困りごと解決 | 最新ニュース

東京で生活・通学・仕事をする外国人の強い味方「東京都多言語相談ナビ」/無料

東京都で生活や仕事、勉強をしているベトナム人の皆さん、仕事や生活で困ったことがあったとき、「信頼できる相手に相談したい」と思ったことはありませんか? そのようなとき、あなたはベトナム人が運営するSNSで情報を探すことが多いことでしょう。しかし、SNSの情報の中には重大な間違いが含まれることもよくあります。「確かな相手に相談したい」「法律的な知識についても専門家に相談したい」。そんなときは、「東京都多言語相談ナビ」を使ってみてはいかがでしょうか? この記事では、公的機関が提供する電話相談サービス(無料)や地域の日本語教室(低額)を探すためのサイトについて紹介します。 〈このページの内容〉 1....

2025年02月26日
  • 妊娠で解雇されそうになった外国人が会社に解雇を撤回させた方法とは?―ベトナム人2人の実例を紹介

    2023年12月17日
    日本では、外国人であっても、妊娠を理由に労働者を解雇することはできません。外国人も出産・育児のための休暇を取って雇用契約を続けることができます。技能実習生の場合も、出産・育児のために技能実習を一時的にストップし、休暇終了後に実習を再開することができます。この記事では、日本で妊娠を理由に解雇されそうになった2人のベトナム人(特定技能外国人、技能実習生)がどうやって日本で働き続けることができるようになったかを紹介します。 〈このページの内容〉 1.妊娠しても退職・帰国する必要はありません 2.出産で帰国する前にビザを更新しましょう 3.妊娠したために退職届けに署名させられた技能実習生はどうやって復職できたか? 4.妊娠を理由に解雇されかけた特定技能外国人のケース 5.困ったときはここに相談しよう! 6.妊娠・出産・育児に対する公的サポート 7.まとめ 1.妊娠しても退職・帰国する必要はありません 妊娠・出産を理由に解雇することは違法 日本の法律は、妊娠・出産を理由に従業員に解雇などの不利益な取り扱いをすることを禁じています。技能実習生や特定技能外国人もそれ以外の外国人労働者もこの法律で守られています。 このため、会社などが妊娠を理由に外国人労働者に退職や帰国を求めることは違法です。また、そのような内容の契約も違法です。 技能実習生は実習を一時的に中断できます 技能実習生が妊娠したときも、技能実習を続けることができます。 妊娠しても技能実習をやめる必要はありません。 妊娠を理由に帰国する必要はありません。送出機関との間でそのような約束をした場合でも、従う必要はありません。 技能実習生も妊娠しながら働き続けることができ、出産前後は休暇をとることができます。 出産前後の休暇中は技能実習を一時的にストップ(中断)し、休暇が終わってから再開することができます。中断期間は技能実習の期間にカウントされません。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 妊娠しても退職・帰国する必要はありません|KOKORO 2.出産で帰国する前にビザを更新しましょう 出産のために帰国し、出産後に日本に戻ろうとすると、再来日までに日本の在留期間が終わっていることがあります。その場合、ベトナムで日本の新しい在留資格を取るには多額の費用や複雑な手続きが必要です。そこで、ベトナムに帰国する前に入管で在留資格(ビザ)を更新し、出産後に再来日したときに在留期間が残っているようにすることができます。 出産でベトナムに一時帰国する前に入管で在留資格を更新してもらうには、申請書以外に下記のようなものを提出します。 雇用契約書(コピー) 母子健康手帳(コピー) 医師の診断書 理由書 帰国のための航空券(コピー) 「理由書」とは「出産のために帰国し、その後日本に戻って働きたいので、在留期限を日本に戻る少し後に設定してほしい」というお願いと理由を書いた手紙のことです。通常は、組合(監理団体)に書いてもらいます。 出産で一時帰国する前に在留資格を更新するための申請に対しては、入管の手続きは通常より速いとのことです。 3.妊娠したために退職届けに署名させられた技能実習生はどうやって復職できたか? 日越ともいき支援会の吉水代表(右)とジャンさん 妊娠を理由に退職届けに署名 ベトナム人支援団体「日越ともいき支援会」に2023年6月15日、メッセンジャー(SNS)で次のような相談(ベトナム語)が届きました。 「今の会社で約7カ月働いていますが、妊娠してしまいました(連休中に岐阜県で技能実習をしている夫に会いに行きました)。組合(監理団体)から、会社に軽作業の仕事はないと言われて、1週間ぐらい休ませられています。会社は私を寮にも住ませてくれなくなり、このままでは帰国させられそうです。私はどうしたらいいですか?」 福岡県の食品加工工場で働いている技能実習生、ジャンさん(20代)からのメッセージでした。 支援会の吉水代表は翌16日に東京から福岡にジャンさんに会いに行き、「一緒に外国人技能実習機構(OTIT)に行きましょう」と提案しました。しかし、ジャンさんはとても落ち込んでいたので、その日はOTITに行けず、吉水さんが帰ったあと、組合から「妊婦でもできる仕事がないので、退職して帰国しなさい」と言われ、退職届けに署名してしまいました。そして、岐阜県の夫のところに行きました。 相談を受けたOTITが会社と組合に指導 ジャンさん(左)と吉水さん=岐阜県で2023年 そこで、吉水さんがOTIT名古屋事務所に相談すると、OTITの担当者が岐阜にいるジャンさんと吉水さんに会いに来てくれました。妊娠を理由に解雇することは違法です。また、妊婦ができるような仕事を考えるのは会社の責任です。OTITはジャンさんと吉水さんの話を聞いて、監理団体と会社に法律に従うように指導してくれました。 また、ジャンさんは吉水さんのアドバイスで「ともいきユニオン」という労働組合に加入して組合員になり、労働組合がジャンさんの雇用について会社に団体交渉を申し入れました。「ともいきユニオン」は外国人向けの労働組合で、「連合ユニオン東京」という大きな労働組合とつながっています。 労働組合の団体交渉で会社は退職を取り消し 団体交渉は憲法で保障された権利なので、労働組合から団体交渉の要求があった場合、会社は応じなければなりません。ジャンさんは7月7日の団体交渉(オンライン)で「会社に戻りたい」と言いました。