技能実習制度に関する総まとめです。技能実習で夢をかなえるために、まずは技能実習の全体像を正しく知りましょう。
<このページの内容>
働くための人気の在留資格
技能実習生の国籍と職種
技能実習の期間に注意!
送出機関と監理団体(組合)
訪日後の組合の役割
他の在留資格との違い
働くための人気の在留資格
◆日本に住む外国人(主な在留資格)
2017年
2018年
2019年
2020年
2021年
割合
総数
2,561,848
2,731,093
2,933,137
2,887,116
2,823,565
100.0
永住者
749,191
771,568
793,164
807,517
817,805
29.0
技能実習
274,233
328,360
410,972
378,200
354,104
12.5
技術・人文知識・国際業務
189,273
225,724
271,999
283,380
283,259
10.0
留学
311,505
337,000
345,791
280,901
227,844
8.1
定住者
179,834
192,014
204,787
201,329
199,288
7.1
家族滞在
166,561
182,452
201,423
196,622
190,010
6.7
日本人の配偶者等
140,839
142,381
145,254
142,735
140,987
5.0
特定技能
1,621
15,663
29,144
1.0
※2021年は6月、それ以外は12月の数字(法務省統計)
※3カ月以下の短期滞在者は含まない
日本に住む外国人は2,823,565人(2021年6月)ですが、そのうち354,104人が技能実習生で、特別永住者や永住者以外の外国人の中で最多です。
新型コロナウイルスの影響で2020年と2021年は技能実習生が減りましたが、それまでは急増し続けていました。
技能実習生の国籍と職種
◆技能実習生の国籍
国
人数
割合
総数
354,104
100.0%
ベトナム
202,365
57.1%
中国
55,522
15.7%
インドネシア
30,978
8.7%
フィリピン
28,132
7.9%
タイ
9,511
2.7%
・日本で技能実習生が多い国はベトナム、中国、インドネシアの順です。
・技能実習の職種は決まっています。受け入れが多いトップ3は建設、食品製造、機械・金属で、農業、繊維・衣服がそれらに続きます。
技能実習の期間に注意!
・技能実習には1号(1年目)、2号(2、3年目)、3号(4、5年目)があります。多くの場合、1号と2号の合計3年間、実習します。
・次の段階に移行するには検定試験に合格しなければなりません。
※1号→2号(学科+実技)
※2号→3号(実技)
・大半の職種(2021年時点で85職種)で1号から2号に移行できますが、1号の1年間しかできない職種もあります。実習生がそういう職種だと知らずに応募し、日本に行ってからトラブルになるケースがあります。3年間働けるかどうか、ベトナムで面接前によく確認してください。
・5年間働きたい人も注意が必要です。2号から3号に移行できるのは77職種(2021年時点)だけです。また、あなたの監理団体や会社が外国人技能実習機構(OTIT)から「優良」と認定されていることも条件です。
送出機関と監理団体(組合)
技能実習制度には送出機関(母国)と監理団体(日本)が関わります。監理団体は多くの場合、協同組合(通称・組合)です。これらの機関の役割と技能実習の流れを紹介します。
※少数ですが、海外にある子会社の工場労働者に日本の親会社で研修を受けさせる企業単独型の技能実習もあります。
技能実習開始までの流れ(全体)
送出機関
組合
受入会社
①候補者捜し
①求人探し
②求人
④候補者紹介
③候補者紹介依頼
⑤教育
⑤面接
⑥在留資格取得
⑦入国後講習
⑧実習開始
営業→求人→候補者紹介を依頼
・組合が受入会社に営業し、求人を探します。
・組合は求人を受け付けたら、送出機関に技能実習生の候補者の紹介を依頼します。
候補者を募集→候補者を紹介
・送出機関は常時、技能実習生の候補者を募集します。
※多くの場合、各地の有力者や教師、元技能実習生などに候補者紹介を依頼し、実際に紹介してもらったら謝礼を支払います。紹介謝礼の弊害については下記リンク先で説明しています。
[iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] こんなに違う送出機関の費用
・送出機関は、日本の組合から求人を受けたら、候補者を紹介します。
面接・採用
・候補者が集まれば、受入会社と組合(または組合だけ)が送出機関に出向いて面接し、だれを採用するか決めます。
教育→送り出し
・採用が決まった外国人に送出機関が日本語などを教育(=多くの場合、3~6カ月間)し、在留資格(ビザ)も取得してから日本に送り出します。通常、全寮制の日本語センターで教育します。
・面接合格前からしっかり教育する送出機関もあります。
入国後講習
・来日した技能実習生たちを組合が宿泊施設に受け入れ、1カ月以上、日本語や日本での生活などについて講習します。
実習開始
・それぞれの会社に行き、技能実習が始まります。
訪日後の組合の役割
技能実習が始まってからも、監理団体(組合)には次のような役割(義務)があります。
会社が技能実習を適正に運営しているかチェックし、入管に報告(3カ月に1回以上)
1年目の実習生がいる場合、会社を1カ月に1回以上訪問しチェック
技能実習生から母国語で業務や待遇、生活などの相談に乗る。
あなたが日本に行ってから、組合がこのような役割を果たさず、何か困ったことが起きた場合は、下記リンク先の記事を見て外国人技能実習機構(OTIT)や支援団体に相談しましょう。
[iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 総まとめ・ベトナム人向け相談窓口
他の在留資格との違い
家族帯同
配偶者や子どもが日本で一緒に暮らせる「家族滞在」の在留資格は得られません=技術・人文知識・国際業務や特定技能2号との違い
転職
原則として勤務先を変更できません=技人国や特定技能1・2号との違い
転職(例外)
組合や受入会社に問題がある場合は例外的に実習先を変更(転職)できます。くわしくは下記リンク先の記事を読んでください。
[iconpress id="local_1803" title="external link" style="color:#525252; font-size:22px;" ] 技能実習のトラブル解決