財布が戻ってきた! ある日、買い物帰りに地下鉄の駅で財布を落としました。帰宅して気付き、駅に戻って駅員さんに言うと、次の日に地下鉄から「財布が見つかりました」と電話がありました。駅で受け取り、中に入っていた現金20,000円や在留カードは無事でした! 日本で初めて一人暮らしを体験し、最初は苦労もありましたが、バイト先でおばあさんたちにやさしくしてもらったり、財布を落としても見つかったりして、日本が大好きになりました。日本人はやさしいですし、仕事にまじめにとりくみ、規則も守ります。卒業後もできるだけ長く日本で働きたいと思っています。 トピックス ハオハオ大好き 日本に来るときにインスタントラーメンのハオハオ60袋をスーツケースに入れて持ってきました。日本の税関で、「これは何に使うのですか」と英語で聞かれ、「自分で食べます」と答えました。どきどきしましたが、大丈夫でした。今は日本にベトナム食材店が増え、ハオハオも手に入りやすくなりました。 苦手な料理をがんばる 来日して初めて料理をするようになりました。よく作るのはチャーハンとインスタントラーメンです。そんな私に母はベトナムの調味料をよく送ってくれます(10㌔の箱=送料約2,000,000 VND)。まだ料理は苦手ですが、引き続きがんばります。
2022年03月18日
今回の先輩 チャン・ティ・キュー・チンさん 2009年 高校卒業〈ドンナイ省〉 2009年 ホーチミン市外国語・技術情報大学入学 2013年 ホーチミン市外国語・技術情報大学卒業 2013年 衣料品販売会社入社〈ホーチミン〉 2015年 日系企業入社〈ホーチミン〉 2017年 アークアカデミー日本語学校入学(7月)〈大阪〉 2019年 エール学園入学(4月) 2019年 アカカベ入社(10月)〈大阪〉 〈1991年生まれ、ドンナイ省出身〉 チンさんは「東京より物価が安く、人情のある町で住みやすい」と聞いた大阪を留学先に選んで大正解だったと感じている。また、アルバイト先の人情豊かなおばさんたちから日本語を教えてもらい、日本語力がぐんぐん伸びた。チンさんの留学&就活体験記を紹介する。 〈このページの内容〉 • 会社をやめて留学の夢を実現 • 大阪を選んだ理由 • 日本語学校の選び方 • アルバイトで会話力向上 • 就職に強い「エール学園」 • 学園の就活プログラムを活用 • アカカベでの仕事 • 日本での生活 • ベトナムと日本を行き来したい 会社をやめて留学の夢を実現 勤務先の日系企業で〈2017年〉 私はいつか留学したいと思っていましたが、大学時代は資金もなく、就職してからは、交際していた彼(今の夫)が同意してくれなかったので、留学を実行に移せませんでした。そんな中、衣料品メーカーに2年間勤務後、日系企業(ミシンとプリンターのメーカー)に転職しました。日本語は片言だったので、私が同社で使う言葉は英語でした。大学の講義がすべて英語だったので、英語は得意だったのです。仕事内容はオンラインマーケティングや顧客管理などでした。そして、日本人社長が尊敬できる人だったこともあり、留学するなら日本に行きたいと思い始めていたころ、彼も留学に同意してくれたので、ついに留学を実行することになりました!そのころには、留学の資金もたまっていました。 大阪を選んだ理由 ハロウィンの夜〈大阪で2017年〉 留学センター(留学あっせん会社)は、先輩留学生(大学での友人)から「留学生の間で評判が高い」と紹介された「Yoko 日本語センター」を選びました。私は日本語は別の学校で学んだので、ここに支払ったのは留学手続きの費用だけで、合計8,775,000 VND(約42,300円)でした。センターでは約150校の日本語学校のリストを見せられました。私は東京にするか大阪にするか悩んでいましたが、スタッフの人が「東京は人が多すぎるし、物価も高い」として、大阪を勧めてくれました。勤務先の社長からも「大阪はホーチミンと雰囲気が似ていて住みやすい」と聞いていました。 その後、私は大阪に4年以上住んでいますが、大都会で公共交通が便利ですし、コンビニもスーパーもどこにでもあり、アルバイトもたくさんあります。また、大阪にはフレンドリーな人が多く、例えば、通行人に携帯電話の画面を見せて「ここに行きたいのですが」と尋ねると、たいていはとても親切に教えてくれます。一番大きな都市の方がいいと思って東京を選ぶ人も多いですが、大阪の住みやすさや人情は外国人にとって大変ありがたく、東京を選んだ友だちで「大阪にすればよかった」と悔やんでいる人が結構たくさんいます。 