会社はOTITから指導を受けたことや、法律をよく知っている労働組合が交渉を行っていることから、ジャンさんの要求をすぐに受け入れ、ジャンさんは復職できることになりました。 技能実習を中断し、出産・育児のためにベトナムに帰国 その後、ジャンさんは日越ともいき支援会や組合に手伝ってもらって、入管に在留資格の更新を申請し、それまでの在留カード(有効期間:2023年8月まで)を新しい在留カード(2024年7月まで)に切り替えてもらいました。 ジャンさんの出産予定日は2024年2月ごろですが、体調が悪いこともあり、その約半年前にベトナムに帰りました。ベトナムで出産し、新しい在留カードの有効期間が終わる前に日本に戻って技能実習を再開する予定です。 4.妊娠を理由に解雇されかけた特定技能外国人のケース 妊娠したと報告したら、実質的に解雇通告 特定技能外国人として愛知県のトマト農家で働いていた30代のベトナム人女性、ガーさんが妊娠しました。 ガーさんは、もとは縫製の技能実習生で、3年間の技能実習を修了後、新型コロナの影響で帰国が難しかったので特例措置で日本に残って縫製の仕事を続けていました。その間に特定技能・農業の技能試験に合格して派遣会社に転職し、2022年9月からこの農家に派遣されていました。妊娠が分かったのはその翌月でした。 ガーさんは12月、妊娠したことを派遣会社に相談しました。すると、会社から「あなたは病気だから働けません。来月から2カ月間、通常の月給の60%を払うので、3カ月目からは失業保険で生活してください」と言われました。 「解雇」という言葉は使っていませんが、雇用契約が終わった人に支給される失業保険を受けるように言っていますので、実質的には解雇通告に当たる可能性があります。 労働組合が会社に団体交渉を申し入れ オンラインで行われた団体交渉 ガーさんは翌月、「日越ともいき支援会」にメッセンジャーで相談(ベトナム語)しました。すると、支援会の吉水代表ら2人が愛知県までガーさんに会いに来て状況を聞いてくれました。 そして、ガーさんは労働組合「ともいきユニオン」に加入して組合員になり、労働組合が派遣会社に団体交渉を申し入れました。 休暇をとって働き続けられることを会社が約束 団体交渉はオンラインで行われ、ガーさんや通訳以外に吉水代表と「連合ユニオン東京」の担当者が出席しました。 労働組合は会社にガーさんの雇用を継続してもらうことや産前産後休暇の取得などを求めました。すると、派遣会社の役員は「解雇通告をしたというのは誤解だ。担当者が自分の考えで発言したが、会社の方針ではない」と説明し、要求を受け入れました。 こうしてガーさんは働き続けることができるようになりました。労働組合はこれ以外に、下記のようなことも要求し、会社に聞き入れてもらいました。 産前産後休暇を取りたい。その間の給料も支払ってほしい。 出産のためにベトナムに帰国する前に在留資格(ビザ)の更新を手伝ってほしい。 出産育児一時金の手続きをしてほしい。 育児休業の申請もしてほしい。 妊婦健診の受診をサポートしてほしい。 出産で帰国する前に在留資格を更新 ガーさんの出産予定日は2023年6月で、在留期間は2023年7月まででした。このままでは、出産のために帰国し休暇を終えて再来日するときには、在留期間が終わっています。 そこで、ガーさんは会社に協力してもらって、帰国前に入管に在留資格の更新を申請しました。すると、約1週間で新しい在留カードが発給され、在留期間は2024年7月になりました。 ベトナムに帰国して出産後、日本に戻って復職 ガーさんはその後もトマト農家で働き、2023年4月にベトナムに帰って6月に出産しました。産前産後休業と育児休業を取得した後、2024年7月に日本に戻り、同じ派遣会社で仕事を再開する予定です。 5.困ったときはここに相談しよう! 日越ともいき支援会の吉水代表(左) 妊娠を理由に退職や帰国を強制されたときは、労働基準監督署に相談してください。また、技能実習生の場合は外国人技能実習機構(OTIT)に相談してください。ベトナム語でメッセージを送ることもできます。 技能実習を一時的にストップしてその後に再開することや、出産のために帰国し、その後また来日することについて、監理団体がサポートしてくれない場合も、OTITに相談してください。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] OTITの母国語相談窓口 1人で労基署やOTITに相談してもうまくいかないときは、実績のある民間の支援団体にサポートしてもらいましょう。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 日越ともいき支援会|KOKORO [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ベトナム人向け相談窓口|KOKORO 6.妊娠・出産・育児に対する公的サポート 日本で妊娠・出産・育児をする場合、外国人もさまざまな公的サポートを受けられます。これらについて知っておき、必要な場合は、会社に手続きを依頼しましょう。 妊婦へのサポート 母子健康手帳(母子手帳) 妊婦健康診査 出産・育児に対するサポート 出産育児一時金(50万円) 出産手当金 育児休業給付金 健康保険、厚生年金、国民年金の保険料免除 乳幼児医療費助成 育児手当 児童扶養手当 このような助成・手当を受給できる条件や金額については、下記の記事を読んでください。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 出産・育児への助成・手当・支援制度(総まとめ)|KOKORO 7.まとめ この記事では、妊娠を理由に解雇されそうになった特定技能外国人や技能実習生がどうやって働き続けることができるようになったかを紹介しました。 日本では、外国人であっても、妊娠を理由に労働者を解雇することはできません。これは技能実習生や特定技能外国人にも当てはまります。実習生の場合は、技能実習を一時的にストップ(中断)して出産・育児のための休暇を取得し、休暇終了後に実習を再開することができます。 日本で働いているときに妊娠し、会社などから退職や帰国を迫られても、応じる必要はありません。労基署やOTIT、民間の支援団体などに相談してサポートしてもらいましょう。
  • 外国人が妊娠しても退職・帰国する必要はありません!―技能実習も一時的にストップして休暇後に再開できます

    2023年12月13日
    出入国在留管理庁の調査によると、「出産のための休暇をとりながら技能実習を続けられること」や「技能実習生が妊娠した場合、母国に帰国して出産し、その後また来日して実習を再開できること」、「出産したら健康保険からお金がもらえること」を知っている技能実習生は40%未満でした。この記事では、技能実習生や特定技能外国人を含む外国人労働者が妊娠・出産するときのサポート制度や、妊娠を理由に解雇されそうになったときにどうしたらよいかを紹介します。 〈このページの内容〉 1.妊娠を理由に退職や帰国を強制することはできません 2.妊娠・出産についての外国人向け相談窓口 3.妊婦への公的なサポート 4.出産・育児のための休暇 5.出産・育児に関する手当・助成 6.技能実習は一時的にストップして出産後に再開できます 7.まとめ 1.妊娠を理由に退職や帰国を強制することはできません 妊娠・出産を理由に解雇することは違法 日本には「男女雇用機会均等法」という法律があり、妊娠・出産を理由に従業員に不利益な取り扱い(解雇など)をすることを禁じています。技能実習生や特定技能外国人、それ以外の外国人労働者もこの法律で守られています。 このため、妊娠したことを理由に、会社が外国人労働者に退職や帰国を求めることは違法です。また、そのような内容の契約も違法です。例えば、技能実習生が来日前に送出機関との間で「妊娠したら解雇する」という内容の契約や約束をしたとしても、その契約は日本では無効です。 技能実習生が妊娠・出産したとき 技能実習生が妊娠・出産した場合も、休暇を取って実習を続けることができます。 ・妊娠しても技能実習をやめる必要はありません。妊娠・出産を理由に不利益な取り扱い(解雇など)をすることは日本の法律で禁止されています。 ・妊娠を理由に帰国する必要はありません。送出機関との間でそのような約束をした場合でも、従う必要はありません。 ・技能実習生も妊娠しながら働き続けることができ、出産前後は、法律で決められた休暇をとることができます。 ・出産前後の休暇中は技能実習を一時的にストップ(中断)し、休暇後に再開することができます。中断期間は技能実習の期間にカウントされません。 ・妊娠した場合、組合や会社に報告し、今後の技能実習のスケジュールや内容について相談してください。組合や会社が適切に対応しない場合は、外国人技能実習機構(OTIT)に必ず相談してください。 産前産後の技能実習生の仕事 技能実習生が妊娠した場合、会社などは次のように対応しなければなりません。 ・会社などは、妊娠中や出産後の技能実習生に、重いものを運ぶ仕事をさせたり、有害ガスが発散する場所で働かせたりしてはいけません。 ・会社などは、妊娠中や出産後の技能実習生から求められた場合、時間外労働や休日労働、深夜労働をさせることはできません。 ・会社などは、妊娠・出産した技能実習生が病院などで受診するために必要な時間を与えなければなりません。 ※会社や組合がこのような決まりに大きく違反した場合、その会社は技能実習生を5年間雇うことができなくなり、組合は技能実習に関する仕事を5年間できなくなります。 2.妊娠・出産についての外国人向け相談窓口 予期せず妊娠し、仕事や日本滞在を続けられるかどうか心配なときは、行政機関や民間の支援団体などに相談してサポートを受けてください。 ・妊娠、出産、育児に関するさまざまな手続きや助成などについて、各地の国際交流協会などで相談に乗ってもらえます。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 各都道府県の相談窓口 ・技能実習を一時的にストップ(中断)し、休暇が終わってから再開すること▽出産のために母国に帰り、出産後にまた来日すること――などについて、組合がサポートしてくれない場合は、外国人技能実習機構(OTIT)に相談してください。 ・技能実習を一時的にストップするときには、技能実習計画の変更や在留資格の更新(在留カードの切り替え)をします。通常、組合がその手続きをします。組合がサポートしてくれない場合はOTITに相談してください。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] OTITの母国語相談窓口 ・1人で労基署やOTITなどに相談してもうまくいかない場合は、実績のある民間の支援団体に相談しましょう。下記の記事を参考にしてください。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] ベトナム人向け相談窓口|KOKORO 3.妊婦への公的なサポート 母子手帳 外国人を含めて日本で住んでいる人が妊娠した場合、行政から次のようなサポートが受けられます。 母子健康手帳(母子手帳) 妊娠が分かったら、住んでいる地域の市区町村役場などで母子手帳(ぼし・てちょう)を受け取ります。母子手帳をもらうと、さまざまなサポートについて説明や連絡を受けることができます。 妊婦健康診査 妊娠したら、病院やクリニックで定期的に「妊婦健康診査(妊婦健診)」を受けましょう。妊婦健診には医療保険を使えません。しかし、母子手帳と同時にもらえる「受診票」を使うと、妊婦健診の費用の一部をサポートしてもらえます。 4.出産・育児のための休暇 外国人労働者を含めて日本で働いている人が出産する場合の休暇について紹介します。技能実習生もこうした休暇を取りながら技能実習を続けられます。 産前産後休業(産休) ・日本には「産前産後休業(産休)」という制度があり、外国人労働者もこの制度を使えます。これは労働基準法で定められています。 ・出産前の休暇:出産予定日まで最長6週間(双子以上は14週間)休めますので、会社に申請してください。実際の出産が出産予定日より後になった場合は、休業もその分延長されます。 ・出産後の休暇:法律によって産後8週間は働けません。ただし、産後6週間を過ぎ、本人が働くことを望む場合、医師からOKが出た内容の仕事をすることはできます。 育児休業 ・産前産後休業が終わってから、子どもの1歳の誕生日の前日まで「育児休業」を取ることができます。ただし、「子どもが1歳6か月になる日にも労働契約が続いている可能性のある人」が対象なので、技能実習生の場合は、残りの実習期間に注意してください。 ・保育所に入所できないなどの事情がある場合は、最長で子どもの2歳の誕生日の前日まで休めます。 5.出産・育児に関する手当・助成 出産育児一時金 健康保険や国民健康保険の加入者が出産したときは、「出産育児一時金」をもらえます。技能実習生や特定技能外国人も健康保険に加入しているので、この一時金を受け取れます。 ・出産育児一時金の額:新生児1人につき500,000円(例外で488,000円の場合もあり)。双子などの場合は人数分。 ・母国に帰って産んだ場合も、日本の出産育児一時金を受け取れます。ただし、休暇中も健康保険をかけ続けることが必要です。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 出産育児一時金の支払方法など|厚生労働省 ※母国と日本を往復する飛行機代は自己負担です。 ※日本で出産すると、病院に支払う費用などで出産育児一時金をほとんど使ってしまいますが、母国で産むと安くすむ場合があります。 出産手当金 健康保険に加入している人が出産のために仕事を休み、その間に給料をもらえなかった場合などは、勤務先の健康保険組合などから出産手当金が支給されます。 育児休業給付金 1歳未満の子どもを育てるために育児休業を取る場合、雇用保険から「育児休業給付金」が支給されます。会社などがハローワークに申請します。 ※各手当・助成の支給額や支給期間、申請方法などについては、下記の記事を読んでください。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 出産・育児への助成・手当・支援制度|KOKORO 健康保険や年金保険の保険料免除 ・会社員や技能実習生、特定技能外国人などが加入する「健康保険」と「厚生年金」については、産前産後休業と育児休業の期間中は、保険料を払わなくてもかまいません。会社に手続きをしてもらいましょう。 ・留学生などが加入する「国民年金」については、出産前後の4カ月間(双子以上の場合は6カ月間)の保険料が免除されます。市区町村役場で手続きをします。 6.技能実習は一時的にストップして出産後に再開できます 技能実習生が妊娠した場合、休暇を取って実習を一時的にストップ(中断)し、出産後に再開することができます。 技能実習の中断と再開 産前産後休業や育児休業の期間中は技能実習を一時的にストップ(中断)し、休暇が終わってから実習を再開することができます。その手続きは会社や組合が行います。 例えば、技能実習の期間が15カ月間残っている時点から産前産後休業や育児休業を使った場合、休暇が終わって職場に復帰した日から15カ月間、技能実習を続けることができます。 帰国前に入管で在留期間を更新しましょう 出産のために帰国し、出産後に再来日しようとする場合、再来日するまでに日本の在留期間が終わっていることがあります。その場合、ベトナムで日本の新しい在留資格を取るには、多額の費用や複雑な手続きが必要です。 そこで、ベトナムに帰国する前に入管で在留資格(ビザ)を更新し、出産後に再来日したときに在留期間が残っているようにするとよいです。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 出産で帰国する前にビザを更新したベトナム人の実例|KOKORO 7.まとめ この記事では、日本で働いているときに妊娠した場合の決まりについて紹介しました。妊娠・出産を理由に解雇などの不利益な扱いをすることは日本の法律で禁止されています。 妊娠を理由に退職や帰国を迫ることは違法です。 妊娠を理由に解雇や帰国を通告されたときは、労基署やOTITに相談してください。本当はいやなのに、退職届けなどに無理に署名させられた場合も違法です。 技能実習生は出産・育児のための休暇を取って技能実習を一時的にストップ(中断)し、休暇が終わってから再開することができます。出産・育児のための休暇は技能実習の期間にカウントされません。 子どもが生まれたら50万円の一時金をもらえます。
  • 「簡単にお金がもうかる仕事」で逮捕された5つの実例