external link Yoko 日本語センター(ベトナム語) 日本語学校の選び方 アークのクラスメートたち〈2018年〉 日本語センターで「なるべくベトナム人が少ない日本語学校を紹介してください」とお願いし、「アークアカデミー日本語学校」を紹介されました。私は2017年7月に来日し、アークに入学しました。アークでは1クラス10~15人で、どのクラスにもベトナム人は1、2人だけでした。クラスメートの国籍はノルウェー、スペイン、韓国、インドネシア、台湾などで、授業以外でも日本語で会話するしかありません。当時の仲間とは今もLINE(日本語)で連絡を取り合っています。 アークの学校行事で日本文化体験〈2018年〉 初年度にアークに支払ったのは合計820,000円(約170,000,000 VND)で、内訳は選考料30,000円、入学金70,000円、授業料(1年)720,000円でした。アークでは欧米人の生徒が多く、彼らは要望を学校や教師にしっかり伝えるので、先生方の教え方や対応がとてもていねいでした。授業の中で特に良かったのはシャドーイングでした。 なお、来日前の7カ月間、仕事をしながら夜間に「ドンズー日本語学校」に通いました。週3回(1回1時間半)で7カ月間の授業料は6,000,000 VND(約28,900円)で、日本語能力試験(JLPT)のN5コースを終え、N4コースの途中まで学んでから来日しました。 external link アークアカデミー日本語学校・大阪校(日本語) アルバイトで会話力向上 ホテルで一緒に働いたおばさんや同僚たち〈2019年〉 私は初年度の留学費用はベトナムで貯めたお金で払い、2年目(日本語学校半年、専門学校半年)は、もともとの貯金と日本でのアルバイト収入で支払いました。アルバイトはホテルのレストランでの仕事で、勤務時間は主に6:00から12:00か13:00までで、たまに夜も働きました。一緒に働いた年配の女性たちがとても親切で、私が学校で習った言葉を職場で使って「今の使い方で合っていますか?」と聞くと、違っていれば細かく教えてくれました。授業で分からなかったことや生活で使う言葉も、彼女たちがいつも親切に教えてくれました。こうして、学校で習った日本語を実際の会話で使い、修正もしてもらえるので、日本語力がぐんぐん上がりました。 また、漢字の試験の直前には洗い場の担当をさせてもらい、自分で書いた漢字のメモを見ながら洗いものをしました。こうして、来日して1年半でJLPT・N2に合格しました。これから留学する皆さんも日本語を使えるアルバイトをぜひ見つけてくださいね! 就職に強い「エール学園」 エール学園での就活イベントの一例〈2019年〉 私は日本語学校を1年半で卒業し、アルバイト仲間から紹介された「エール学園」のデュアルビジネスコースに進みました。このコースは1年間だけで、就職にめっぽう強いのが特色です。私は日本語力に関する入試と面接に合格し、このコースに入ることができました。私は就職が早く決まってエール学園を半年で退学したので、学園に払ったのは入学金70,000円と半年の学費420,000円だけでした。 external link エール学園デュアルビジネスコース 学園の就活プログラムを活用 就活イベントに一緒に参加した同級生たち〈エール学園で2019年5月〉 入学の翌月の2019年5月、学園内で生徒16人と地元企業約20社が集うイベントがあり、私も参加しました。まず私たちが日本語で1分ずつ自己紹介をします。その後、企業の方々と名詞を交換し、その会社の事業や仕事内容をお聞きしたり、相手の質問に答えたりします。その中でドラッグストアを経営する株式会社アカカベの前田さんが私を気にかけてくださいました。そして、私は7月に3週間、アカカベでインターンシップをすることになりました。 インターンシップは1日6時間で週3回あり、エール学園の単位に組み込まれます。私はアカカベの店で商品を並べたり、レジを担当したり、外国人観光客向けの英語のポップを作ったりしました。そして、前田さんと会って食事をしたり会社の様子を聞いたりし、「当社はこれから海外事業を拡大するので、一緒に働いてほしい」と誘っていただきました。私は前田さんのお人柄とアカカベの海外事業の可能性に引かれ、ここでお世話になることに決めました。 アカカベでの仕事 アカカベのドラッグストア 私はエール学園を半年で出てアカカベに入社しました。当社は大阪府にドラッグストアと調剤薬局を計約90店展開しています。日本のドラッグストアは大型で、ベトナムの薬局と違って医薬品以外に化粧品や生活用品、飲食料品なども販売しています。私は当初は店での仕事が中心でしたが、入社半年後ぐらいから海外事業が中心になりました。入社直後の2019年10月、社長や前田さんと一緒にベトナムのダナンに出張し、現地企業と交流するイベントに参加しました。 その後、新型コロナの感染が始まり、2020年春に日本でマスクが極端に品薄になりました。当社はダナンで交流した会社と交渉し、同社からマスクを大量に購入しました。その際、私はマスクの仕様や契約内容などについて先方と交渉しました。