    2023年12月02日
    外国人が日本で暮らしていると、SNSや知人を通じてさまざまな「小遣いかせぎ」の誘いがあります。たとえば、「銀行のキャシュカードや通帳を高価で買います。帰国する人は売ってください」「ATMから現金を引き出してくれたら〇万円」「携帯電話を高価で買い取ります」「荷物を運ぶだけで〇万円」といった誘いです。一見、「簡単にお金がもらえる仕事」のように思えますが、実はとても危険です。こうした誘いに応じてしまうと、そのこと自体が犯罪になったり、大きな犯罪に協力したりすることになります。誘いに応じて実際に逮捕された人たちのケースを紹介します。 <このページの内容> 1.自分の口座を他人に使わせたとして逮捕 2.他人の口座から現金を引き出したとして逮捕 3.他人が契約した携帯電話を買ったとして逮捕 4.現金を受け取って運んだために逮捕 5.「荷物を運ぶだけで2万円」のアルバイトで逮捕 6.まとめ 1.自分の口座を他人に使わせたとして逮捕 ※イメージ写真 埼玉県警は2023年、「生活費の入出金に使う」と説明して銀行口座を開設したのに、実際は他人に使わせていたとして、新潟市に住むベトナム人留学生(22)を詐欺の疑いで逮捕しました。銀行をだましたので詐欺になります。 警察によると、留学生は、新潟市内の銀行で口座を開設後、インターネットバンキングのパスワードなどを他人に教え、相手がこの口座を自由に使えるようにしました。この口座には、その後約13カ月間に、複数のベトナム人の口座(日本、ベトナム)から400回に渡って計約6億5,000万円が振り込まれました。 この口座に振り込まれたお金は、さまざまな詐欺の被害者からだまし取ったお金などとみられ、他の口座に送金されて現金が引き出されるなどされていました。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] キャッシュカードや通帳の売買は犯罪です!|KOKORO 2.他人の口座から現金を引き出したとして逮捕 警視庁(東京の警察)は2023年、他人のキャッシュカードを使ってATMで現金を引き出したとして、無職の中国人男性(33)を窃盗の疑いで逮捕した、と発表しました。男性は184枚の他人のキャッシュカードを使い、5000万円以上を引き出していた可能性があるそうです。 男性は東京都内のコンビニ9店のATMで、ベトナム人のキャッシュカードを使って計776,000円を引き出したとして逮捕されました。他人のキャッシュカードでお金を引き出すと窃盗になります。 この口座には、詐欺グループが運営する偽(にせ)の通販サイトで商品を購入しようとした多数の被害者が代金を振り込んでいました。そのサイトでは、衣料品や腕時計などが格安で紹介されていますが、代金を振り込んでも商品を送らない詐欺サイトでした。詐欺グループはこうしたサイトをいくつか運営し、全国の約5,000人から計1億円以上をだまし取ったと見られています。 キャッシュカードや通帳を売った人も犯罪収益移転防止法違反という犯罪になります。 3.他人が契約した携帯電話を買ったとして逮捕 埼玉県警は2023年、他人が契約した携帯電話などを買い取ったとして、同県に住むベトナム人男性(26)を携帯電話不正利用防止法違反の疑いで逮捕しました。60代の外国人女性が契約した携帯電話4台とSIMカード4枚をその女性から買ったという容疑です。 男の共犯者がSNSで携帯電話を売る人を募集し、女性が応募しました。女性はその後、男性から指示されて携帯電話ショップで通信契約をして携帯電話を購入し、男性に売ったそうです。 SIM付きの携帯電話を買うことも売ることも犯罪になります。 4.現金を受け取って運んだために逮捕 2023年、埼玉県のおばあさんの家に、彼女の息子を名乗る男から「今日中に取引先に送金しなければならないが、会社のお金を入れたかばんをなくした。助けてほしい」と電話がありました。そして、家の近くに息子の部下という男がやって来たので、おばあさんは現金130万円を渡しました。 しかし、翌日、「まだお金が足りない。もう一度、部下がお金を取りに行く」と電話がありました。おばあさんは「あやしい」と思い、自分から息子に電話をかけてみました。すると、昨日からの電話は息子ではなかったことが分かりました。 おばあさんは警察に通報し、警察は「部下の男」がお金を受け取りに来るのを隠れて待ちました。そこにベトナム人男性(28)が現れ、逮捕されました。 男性は失踪した元技能実習生です。失踪後は短期のアルバイトしか見つからず、お金に困っていました。そんなとき、「仕事を探している人いますか」というSNS投稿を目にし、投稿者に連絡すると、日本人の指示役を紹介されました。指示役から与えられた仕事は、お年寄りから現金を受け取って公園まで運び、日本人に渡す役割でした。ベトナム人男性はその役割を約2カ月間で4、5回繰り返したところで、逮捕されました。最後の「仕事」では3万円をもらうことになっていたそうです。 男性は詐欺未遂の罪で起訴され、裁判所で懲役3年・執行猶予4年の判決を受けました。 このような詐欺を「特殊詐欺」と呼びますが、特殊詐欺に関係したとして2022年に警察に捕まった外国人は過去最多の145人でした。そのうち約58%が現金などを受け取る役割(受け子)で、約20%がATMで現金を引き出す役割(出し子)でした。 5.「荷物を運ぶだけで2万円」のアルバイトで逮捕 元技能実習生のベトナム人男性(25)が大阪市内で2022年、他人から頼まれて荷物を運んでいると、警察官に囲まれ、麻薬特例法違反で逮捕されました。荷物のもともとの中身は合成麻薬のMDMAでした。 男性は1カ月前に繁華街で知り合ったベトナム人らしい男から「私の部屋にお菓子が届くことになっているが、家賃や光熱費を滞納しているので、家主に会いたくない。代わりに荷物を受け取って持ってきてほしい」と頼まれました。 男性は技能実習から失踪した後は安定した仕事に就けず、お金に困っていたので、謝礼2万円でこの「仕事」を引き受けました。指示されたマンションの部屋に行って配達員から荷物を受け取り、箱を開けると、コーヒー豆やチョコレートの箱などが入っていました。それを見て安心し、荷物をキャリーバッグに詰め替えてマンションを出たところ、逮捕されました。 この荷物はドイツから空輸され、税関の検査でコーヒー豆の袋からMDMA985錠(末端価格約493万円)が見つかっていました。警察は中身を別の物にすり替えて、荷物がどこに運ばれるか捜査をしていたのです。 男性は裁判で懲役1年6月・執行猶予3年の有罪判決を言い渡されました。 6.まとめ 「小遣い稼ぎ」のつもりでキャッシュカードや携帯電話を他人に売ったり、荷物運びを手伝ったりすると、それ自体が犯罪になってしまいます。また、大きな犯罪に協力していることにもなります。 「簡単な仕事でお金がもらえる」と軽く考え、誘いに応じてしまうと、犯罪者として警察に捕まったり、場合によっては、母国に強制送還されたりします。楽な仕事でたくさんの謝礼がもらえる「うまい話」や「あやしい話」にはくれぐれも注意してください! ① 口座売買 ・キャッシュカードや通帳を他人に売ると、犯罪(犯罪収益移転防止法違反)です。その口座は詐欺などの被害者にお金を振り込ませる口座に使われます。 ・最初から他人に使わせる目的で自分の口座を開設した場合も犯罪(詐欺)です。 ② 自分の口座で現金を引き出す 自分の銀行口座に振り込まれたお金を引き出して、別の口座に入金するかだれかに渡すと、犯罪(犯罪収益移転防止法違反)です。そのお金は詐欺や不正送金に関係するお金です。 ③ 他人の口座から現金を引き出す 他人のキャッシュカードでATMからお金を引き出すことは犯罪(窃盗)です。 ④ 携帯電話売買 携帯電話を他人に売ると犯罪(携帯電話不正利用防止法違反)になります。その電話は詐欺などの犯罪に利用されます。 ⑤ 知らない人からお金を受け取る だれかに頼まれて他人からお金を受け取ることで犯罪(詐欺など)に協力することになります。 ⑥ 荷物の受け取り・転送・搬送 荷物を受け取ってどこかに運んだり転送したりすることも犯罪(詐欺、覚せい剤取締法違反など)になるリスクが高いです。

留学生・技能実習生・エンジニアをサポートするサイト

【在ベトナム日本国大使館後援】

  • 名古屋の駆け込み寺「徳林寺」

         名古屋市の徳林寺を6月初めに訪れました。寺には十数室の宿坊(宿泊施設)があり、新型コロナウイルスの影響で生活に行き詰まったベトナム人四十数人とスリランカ人2人が身を寄せていました。      そのうちの1人ハインさん(25)=仮名=は2018年、技能実習生として沖縄の建築現場で働き始めました。しかし、仕事でミスをすると、上司に資材の鉄筋でヘルメットの上からたたかれました。ある日、鉄筋ですねをたたかれて激しく痛み、実習生の面倒をみる監理団体(受入組合)に相談しました。しかし、組合の責任者が通訳なしで訪れてほとんど調査せず、通院と休暇1日を手配しただけで終わりました。 鉄筋で頭をたたくいじめはその後も毎日続き、ハインさんは約2カ月後に姿を消します。実習生が職場を離れると不法滞在ですが、彼らに仕事を紹介する違法業者がいます。ハインさんもこうした業者を頼って全国を転々とし、アルバイトで1年半近く過ごしましたが、新型コロナで仕事がなくなり、名古屋入管に出頭しました。入管の許可を得て、出国まで徳林寺にお世話になる予定です。 ハインさん(左)      徳林寺の滞在者を管理するのは在東海ベトナム人協会副会長のユン・テイ・トゥイ・ユンさん(41)。2001年から日本に住み、地域のベトナム人の相談役です。ユンさんは生活に困った実習生や留学生の支援について高岡秀暢(しゅう・ちょう)住職(76)に相談し、4月から徳林寺でベトナム人の保護を始めました。 宿坊 宿坊の部屋      滞在者らは北海道や神奈川、大阪、鹿児島などで技能実習や留学をしていましたが、仕事がなくなり、Facebookで知ったユンさんに連絡してきました。滞在中の四十数人のうち70~80%は元技能実習生で、その大半がハインさんと同じく不法滞在者だったそうです。ほかに出国できない元留学生や元エンジニアもいます。      徳林寺は約30年前から困窮者や難民などの保護を続け、2011年の東日本大震災でも被災者を受け入れました。高岡住職は「不法滞在者が入管に出頭しても働くことはできず、だれかが生活の面倒をみなければならないので、うちで引き受けた。ただ、新型コロナの影響でいつ出国できるか見通しが立たないので、食料や資金の支援が引き続き必要です」と話しています。寺は住居と食料を提供し、協会がそれ以外の世話をするという役割分担で、料理・掃除・洗濯などは滞在者が自分たちで行っています。      保護を求める人の増加に備え、宿坊の増設を進めるベトナム人滞在者ら(2020年6月) 【徳林寺】 ◇ 住所:〒468-0037 名古屋市天白区野並相生 ◇ 生活や労働関係の相談=在東海ベトナム人協会・ユン副会長(080-3610-6997) ◇ 寄付(食料、お金)の連絡=高岡住職(052-896-1606)