2021年09月27日
今回の先輩 グエン・ティ・リー さん 2016年 高校卒業〈ハイズオン省〉 2016年 送出機関登録〈ハノイ〉 2017年 訪日→研修→農業の技能実習開始〈福岡県〉 2020年 技能実習修了、新型コロナの特例で仕事を継続 2021年 転職について支援団体に相談(3月)〈東京都〉 2021年 食品加工会社に転職(5月)〈岡山県〉 〈1998年生まれ、ハイズオン省出身〉 リーさんの技能実習先の農家では失踪者が続出。リーさんは失踪せず3年半働いたが、転職できることを知って組合に相談した。ところが、組合は「あなたはここでしか働けない」とウソの説明。組合が信用できないため、リーさんたちが頼った先は……。 岡三食品 〈このページの内容〉 • 送出機関に支払った費用 • 農業の技能実習 • 失踪続発 • 自由な有給休暇なし • 日本での生活と実家への送金 • 組合のサポートが欠如 • NPOの施設で合宿生活 • 日本にも親切な人がたくさん 送出機関に支払った費用 ハノイの街並み 私の両親は米や野菜を作っていますが、自給自足分だけで現金収入はありません。また、弟はまだ大学1年生です。私は送出機関で働いている親せきから技能実習制度を紹介され、家計を助けるために日本で働くことにしました。台湾も選べましたが、桜を見たかったのと、日本の方が経済が発展していると思い、日本に行くことにしました。 高校を卒業して3カ月後の2016年9月、ハノイの送出機関に登録。その直後に受けた最初の面接に合格して実習先が決まり、それから約9カ月間、送出機関の日本語センターで勉強しました。送出機関には手数料と授業料で計6,500 USDを支払いました。それ以外に寮費や準備費も必要だったので、約200,000,000 VND(約97万円)を銀行などから借りました。 ※100円=20,678 VND(2021年9月9日現在) 【編集部からのアドバイス】 ・送出機関ごとに費用が違います。高い費用を払っても日本で高い給料をもらえるわけではありません。 ・ベトナム政府の規定で3年契約の場合の送出手数料は3,600ドル以下と決められています。 ・知人の紹介だけに頼らず自分でも送出機関を探しましょう。そうすれば、費用を数千ドル安くできる場合があります。 external link こんなに違う、送出機関への費用 / 徹底比較 農業の技能実習 毎月、給料をもらったら、仲間数人で何か食べに行きました。 私は2016年6月に来日し、翌月から福岡県の農家(会社)で技能実習を始めました。栗、みかん、柿、梨、すもも、キーウイなどの苗木を栽培して他の農家に販売する会社で、日本人は社長と奥さん、息子さん、従業員3人の計6人でした。勤務時間は8:00~17:00(休憩含む)で、畑で雑草を刈ったり、殺虫剤散布を手伝ったりしました。ビニルハウスも3棟あり、ハノイでの面接では社長から「温室で働く仕事」だと説明を受けていましたが、実際には、温室で働いたのは数えるほどで、ほとんど畑での作業でした 失踪続発 仲間でバーベキューを楽しむこともありましが、失踪が続いて人数が減っていきました。 この農場の技能実習生はすべて女性で、最初は先輩5人、同期3人(私を含む)でした。しかし、先輩のうち3人は後に失踪し、私の1年後に来日した後輩3人のうち1人も約1年で帰国しました。最初に失踪したカンボジア人の先輩は、社長にスコップで頭をたたかれて大きなこぶができ、しばらくして失踪しました。 別の先輩が畑で熱中症のような状態になり、社長に「午後は休ませてください」とお願いしたところ、社長は「それだったら、1カ月間休みなさい」と言いました。1カ月も休むと給料がありません。このようなことがあったので、先輩も私たちも体調が悪くても休めず、無理して働くしかありませんでした。その後、ベトナム人の先輩2人も失踪しました。 寮の窓からの眺め 社長は短気で、すぐに怒鳴りました。来日して間もないころ、私は畑で社長から「スコップを持ってきてください」と言われました。しかし、来日前に「シャベル」という日本語は習いましたが、「スコップ」という言葉は教わらなかったので、すぐには返事ができませんでした。すると、社長は大きな声で怒鳴り始めました。