    2020年06月12日

  • 技能実習生のベトナム帰国体験記

    新型コロナの影響でベトナムに帰国できない技能実習生や留学生が日本にたくさんいますが、帰国の流れが徐々に加速し、名古屋市の技能実習生ゴックさん(21)も11月9日にベトジェットのチャーター便で帰国できました。 技能実習生時代のゴックさん=右〈2019年〉 鹿児島からチャーター便で帰国 ゴックさんは名古屋市内の工場で技能実習をしていました。今年7月に実習が終わりましたが、新型コロナの影響ですぐには帰れず、工場に残って後輩の指導などをしていました。ゴックさんはベトナム大使館のHPで鹿児島からベトナムに帰国するチャーター便の募集を発見して申し込み、11月6日に大使館から「搭乗OK」の連絡をもらいました。そして、11月9日に鹿児島からベトナム北東部ヴァンドンに飛んでその日の夜に帰国し、現在は、海の見えるホテルで隔離生活を送っています。 ヴァンドン空港に到着したチャーター便〈2020年11月9日〉 帰国と隔離の費用 かかった費用(税込み)は下記の通りでした。飛行機代はすべて会社が支払い、ゴックさんは出発までにすべての費用を航空会社やホテルに振り込みました。 1名古屋→鹿児島の飛行機代=16,240円 2鹿児島→ヴァンドンの飛行機代=12,900,000 VND(約58,800円) 3ハロンでのホテル滞在費(2週間)=18,700,000 VND(約85,300円) 1名古屋→鹿児島の飛行機代=16,240円 2鹿児島→ヴァンドンの飛行機代=12,900,000 VND(約58,800円) 3ハロンでのホテル滞在費(2週間)=18,700,000 VND(約85,300円) ゴックさんのベトジェットの予約票(携帯電話の画面) 帰国に必要な書類 帰国するにあたり、実習先の会社と監理団体(組合)に「技能実習修了証明書」や「厚生年金基金加入員証」など必要書類を用意してもらいました。会社はゴックさんにもう少し日本にいてほしかったようですが、ゴックさんは外国人技能実習機構(OTIT)に依頼して会社を指導してもらい、会社は出発までに書類をそろえてくれました。技能実習制度の決まりで、訪日と帰国の際の飛行機代は受入会社が全額負担しなければならないので、OTITの指導で飛行機代も会社から払ってもらうことができました。 ゴックさんの必要書類 名古屋から鹿児島、鹿児島からベトナムへ 11月9日午前4時、監理団体の担当者が会社の寮にゴックさんを迎えに来て車で中部国際空港(セントレア)まで送ってくれました。セントレアを午前6時半に出て鹿児島空港に午前8時に到着。午前11時のチェックイン開始を空港で待っていると、名古屋の近くの工場で働いていた別の会社の技能実習生と会いました。彼とは地域の実習生仲間の宴会でよく一緒になりましたが、連絡を取り合っていなかったので、お互いとてもびっくりしました。 午前11時にチェックインが始まり、出国審査を終えて搭乗口に行くと、防護服を配られてみんなで着ました。一緒に飛行機に乗った人たちの中には技能実習生がたくさんいました。 近所の工場で働いていた実習生と鹿児島空港で再会〈11月9日〉 3年ぶりのベトナム! 飛行機はその日の夜にヴァンドン国際空港に着き、防護服を着たまま入国審査を経てバスに乗り込み、約1時間かけてハロン市内のホテルに移動しました。ホテルの部屋は立派で、年上の女性と2人です。この女性は孫に会うために今年3月に6カ月間の在留資格で訪日し、コロナの影響で帰国できなくなっていたそうです。 帰国した翌朝のホテルの朝食〈11月10日〉 到着した翌朝の朝食はフォーでした。部屋から廊下にも出られず、食事は自分の部屋でとります。部屋から外に出られないので不便ですが、窓から海と街並みが見えて景色を楽しめます。ハイズオン省に住むご家族がゴックさんをホテルに迎えるに来るのは11月23日夜。3年4カ月ぶりの家族との再会をゴックさんは指折り数えて待っています。 ホテルの部屋からの眺め〈ハロン市で11月10日〉 困ったときは、まずOTITに相談 ところで、ゴックさんが帰国準備を始めたとき、実習先の会社は飛行機代や必要書類をすぐには用意してくれませんでした。そこで、大使館からチャーター便に乗れるという連絡をもらった11月6日、ゴックさんは会社を休んでOTIT名古屋事務所に行きました。その際、名古屋市の支援団体「外国人実習生支援」などに相談して簡単な手紙を書き、持っていきました。手紙には、自分の名前や在留カードの番号とその日の日付に加え、「私は名古屋市の技能実習生で、7月に実習が終わったが、新型コロナの影響で日本に残っている」「飛行機の予約が取れたが、会社が飛行機代をすぐに支払ってくれない」などと書きました。その手紙をOTITで渡すと、担当係長ら2人が出てきてゴックさんの話をじっくり聞いてくれました。 外国人実習生支援(Facebook) OTIT相談ページ 2人はゴックさんの話を聞き終わると、会社や監理団体に連絡して対応を急ぐようにうながし、ゴックさんが会社に帰ると、その日のうちに必要書類が用意され、飛行機代も支払ってもらえました。 隔離先のホテルにて〈ハロン市で11月10日〉 ゴックさんからのメッセージ ゴックさんのメッセージをベトナム人読者の皆様に紹介します。 ベトナム人技能実習生の皆様へ 日本に来て、いい会社やいい人たちに出会えればラッキーです。しかし、だれもが幸運な実習生活を送れるわけではありません。だから、困ったときやつらいときは、あなたを支えてくれる人たちに相談してみてください。黙ってがまんを続けたり、耐えきれなくなって職場から逃げ出したりすることは絶対にしないでください。そうではなく、身近な相談相手や支援団体、OTITなどに粘り強く相談してください。 ベトナム人技能実習生の皆様へ 日本に来て、いい会社やいい人たちに出会えればラッキーです。しかし、だれもが幸運な実習生活を送れるわけではありません。だから、困ったときやつらいときは、あなたを支えてくれる人たちに相談してみてください。黙ってがまんを続けたり、耐えきれなくなって職場から逃げ出したりすることは絶対にしないでください。そうではなく、身近な相談相手や支援団体、OTITなどに粘り強く相談してください。 ゴックさんの日本語 ゴックさんがOTITに渡した手紙は日本語。担当官への説明もすべて日本語で行いました。OTITには通訳もいますが、いつも対応できるわけではありません。また、通訳をはさんで状況を正確に理解してもらうにはとても時間がかかります。ゴックさんの日本語力がOTITの迅速な対応につながりました。 ゴックさんは2017年7月に訪日し、間もなくNPO法人「Lotus Works」に登録して週2回、Skypeで日本語の授業を受けました。ノートに毎週20ページ以上の日本語を書き込んで練習し、Lotus Worksの先生に提出したゴックさん。2019年12月に日本語能力試験(JLPT)N2に合格し、KOKOROの体験談取材にも上手な日本語で対応しました。有名国立大学に合格しながら、家庭の事情で進学せず日本に来たゴックさん。日本での経験や日本語力を活かし、ベトナムで素晴らしい将来を切り開いてほしいと、筆者は願っています。 Lotus Works(2カ国語) ゴックさんの体験談「国立大に合格後、日本で技能実習」(2カ国語) ゴックさんの日本語学習ノート

    2020年11月19日

  • 包丁持ち歩きで逮捕!?

    在日ベトナム人も飲食品や食器などを持ち寄って友人宅や野外でよく宴会をします。しかし、その際に料理を手伝おうと思って包丁を持って行くと、場合によっては警察につかまってしまいます。包丁やナイフなどの持ち歩きに関する注意点をお伝えします。 包丁所持で交番に同行① 私は以前、留学生として全国チェーンの居酒屋でアルバイトをしていました。店は東京・渋谷にありましたが、うちの店が忙しいときは、近くのグループ店のスタッフがうちの店にサポート(手伝い)に来ましたし、近くの店が忙しいときには、逆にうちからだれかがサポートに行きました。 ある日の午後8時ごろ、同僚のベトナム人留学生が店長から「包丁を持って隣の店にサポートに行ってください」と指示されました。包丁は厨房の仕事で使います。包丁を持って他店のサポートに行くことは当時よくあることで、彼は包丁1本を新聞紙で包み、そのまま手に持って出かけました。 渋谷の繁華街 すると、彼が数百メートル離れた他店に歩いて向かう途中、警察官2人に呼び止められ、職務質問されました。日本では警察官が不審に思った人を呼び止めるのはよくあることです。何をしているのか聞かれ、場合によっては所持品も調べられます。彼は新聞紙で包んだ包丁を持っていたことがもとで近くの交番に連れていかれてしまいました。 彼は警察官に事情を説明しましたが、日本に来てまだ2年目で日本語力が足りず、意味があまり伝わりません。やがて、警察からうちの店に「おたくのスタッフが包丁を持って繁華街を歩いていたため、交番で一時的に保護している」と電話がかかってきました。 店長が交番に出向いて事情を説明し、やっと納得してもらえましたが、店長も同僚も「すぐに使える状態で包丁を持ち歩くのは危険だ」と警察から注意されたそうです。彼が警察から解放されたのは、店を出てから約2時間後のことでした。 包丁所持で交番に同行:ケース② 上野公園の夜桜 私は東京に長く住んでおり、ベトナム人仲間で宴会をしたり、桜や紅葉を見に行ったりすることがよくあります。その際、食べ物や飲み物、果物、食器など、飲食品や備品の準備を分担します。2017年春に東京の上野公園に二十数人で花見に出かけたときもそうでした。 このとき、果物の皮をむくための包丁や肉を切るはさみを持ってくる担当になった留学生がいました。彼は包丁と大きなはさみをカバンに入れて電車に乗り、上野駅で降りましたが、駅の近くで警察官たちから職務質問を受け、カバンに包丁が入っていたため、やはり交番に連れて行かれました。 彼も日本語があまり話せなかったため、包丁を持っていた理由をきちんと説明できませんでした。また、彼は普段は携帯電話をWi-FiにつないでSNSで仲間と連絡を取っており、携帯にSIMが入っていなかったので、Wi-Fiのない警察から私たちに連絡することもできませんでした。 警察は結局、彼の留学先の日本語学校に電話し、学校の担当者と通訳が警察に説明に来てやっと理解してもらえました。彼が職務質問されてから解放されるまで4時間半ぐらいかかりました。 刃物に関する日本の法律 日本には銃や刃物の携帯を規制する法律があります。包丁やナイフ、はさみなどは仕事や生活に必要なので、所有することは自由です。しかし、正当な理由なくこれらを持ち歩くことは法律で禁止されています。刃物の携帯は犯罪につながるので、必要な場合に警察が取り締まることができるようにするためです。 この法律では、刃渡りが6 cmを超える刃物について、「業務その他正当な理由による場合を除いては、これを携帯してはならない」と定めています。違反すると刑罰の対象になります。 ここで「業務その他正当な理由」とは次のような意味です。 「業務」とは仕事です。例えば、調理師が包丁をカバンに入れて職場に持って行く場合は「業務のため」なので合法です。また、「その他正当な理由(それ以外の正当な理由)」とは、例えば、店で包丁を購入し、パッケージされた状態のままカバンに入れて自宅に持ち帰る場合などを指します。しかし、護身のためにナイフなどを持ち歩く行為は「正当な理由」とはみなされず、違法となります。 居酒屋のアルバイトで包丁を持って他店に行くことは仕事上の行為ではあります。しかし、新聞紙に包んだ包丁を持ち歩くと、包丁をすぐに使える状態なので、周囲から見ると非常に危険です。したがって、警察から厳重に調べられてしまいます。カバンに入れて持ち歩いても、ケースなどに入れずカバンからすぐに取り出して使える状態であれば、同じように危険なので、やはり警察から詳しく調べられる可能性があります。 なお、刃渡り6 cm以下の刃物の携帯も別の法律で規制されており、正当な理由が必要です。正当な理由なく刃物を持ち歩くと周囲に不安を与え、場合によっては警察に逮捕されます。日本では、基本的に刃物を持ち歩かない方がよいでしょう。