そして、仕事の途中だったのに、私は社長が運転する車で事務所に連れて帰られました。社長は車内でも怒鳴り続け、「しばらく仕事を休んで日本語を勉強しなさい!」と私に言いました。私はそれを聞いて泣きました。そして、約2週間仕事に行けず、寮で1人で日本語の勉強をしました。 自由な有給休暇なし 日本では、勤務開始から6カ月経つと、10日間の有給休暇を取る権利を得られます。その後、さらに1年経つごとに11日間、12日間の有給休暇を追加で得られます。有給休暇は自分の好きな日を申請し、会社は申請を認めるか代わりの日を提案しなければなりません。私たちは年末年始とお盆に連休をもらいましたが、自分の好きな日に休めることは教えられていませんでした。そして、会社は雨で畑仕事が出来ない日に私たちを休ませ、その日を有給休暇扱いにしていました。 私は技能実習の3年間を修了し、新型コロナの特例で引き続きこの会社で働いていましたが、転職できることを知って他社の面接を受けようとしました。しかし、会社が休ませてくれないので、面接を受けられません。そのときに技能実習制度に詳しいベトナム人に相談し、本当は好きな日に有給休暇を申請できることを知りました。 日本での生活と実家への送金 年に一度の社員旅行〈2020年〉 問題の多い会社でしたが、私たちを1年に1回、1泊2日で長崎や熊本に旅行に連れて行ってくれました。ただし、自分で遊びに行くには社長の奥さんの許可が必要で、新型コロナのこともあり、自由旅行は一度もできませんでした。仕事がハードなので、休日は疲れてよく眠ったこともあまり外出しなかった原因です。仕事と買い物以外は、寮で過ごすことがほとんどでした。 その分、お金を使わずに済んだので、私は3年間で約250万円(約517,000,000 VND)を実家に送ることができました。そのお金で私の来日時の借金も実家にもともとあった借金(家の建築費用)も完済することができました。今は弟の学費と家族の生活費のために送金しています。ただし、季節によって仕事量や収入が違いました。冬は残業がたくさんあって、手取り給料が約160,000円の月もありました。一方、6~8月は手取り給料が75,000円~80,000円しかありませんでした。 私の家計簿(1カ月の平均) ※100円=20,678 VND(2021年9月9日現在) 手取り給料(平均75,000~160,000円) 手取り給料 75,000~160,000円 ※税金、社会保険料、寮費を引いた後の手取り額 ※差引額のうち寮費15,000円、水道・光熱費5,000円、Wi-Fi 1,000円 支出(平均 25,000円) 食費 20,000円 ※自炊 雑費 5,000円 ※生活雑貨など 差額・貯金(50,000~130,000円) 組合のサポートが欠如 私たちは監理団体(組合)のサポートをほとんど受けられませんでした。組合の担当者(日本人)が私たちに会うのは技能試験の直前など年に1、2回だけで、通訳も連れてきません。そのときに「社長が厳し過ぎます」と訴えても取り合わず、「がんばってください」と言うのみでした。また、組合の通訳と実習生たちが連絡を取り合うLINEやメッセンジャーのグループもありませんでした。そこで、組合に連絡を取るには社長の奥さんに頼むしかありませんでした。 組合の代わりにサポートしてくれたNPOの吉水代表(右端)。左端が私。 来日して3年半経っても給料が上がらないので、私と同僚は2021年2月、社長や奥さんに「他社に転職したいです。組合と相談させてください」と告げました。社長は机をたたいて怒り、その日から私たちを無視するようになりました。私たちはFacebookで見た求人情報に連絡を取り、オンラインで一次面接を受けて合格しましたが、二次面接は対面なので、会社を休まなければなりません。私たちは奥さんに「転職の面接を受けたいので、明日、2時間だけ有給を取りたい」とお願いしましたが、「休みたいなら1週間前に言いなさい」と断られました。 このようなことが3回ぐらい続き、私たちは奥さんに何度も頼んで組合に来てもらい、2021年3月、社長、奥さん、組合担当者2人と転職について話し合いました。通訳も途中から電話で参加しました。私たちはその2日前からNPO法人「日越ともいき支援会」に相談し、転職する方法を理解していたので、組合担当者に転職手続きのサポートを依頼しました。しかし、担当者は「あなたたちのビザ(在留資格)では他社では働けない。そのNPOの人は悪い人で、あなたたちはだまされている」とウソをつきました。私たちは「組合がサポートしてくれないのなら、NPOに依頼します」と伝えました。 NPOの施設で合宿生活
2021年09月17日