    2021年11月16日

  • ウーバーイーツ詐欺

    「ウーバーイーツ」をご存じですか? ベトナムの「グラブフード」などと同じようなサービスで、顧客がインターネットで飲食店の商品を注文すると、配達員が代わりに飲食店に行って商品を受け取り、顧客に届けてくれるサービスです。現在、日本では「出前館」と「ウーバーイーツ」がこのサービスの大手で、在日外国人にもウーバーイーツの配達員が増えています。しかし、本来は配達員になれない人が不正に配達員になろうとしてトラブルに巻き込まれたり警察に逮捕されたりする例も増えています。 アカウント売買詐欺 2020年夏、神奈川県で技能実習をしていたズンさん(仮名)は同僚と2人で会社から逃げ出しました。ズンさんは友人(ベトナムの送出機関の同期生)で先に失踪していたチェンさん(仮名)を訪ねて東京のアパートに一緒に住みました。このアパートはベトナム人留学生が借りており、失踪した実習生たちからお金をもらって住ませていました。 ズンさんたちは、チェンさんがしていたウーバーイーツの配達員になろうと考えました。この仕事をするには、ウーバーイーツの会社に登録して配達員としての「アカウント」を作らなければなりません。このアカウントで配達員用サイトにログインし、仕事を受注できるのです。登録するには在留カードを提示しなければなりません。しかし、技能実習生は許可された職場以外での仕事はできないので、自分の在留カードでは配達員として登録できません。 そこで、在日ベトナム人の間で配達員のアカウントのヤミ取引が行われています。ズンさんたちは、チェンさんの紹介で自称「留学生」のベトナム人2人と会い、10万円ずつ払って彼らのアカウントを購入しました。その場でログインして確かめると、確かに配達員用ページにログインすることができました。 ところが、翌日、実際に働くためにこのアカウントで配達員用ページにログインしようとすると、ログインできなくなっていました。アカウントが削除されていたのです。ズンさんだけでなく同僚とチェンさんのアカウントも削除されており、「留学生」たちとも連絡が取れなくなってしまいました。 アカウントを売って代金だけだまし取る詐欺の被害にあったのです。ズンさんは「留学生」を何とか見つけ出して代金の一部を取り返しましたが、その後、相手は再び姿をくらまし、ズンさんは残金を回収できませんでした。 警察に逮捕 他人の在留カードの写真でウーバーイーツ配達員の登録手続きをしたなどとして、大阪府警は2021年1月、大阪市に住むベトナム人男性(24)を検察庁に送りました。この男性は2020年10月、ウーバーイーツの仕事中に警察官から職務質問され、期限の切れた在留カードしか持っていなかったため、入管難民法違反(オーバーステイ)容疑で逮捕されていました。 男性はその後、入管難民法違反については懲役(ちょうえき)2年、執行猶予(しっこうゆうよ)3年の判決を言い渡されました。配達員として月15万円程度の収入を得ていましたが、最後は、強制帰国させられることになりました。 この男性も元技能実習生で、2019年に実習先の職場から逃げ出し、不法就労をくり返していました。しかし、新型コロナでアルバイト探しも難しくなり、他人の在留カードでウーバーイーツの配達員と登録していました。 まとめ 在留カードの情報を検索するアプリを配付する入管のページ ウーバーイーツは2020年末から、配達員の登録方法(アカウントの取得方法)を変更し、オンラインだけで受け付ける登録から、配達員になりたい人と実際に面談して手続きを行う方法を東京、大阪で導入し、その後、他都市にもその方式を広げています。 また、不正にアルバイトをするために、Facebookなどを通じて偽の在留カードが売買されています。しかし、最近は、入管が無料で配布しているアプリに在留カードの情報を入力すると、在留カードが本物かどうか確認できるようになっています。このため、偽の在留カードで働ける職場は限られています。 このように、失踪やオーバーステイ、不法就労をしても、お金を稼ぐことは年々難しくなっています。技能実習生や留学生は、①できるだけ少ない借金で日本に来る ②不法就労や失踪をする前に、困った状況を解決するために相談機関や支援機関を頼る――ようにしてください。 主な相談先 日越ともいき支援会 困難な状況やつらい状況になったときの相談先をいくつか紹介します。 外国人技能実習機構(OTIT) 技能実習で困ったことが起き、監理団体(受入組合)や受入会社がきちんと対応してくれない場合は、まずは外国人技能実習機構(OTIT)に相談してください。公式HPからベトナム語で相談内容を送信できます。フリーダイヤルの電話(0120-250-168)もあります。 OTITの事務所を直接訪れるのも有効です。その際、自分の在留カードをコンビニでコピーし、その紙の余白にあなたが何に困っているかを書いて持っていってください。事務所でそれを渡すと、説明が格段にスムーズになります。必要がある場合は、OTITが通訳を手配してくれます。 労働基準監督署(労基署) 技能実習生も留学生も、残業代を払ってもらえないなどの相談は全国の労働基準監督署で相談できます。ベトナム語でもいいので、労基署の名前、「申告書」というタイトル、あなたの名前、日付を紙に書き、最後に署名をして労基署に持って行ってください。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ]  全国の労基署 実績のある民間の支援団体 OTITや労基署に相談しても解決しない場合や1人でうまく相談できない場合、次のような民間の支援団体のサポートを得ることもできます。 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ]  外国人実習生支援(Facebook) =技能実習生の労働問題、雇用問題、生活問題、在留資格関連 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ]  日越ともいき支援会 =留学生や技能実習生などあらゆるベトナム人の労働・雇用・生活・就職・在留資格などに関する問題 岐阜一般労働組合 第2外国人支部 =甄凱(けんかい)支部長:090・8496・9668(日本語)=技能実習生、正社員、派遣労働者などあらゆる外国人労働者の労働や雇用、在留資格に関する問題 活発なベトナム人団体 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ]  在日ベトナム人協会(VAIJ) =生活・医療・健康に関するホットライン:050-6874-8385 [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ]  在仙台ベトナム人協会(SenTVA) [iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ]  茨城県ベトナム人協会

    2021年06月10日

  • 詐欺に注意 – 日本は絶対に安全? –

     日本は海外の人から治安が良い国だと知られていますが、そうでない面もあります。私が日本に滞在していた時、友人がノートPCを盗まれたり、自転車の盗難に遭ったりと、想定外の体験をしました。  特に「ひどい目にあった!」と感じたのは宗教の勧誘です。  ボランティア団体が開催するベトナム料理教室に参加した時のことです。解散後に参加者と歓談していたところ、40歳代の日本人女性に話しかけられました。しばらく会話した後LINEを交換しました。数日後、「食事しませんか?」とメッセージが届いたのでご一緒したところ、会話の内容が徐々に宗教のことなり、食事後に「場所を変えてお話ししましょう」と言われました。あまりにしつこいので怖くなり、その日は何とか断って帰宅しました。しかし、別の日にアパートに来て部屋のベルを何回も鳴らしたりして、それ以来ずっと不安な気持ちで過ごすことになりました。この体験を思い返すと、日本は必ずしも安全な国ではないと感じます。  日本は元号が「令和」に変わりましたし、10月から消費税率が引き上げられました。その変化に乗じて銀行員や市役所職員を装った詐欺が多発しているそうです。犯罪組織によるオンラインショップやインターネットバンキングへの不正アクセスによる詐欺のニュースも出ています。「商品受取役」「現金の引出役」「口座の売買・譲渡」のことを「アルバイトだ」と勧誘して犯罪に利用する手口では、外国人留学生が標的になりやすいため、「短時間でお金がかせげるよ」などの甘い言葉に乗らないよう警察も注意を促しています。  街頭では詐欺被害防止のため啓発ポスターの掲示や映像による注意喚起がよく行われています。日本に来て間もないベトナム人の皆さんは、聞き慣れない言葉の意味が分かる人に聞くなどして詐欺の手口を知り、被害に遭わないように気を付けて生活しましょう。

    2019年11月25日

主催者

Nhà tài trợ Bạch Kim

後援

  • 在ベトナム日本国大使館
  • 国際交流基金ベトナム日本文化交流センター
  • JNTOハノイ事務所
  • 関西経済連合会
  • 一般社団法人 国際人流振興協会
  • 公益社団法人 ベトナム協会
  • NPO法人 日越ともいき支援会

協力

JASSO(日本学生支援機構)

外国人労働者弁護団

WA.SA.Bi.